【令和2年度事例Ⅰ】復習した?ともに振り返ろう!
Ma.satoです。
二次筆記試験の対策、そろそろペースが上がってきましたか?前回ののきの記事、よかったですよね〜
そこで、今回はのきの記事をもとに、令和2年度の事例Iを一緒に復習しましょう!
二次筆記試験の勉強で一番やってはいけないことの一つが「解きっぱなし」です。
まさかの、事例を80分で解いて「いやぁ、今日もやってやったぜ」「私、今日がんばっちゃった!」な〜んて終わってないですよね?
まさかね!
「ドキッー!!」っとしたあなた、まだまだ伸びる余地があります。
しかし、復習って何をすればいいんだろう?みんなどうやっているんだろう?と悩む受験生は少なくないでしょう。そこで、今回は自分が受験生の立場になって、去年の本番の再現答案とともに復習します!令和2年度の過去問をすでに解いている読者の方は、ぜひ一緒に復習しましょう。
のきの前回の記事は以下から確認してください。
有料級の内容ですよ!
この記事を交互に見比べながら、自分の解答の反省と復習を行っていきます。問題用紙も掲載しておきます。
- 1. 第1問(設問1)
- 1.1. 設問解釈の比較
- 1.2. 再現答案の反省
- 1.3. 理念とビジョンの違い
- 1.4. 登録してから半年だけの診断士のざれ言:性善説か性悪説か
- 2. 第1問(設問2)
- 2.1. 設問解釈の比較
- 2.2. 再現答案の反省
- 2.3. 「問題・課題」「対策」「効果」はどこまで記載すべきか?
- 3. 第2問
- 3.1. 設問解釈の比較
- 3.2. 再現答案の反省
- 3.3. 登録してから半年だけの診断士のざれ事:「強み」とは?
- 4. 第3問
- 4.1. 設問解釈の比較
- 4.2. 再現答案の反省
- 4.3. ルートセールスと直販方式
- 5. 第4問
- 5.1. 設問解釈の比較
- 5.2. 再現答案の反省
- 5.3. 登録してから半年だけの診断士のざれ事:「さちのひもけぶかいねこ」の「ち:賃金・報酬」には気をつけて
- 6. おまけのおまけ Ma.satoの解答用紙メモ
- 7. さいごに
第1問(設問1)
第1問(設問1)
以下は、老舗蔵元 A 社を買収する段階で、企業グループを経営する地元の有力実業家である A 社長の祖父に関する設問である。各設問に答えよ。
(設問 1 )
A 社の経営権を獲得する際に、A 社長の祖父は、どのような経営ビジョンを描いていたと考えられるか。100 字以内で答えよ。
設問解釈の比較
令和2年度の二次筆記試験の時の思考の過程について、記録を残していたので当時の自分の解釈をできる限り再現していきます。ちなみに、自分の結果は事例Iが70点です。
読者の皆さんは、本番の時点で「こんなもんで70点とれるんだなぁ」と思ってもらえれば今回の記事を書いた甲斐があります。
では、いきましょう!
本番でのMa.satoの解釈
【制約条件】
- 「老舗蔵元A社を買収する段階で」の記載から、今ではなく「過去」の時点の時制なんだなぁ。
- 「A社長の祖父に関する設問」という記載から、他の人ではなくthe・祖父ってことね!
- (設問1)の設問文で、さらに制約条件として「A社の経営権を獲得する際に」と記載があるから、過去の中でも「買収前」の過去か。よしよし。
【想起したこと】
- 経営ビジョン?理念ではなく、ビジョンだから理念よりもさらに具体的な指針を書く必要があるんだな。もし、数値目標とかもあれば記載したいところだ。
- でも、ビジョンと理念、明確な違いってなんだっけ?(本番の1問目から、心の中がモヤモヤ・ざわざわ)
- 成功していたとしたら「いま」の事実や結果を思い描き、失敗していたら「いま」と反対の結果を想像していたんだろうな。
次に、のきが記載してくれた設問解釈と見比べてみましょう。
のきの設問解釈
設問のタイプ:情報整理
「どんな経営ビジョンを描いていたか」と聞かれているので期待効果のレイヤーのような気もしましたが、あまり悩んでいても仕方がないので、きっと与件文に書いてあるだろうと信じてとりあえず情報整理に割り振りました。
設問のレイヤー:経営戦略
ビジョンを問われているので、経営戦略よりも上位の概念ですが、とりあえず経営戦略として分類します。(要は高めのレイヤーの視点で考える必要があると言うこと。)
【制約条件】
- 企業グループを経営するA社長の祖父の視点で書かないといけない
【想起したこと】
- 買収 (= M&A)をすることによってどのようなメリットを求めたのか?
