【渾身】R4事例Ⅲをこうやって解きました(後編) by うっかりアッパ

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うっかりアッパ
うっかりアッパ

おはようからおやすみまでアンニョンハセヨ?
10月からは新しい勉強を初めたり、色んな人と会合を持ったりと活動期に入りつつあるうっかりアッパです。

いよいよ2次試験に向けて皆さん全速力ですよね!
皆さんに追いつけ追い越せで僕も色々とチャレンジしてます。
お互い勝負の10月、頑張りましょう!

2次試験対策セミナーもおかわり(追加コンテンツ)が投入されております!

最後にあらためて振り返りたいなんて時には、スキマ時間を使って観てみてくださいね。

夏セミナー動画公開中🍉🌰

14代目の2次試験合格ノウハウをギュッと詰め込んだセミナーになっています。

今回は動画での公開なので、いつでも、どこでも、何度でもご視聴いただけます!

各事例について14代目がどう考えていたか、パネルディスカッション事例Ⅰ〜Ⅲ編も追加されております。

2次試験合格を目指すすべての方を応援する内容ですので、ぜひご視聴くださいませ!

10月に入ってからというもの、急激に気温が下がってきましたよね。

去年も3連休を超えたあたりから急激に寒くなって、体調を崩される方が続出だったのを覚えています。

『道場先代の「おべんと君」は、2次筆記は鉄棒ぶら下がり大会と言っています。』

4事例通していつも通りのことをして、60点のボーダーラインにぶら下がればいいのに、緊張の汗で手を放しちゃうんですよね。

13代目あらきちさん
13代目あらきちさん

と、13代目のあらきちさん(というかおべんと君さん)もブログで書いていましたが、本当に言い得て妙だと思います。

2次試験は合格ラインの240点±15点ゾーンに多くの受験生が団子状態でいますから、ミスしない破綻しない折れないが出来た人から良い順位でゴールすると思うんです。

試験に向けて知識を詰め込んだりテクニックを磨いたりめちゃくちゃ訓練を重ねることも重要ですが、この時期からは試験当日に自分の力を最大限に発揮できるように体調管理とメンタル管理をいかに上手く行っていけるかも本当に大事だと思います。

2次試験前最後の連休も終えて、本試験まで残すところあと18日!

試験対策も佳境で、もう何ふり構わずに勉強に集中している状態が続いていることと思いますが、心と体を整えていくこともスケジュールに入れていただければと思います。

うっかりアッパ
うっかりアッパ

本当に急に寒くなってきてますので、体調を崩されないようにしてくださいね。

はじめに

うっかりアッパ
うっかりアッパ

今回はR4事例Ⅲについて僕、うっかりアッパの解答を分析してみる回です。

お、道場名物の再現答案分析シリーズだね。
だいまつさんの『超高得点シリーズ』とかりっとさんの『趣旨とふぞろいで再現答案分析』とかの流れをくむやつ。
アッパ、チャレンジャーだね!

アッパーなゾウ
アッパーなゾウ
うっかりアッパ
うっかりアッパ

いや、過去問の自己採点が苦手だった僕が他の方の答案分析をするのはちょっとハードルが高かったので、自分の解答だけね。
一応僕がR4事例Ⅲでうっかり高得点をとってしまったので、ブログを書くなら何か残しておかないといけないかもと思い立った次第です。

まぁ前例のいいところは踏襲しつつ頑張って!ハードル下げてアッパの記事を見てあげるよw

アッパーなゾウ
アッパーなゾウ
うっかりアッパ
うっかりアッパ

何かの一助になることを願いつつ、自分の解答だからこそ出来る分析をしますね。

ということで、今回と次回の2回に渡って僕が合格をもぎ取った令和4年度の事例Ⅲについての記事をお届けします。

後編となる今回は、しつこく事例Ⅲの特徴とうっかりアッパの再現答案(81点)についての解説です。

それじゃあ、ヒュイゴー!

レッツらゾウ
レッツらゾウ

注意!

