【二次試験】ボーダーラインの突破法〜事例Ⅱ編〜 byはっしー

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はじめに

前回から「ボーダーラインの突破法」というテーマのもと、ボーダーライン合格者である私が「ボーダーラインに乗るために実際やったこと」と「ボーダーラインを越えるためにやるべきだったこと」の比較の形で、二次試験対策を紹介しています。

前回の二次試験までの歩み編はこちら、事例Ⅳ編はこちら、事例Ⅰ編はこちらから!

今回は「事例Ⅱ編」です!

ちなみにボーダーライン合格者はっしーの得点開示結果はこちら!

やっと合格点を超えた事例が出てきたね!

結果的に事例Ⅱは合格点を越えた科目でしたが、決して得意意識はなく9月下旬の今頃は暗中模索のスランプの日々を送っていました。

今回はそんな私の経験から「スランプへの対処法」「事例Ⅱのテクニック」の2つの観点から解説していこうと思います。

スランプへの対処法

まずはスランプへのアプローチに関する実際やったこと(ON THE BORDER)やるべきだったこと(BEYOND THE BORDER)です。

試験1ヶ月ちょっと前のこの時期の自分は、ものすごいスランプでした。

何をしたらいいかわからないし、やる気も出ないよ…

といった気持ちで日々を送っていました。

振り返ってみると、次のような要因でスランプになっていたのではないかと思います。

  • 合格ラインと比べた自分のポジション(出来映え)がわからない
  • スタートダッシュで吸収すべきことは一通りやった気になって燃え尽きた
  • 今の解答プロセスが自分に合っているのか変わらない

そんな状況下からいろいろと模索し足掻くことで、なんとかスランプから脱しラストスパートに向けてモチベーションを戻すことができました。

スランプを脱するのに有効だったこと」と「こんな手段もあったのではと思ったこと」について解説しようと思います。

ON THE BORDER

  1. 同じ事例をもう一回解いてみて、前に解いた時と解答の出来栄えを比較した
  2. 一次試験の教材にもう一度目を通した
  3. 今までとは違う解答プロセスを試してみた

BEYOND THE BORDER

  1. 自分の解答だけでなく高得点者の解答とも比較してみよう!
  2. 一次教材だけでなく最初に読んだ二次教材ももう一回読んでみよう!
  3. 解答プロセスは試行錯誤して自分流を見つけよう!

自分の解答だけでなく高得点者の解答とも比較してみよう!

この頃に、二次試験の勉強を始めて当初に解いた年度と同じ年度の事例を解いてみました。

そして、以前の自分の解答と今の解答を比べてみる復習をしていました。

前よりは書けるようになってるじゃん!

と、前より良くなったところを見つけてあげるようにして、モチベーションを上げるようにしていました。

私の実例は下記をクリックしてご確認ください。

はっしーの平成28年事例Ⅱの例

第3問
B年前に開業した直営店併設の飲食店は、売り上げが好調である。
B 社が飲食店を直接経営することによって、どのようなメリットと効果を得られるか。
売り上げが向上すること以外のメリットと効果について、100 字以内で説明せよ。

before

after

主語を頭に持ってきたおかげで読みやすい文になったね!
接続詞を削ったり文字数を上限まで書くことで、ターゲットの要素を足すことができたね!
因果を意識して書けるようになった!

ここでは、自画自賛でベタ褒めして自分の成長を認めてあげると良いと思います。

それに加えて、高得点の再現解答と比較して目指すべき到達点も視野に入れて自分の「出来栄え」を把握することもやっておくべきだったと思います。

再現解答は、ふぞろいの書籍やAASのみんなの再現答案が、点数も併記されているのでオススメです。

これをすることで自己満足に止まらず、さらにどんな伸びしろがあるのか把握できると思います。

一次教材だけでなく最初に読んだ二次教材ももう一回読んでみよう!

