【二次試験】ボーダーラインの突破法〜事例Ⅲ編〜 byはっしー

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はじめに

前回から「ボーダーラインの突破法」というテーマのもと、ボーダーライン合格者である私が「ボーダーラインに乗るために実際やったこと」と「ボーダーラインを越えるためにやるべきだったこと」の比較の形で、二次試験対策を紹介しています。

前回までの記事は下記のリンクからご確認ください、

二次試験までの歩み編はこちら

事例Ⅳ編はこちら

事例Ⅰ編はこちら

事例Ⅱ編はこちら

今回は最終回「事例Ⅲ編」です!

ちなみにボーダーライン合格者はっしーの得点開示結果はこちらの通りです。

事例Ⅲで合格点以上稼げたおかげでなんとか事例Ⅳの穴を埋められたね!

結果的に4科目の中で最高得点でしたが、試験前に特段事例Ⅲに得意意識があったわけではありませんでした。

生産現場のことを全く知らないので、具体的なイメージを思い浮かべることができず、大事故を起こさないか一番心配しながら解いていました。

一方で振り返ってみると、実務経験がなくわからないことが多いので、教科書通りの解答を素直に答えられた事例であったとも思います。

また、ラスト数週間の試験までの追い込みで機械的に安定的に記述できるようになった事例でもあります。

今回は「ラストスパートの走り方」と「事例Ⅲのテクニック」の2つの観点から解説していこうと思います。

ラストスパートの走り方

まずはラストスパートの走り方に関する実際やったこと(ON THE BORDER)やるべきだったこと(BEYOND THE BORDER)です。

ON THE BORDER

  1. 当日の疲労感に体を慣らすため平日3事例、休日はセルフ模試をしていた
  2. 少しずつ実際の試験の環境に近づけていった

BEYOND THE BORDER

  1. 量をこなすことも大切だけどコンディションを崩さないように注意しよう!
  2. なるべく本番に近い環境でのセルフ模試をやってみよう!

量をこなすことも大切だけどコンディションを崩さないように注意しよう!

今年合格は無理かもしれないけど、せっかく受験料払って受験するんだし
できる限りのことはやってみよう!

二次試験の勉強を進めるうちに「来年まで1年間しっかり勉強しないと仕上げられない」とストレート合格を諦める気持ちが頭をよぎるようになりました。

しかし、「ここで諦めて適当に試験を迎えてしまったら、きっと来年の試験までもダラダラ勉強してしまうことになる」と来年のためにできる限りのことは全部やろうと一念発起しました。

(あと「受験料結構したな〜」と思いこの金額をドブに捨てるのは勿体ないという貧乏性が働いたのもあります)

ラストスパートをかけると決めた後の私の1日の過ごし方は次の通りです。

平日の勉強スケジュール

6:00 起床

6:00~6:20 朝活 事例Ⅳ(与件文読解、財務分析まで)

