【2次初心者向け】設問解釈の始め方 by ひろし
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お知らせ
ひろしです。
お盆休みも終わり、2次試験ムードが全開な今日この頃です。
今回も2次試験のお話です!
🍉夏セミナー動画公開中🍉
14代目の2次試験合格ノウハウをギュッと詰め込んだセミナーになっています。
今回は動画での公開なので、いつでも、どこでも、何度でもご視聴いただけます!
2次試験合格を目指すすべての方を応援する内容ですので、夏休みのお供にぜひご視聴ください!追加コンテンツも準備中です!!
誰かが答えを導いてくれたらいいのに
本日は、2次試験の勉強方法がわからず彷徨っていた私が考え出した(?)、ちょっと変わった勉強方法のご紹介です。手間かかるやり方ではありますが、二次試験の解答がうまくできずに困っている方の参考になれば幸いです。
それでは始まり始まり~
ちょうど一年くらい前、2次試験の解き方が全くわからないひろしはこんなことを考えておりました。
2次試験どうやって答え埋めたらええかわからん・・・。
そんな迷えるひろしを正しい道に導くために、ある日キャラの濃い天使が舞い降りました。
どないしたんや、兄ちゃん?
2次試験、どうやって解いたらええかわからん
まず、設問解釈しなはれ
どうやって設問解釈したらええかわからん
解答方法が定まらん・・・
難儀な子やな・・・
誰かが解答方法を導いてくれたらええのに
2次試験における設問解釈の重要性
80分という限られた時間で4~5問の記述問題を解くために、どのような解答プロセスを使うか、というのは非常に重要です。
動画セミナーでも紹介した通り、多くの道場メンバーは2次試験事例Ⅰ~Ⅲを解くときに以下のようなプロセスつかって、2次試験を解答していました。
解答準備
解答用紙に受験番号を記入したり、問題用紙を破ってメモ用紙を作成したりする。
設問解釈
設問分を先に読み、解答の大まかな構成や方向性を考える。ここで、制約条件を確認したり、与件文で抜き出す要素を推測したりする。
与件確認
与件文を読む。設問解釈で推測した解答要素になりそうな項目にマークをしていく。
解答骨子作成
設問解釈で準備した解答の構成や与件文でマークした箇所をもとに解答の骨組を作る。
解答記入
解答骨子をもとに、字数に合わせて解答用紙に解答を記入する。
ただ、私は2次試験勉強の最初のころ、このプロセスをとろうとしても全く筆が進まず、何をすればよいかわからない状態でした。今、思えば設問解釈が十分にできておらず、与件の何を読み取ればよいのかわからなかったり、適切な解答骨子が作れていなかったように思います。
そんなとき「基礎問題みたいなもっと簡単な問題があればいいのに」と考えていました。
もし誘導問題があったなら
話は少し脱線して、事例Ⅳのお話です。まずは実際の過去問から見てください。
令和2年度 中小企業診断士試験 事例Ⅳ 第2問 設問1
この問題を見て「なんのこっちゃ?」って方もいらっしゃるかと思います。きちんと情報を整理しないと、解法手順がでてきません。
(正直、この問題はまだわかりやすいほうです。NPVの問題などはもっと情報量が多い問題が出てきます。)
でも、もし問題がこんな形で出題されたら、解答方法を見つけやすいのではないでしょうか?
設問1-1:売上高60百万円のときの変動費率を求めよ。
設問1-2:変動費率の水準が変わる売上高のとき、利益(損失)はいくらか求めよ。
設問1-3:変動費率60%のとき、設問1-2の金額を確保するために必要な追加の売上高はいくらか答えよ。
設問1-4:設問1の解答を求めよ。
ちなみに、上の設問1-1から1-4の解答はこちら。
設問1-1:
39百万円 ÷ 60百万円 = 65%
答え:65%
設問1-2:
変動費率の水準が変わる売上高は70百万円。
70百万円 × (1-65%) – 28百万円 = ▲3.5百万円
答え:▲3.5百万円の損失
設問1-3:
3.5百万円 ÷ (1-60%) = 8.75百万円
答え:8.75百万円
設問1-4:
70百万円 + 8.75百万円 = 78.75百万円
答え:78.75百万円
こんな風に、問題を解く手順やヒント示す問題を「誘導問題」といいます。数学のテストでよく出てくるやつですね。段階的にプロセスを踏むことができるので、解答の手順が整理しやすく、部分点もとりやすくなります。
事例Ⅳでは計算過程を書かせる問題が多いですが、情報をきちんと整理して、このように手順を1つずつ踏んでいくことで計算がしやすくなります。
2次試験は国語のテスト?
先ほどの誘導問題は高校の数学のテストから思いつきました。
一方で、勉強会で先輩から「2次試験の事例Ⅰ~Ⅲは国語のテストに似ている」と言われたことがあります。さやは「国語のテストと似て非なるもの」と言っていましたが、記述問題は近しい部分があると私は考えています。
国語のテストってどんな問題がでたっけ?って昔を思いだしてみると、ちょうど2次試験の出題形式のような「~字以内で説明せよ」とか「~字以内で要約せよ」とか以外に、「~字以内で抜き出せ」とか「当てはまる選択肢とか選べ」とかがありました。
前者よりも後者のほうが比較的簡単な問題となります。
ある日、先ほどの事例Ⅳみたいに
事例Ⅰ~Ⅲにも誘導問題みたいな簡単なのがあったらええのに
と考えたことがあります。(さっきも言ってましたね。)
そうすると、こんな声が聞こえてきました。(悩んでいた私には天啓が舞い降りたように感じたのです。)
なければ作ればいいええんちゃう?