多角化? 他の事業領域への参入? シナジー? - 買収を後押しするようなチャンス(=機会)があったのか?
この設問解釈の到達度、全然違いますよね!
自分は、当時ここまでの「質」に到達できていませんでした。
当時の自分は「レイヤー」に関して、まだ感覚的に類推していました。必ずしも「レイヤー」分析をする必要性はありませんが、今回の設問は誰の目的かというならば、「経営者」「組織」「従業員」の枠組みからすると「経営者」のために過去の情報を整理することになります。
また、「タイプ」に関しての分類は基本的に自分はしていませんでした。タイプ分類は、実際にやってみて、自分自身に有用ならば取り入れてみるといいですよ!
どうも、「レイヤー」という言葉に当時の私はガッテンがいかず、「設問のレイヤー」分析は行っていませんでした。
今でも「レイヤー」や「視点」という言葉に違和感があるため、「誰のため?」と考えるようにしています。
もちろん、結果として最終的には「お客様のため」です。その上で、お客様のために「会社の誰の考えや行動を見つめ直すか?」と考えると、この「レイヤー」や「視点」という言葉が使われている理由がわかるのかなぁ、と今は思っています。
再現答案の反省
Ma.satoの再現答案
ビジョンは①インバウンドブーム下で老舗ブランドの魅力の活用②優秀な人材の活用③グループ企業の営業支援で売上拡大、地域・地域経済の活性化をする事である。又、屋号を維持し従業員の雇用責任も果たす事である。(101字)
記事が長くなるため、比較する解答の一覧は以下のリンクから確認してください。
では、上記記事で掲載されている再現答案と分析と自分の答案を比較します。
反省点
・「ビジョンは①インバウンドブーム下で老舗ブランドの魅力の活用②優秀な人材の活用③グループ企業の営業支援で売上拡大、地域・地域経済の活性化をする事である。」
書き出しの一文は、与件文の言葉を省略したりはしているものの、できる限りそのまま記載していることは、まぁ問題ないでしょう。
そして、論理展開として、○○を活用→売上拡大・地域経済の活性化の順番も問題ないかと思います。強いて言うならば、地域経済の活性化は巡り巡って「A社の売上拡大」のため、順番が逆の記載が好ましかったかもしれません。
次に、ダメ出し!
まず、地域活性化と地域経済活性化を省略して”地域・地域経済活性化”と記載しているのは脱字レベルで悪いです。
そして、Ma.satoの記載では、「グループ企業の営業支援で」と記載してしまい「シナジー」と記載できていません。これは大きな減点でしょう。キーワードとしての減点ではなく、”営業支援”と”シナジー”という言葉は全く違います。
私が記載した”支援”は、端的に言うと、「支える」ことであり強者が弱者を援助することです。一方で、「シナジー」は対等な関係でどちらも相乗効果を享受することです。
もちろん、私が使用した「支援」という意味合いも祖父のビジョンにあったかもしれませんが、長期的な目線で見ると「シナジー」が好ましいことは当たり前です。
・「又、屋号を維持し従業員の雇用責任も果たす事である。」
最後の一文は、と〜しと同様に記載しています。最初に言ってしまうと、雇用責任はA社の祖父にはありません。雇用責任があるのは前の経営者です。もしかしたらA社の祖父に同情した余地があったかもしれませんが、この点は与件文に記載がありません。
このように、最後の一文は想像の余地になってしまうため、解答としては好ましくなかっただろうことがわかります。
のきが最後に「高得点答案 ここがPoint!!」で解説しているように、基本的には与件文の記述をそのまま引用することが重要です。
与件文に忠実になることはなぜなのか?
その答えは、あくまで「試験」だからです。
実務になれば、試験というリミットが外れますが、試験である以上、与件文に忠実であることは大前提です。
理念とビジョンの違い
復習・反省後の内容は診断士試験から少し逸脱する内容だったり、アドバンスな内容なため以下のような欄で記載します。
本設問では、理念ではなくビジョンが問われています。昨年、自分を含めた多くの受験生が「ビジョン?」と頭の中で大きなクエスチョンマークが生じたのではないでしょうか。
読者のあなたは違いを明確に述べることができますか?