<午前の仕事>

12:00~13:00 昼休み 事例Ⅳ(残りの問題) ※この頃から昼食抜きの生活に切り替えていました

<午後の仕事>

18:00~19:20 自習室 事例Ⅰ〜Ⅲのうちから1科目

19:20~19:30 10分休憩 

19:30~20:50 自習室 事例Ⅰ〜Ⅲのうちから1科目

<21時で自習室が閉館してしまうため帰宅>

〜就寝まで 夕食を食べながら今日解いた事例の復習

休日の勉強スケジュール

9:40~17:20 自習室で本番と同じタイムスケジュールでセルフ模試

〜就寝まで 夜は時間が空くのでいつもより時間をかけて復習

このスケジュールを経験したことによるメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

  • 事例数はめちゃくちゃこなせる
  • 試験当日以上の疲労感を味わえる

デメリット

  • 文字を書きすぎてペンだこ&腱鞘炎気味に…
  • 復習にかける時間が圧倒的に少ない
  • すごく疲れる

予定があったり仕事の都合で完全に毎日この通り過ごしたわけではありませんが、9割はこのスケジュールに則って過ごしていました。

振り返ってみると、ものすごく燃費の悪い勉強法になってしまったと自省しています。

前回までの記事で紹介した「やるべきこと」をしっかりやっていれば、ここまでやる必要はなかったのではとも思います。

追い込みすぎることは、本番で体調を崩してしまうリスクもあります。

私が体調を崩さないように注意していたのは以下の2点です。

  • 0時までには就寝して睡眠時間6時間は必ず確保する
  • 昼を抜く分、朝食と夕食でしっかり栄養のあるものを食べる

あくまで一例なので、生活のバランス・勉強内容のバランスをしっかり取りながらラストスパートをかけることをオススメします!

なるべく本番に近い環境でのセルフ模試をやってみよう!

私はあいにく予備校の会場模試は応募しそびれてしまったので、なるべく本番に近い環境でセルフ模試を重ねることにしました。

セルフ模試とは?という方はみっきーみっきーの徹底シミュレーションの記事をご参照ください。

私の場合、自宅や居心地の良い有料の自習室では本番の環境が再現できないと思い、雑音が耳に入る公共施設(図書館)の自習室を利用していました。

机の上のセットアップもなるべく本番を意識して、本番も同じ用紙と筆記用具の使い方ができるように演習しました。

ラストスパートの演習時の私の机上のセットアップはこの通りです。

1. 問題用紙

家にプリンターがなかったのでコンビニでまとめて印刷して持ち歩いていました。

本番は冊子になっているので、横に並べて見比べができないようにわざと2ページを一枚に両面印刷で準備しました。

私が見落としていた注意点は、試験本番の紙質の違いです。

試験本番の用紙は、コンビニのコピー機の用紙よりにじみやすい用紙です。

トロオドンと同じく私もペンがにじむ問題で事例Ⅰで出遅れてしまいました。

ペンの選び方はひろしのこちらの記事を参考にしてください。

2. 解答用紙

解答用紙は100円均一の方眼レポート用紙を使用していました。

メリットは安くて手軽なこと、デメリットは問題を実際の解答用紙とは枠の大きさが違うことと文字数のカウントを自分でしなくてはいけないことです。

普段の演習はこれで十分だと思いましたが、週末のセルフ模試のときは解答用紙も印刷したほうがより再現性が高かったかとも思います。

3. 筆記用具

本番に使う予定のペンとシャープペンのみを準備しました。

(本番はマーカーがにじんでしまって急遽カラーボールペンとシャープペンに切り替えたのですが…)

4. 時計

本番で使う予定の時計を用意していました。

私が受験した会場には時計が設置されていましたが、遠くて見づらかったり設置されてない場合に備えて、時計も準備しておきましょう。

5. 電卓(事例Ⅳのみ)

こちらも本番に使う予定の電卓を用意。

万が一、当日に電卓を忘れてしまったり壊れてしまったときのためにサブマシーンとしてミニ電卓も用意していました。

(こちらも全く使えないと困るのでたまに使って慣れるようにしていました。)

6. 受験票 (届いたら)

受験票が届いたら受験票も机の上において演習していました。

受験番号を書き忘れないように最初に書く癖をつけたかったので、受験票が届いてからは実際の受験番号を解答用紙に書いてから問題用紙に触るようにしていました。

また、試験中も机の上に置かないといけないものなので、机上の使い方を考える上でスペースを確保したかったのもあります。

もし演習に受験票を使う際は、なくさないように注意して取り扱ってくださいね!

