【経済学】超基礎からの余剰分析 by くま
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どうも、ぼくです。
今日の記事は経済学・経済政策の余剰分析についてです。
下記に当てはまる方、ぜひ読んでいってください。
- 経済学・経済政策がそこまで得意ではない方
- 余剰分析の基礎をもう一度を押さえたい方
- ヒマでヒマで仕方ない方
茶番
2週間ほど前の4/5の昼下がり、いつものように中小企業診断士試験の情報収集を行っていたところ、
こんな記事を発見しました
令和3年度の経済学は、前年対比で若干の難化ではあるものの、例年通りといえる結果。
ここ4年間は合格率が安定しているが、これまでに超難化したこと何度かある。
つまり、R4が超難化する可能性もあるから、
R4は難化を想定して対策しておくことが望ましいです!
えらいこっちゃ!!
この記事に驚愕した私は居ても立っても居られなくなり「これは経済学・経済政策に関して書くしかない」と思いました。
なぜなら、私の1次試験の点数の中で、「経済学・経済政策」が最も人に見せることができる 点数※ だからです。
※なんとあの某580系診断士さんと同じ点数なのです!
なぜ「余剰分析」が重要なのか
「経済学・経済政策」に限らず、一次試験を突破するにあたって、重要なことは下記を中心に勉強することだと思います。
- 出題頻度が高く
- 得点しやすい
楽して点取りたい~
「経済学・経済政策」においては「余剰分析」が当てはまります。
まず、毎年のように出題されている。しかも一回の試験で複数問出題されることもある。
例えば過去3年だけでも、これだけ出題されています。
- R1…問10、問11、問18(1)(2)
- R2…問12、問17、問18、問19
- R3…問19、問20、問23
なんと12点~16点分!
このことから、経済学を突破するには余剰分析は避けて通れない論点と言えるでしょう。
あと、そこまで難しくないですしね。
基本的な考え方を押さえておけば、あとはグラフを見てれば何とかなります!(実体験)
余剰分析とは
余剰分析の余剰ってなんでしょうか?
余剰と聞いて、もしかしたら「余りもの」というようなネガティブなイメージを持っていませんか?
むしろ逆です。どちらかというと「剰余・黒字」といった意味合いが強く、平たく言うと「お得感」です。
- 自分としては100円払ってもいいけど、90円で買うことができた
- 自分としては80円で売ってもいいと思っていたけど、実際は90円で売れた
どちらも10円得したような気がしますね。
このようなお得感を分析することを余剰分析といいます。
消費者余剰
消費者余剰とは、その名の通り「消費者のお得感」をさし、先ほどの例で言うと「自分としては500円払ってもいいけど、300円で買うことができた」みたいな状態です。式っぽく書くとこんな感じですね。
とても大事なことなので、常に頭の片隅に置いておきましょう。
次に、具体的にグラフで確認してみましょう
条件は下記の二つです。
- 消費者は財X1個得るために500円払ってもよいと思っている。
- 実際は300円で買うことができた!
さて、この時の余剰はいくらでしょう?
余剰は「消費者が払ってもよい思う金額 -実際に払う金額」でしたから、
200(=500‐300)円ですね。
次に、もう一つ財Xを買いたくなったとしましょう。
2つ目は1つ目ほどの新鮮さはないですが、それでも「まだ 460円 払ってもよい」と思うことにします。
この時もグラフ化するとこのようになります。
よって、2個買った時の余剰は160円(=460ー300)、、、、
では、ありません。最初に余剰とは「お得感」だと言いました。1個買った時より、2個買った時の方がお得感が少なかったらおかしいですよね?160円はあくまで「2個目を買った時の余剰」です。
『2個買った時の余剰』は、『2個買うときに消費者が払ってよいと思う金額』 と『2個買うとき実際に払う金額』の差です。
『2個買うときに消費者がと払ってよい思う金額』は『1個目に対して消費者が払ってよいと思う金額』と『2個目に対して消費者が払ってよいと思う金額』の和ですね。グラフでも確認しましょう。
上の図の通り、
『1個目に対して消費者が払ってよいと思う金額』= 500円
『2個目に対して消費者が払ってよいと思う金額』= 460円
なので、
『2個買うときに消費者が払ってよいと思う金額』 =500円+460円=960円
となります。
『2個買うとき実際に払う金額』は、そのままで300円×2個=600円
となります。一応グラフ上のどこかも確認しておきましょう。
というところで、あらためて『2個買った時の余剰』を確認していきましょう!
