【勝手に推定版】アのとき歴史が動いタリヤン ~労働基準法 働き方改革編〜 by 一蔵

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一蔵
一蔵

おやっとさぁ

みなさんこんにちは。一蔵です。

今回は、前回につづいて2019年に施行された「働き方改革関連法案」を題材としていきます。

2023年問題・2024年問題とは?~中小企業の労働時間と賃金について~

「働き方改革」については、14代目Takeshiさんの「2023年問題・2024年問題とは?~中小企業の労働時間と賃金について~」で取り上げられていますが、この2024年4月の施行が働き方改革の総仕上げとなっています。

集大成となる今回、「働き方改革」の重要論点である「時間外労働の上限規制」と「同一労働同一賃金」について、”あのとき歴史が動いた”と”アタリヤン”シリーズの折衷テイストでまとめていきたいと思います!

「アタリヤン」覚えてくれていますか?あまり頻出論点とはされていない「ノンコア」領域に焦点を当てた記事で「アタリがつく」程度の知識を残してもらうことを目的とした記事です。

ネーミングには賛否両論あると思いますが、ぼくはとても気に入っています。

イタリアン

新潟のご当地B級グルメ「イタリアン」ではありませんよ。

(ぼくの奥さんは長岡出身なので、帰省するたびに食べてますw おいしいですよね♪)

マ・マー、人生これからだってのに、やっちまった🎵
パスタ作っちまったよ~🎵 

ボヘミアン
ボヘミアン

(いえ、これは焼きそばです)

ぼくはもう1年近くイタリアン食べていませんが、先日、サトシが食べたよと報告をくれました。

皆さんも長岡(新潟)に行ったら、ぜひイタリアン食べてみてください🎵

電車に乗っているだけで、気力も体力も回復

サトシ(電車に乗ればべホミアン)
サトシ(電車に乗ればべホミアン)

さて、今回は「あのとき歴史が動いた」シリーズの第4回と「アタリヤンシリーズ」の第3回を兼ねた記事として、コアとノンコアをまぶしつつ「働き方改革」を整理していきますので、気軽に流し見していただき、「アタリがつく」程度の知識を残してもらえたらと思います。

(しかしタイトルが混んでる。。。)

それでは、さっそくいってみましょう!

2つの事件(出来事)

ぼくは、とある2つの事件(出来事)が2019年に施行された「働き方改革関連法」につながっていったと考えています。

何かきちんと調べたわけでも誰かが言っていたわけでもなく勝手に推定している(思い込んでいる)だけですが、”物事には流れがある”という視点で「点と点を繋いで」いくと物語ができあがっていくと思います。

2つの事件(出来事)

  1. 1990年半ばから2000年半ばまで約10年に及ぶ「就職氷河期」
  2. 2015年に起きた電通の過労自殺事件

2番目の事件については、一人の親として語り出すと止まらなくなりそうなので、あくまで出来事として触れるにとどめます。

就職氷河期

歴史的な動きに生物が左右されるのはごくあたりまえの話ですが、直接影響を受け、かつそれがぼくたちの人生に大きな影響を与えた「就職氷河期」を導入部のテーマとして取り上げていきます。

導入のおちゃらけから一転、シリアスな展開ね

テト
テト

正規と非正規

正規と非正規という雇用区分の仕方、すっかり定着していますが、国際的にみると、いわゆる”ガラパゴス”で世界の常識ではないって知っていますか?

正規にあらずってけっこうひどい言葉ですよね。

元々でいえば、フルタイムとパートタイムじゃないですかね。または、正社員と契約社員。

前者は、一日の中でフルに働く人とパート的に働く人という時間的な区分。後者は、組織の一所属員となって働く人と”有限な仕事”に有期で雇用される人という期間的な区分

正規とか非正規とかじゃなくて、具体的な「違い」があって存在していた区分ですが、今では正規と非正規という分け方が市民権を得てしまっています。

天下一品のあっさり

ここもたくさん話したいことあるんですが、診断士ブログであることを意識しまくって天一のアッサリテイストで進みますね(ぼくはコッテリ派)。

正規と非正規って言葉から分かるように明らかな差異がありますよね。
しかし、たとえば欧州では、フルタイムかパートタイムかで身分や処遇が異なるという考え方はなく、何の仕事をしているか、あくまでジョブが中心

仕事が同じであれば、時間の長短はただそれだけの問題であって、どうして身分や処遇が異なるのか頭を悩ませます。

Why ジャパニーズぴーぽー??