自分も復習として、ここで確認します。
理念:各企業が何のために活動を行うのかを指す不変の目的や存在意義。
ビジョン:理念を基に、事業を通じて将来的に成し遂げたいことや成し遂げたい状態で、時間の経過とともに変わる目標。
つまり、理念とは企業の不変的な目的であるのに対して、ビジョンは時間軸とともに変わる目標です。
ここで、理念を確認するためにもう一度与件文を確認してみてください。
見つかりましたか?
「あれ?」と思ったあなたは鋭いです。そう、この設問では実は明確な理念の記載がありません。
これは、設問で理念とビジョンの違いを問うことは難しいと判断した作成者の優しさなのか、はたまた、理念を明確にしないことで理念に基づくビジョンをぼやかして解答しにくくする厳しさ(解答の範囲が広がる優しさの可能性もある)なのかもしれません。
また、多くの答案を分析しているわけではありませんが、時系列も含めた解答を、100文字という解答欄に記載している答案は見たことがありません。この点まで言及できるのは80分という時間の制約的には非常にレベルの高い造作だったのかなと、今では振り返ります。
この設問の背景の解釈は何が正しいのかはわかりませんが、こうして改めてみると楽しみあります。話は逸れましたが、今回を機に「理念」と「ビジョン」の違いは区別しておきましょう。
参考:コトバンク「理念」
参考:コトバンク「ビジョン」
復習では、自分さえ分かればいいため、ここまで反省点を文章として表現する必要性はありませんが、自分が理解できる程度に分析と次回に向けた反省を記載しましょう。
くどいですが、反省を活かさなければ次回も今回もずーっと同じです。
自分の反省方法のまとめなどは以下の記事から、該当の見出しに飛べます。いまさらですが、まだ迷っている際にはどうぞ。
登録してから半年だけの診断士のざれ言:性善説か性悪説か
今回の自分の反省で、従業員の雇用責任を言及した記載について振り返りました。
この点に関連することとして、与件文中の人物やイベントを”性善説か性悪説”かで捉える感覚に自分の解答は影響を受けました。
経営者は性善説?それとも性悪説か?
もちろん、「試験」のため、基本的には「性善説」に基づいて、経営者などの登場人物や各種イベントは全て「よかれ」と思ってやったことでしょう。
これまでの過去問の登場人物も、与件文中では少なくとも法に触れるようなことはしていません。(H25年までしか自分は過去問を解いていませんが、少なくとも裁判沙汰になってTAKURO先生の本業キラーンみたいな事例に覚えはありません。)
そう、みんな合法的でいい人!
だから、
「既存の従業員の雇用責任を果たすことはいいことだ!→A社祖父もこの責任を果たそうと思うに違いない!!」
と自分は過剰な解釈を行ってしまった要因の一つなのかと分析しています。
しかし、「みんないい人」という前提は素晴らしいことですが、必ずしもそうではないことにも注意する必要があります。(こんなこと言わなくて大丈夫でしたね。)
感情的に評価・分析すると、人は理論的に評価・分析できなくなってしまいます。
そうでないと、今回の自分のように感情に引っ張られてミスリードする原因になります。お気をつけください。
完全なる脱線ですが、「喜怒哀楽」の感情を抱いた時、なぜその感情を抱いたのか?
これは心理学に通づるものがありますが、この分野の分析は面白いですよ。(自分だけではないはず。笑)
第1問(設問2)
第1問(設問2)
(設問 2 )
A 社長の祖父が A 社の買収に当たって、前の経営者と経営顧問契約を結んだり、ベテラン従業員を引き受けたりした理由は何か。100 字以内で答えよ。
設問解釈の比較
第1問(設問1)に引き続き、(設問2)です。
では、いきましょう!
本番でのMa.satoの解釈
【制約条件】
- 「老舗蔵元A社を買収する段階で」の記載から、今ではなく「過去」の時点の時制なんだなぁ。
- 「A社長の祖父に関する設問」という記載から、他の人ではなくthe・祖父ってことね!
- (設問2)の設問文から、A社長の祖父が想定した理由ね。OK〜。
【想起したこと】
- 前の経営者と経営顧問契約を結ぶってことは、前の経営者のソフトな資源である経営ノウハウや地域との関係性を維持したいことだろうなぁ。
- ベテラン従業員を引き受けることも、同様にソフトな資源であるノウハウあたりが必要だったことか。
- あとは、買収(後に与件文から友好的買収とわかる)だから組織を刷新する時に求められる組織変革(チェンジマネジメント)の知識として、一番大きな犠牲者となる人を変革のデザイン段階で参画させて、モラールや帰属意識を維持させることだろう。
次に、のきが記載してくれた設問解釈と見比べてみましょう。
のきの設問解釈
設問のタイプ:期待効果
本文の設問要求は「理由」のため設問タイプは期待効果です。
設問のレイヤー:経営戦略
人の受け入れの話ですが、買収全般の話として経営戦略レイヤーとして判断します。
【制約条件】
- 企業グループを経営するA社長の祖父の視点で書かないといけない
【想起したこと】
- 買収した企業の人員を受け入れることによって得られるメリットは?