この時期に、一次試験対策で使用していたStudyingの講義動画をもう一回見直していました。

これにより、二次試験対策一辺倒になっていて忘れてしまっていた一次知識を思い出すことができました。

また、二次試験の勉強をある程度したうえで一次知識を復習することで、一次と二次の関連性を理解できました。

それに加えて、二次試験勉強初期に使った教材を復習するのもやってみれば良かったのではないかと思いました。

演習を重ねた上で読み直せば、ゼロの状態で読んだときには気づかなかった新たな発見があるかもしれません。

私の場合、レイヤーやフレームワークの考え方自体は勉強を始めた当初から知ってはいましたが、きちんと理解できたのは演習を繰り返してからでした。

二次試験の勉強には、インプットとアウトプットのバランスをとることも有効だと思います。

解答プロセスは試行錯誤して自分流を見つけよう!

私の場合、解答骨子はメモレベルの至ってシンプルな構成にしていました。

「解答骨子とは?」という方は13代目のこちらの記事をご参照ください。

このスランプの時期に模索して以下の方法を試してみました。

① 解答用紙に書く前に完全な解答の下書きを作成する。

② なるべく与件文から引用して解答する。その際引用する文字数をカウントして骨子に組み込む。

③ 骨子も下書きもなしで書きながら文字数を調整して解答する。

①と②は、80分では全問解答する時間が足りなくなってしまい断念しました。

③は、文字数を節約しようとしすぎて取り入れたかった要素を入れられなくなってしまったり、逆に要素を書きすぎてしまって解答が設問で重複したり書き直しが必要になるリスクがありました。

最終的には、設問の内容や解答にかかりそうな時間を見越して①②③の要素を織り交ぜながら、自分流の解答プロセスに辿り着きました。

スランプに陥ったら良い機会だと思って、いろいろな解答プロセスを試してみることがオススメです。

その上で、自分に合った解答プロセスを編み出すのが二次試験攻略に有効です。

事例Ⅱのテクニックについて

次は事例Ⅱのテクニックに関する実際やったこと(ON THE BORDER)やるべきだったこと(BEYOND THE BORDER)です。

ON THE BORDER

  1. SWOT分析は徹底的にマーキングした
  2. 顧客や協業先、競合店など解答に使えそうな外部要因は注視した
  3. 「だなどこ」フレームワークで「効果」を必ず書くようにした

BEYOND THE BORDER

  1. SWOTに加えて「社長の思い」も意識しよう!
  2. 具体的な外部要因は時系列による変化も意識しよう!
  3. 「効果」は提示された課題を解決できることに意識しよう!

SWOTに加えて「社長の思い」も意識しよう!

どの事例もSWOTはマーキングしていましたが、事例Ⅱは特に徹底的にマーキングしていました。

令和4年度 与件文マーキングの例

色分けはせずに下線の横にアルファベットを書いてマークしていました。

事例Ⅱでは、直接的にSWOTが問われることもありますし、SWOTの考え方をベースに解答する必要があるからです。

助言問題は特に強みを活かすことを意識して記述するようにしていました。

加えて慣れてからは「社長の想い」もマークするようにしていました。

令和4年度 与件文マーキングの例

星をつけてあるところが「社長の想い」です。

「社長の想い」を意識すると助言の終着点がわかりやすくなり、設問を通して一貫性のある解答が書きやすくなりました。

特に後半の問題は事例企業の未来を見据えた助言問題が多いです。

「社長の想い」は裏制約条件だと思って、寄り添った解答をすることで解答の方向性がブレることを防げると思います。

ここから先は二次試験には直接関係ありませんが
先日まで実務補習を受講して実際に企業診断を経験して感じたことです

実務補習で感じた「社長の想い」を汲み取ることの大切さ

実務補習でこの「社長の想い」を汲み取る姿勢が大切だと痛感しました。

実際に診断や提言をしていると、厳しい現実や言いづらいことを指摘しないといけないシーンもあります。

しかし、私が訪問した中小企業の社長の皆様は、将来ありたい姿ややりたい事などの「想い」を持っていました。

こういった「想い」をヒアリングしていると、必ず価値のある提言にしなくてはいけないと身が引き締まる思いでした。

チームで提言書を作成する際にも、事業の将来図や理想など「社長の想い」を実現するような内容にすると考えがまとめやすく、相手にも伝えやすいです。

実務にもつながる考え方なので、ここでマスターしておくことをオススメします!

外部要因は時系列による変化も意識しよう!