会場模試を受けられるのであれば、そこで本番の環境の雰囲気はある程度把握できます。

その際、意外とペンの持ち替えや問題用紙の見比べ、机上の紙の整理で時間が取られてしまうことがわかると思います。

模試を受ける機会がない方は、セルフ模試の時はできる限り本番の環境を再現して演習することをオススメします。

事例Ⅲのテクニックについて

次は事例Ⅲのテクニックに関する実際やったこと(ON THE BORDER)やるべきだったこと(BEYOND THE BORDER)です。

ON THE BORDER

  1. 解答の切り口・階層がブレないように注意した
  2. 解答要素の交錯・拾い忘れをしないように注意した
  3. 助言問題では踏み込みすぎずシンプルな対策案を意識した

BEYOND THE BORDER

  1. 切り口・階層の考え方は解答要素の切り分けに有用!切り口によって目線を変えて解答しよう!
  2. 解答要素はしっかりメモ!Wチェックで拾い忘れのないようにしよう!
  3. 対策案はシンプルに考えてOK!王道の対策案をチェックしておこう!

切り口・階層の考え方は解答要素の切り分けに有用!切り口によって目線を変えて解答しよう!

改善しなくちゃいけないポイントがたくさんあるのはわかるけど、
どの設問にどの解答要素を切り分けたらいいのかわからないよ…

設問切り分け問題において私が参考にしたのは、13代目のまよさんのお作法シリーズとまんさんのレイヤーです。

実際の問題用紙にもしっかりメモしていました。

(ちょっと簡略化しすぎですね)

清書するとこんな感じになります。

  1. 経営戦略
  2. 生産計画・生産統制
  3. 生産管理・生産業務

※ここからはR4事例Ⅲを例に解説しています

工夫した点は、四角で囲った数字をそれぞれの階層につけるようにしていました。

設問解釈をするときに設問の横に数字を振っていき、途中でどの切り口で解答するかブレないように注意します。

また、階層によって目線を変えて解答することを念頭におきます。

例えば、上層の経営戦略は事例Ⅲのフレームを意識しすぎずジェネラルな考え方で解答しました。

R4の第5問の例

第 5 問(配点 20 点)
C 社社長が積極的に取り組みたいと考えているホームセンター X 社との新規取引に応えることは、C 社の今後の戦略にどのような可能性を持つのか、中小企業診断士 として100 字以内で助言せよ。

日本語として読みづらい再現答案で恐縮です。

「アウトドア市場への多角化」や「海外製品が撤退した市場への参入」は企業経営理論的な考え方です。

一方で効果の方は、「売上の平準化」や「若手の育成」など生産管理上の課題を解決しうる助言にするように意識しました。

逆に下層の生産管理・生産業務に近くなるにつれて運営管理の考え方で具体的な記述を意識しました。

R4の第2問の例

課題が短納期化であることと文字数制限が120字と多めだったので、この設問は中層の生産計画と下層の生産業務の2つの階層にまたがった設問だと判断しました。

そのため、DRINKフレームワーク(データベース化、リアルタイム共有、一元管理、ネットワーク、コミュニケーション)の切り口で解答するようにしました。

金型製作が具体的によくわからなかったので3DCADを導入ではなく、既存の2DCADの情報のデータベース化による社内的な設計期間短縮を提案しました。

(他の14代目メンバーは3DCADでの顧客との打合せの円滑化(K:コミュニケーション)について書いているのでそちらの方が安全策だった可能性が高いです)

顧客との打合せの長期化について助言できていないので、CE(コンカレントエンジニアリング)で同時並行的に業務を行う(R:リアルタイム共有)ことで全体工程の短縮を提案しました。

解答要素はしっかりメモ!Wチェックで拾い忘れのないようにしよう!