ピラリヤン
ピラリヤン

今でこそ、女性の活躍推進が定着しつつありますが、以前は男性は仕事、女性は家事というジェンダー差が顕著でしたね。

当時は非正規ではなくパート(タイマー)という言い方で、多くの場合、女性が家事や育児と両立して働ける時間だけ働くという働き方を指していました。または、学生が学業と両立して働ける時に働くという形(アルバイトといいますね)。

諸条件としては、上表のような(一般的な)差異がありましたが、パートはあくまでもその仕事を主としない人たちが都合良く働く手段であったため、諸条件はあまり問題とならなかった

差別でもなんでもなく、そういう働き方があった。労使共に便益がありました。

日本版非正規雇用

ところが、バブルがはじけた後、企業はこれを全くもって自分たちの都合の良い形に変えていきます。

具体的にいえば、前述の差異に注目しました。

日本では解雇のハードルが著しく高く、人件費=固定費となってしまうことから、変動費化する目的で、これまで正社員にやらせてきた仕事をパート社員、契約社員などという身分の従業員にシフトさせていきました

逆にいうと、シフトできるような仕事を正社員がやっていたともいえます。
前回登場した「マニュアルワーカー」というものですね。もともと、正社員といってもその多くはマニュアルワークを担っていたんです。

この人たちをもっと自分たちの都合の良い形で雇用できないか、つまり、

  • 人件費を変動費化できないか
  • 人件費をもっと安くできないか
  • 人件費を固定化(賃上げしなくていい)できないか

という需要を満たす形で、パート社員の諸条件に目をつけた。

結果、1990年代半ばから2000年代半ばまで、のちに”就職氷河期”といわれる時期に、「フルタイムなんだけど、諸条件はパートタイム」という日本版非正規雇用が大流行してしまったんですね。

これがまたデフレに輪をかけて、「失われた20年、30年」という展開につながってしまうことになる。

この展開で特に問題なのが、同じ仕事をしているのに「すでに”正社員”である人」と処遇が全く異なること。

既得権者か否かによって人生が全くの別物になってしまうことを当時の経済情勢の中、国も黙認してきたということです。

ところが、次第に事の大きさが分かってきた。
経済政策上もネガティブな影響が大きいうえに、少子高齢化に一段と拍車をかける展開となってしまいました。

解雇権の問題は大きすぎて容易に手をつけられないことから、変動費化する手段として非正規化を黙認してきたが、非正規は有期雇用というだけでなく、その他の諸条件も悪く、結婚して家族を支えるということが到底できない

若者が結婚できない。家庭を作らず、子供も生まれない。

そこで国は遅まきながら(本当にほんとうに遅まきながら)、正社員化に向けて政策の舵を切って行くことになります。

無期転換ルール(労働契約法の改正)

まず最初にやったことが2013年施行の「労働契約法」の改正、いわゆる「無期転換ルール」の導入です。

さて、ここで診断士試験に必要なレベルで、「無期転換ルール」についておさらいしておきましょう。

Q1. 無期転換とは?

 こたえ

有期雇用として活用する道は残しておきながら、5年を超えたら労働者側の一方的な意思に基づき無期雇用に転換できるようにしました。

実際には、「(雇い続けてもらえるだろう、という)期待権」の問題があったりして、5年の間も契約満了による雇い止めが易々とできるわけではないんですが、この辺は割愛します。

同一労働同一賃金

つづいて行われたのが「働き方改革」の一つ、「同一労働同一賃金」です。

前置きの話があるので分かりますね。既得権者との処遇差異の是正にようやく切り込んでいきます。

社労士的にコア、診断士的にノンコア領域ですので、アタリがつくレベルで「均等待遇」「均衡待遇」の違いについて見ておきます。

Q2. 均等待遇とは?