– ノウハウの獲得 - 企業を買収する上で注意すべきことは?
– 買収先の従業員の理解を得ること
制約条件と想起したことに関しては大まかに同じ枠組みに入っていたようです。
再現答案の反省
再現答案
理由は①老舗の伝統的な酒造りのノウハウの継承②前の経営者の経験の活用③ベテラン従業員の帰属意識の維持④取引先、組合関係者、地元の有力者との関係維持により事業継続し、早く収益化し売上拡大を図るためである。(98字)
記事が長くなるため、比較する解答の一覧は以下のリンクから確認してください。(2度目)
では、上記記事で掲載されている再現答案と分析と自分の答案を比較します。
反省点
・「理由は①老舗の伝統的な酒造りのノウハウの継承②前の経営者の経験の活用③ベテラン従業員の帰属意識の維持④取引先、組合関係者、地元の有力者との関係維持により事業継続し」
論理展開は設問解釈と全く同じです。このフレームに与件文の言葉を切り貼りしてようなものです。
迷った点は、「帰属意識」と記載するか、「モラール」と記載するかでした。
しかし、当時のMa.satoの中には組織変革をする際に、「帰属意識」と言う言葉が強く頭の中で反芻(はんすう)したため、この言葉を使用しています。(このことが、合格発表日まで自分を苦しめます。笑)
合格発表までの間にモラールと帰属意識について調べてみると、モラールという大きな言葉の意味の中に帰属意識という言葉の意味も含まれていることが判明しました。
ただ、「帰属意識」という言葉を使用したのは少数派であり、試験であることを踏まえるとモラールと記載すべきだったことが反省点になりました。
・「早く収益化し売上拡大を図るためである。」
最後の一文は、前述の文章の論理による「効果」を記載しています。
文字数が余って何も書かないよりは書いた方がいいと思うことや、点数を「課題」「対策」「効果」の3つから分散して獲得する戦略をとっていた自分は記載しています。
しかし、他の受験者のようにもう少し問われている理由について言及してもよかったかなと反省しています。
今回の設問では、自分の解答は他の受験生と比較しても良い意味でも悪い意味でも突出しているわけでもなく、平均して6割くらいでしょう。
なお、この問題では「誰のため?」と問うと、最初にA社の祖父の思いから、経営者の視点がより重視されるかもしれません。しかし、設問文からは「経営者」のためと制約する条件はないため、他の「組織」「従業員」のための理由を述べてもあながち間違いではないのではないかと判断していました。(より直接的な理由の方が高得点でしょうか。)
結局、今回は全てが直接的にしても間接的にしても「理由」にあたり、論理展開次第で得点は左右されるのではないのかな〜、と思っています。
「問題・課題」「対策」「効果」はどこまで記載すべきか?