この記事は相当長いので、読むとちょっと時間を取られます。
でも、読み込んで事例Ⅲをなんとかしたい!という方にはオススメです。

事例Ⅲを解くのにおさえておきたいこと

事例Ⅲの特徴

僕の解答解説に入る前に、まずは事例Ⅲの特徴についておさらいしておきます。

事例Ⅲの特徴

  • 事例Ⅰ〜Ⅲの中で、最も出題傾向がパターン化されていて対策がしやすい!

事例企業はほぼほぼ製造業で、強み(特に技術力があるものの、諸々の問題により生産効率が低い状態で、これを生産管理による全体最適情報の一元化・共有により改善していきたいというパターンが多い

  • 問題構成も基本的に毎年変わらない!
  • 与件文・解答ともにかなり文字数が多く、特に解答の文字数が多い!

時間配分に注意が必要。

  • オペレーション問題の切り分けが難しい!

要素の被りもある程度は割り切って解答するくらいの気持ちで臨むべし。

  • 図表の読み取りが必要になることがある!

図表があったらラッキー!解答に使うと思いましょう。

いけるぜ!アッパ
いけるぜ!アッパ

事例Ⅰ~Ⅲのなかで、最も出題傾向がパターン化されていて対策がしやすい事例だと思います。
ここ最近の傾向では、得点のバラつきが少なく、高得点は狙いにくいけど足切りも少なめのようです。
14代目でも「イメージがつかずに苦手だったけど意外と本番では点数がとれた」という意見がありました。
その意味では最も点数が取りやすい事例じゃないかなと思います。思い込みましょう!

事例Ⅲの解答の方向性

もうこれは僕が、というかみんなが道場ブログで絶対読むべきだと推薦する『だいまつさんの記事の通りだと思います。

事例Ⅲの切り口

「だいまつが教える事例Ⅲ攻略の極意」より

事例Ⅲを解く上での基本的な認識

C社は当たり前のことができていない。だから、当たり前を目指すための解答を書く

事例Ⅲにおける目指すべき当たり前

  • 作業は標準化マニュアル化され、教育が徹底されており、効率的である
  • 全社的な生産計画が作成され、なおかつ適切な頻度で計画が見直された上で、計画に基づいた進捗、余力、現品管理が行われている
  • 作業員は多能工化が図られ、多台持ちできるなど、業務の閑散に応じてた柔軟な対応が出来る体制が構築されている
  • 情報は、DB等を用いて一元的に管理され、そして共有化され、すぐに引き出せるようになっている
受け売りアッパ
受け売りアッパ

事例Ⅲで「難しく考えること」「絶対に禁止」です。
「できていないこと、やらなきゃいけないことを、ただやってください」と書くだけでOKです!

解答分析

R4事例Ⅲの全体像

解答分析に入る前に簡単にですが、事例企業C社について与件文から読み取れることをざっくりまとめておきます。

もちろん試験本番でここまでしっかりと整理出来ていたわけではありませんが、メモをする際に参考にもなるかと思います。

C社の事業概要/SWOT分析/生産工程

  • C社の事業概要
  • SWOT分析
  • 生産工程

※図表に関してはうっかりアッパの超おすすめYouTubeチャンネル「たかぴーの中小企業診断士試験 攻略チャンネル」を参考に作成させていただきました。
本当にすごく良いので是非チェックを!

追い込まれアッパ
追い込まれアッパ

ちなみに僕は整ったメモを作る時間はなかったので、走り書きやマークで分かるようにして頭の中で情報整理していました💦

当日、さてさて、前置きが長くなりました。

いよいよ各設問の再現答案を分析していきたいと思います!