確かに。
誘導問題を作ってみよう
そう。誘導問題がなければ自分で作ればよいのです。
思い立ったが吉日、まずは実践です。
令和4年の事例Ⅰ 第1問の誘導問題を作ってみます。(ネタバレにはご注意ください。)
(問題はこちらからPDFでダウンロードできます。)
令和4年度 中小企業診断士試験 事例Ⅰ 第1問
通常であれば、「与件文から時制に沿ったA社の強みと弱みを探して要約する」というプロセスです。でも、これを無理矢理分解して誘導問題のようにしてみましょう。
「A 社が株式会社化(法人化)する以前において」という制約条件があるので、まずこの条件に当てはまる箇所を探す必要があります。
そして、上記の制約条件に当てはまる箇所から「強みと弱みを分析」するのですが、先ほどの国語のテストの例を踏まえて、少し簡単にしてみましょう。
「分析せよ」→「抜き出せ」
そして、最後に抜き出したものを100字以内でまとめれば解答できます。
問題の形式に書き換えてみると、こんな感じでしょうか?
設問1-1:株式会社化する以前のA社の特徴について、情報が記載されてる段落を複数選べ
設問1-2:設問1-1で選んだ段落から、A社の強みを20字程度で2~3点抜き出せ
設問1-3:設問1-1で選んだ段落から、A社の弱みを20字程度で2~3点抜き出せ
設問1-4:設問1-2、1-3を踏まえて、100字以内でまとめよ。
設問1-2、1-3で「それぞれ2~3点」と言っているのは、一つの要素につき20~30字くらいで記述することを前提に合計100字でまとめることを想定しています。
こうやって誘導問題を解きながら解答の手順を踏んでいくと、今まで書きにくかった解答のマス目が埋まりやすくなりませんか?
第2問も同様にやってみましょう。
令和4年度 中小企業診断士試験 事例Ⅰ 第2問
新規就農者の獲得と定着のための施策について聞かれていますが、そもそも何が「獲得」と「定着」の問題点になっているか、本文から探します。
すると、
- 新規就農者を獲得するにあたり、問題となっている点を抜き出せ
- 新規就農者を定着させるにあたり、問題となっている点を抜き出せ
という誘導問題ができます。
また、この問いでは「施策」が問われているので、ただ抜き出すだけでなくそれぞれの問題点に対して解決策を提案する必要があります。
- それぞれの問題を改善させるための施策を答えよ
また、この問題が助言問題となっているので、最後に「期待効果」を提案してあげると収まりがよくなるでしょう。
- 施策によって得られる効果を含め、100字以内でまとめよ。
問題形式にまとめるとこんな感じですね。
設問2-1:新規就農者を獲得するにあたり、問題となっている点を抜き出せ。
設問2-2:新規就農者を定着させるにあたり、問題となっている点を抜き出せ。
設問2-3:それぞれの問題を改善させるための施策を答えよ。
設問2-4:設問2-1~2-3を踏まえて、施策によって得られる効果を含め100字以内でまとめよ。
このような形で誘導問題があると、今まで雲をつかむように曖昧だった解答のみちすじが少し見えてきたように感じませんか?
誘導問題の成果は?
こんな問題、全年度・全事例作ったん??
いや、1年分くらい。
途中で力尽きた。
僕と一緒だね
2次試験が全く解けないときは、本気で全年度分作ろうかと考えました・・・が、途中で必要なくなりました。
ある程度、数をこなしているうちに「設問解釈をするプロセス」が自分の中で出来上がってきたからです。
もちろん80分の制限時間の中でこんな誘導問題など作ることはできませんでした。ですが、何度もこのように設問を読み込んで解答すべき要素に分解する練習をしていると、ここまで丁寧でなくとも解答の方向性や構成は決まってくるようになりました。
加えて、「解答の型」などの情報を先代の記事をはじめ、色んなところから仕入れてきて、最終的には制限時間内で設問解釈ができるようになりました。
解答の型や設問解釈についてはこの辺の記事も見なはれ。
ある程度数をこなすと慣れてくるので、すべての事例で「誘導問題」を作る必要はないと思います。
初学者で、わたしのように
何を書いたらいいかわからない
という人は、一度解いた事例の復習も兼ねて、誘導問題を作ってみてはいかがでしょうか?
今までより与件を読んだり、解答を記述したりする道すじが作りやすくなります。(設問分だけを読むので短時間でできるのもポイントです。)
ちなみに、この誘導問題の作成して各事例を解いてみると「自分の苦手なところ、間違ったところがよりはっきりと見えてくる」という利点もあります。
- そもそも誘導問題がうまく作れていない → 設問解釈が弱い
- 抜き出している箇所が的外れ → 与件文を十分に読み込めていない
- 抜き出し箇所は良いのにまとめると不十分 → 文章の構成や書き方に改善余地あり
このように復習するときに、どこに改善点があるのかを明確にできます。自分の解答を「ふぞろいな合格答案」などを使って採点・復習する際の参考にしやすいかと思います。
他の診断士からも聞いたことがないので、珍しい勉強方法だと思います。ただ一言に「設問解釈」と言われても、やり方がわからない方もいらっしゃるかと思います。(私はそうでした。)
「誘導問題を作る」という考え方で、設問解釈が少しでもやりやすくなれば幸いです。
なるほど、なるほど
で、この自作の誘導問題集。
他のメンバーみたいにお土産で置いてないん?
最初は準備しようかと思ったけどやめた。
私の解き方や解釈にハメてしまうより、自分のやり方で作ったほうがいいかな、と思って。
そんなん言うて面倒くさかっただけやろ?
断じて違います…
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
明日はアストロが事例Ⅰの解き方について説明してくれます!
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