 こたえ

Q3. 均衡待遇とは?

 こたえ

ちなみに、これに反していたとしても罰則はありません

そもそも均等待遇が必要か均衡待遇が必要か、個別ケース毎に実態に基づいて判断していくことになりますので、争い(裁判)の結果の積み上げで判断基準ができあがっていきます。

いつでも雇い止めができるという有期雇用のメリットが失われていく、処遇の差異が認められなくなっていけば、非正規にする意味がなくなっていきますので、結果的に正社員化が進むということになります。

政策的に放置されてきた世代が40代になって、ようやく正社員化に向けた取り組みが行われています。人手不足の深刻化も相まって、正社員になれた人たちもいると思いますが、その世代の人間としてわだかまりがありますね。

そもそも40代になってから正社員化の道を開いたところで意味あるの?という意見もありそうです。
特に、一個人の立場で考えたとき、すでに職業生活の半分以上を非正規という扱いで過ごしてしまっているため、今さら感があります。

でも、国の立場でいえば意味があるんです。
そう、ただいま人手不足ですから。

ぼくも一企業の人事企画を担当しているので、政策側の立場は理解しているつもりであえていってしまいますが、

女性の活躍に道を開く、
高齢者が元気に働き続けられる環境を作る、、
③政策的に放置してきた非正規に正規化の機会を提供する、、、

文脈は同じです。人手が足りないんです。

いつもの高尚(苦笑)なギャグが少ないね

ジジ
ジジ

時間外労働の上限規制

2015年に起きた電通の過労自殺事件を覚えていますか?話題性も含めて大きな一石を投じることとなった事件です。

その3年後、働き方改革関連法として時間外労働の上限規制が導入され、大企業は2019年4月中小企業は2020年4月から施行されています。

時間外労働の上限規制については以前の記事を振り返ってから見ていただくことをオススメします。

あのとき歴史が動いた ~労働法規の変遷その2〜 by 一蔵

青天井を維持しつつ規制を作っていった国の政策も転換期を迎え、この働き方改革でついに上限(天井)を設定し、かつ罰則も設けています

ここで、2019年、2020年に施行された上限規制について労働時間の原則を踏まえつつ振り返っておきましょう。

Q4. 法定労働時間の上限は?

 こたえ

Q5. 1日の労働時間が何時間を超えると休憩を与えなければいけない?

 こたえ

Q6. 6時間を超えた時に与えなければならない休憩時間は?

 こたえ

Q7. 1日の労働時間が8時間の時、与えなければならない休憩時間は?

 こたえ

Q8. 36協定を締結すれば月間、年間それぞれ何時間時間外労働をさせることができる?

 こたえ

Q9. 36協定に特別条項をつける場合に新しくできた上限時間は?

 こたえ

Q10. 上限時間を超過すると罰則はあるの?

 こたえ

どうでしょうか。
ここでちょっと目をつむって時間外労働の上限規制が導入されるまでの経緯、さまざまなプレーヤー、事件、背景を振り返ってみてください。

歴史として、線として、理解が深まるのみならず、自分なりの意見というものが出てきませんか?

それだけ、労働法との距離が近くなっているということだと思います。

健康経営の走りとなる改正、のつづき(2023年)

前回の記事で、2008年の改正について触れました。月60時間を超える時間外労働について割増賃金率を5割以上へ引上げるというものです。2010年に施行されていますが、中小企業は適用が猶予されていました。

これが2023年4月1日付で中小企業にも適用されています。

去年の改正論点ですが、企業経営理論で出題されるかもしれません。

設問

月60時間を超える時間外労働については割増賃金率を5割以上とする必要があるが、中小企業についてはその限りではない。

これは×ですね。2022年までであれば○ですが、2023年以降はもう規模に関係なく、月60時間超の時間外労働は割増賃金率5割以上となっています。

時間外の上限規制が免除されていた特定業種の猶予期間終了(2024年)