第1問

第1問(配点20点)

2020 年以降今日までの外部経営環境の変化の中で、C 社の販売面、生産面の課題を 80 字以内で述べよ。

中小企業診断協会による出題の趣旨

新型コロナウイルスのパンデミックや急激な円安など 2020 年以降今日までの外部経営環境変化の中で、C 社に生じている販売面と生産面の課題について、分析する能力を問う問題である。

初見の設問解釈

SWOT分析じゃない?いや、課題ってあるけど実質はSWOT分析して書くからいつもと一緒でしょ。
80字で販売面と生産面なら40字ずつか。結構タイトだから詰め込みか絞るか。最終問題次第かな。
いずれにせよ2020年以降今日までの外部経営環境の変化の中でってあるので、時制絶対注意!前の事例にもあったからコロナの影響ありそうだな。

与件文を読んでから決めた解答の方向性

販売面はコロナの影響で落ちてる販売先からの依存脱却、そのための新規開拓一択でしょ。制約条件が「2020 年以降今日までの外部経営環境の変化の中で」だしね。
生産面は色々ダメダメなポイントは多いけど第2〜4問で克服するから、ここは課題だし(注:課題ではポジティブなことを書くべしと意識していた)第5問とのつながりを意識して前向きに自立、成長していく方向性にしよう。社長も積極的に事業展開するって思いが明確に強調されてるし。白書にも「新たな時代へ向けた自己変革力」ってあるから自立方向は間違っていないはず。

《うっかりアッパの再現答案》

《答案分析》

▶ 販売面について

「卸売企業2社以外の販売先を開拓」するために「コスト低減や生産性向上提案」という強みを活用するという意図で書いていますが、品質を高く評価されて新規取引がはじまるX社との関係がまずありきになりますので、広く捉えすぎている感はあります。

また「コスト低減や生産性向上提案」については第5問の解答との一貫性も無いため、この記載が加点につながっているかは微妙だと思います。

ただ、コロナ禍で低迷する売上回復にむけた新規開拓依存脱却という観点は盛り込めているため、及第点の点数は獲得しているのではないでしょうか。

▶ 生産面について

PB商品生産が前提の内容でぶっちゃけ勇足、飛躍が大きい解答です。

ふぞろいや各予備校などの模範解答と乖離があり、この解答単体では得点が入っていないと思われます。

▶ おそらく点数が入っていない

第1問は完全に第5問のための踏み台としての回答になっているので、点数が入っているか微妙だと思います。

販売面の課題は強みのアピールが的を得てるか微妙ですが、ポイントは外していないので得点していると思います。

一方、生産面の課題は第2問以降の解答との一貫性を意識することとがポイントだったと思われます。特に抽出した生産面の課題を素直に並べる方が全体としての論理や一貫性も通り、説得力のある解答になったと思います。

その意味で、僕の生産面の解答部分には全く点が入っていないだろうと予想しています。

▶ では何を考えてこう記述したか?

僕はまとめシート流で解法の基礎を作っていたので、設問タイプを「情報整理」と判断して与件文の抜き書き、列挙に徹しようかとも思ったのですが、一方でレイヤーとしては「経営戦略」で一段高い目線から課題を抽出したほうがいいというように考えました。

事例Ⅲだし具体的な問題、課題については2-4問目で書けばいいやと考えていた側面もあり、何より第5問で描こうとしていた成長戦略に完全に引っ張られて解答を絞ってしまっていたのです。

直接的には与件文に基づかない記載ですが、第5問の解答と一貫性を持たせており、もしかしたらR4年度の全体での採点基準に上手くハマっていたのではないかと思います。

結果オーライでしたが、今考えると恐ろしい…。

▶ 多面的な解答を心がけるべき

後に触れますが、第5問の成長戦略と第1問はしっかりと関連付けて解答を作ることはオーソドックスな事例Ⅲの設問構造であれば重要だと思います。

ただ、今回は上手くハマっただけで、正直ここまでの絞り込みはオススメしません。

誰もが書ける内容で聞かれていることに対して素直に多面的な解答を作ることがセオリーです。

第2問

第2問(配点20点)

C社の主力製品であるプレス加工製品の新規受注では、新規引合いから量産製品初回納品まで長期化することがある。しかし、プレス加工製品では短納期生産が一般化している。C社が新規受注の短納期化を図るための課題とその対応策を120字以内で述べよ。