※R4事例Ⅲを例に解説しています

演習をしているうちに自分が、解答要素として使おうと思っていてもいざ解答を書くときにどこに振り分けたらいいかわからなくなったり、最後まで拾い忘れてしまっているミスが多いことがわかりました。

対応策として解答プロセスに以下の工程を取り入れるようにしました。

  1. 与件文の隣に丸で囲った数字でどの設問にどの要素を使うかメモ(与件文読解の後)
  2. 骨子作成時に拾い忘れている要素がないかレ点でWチェック

例えば、第1問で使おうとしている要素の横の行に①と記入しています。

加えて第1問は「販売面」と「生産面」の2つを問われていたので数字の隣に「販」「生」と追加でメモしました。

次に骨子を作る段階でレ点で拾い忘れがないかWチェックします。

第1問と第5問は優先して解いたのでちゃんとチェックできていますが、第3問と第4問は時間がなくてこの工程を飛ばしてしまっています。

また、文字数が許す限りは解答要素の重複は気にしないようにしていました。

実際に、同じ行に①と③の両方のメモが書いてあります。

特に現状分析と助言問題の重複であれば、現状での課題を踏まえての助言という論理的が成り立つので与件文の同じ行から解答要素を拾っていても問題ないと判断していました。

第 1 問

2020 年以降今日までの外部経営環境の変化の中で、C 社の販売面、生産面の課題を 80 字以内で述べよ。

第 3 問
C 社の販売先である業務用食器・什器卸売企業からの発注ロットサイズが減少している。
また、検討しているホームセンター X 社の新規取引でも、 1 回の発注ロットサイズはさらに小ロットになる。
このような顧客企業の発注方法の変化に対応すべき C 社の生産面の対応策を 120 字以内で述べよ。

解答要素の切り分け方

第1問…加工ロットと発注ロットの不一致による在庫増加は、明らかなC社の課題なのでロットサイズについては要記述

第3問…設問文中に小ロット化について問われているのでロットサイズに関する記述はマスト

このように重複して解答要素を盛り込む必要がある設問が出題される可能性もあります。

同じ要素を重複して解答しすぎて網羅的に解答できなくては問題ですが、適切な解答をする上で要素が重複してしまうことは問題ないと判断できます。

対策案はシンプルに考えてOK!王道の対策案をチェックしておこう!

再現答案でみんな書いてるけど、この課題に対してこの対策って本当に有効なの?
でも生産現場のことってよくわからないしこのまま書いちゃおう!

という発想で曲がりなりにも王道の対策案を解答することができました。

対策案は深入りしすぎるとキリがないです。

与件文だけで読み解ける事例企業の実情には限りがありますし、全てに対して踏み込んで解答してしまうと解答欄も時間も足りません。

対策案の深入りのしすぎは、もしかしたら生産現場の実情をを知っている方が陥りやすいかもしれません。

試験対策としてある程度割り切って、王道の改善法を解答できるようにマスターしておきましょう!

対策案として使える一次知識の復習には、ベストの一問一答がオススメです。

動画で確認したい方は、夏セミナーの#6事例別あるある集もぜひご覧下さい!

今回はお土産として、キーワードレベルでの課題と対策案の一覧表をご用意しました。

演習の振り返りの参考にしたり、ファイナルペーパーに組み込んだりしてご活用いただけたら嬉しいです。

※あくまで一例となので、実際の解答は事例企業に見合った対策を選択してください。

最後に

ボーダーラインの突破法シリーズは今回が最終回です。

今まで計5回に渡ってお付き合いいただき、誠にありがとうございます。

このシリーズでは、ボーダーライン上にいた自分のリアルな声をお伝えしたい気持ちで書いてきました。

少しでも共感できたり、伸び悩んでいる状態から一歩踏み出す道筋を見出す一助になっていたら嬉しいです。

正解のない診断士試験二次試験の勉強の道のりを、模索しながらここまで歩んでこられたことは本当に素晴らしいことだと思います。

診断士試験合格までの道のりはあと少しです。

残りの期間、ご自身を労わりながらも悔いの残らないよう全力で駆け抜けていってください。

みなさんがボーダーラインを越えて合格をつかみ取れるよう心から応援しています!

明日はひろしが事例Ⅳには欠かせないあるポイントについて解説してくれるそうです!
お楽しみに!

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