さあ、2024年4月1日に施行された改正点です。

産業の要である「物流」にかかわる改正点であり、中小企業にとっても影響が大きいことから、出題される可能性はあるのではないかと思っています。

時間外労働の上限規制の適用が猶予されていた建設業・自動車の運転業・医師等について、2024年4月1日からは他の業種と同様に上限規制の一般則が適用されました。


ただし、建設業の「災害の復旧・復興の事業」については、月100時間未満、複数月平均で80時間以内の上限は適用されません(覚える必要はありません)。

また、自動車運転業は、特別条項付き36協定を締結する場合の年間の時間外労働の上限が年960時間となります。

(上限規制が物流にも適用になったが、通常と上限時間が異なるということだけ押さえておけばOKです。)

また、一般の業種と異なり、時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内とする規制及び、時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月までとする規制は適用されません。

厚生労働省/時間外労働の上限規制(わかりやすい解説)

この辺の時間や規制の細かい相違は覚えなくて大丈夫です。
(逆に、企業経営理論がバクダン化することがあれば、この辺は差を生む論点になるかもしれませんね。)

覚えておいてもらいたいのは、「建設業」や「自動車の運転業」に時間外労働の上限が適用されたということだけです。

設問

時間外労働には1ヶ月や1年間といった期間ごとに上限が定められているが、建設業と自動車の運転業についてはこの規制が猶予されている。

これは×ですね。

基本的な覚え方としては、

「働き方改革」については2024年4月で一応の完成を見た=特定業種や企業規模等に基づく経過措置はもうないはずだ、

という形で頭に入っていれば大丈夫です。

おわりに

一蔵
一蔵

ここまでお読みいただきありがとうございました

どうでしたか。4回にわたる記事を読破いただいた読者の方は、労働法では点数が取れそうだなと感じていただけたのではないでしょうか。

労働関連法規としては、雇用保険法や健康保険法など労働基準法以外からも出題されますので、あくまでその一部しか取り上げられていませんが、1次試験対策だけではなく、特に診断士になった後に振り返って読んでいただく価値があるのではないかと思います。

そうはいっても、まずは目先の1次試験ですね。
あと3週間。これまで積み上げてきた努力を信じて、残す時間も悔いのないよう全力を尽くしてください🎵

受かる!!!!!
やり切れる!!!
ワクワクしよう!

ポジ蔵
ポジ蔵

読者の皆さん、今日も勉強頑張ってくださいね!

一蔵
一蔵

明日はかます博士の日です♪

直前におさらいしておいて良かった論点の一つ!
運営管理の販売分野を自身の営業経験とも絡めて見ていきます!

かます博士
かます博士

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【勝手に推定版】アのとき歴史が動いタリヤン ~労働基準法 働き方改革編〜 by 一蔵”へ2件のコメント

  1. ばや より:

    いつも有益なブログの更新、本当にありがとうございます。とても参考になり、本試験に向けて心強くもあります。
    一蔵さんの「働き方改革」の投稿、深く頷きながら読まさせていただきました。
    自分もいわゆる「就職超氷河期世代」 自分しかり、周囲の人しかり、その影響を直に感じながら生きてきた一人です。
    今、社会的にもそこがクローズアップされている時に、診断士試験という形で向かいあっている事に不思議な気持ちでもあります。
    ブログの内容を存分に参考させていただきつつ、ラストスパート、頑張ります!

    1. 一蔵 より:

      ばやさん、一蔵でございます。
      コメントありがとうございます。

      “自分しかり、周囲の人しかり、その影響を直に感じながら生きてきた”、胸が詰まります。

      他の世代なら経験する必要のないような苦労や努力もあったのではないかと思いつつ、
      私自身、今ではそういう経験をしてこれたことをポジティブに受け止めるように努めています。

      ばやさんも診断士試験に臨まれるまでのストーリーの中に、たくさんの強みをお持ちになっていると思います。
      あと1ヶ月を精一杯楽しんで、最大限の努力を詰め込んで、試験本番に臨まれることをお祈りしています。

      試験直前の次回の記事では、一年前の私の1次試験までの出来事をまとめていますので、
      是非お読みいただき、何かしらの参考、または息抜きになれば嬉しいです。

      ばやさんの残り1ヶ月を私も全力で応援しますので、ラストスパート頑張ってくださいね!

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