中小企業診断協会による出題の趣旨

プレス加工製品の金型製作工程と製品量産工程の生産プロセスにおいて、新規受注の際に長期化する要因を整理し、短納期化するための課題とその対応策について、助言する能力を問う問題である。

初見の設問解釈

短納期化を図るための課題と対応策ね。
プレス加工製品の新規受注にある課題か。新規ならお客さんとのやり取りや設計、技術力の問題とかかな。
与件文に色々書いてありそうなので、プレス加工関連のできてないところはここにぶち込もう。

与件文を読んでから決めた解答の方向性

思ったよりも切り分けが難しくなさそうで一安心。与件分にまとまって書いてあるからここはみんな出来るだろうし、落としてはまずい問題かも。
新規引合いから量産製品初回納品まで長期化する問題点をひっくり返して課題として列挙する型で行こう。仕様のやり取りスムーズに、設計の混乱を担当を分けて捌く、ベテランからの技術承継だな。
でも結構問題点が多いから「課題は①〜、②〜。対応策は①〜、②〜。」と対応させて書くと字数が収まらなさそう。制約条件で「C社が新規受注の短納期化を図るため」ってかなり限定されてるし、新規だったら課題は金型製作に特化した内容で大丈夫なはず。
課題はシンプルに答えて対応策で要素を多面的にカバーするピラミッド型で書いて、短納期化するという効果で締めれば結構いい感じになりそう。

《うっかりアッパの再現答案》

《答案分析》

▶ 設問文の制約条件で切り分け

与件文と図で比較的容易に生産工程を把握することができたため、新規受注の際に時間がかかるのは金型製作工程に問題がある場合だと特定、切り分けができました。

あわせてこの時点で製品量産工程の問題(プレス加工の生産能力に制約や小ロット化、段取りなど)は次の問題に回すことができたので、全体として解答を作りやすくなりました。

▶ 解答要素を過不足なく入れ込む

与件文から問題点として記載のあるものをピックアップすると、7段落目にまとめて記載されていたので、①仕様のやり取りスムーズに②設計の混乱を担当を分けて捌く③ベテランからの技術承継をチョイスしました。

与件文の構造からも分かりやすかったですが、図によって解答要素の根拠が確認できたため、上記3点は確実に点数が入っていると思われます。

▶ 対応策の選定

2次元CADを3次元CAD化して発注元とのやり取りを効率化するというのは安易かとは思いますが、R2年度の事例Ⅲでも登場済であり、それを踏襲して解答を作成して良いと判断しました。

一方で迷ったのが「③ベテラン技術者からOJTで若手に技術承継」です。これだけをキーワードとして入れてもなぜ納期短縮につながるのかが不明で論理破綻してしまうと思ったからです。

そのため「生産性を向上する」と効果を入れ込むことでベテラン技能者に集中している負荷を平準化し、製作から品質管理までのボトルネックを解消できるというニュアンスを込めました。少し苦しいですが、単純にキーワードを入れ込んだだけじゃないよという解答の意図は伝わったと思います。

▶ ピラミット型の解答と要素を列挙する順番

今回の場合は、制約条件で「C社が新規受注の短納期化を図るため」とかなり限定されており、上記分析で課題は金型製作期間の短縮に絞れていたため、課題はシンプルに答えて対応策で要素を多面的にカバーするピラミッド型で書いて、短納期化するという効果で締めることを選びました。

それにともない各要素がバラけて見えないように、工程順に要素を並べるようにしたことが読みやすさに寄与したと思われます。

ですが、ピラミッド型は論理の飛躍が起こりやすいため、オーソドックスには「課題は①〜、②〜、③〜。対応策は①〜、②〜、③〜。」と対応させて書く方が対応が分かりやすいので因果が通りやすく、採点する方も読みやすい(点数をつけやすい?)と思われます。

僕は切り分けの思い切りと字数の関係でピラミッド型を選んだけど、書き方はケースバイケースです。
オーソドックスな列挙型がハズレがないと思います。

第3問

第3問(配点20点)