顧客や協業先、競合店など解答に使えそうな外部要因は注視してマーキングするようにしていました。

与件文中に具体的な顧客層が明記されているので、ターゲットはこの顧客から拾ってくるよう心がけます。

また、協業先や競合も具体的な描写であることが多いです。

マーキングするだけでなく、それぞれの強みや弱みがどこにあるのか意識して与件文読解をすると良いと思います。

例えば、協業先の強みは自社の強みと相乗効果があるはずです。

逆に弱みは自社の強みで助けられる領域かもしれません。

競合の強みは脅威なのでいかに差別化するか意識し、弱みは自社が展開できる領域かどうか検討します。

さらに、今後その外部要因がどう変化していくのかも意識できるともっと良いかと思います。

全ての外部要因に時系列の描写があるわけではないので、与件文中に詳しい描写がある重要度の高いものだけで大丈夫です。

例えば、ターゲットとするのは今後減少する顧客層よりは、今後増加する見込みのある顧客層が好ましいです。

しかし、増加傾向の顧客が大手競合に吸収されているのであれば、「大手とどう差別化するか」「減少傾向の市場でどう事業継続するか」などが助言に盛り込めると思います。

こういった踏み込んだ助言をするためには、外部要因の傾向を把握することが必要です。

「効果」は提示された課題を解決できることに意識しよう!

「だなどこ」とは「だれに」「なにを」「どうやって」「効果」の順で解答を記述するフレームワークです。

詳しくはこちらの記事がわかりやすいので、ぜひご参照ください。

私は、このフレームワークを知るまでは解答に効果を盛り込むことができていませんでした。

効果まで書くことで因果の構成が生まれるので、事例Ⅱ攻略のためにはぜひとも「だなどこ」をマスターしていただきたいです。

さらに効果は課題を解決しうる内容なのか意識するともっと良いと思います。

はっしーの令和4年事例Ⅱの例

第2問
B社は、X県から「地元事業者と協業し、第一次産業を再活性化させ、県の社会経済活動の促進に力を貸してほしい」という依頼を受け、B社の製造加工技術力を生かして新たな商品開発を行うことにした。商品コンセプトと販路を明確にして、100字以内で助言せよ。

「地元事業者と協業し、第一次産業を再活性化させ、県の社会経済活動の促進に力を貸してほしい」という課題を効果が解決しうるのか評価します。

この解答は、自己評価ではある程度は整合性がとれたのではないか思います。

畜産業社と協業・地元の販路・地元経済を発展させる第一次産業の活性化・県の経済活動の促進につながるという考え方が成り立ちます。

第4問
B社社長は、新規事業として、最終消費者へのオンライン販売チャネル開拓に乗り出すつもりである。ただし、コロナ禍で試した大手ネットショッピングモールでの自社単独の食肉販売がうまくいかなかった経験から、オンライン販売事業者との協業によって行うことを考えている。(中略)B社はどのようなオンライン販売事業者と協業すべきか、また、この際、協業が長期的に成功するためにB社はどのような提案を行うべきか、150字以内で助言せよ。

協業が長期的に成功する」という課題に対して効果が解決力を有するか考えます。

整合性が全くないわけではないですが、課題に対する効果の繋がりがちょっと弱いと見受けられます。

まだ文字数があったので「協業が長期的に成功する」につながるような効果を解答すべきでした。

例えば「両者の強みを生かして共存共栄」「定期購入による固定客化」のような要素を盛り込んでいれば、もっと得点できたのではないかと思います。

試験中に考えるには、難易度の高い考え方かもしれません。

(自分で言っておいて、自分が80分でここまで考えられるのかはかなり怪しいです。)

まずは確実に「だなどこ」をマスターして、その上で課題と効果の整合性を意識していくと良いと思います。

最後に

最後までお読みいただきありがとございます!

今回は事例Ⅱのボーダーラインの突破法について書かせていただきました。

この時期に伸び悩みを感じている方も多いかも入れません。

スランプだと思えるということは、それだけ見る目が養われた、前進してきた証です。

ここを乗り越えれば二次試験合格はもう目の前です!

次回は最終回「事例Ⅲ編」を予定しています。

明日はひろしとおばちゃんの登場です!
お楽しみに!

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