『2個買った時の余剰』 = 『2個買うときに消費者が払ってよいと思う金額』 -『2個買うとき実際に払う金額』
= 960円 – 600円 = 360 円
これで、『2個買った時の余剰』がわかりました。
これを3個目、4個目、5個目、6個目と繰り返していきます。
7個以上は、『払ってもよいと思う金額』より『実際に払う金額』が大きくなるので、消費者は買うことはありません。
6個買った時の余剰は、
『払ってもよいと思う金額』= 500円 + 460円 + 420円 + 380円 + 340円 + 300円 = 2400円
『実際に払う金額』= 300円 × 6個 = 1800円
なので、『余剰』= 2400 – 1800 = 600円となります。
この例は数量が離散的※な場合なので、数量が連続的※な場合も検討してみましょう!
※連続的=量り売りみたいなイメージ(※離散と連続、※ヒマでヒマで仕方ない人向けの連続の説明)
1kgあたり 300円のものを 6kg買った時の消費者余剰について考えてみましょう
この場合、『払ってもよいと思う金額』はグラフでいうと青く塗りつぶした個所になります。
『実際に払う金額』はグラフでいうとオレンジ塗りつぶした個所になります。
何度も何度もくどいですが、
ですから、
この考え方は必ず押さえておきましょう。
生産者余剰
続いて生産者余剰です。
生産者余剰とは、その名の通り「生産者のお得感」をさし、先ほどの例で言うと「自分としては500円で売ってもいいと思っていたけど、実際は90円で売れたという場合」のお得感です。
式ですると
さて、消費者余剰と同じように、具体的にグラフで確認してみましょう。
次の条件で『生産者余剰』をグラフ化します。
・実際の販売価格が300円
・50個目を生産するときに必要な費用が250円
供給曲線というのは、ここでは50個作るときの費用だと思っていて大丈夫です。
グラフでは、供給曲線の上側に、生産者余剰が表されていることがわかりますね!
そのまま消費者余剰の時と同じ要領で、数量が連続的な場合もを表していきましょう。
6kg生産して、1kgあたり 300円で売った時をグラフ化しましょう。
まずは、販売額です。これは300 × 6kg で問題ないでしょう。
次に、6kg生産するにあたって、トータルでかかった費用がグラフのどこにあたるか確認しましょう。
上がっていく理由
どんな品物でも、ごく僅かの生産量ならば、一部の例外的に条件の良い生産基盤からの生産だけで間に合うので低いコストで生産する事が出来ます。しかし、大量に生産するためには、必ずしも条件が良くはない部分も含めた生産基盤全体を使わなければならないので、平均コストは高くなります。
それでは、生産者余剰を確認しましょう。
ですから、このようになります。
上図のとおりですが、生産者余剰は、消費者余剰とは異なり三角形でないこともあります。
社会的余剰
社会的余剰とは総余剰とも呼ばれ、市場全体の消費者余剰の合計と生産者余剰の合計とを足し合わせたものであり、社会全体の余剰を表します。
ここまでで、消費者余剰と生産者余剰を別々に考えてきましたが、同時に確認していきましょう。
条件は今までと同じです。
・生産者は6kg生産して、300円で販売
・消費者は6kg生産して、300円で買う
社会的余剰を図示するまでを順番に見ていきましょう。
今回は、余剰の定義に基づいて説明するために、あえて不完全競争市場で説明しましたが、完全競争市場の時の方が見覚えがあるかもしれません。
完全競争市場の場合は、『数量』『価格』が需要曲線と供給曲線の交点と一致するので、下図のような三角形となります。
私はミクロ経済の方が解きやすかったです。
※マクロ経済ってグラフに載ってない要素(分析で言う利子率とか、物価とか)でグラフが移動するので苦手です。。。
しかし、試験はマクロ→ミクロの順で出題されます。
なので、ミクロ経済から(大体12問目ぐらいから)先に解いていました。
皆さんも、経済学に限らず、試験は解きやすいところから解きましょうね!
まとめ
今日のまとめです。2つ覚えていってください!
①3つの余剰の定義
・消費者余剰 =消費者が払ってもよいと思う金額 -実際に払う金額
・生産者余剰 =実際の販売額-生産に必要な費用
・社会的余剰 =消費者余剰 + 生産者余剰
②3つ余剰はグラフ上のどこに該当するか
次回予告
いかがでしたでしょうか?
今回は『余剰分析の基礎』でしたが、次々回ぐらいにはやや応用に踏み込んでいきたいと思います。
明日は、「革命軍総司令官」どらごんです。
お楽しみに!
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