C社の販売先である業務用食器・什器卸売企業からの発注ロットサイズが減少している。また、検討しているホームセンター X社の新規取引でも、1回の発注ロットサイズはさらに小ロットになる。このような顧客企業の発注方法の変化に対応すべきC社の生産面の対応策を 120字以内で述べよ。

中小企業診断協会による出題の趣旨

顧客企業の発注ロットサイズの小ロット化への変化に対応するためのC社の製品量産工程の課題を整理し、その対応策について、助言する能力を問う問題である。

初見の設問解釈

小ロット化が絶対必要っぽい。
生産面の対応策だから鉄板の全社的な生産管理の見直しが必要になるかな。
小ロット化なら段取り回数や調達、在庫もかかってくるかも。

与件文を読んでから決めた解答の方向性


現在の発注元、新規X社も小ロット対応はマストなので、最初の設問解釈がドンピシャっぽいな。
対象はプレス加工品の量産工程で、これも与件分にまとまって書いてあるから、ここは知識のところで差がつくかも。
小ロット化→段取り増加→段取り作業の見直し、小ロット化→生産リードタイムの短縮→生産計画の短サイクル化/全社的な最適化なんかの論点を与件文とあわせて書けば大丈夫かな。
ちょうど勉強会でロットサイズのこと教えてもらったのが効いたな。みんな書いてるんだろうなぁ。
あ、ロットサイズを変えられるなら在庫適正化もいけるでしょ。
要素もりもりだから各要素の字数をめどつけて作文が必要だな。120字なら効果まで書き切れるはずだけど、これは時間との勝負だ。

《うっかりアッパの再現答案》

《答案分析》

▶ 設問文の制約条件で切り分け

小ロット化を求められているということなので、まとまった数を生産する量産工程について問われており、かつ個別受注生産の板金加工製品は無視してプレス加工製品についての解答が求められています。

この切り分けがさっとできたかどうかが勝負の分かれ目だと思います。

▶ 解答要素を詰め込む

与件文から問題点として記載のあるものをピックアップすると、9〜10段落目にまとめて記載されています。

かなり要素が多かったですが「①基準日程から確定受注量にあわせてロットサイズを決定」、「②小ロット化で増加する段取り作業の見直しと人員補強」、「③プレス加工のみの生産計画を全社化、短サイクル化して生産統制を実施」の3つにまとめました。

これも「①求められているロットサイズにする→②具体的な小ロット化対応→③それを実現するための計画を立て、生産統制を実施」とロットサイズの変更から何が必要になるのかという因果の流れが通るように書くことに成功したので、要素が詰まっていても読める文章になったのではないかと思います。

▶ 効果の効果

思いの外コンパクトに文章を書くことが出来たので、最後にすべての対応策がかかってくる必殺ワードの「生産効率化を入れ込みながら、問題化していた「在庫適正化するという2つの効果で多面的な解答とすることが出来ました。

第4問

第4問(配点20点)

C社社長は、ホームセンター X 社との新規取引を契機として、生産業務の情報の交換と共有についてデジタル化を進め、生産業務のスピードアップを図りたいと考えている。C社で優先すべきデジタル化の内容と、そのための社内活動はどのように進めるべきか、120字以内で述べよ。

中小企業診断協会による出題の趣旨

生産業務のスピードアップを図り、生産リードタイムを短縮するためのC社の生産業務の課題を整理し、そのために優先すべきデジタル化の対象、業務内容と、デジタル化構築のために必要となる社内活動について、助言する能力を問う問題である。

初見の設問解釈

やっぱりデジタル化問題きた!DRINK!
生産業務のスピードアップを図りたい(社長の考え)だから、優先すべきデジタル化の内容は生産業務の情報、交換と共有したら生産業務がスムーズになるものを挙げたらいいのかな。
対応する社内活動はよくあるやつで受けたら因果が通るかな。+効果で締めたらいい感じかも。

与件文を読んでから決めた解答の方向性


「優先すべきデジタル化の内容」って分かるようで分かりにくい表現だけど、時間はないからこれまで課題になっていたデータを挙げていこう。
外部との情報共有なら「受注情報」、「設計・仕様変更情報」、内部は「全社的な生産計画」、「在庫情報」かな。
これを紙からDRINKして効率化と納期短縮を重ねちゃえ。
データを全社、全工程で共有できれば、作業の同時進行やムダを省くことにもつながるだろうから、それは書こう。
どこかでコンカレント・エンジニアリング的な要素いれたかったけど、ここかも。
デジタル化は要素かぶるけど、むしろかぶって上等で大丈夫。踏まえてオーソドックスに多面的に。

《うっかりアッパの再現答案》

《答案分析》

▶ 優先する情報の選択

設問に「新規取引を契機として、生産業務の情報の交換と共有についてデジタル化」とありましたので、外部との情報交換と内部での情報共有というようにざっくりと理解して、各工程でネックになっている情報のやり取りポイントをピックアップしました。

情報化は一部だけ実施しても効率化に結びつきづらく、むしろ全体で実施しなければ逆効果にすらなりかねないため、他の設問と大いにかぶってくるものと理解して問題ないと思います。

結果、外部との情報交換なら「受注情報」、「設計・仕様変更情報」、内部の情報共有は「全社的な生産計画」、「在庫情報を選びました。

▶ 根拠を対応させる

要素を漏らさないように情報をピックアップすると①発注元からの受注情報と設計・仕様変更情報」、「②全社的な生産計画と在庫情報となり、それぞれ①→第2問の課題、②→第3問の課題に対応していたため、対応策はベーシックな文言を使いながらも意識して書き分けたことで因果が通った文章になったと思います。

ただ、対応策の「②生産プロセスの同時進行化」に関しては与件文から直接読み取れないコンカレント・エンジニアリングの要素を入れ込みたくて放り込んだキーワードになっているので、全社的な生産計画→コンカレント・エンジニアリングは論理の飛躍が大きく得点になりづらかったと思います。

また、この解答においても「効率化と納期短縮を図る」と書いています。

効果で締めることによって文章全体で因果が通った構造になる(そうみえる?)効果がありますので、キラー効果フレーズは僕は基本入れるべき派です。(正解とは限らないので注意⚠)

▶ DRINKとその対応策

DRINKは言わずとしれた情報化のフレームワークです。

D:データベース(DB)
R:リアルタイム
I:一元管理
N:ネットワーク
K:共有

情報をDB化して一元管理、ネットワークを通じて情報をリアルタイムに共有することを意味しています。

でも、DRINKはそれだけで使うのではなく、今回のように対応する活動とあわせて解答に盛り込むことが必要です。

具体的には

1.バラバラな情報を標準化
2.デジタル化の仕組みを作る(←ここがDRINK)
3.マニュアルなどの整備
4.周知/使えるように教育

ことで、業務効率の改善を図ります。

対応する活動の流れ、特に前段の「バラバラな情報を標準化」に関しては情報だけでなく工程との兼ね合いも出てくる可能性もあるので、DRINKを活用する際は意識しておいた方が良いと思います。

また、事例Ⅲ以外の事例でも活用することがありますので、必須のフレームワークとして理解を深めることをおすすめします。

第5問

第5問(配点20点)

C社社長が積極的に取り組みたいと考えているホームセンターX社との新規取引に応えることは、C社の今後の戦略にどのような可能性を持つのか、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

中小企業診断協会による出題の趣旨

ホームセンターX 社との新規取引に応えることによって、C 社の今後の戦略に影響する製品や市場、業績などに生じる新たな可能性について、助言する能力を問う問題である。

初見の設問解釈

第3問でも書いてあったホームセンターXとの新規取引はC社にとって勝負所っぽいな。重要論点。
新規取引は①売上増②効率化③ノウハウだから、弱みを克服して成長するって戦略の可能性かも。
中小企業診断士としてか。差別化、高付加価値化は入れ込みたい。
第1問の課題とのつながりも意識して解こう。

与件文を読んでから決めた解答の方向性

設問解釈通りオーソドックスに成長戦略を描く方向性だな。
与件文にある「社長の思い」→「当該事業の市場成長性と自社の強みを考慮して戦略とビジネスプロセスを見直し、積極的にこの事業に取り組むこととした。」ってかなり突っ込んだ表現だし、やっぱりここで勝負かけるってことですね!社長!
外部環境の変化が大きいけど果敢に成長しようという方向性で助言すれば間違いない。
チャンスは来ているし、それに対応するために弱みは前問までで克服しているので、あとは強みを活かして新たな道を切り開く方向性だな。
[強み(技術力など)]を活かし、[機会]を取り込み、[弱み(営業力強化や納期遵守など)] を克服し、[あるべき姿(差別化収益拡大など)]にするの型にはめ込みながら文章を作っていこう。

《うっかりアッパの再現答案》

《答案分析》

▶ 制約条件を押さえつつ一貫性を保つ

最終消費者向け製品のノウハウを活用した独自製品の開発新市場(アウトドア商品市場)での受注拡大の2点は、どちらも設問文の制約条件である「X社との新規取引に応えること」との因果関係が成立しているのが我ながらグッドポイントだと思います。

かなり第1問との対応を意識した解答になっているので、その分制約条件を外さないということは強烈に意識したのが良い方に転がったと思います。

また、独自製品の開発卸売企業2社依存の脱却はそれぞれが第1問の「生産面の課題」と「販売面の課題」の解答と一貫性を持つように書きました。

▶ 今後の可能性につながる新規取引のメリット

出題の趣旨にも「ホームセンターX 社との新規取引に応えることによって、C 社の今後の戦略に影響する製品や市場、業績などに生じる新たな可能性について」とあるように、新規取引のメリットをおさえておく必要があります。

(新分野での)新規取引のメリットは「①売上向上(による経営安定/リスク分散)②ノウハウ獲得(と技術力向上)③稼働率向上」で、今回は①と②が与件文やこれまでの解答から使うべき要素だと判断しました。

▶ 事例Ⅲの戦略問題(成長戦略を助言)の解答の型

まとめ

というわけで、令和4年度の事例Ⅲ、うっかりアッパの再現答案分析をお届けしました!

いかがでしたでしょうか?

僕の再現答案で恐縮でしたが、振り返ってみると超集中して考えていたものをある程度忠実に文字に落とし込めていたなぁと思いました。

分析で書いていたようなことまで意識して深く思考を巡らせられていたかどうかでいえば、正直、否となりますが、本番はほぼ分析の部分でなぞった思考の流れで、手順で、R4事例Ⅲは解きました。

自分なりにポイントまとめてみると

  • 事例Ⅲの設問構造、パターンを理解して対策を立てていた(のがハマった)
    特にR4の問題がオーソドックスな作りで切り分けも分かりやすい部類だったのが良かった
    ダメなところを直して、やっぱり最後は成長しないと!
  • 事例Ⅲで問われる知識を連結して覚えていた
    パターン化され限られているからこそ応用力が問われる部分を意識的に補ったのが良かった
    特に因果をもった文章を書くのに役に立ちます!
  • 与件文と設問文から必要な要素を読み取れた
    設問解釈を最後の最後までトレーニングしたことと与件文の読み込みを工夫したことが良かった
    解釈力があがれば文章力もアップする!最後まで伸びる!
  • やっぱり問われていることに対して素直に多面的に答えることが必要
    自分の考えに固執すると大外れすると第1問で骨身にしみた
    聞かれていることに素直に答えると唱えましょう!

皆さんがこれから試験に臨む際にちょっとしたヒントになったらいいなぁと思って記事を書きました。

それぞれの解法があると思いますが、本当に事例Ⅲはある程度パターンが決まっているので絶対60点を取りにいってください!

多くの方が事例Ⅲで稼いで合格を掴み取ることを祈願しています。

ということで、今日はここまで。
なんか渾身で真面目なこと書きすぎたら本当の本当に活動限界みたいです。
あとはみんなに任せま〜す!

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