昨年、自分が受験生だった時、各設問ごとに「問題・課題」「対策」「効果」をどこまで書くべきか?という悩みがありました。
試験として、最も優れた方法は結局見つけらず終いのMa.satoです。期待させておきながら申し訳ないです。
ただし、自分なりの方針は決めていました。
少し迂回します。世の中には資格試験で高得点を取れば取るほどに選択できる仕事の選択肢が増えたり、専業が増える試験があります。ですよね、TAKURO先生(2回も登場させてしまった笑)。
しかし、中小企業診断士は、診断士試験の結果によって合格・登録後の仕事が左右されるわけではありません。
ならば、最終目的地は「合格」だけであって「高得点」ではありません。6割から8割、さらには10割に到達するには、割かけなければいけない時間も2倍、3倍と倍増します。(パレートの法則)
しかし、自分にはそんな余裕はありませんでした。
そこでとった戦略が「分散」です。100字程度の記載が求められる時には、「問題・課題」「対策」「効果」を基本的には全て明示することで6割という得点を獲得することにしました。
この戦略では、高得点は獲得できませんが6割だけでいいなら非常に有用かと個人的には判断します(そして、高得点になればラッキー!)。時間が限られている人はこんな方法もあると参考にしてみてください。
ちなみに、高得点を狙うならこの方法ではダメです。もっと分析して、もっと絞るべきです。ニッチですね。
ちなみに、「留意点」と問われている時は「課題」と「対策」をセットで記載し、「効果」は最小限に記載しましょう。
数字を使って分析していないためはっきりと物申せませんが、留意点が問われている時は「問題」「対策」が主軸であり、効果はおまけです。
第2問
第2問
A 社では、情報システム化を進めた若い女性社員を評価し責任者とした。ベテラン事務員の仕事を引き継いだ女性社員は、どのような手順を踏んで情報システム化を進めたと考えられるか。100 字以内で答えよ。
設問解釈の比較
第2問に移りましょう。
のきが記載しているように、Ma.satoもこの問題を見た時に驚きました。
なぜかというと、設問がまるで事例IIIの生産管理みたいだったためです。
基本的には、事例Iで問われることはソフトな経営資源(ノウハウや人材など)をどのように活用して、現状の課題の対策を行っていくかです。
一方で、事例IIIはハードな経営資源(機械などの固定資産や管理ツール)をどのように活用して、現状の課題の対策を行っていくかが問われる設問が多いです。
今回問われていることは、「情報システム化」についてであり、ハード資源に関することです。(若い女性がどのように評価されたか、若い女性の功績を評価して責任者とした理由などが問われれば、ソフト資源の問いのため事例Iらしさが出るんですけどね。)
そのため、解釈も事例IIIのような形式になっています。
本番でのMa.satoの解釈
【制約条件】
- 情報システム化の手順が問われている。
【想起したこと】
- 情報システム化のために作業の標準化、IT導入によるDB化・RT化・一元化・ネットワーク化・共有(DRINK)ってところかな。あれ?事例IIIじゃん??
次に、のきが記載してくれた設問解釈と見比べてみましょう。
のきの設問解釈
設問のタイプ:情報整理 or 期待効果
情報システム化の手順という問いに対して何を割り振るかわかりませんが、与件文に手順の情報が書いてあることを整理するだけの情報整理か1次知識を踏まえて考えないといけない期待効果のどちらかだろうとあたりをつけました。
設問のレイヤー:経営戦略
本問は組織の話でもないし、人的資源管理の話でもないので、消去法で経営戦略レイヤーにしました。
【制約条件】
- ベテラン事務員の仕事を引き継いだ女性社員が行ったことに基づかないといけない
- A社の話だということを忘れずに
【想起したこと】
- ヒアリングを行う?
- 情報システム化の目的を共有する?
- 情報システム化にあたって周囲の理解を受ける?
のきの設問解釈の【想起したこと】の内容すごいですよね。
自分の解釈では、情報システム化とソフトな経営資源を結びつかせる想起ができませんでした。しかし、のきは「情報システム化にあたって周囲の理解を受ける?」とやや強引だとしても連想していることに大きな違いがあります。
再現答案の反省
再現答案
手順は①複雑な事務作業の標準化②取引先の情報をデータベース化し、形式知化し、③OJTで教育し全社的に活用・使用できる様に情報システム化を進めた。それにより、効率性を高め費用削減と売上増大を図った。(97字)
記事が長くなるため、比較する解答の一覧は以下のリンクから確認してください。(3度目)
では、上記記事で掲載されている再現答案と分析と自分の答案を比較します。
反省点
・「手順は①複雑な事務作業の標準化②取引先の情報をデータベース化し、形式知化し、③OJTで教育し全社的に活用・使用できる様に情報システム化を進めた。」
書き出しの一文は、与件文の言葉を省略したりはしているもののできる範囲でそのまま記載していることは、まぁ問題ないでしょう。
そして、想起した標準化やDRINKなども記載できています。
だ・け・ど!
Ma.satoの記載では、与件文にある「ベテラン女性事務員と2年ほど共に働いて知識や経験を受け継ぐ」という暗黙知を共有するプロセス(SECIモデルの共同化)が記載できていません。
残念ながら与件文にマーキングすらできていない自分です。
ここが大きな減点でしょう。
・「それにより、効率性を高め費用削減と売上増大を図った。」
上記のミスにより、文字数が余ってしまったMa.satoは「効果」の記載に逃げてしまいました。
今回の設問では、明らかに「効果」に関しては言及されていないため、加点・減点はなかったのではないかと思います。
試験終了後から合格発表までの期間、「ベテラン女性事務員と2年ほど共に働いて知識や経験を受け継ぐ」というワンフレーズがないことから最大でもここは10点くらいかな?ズーン…とへこたれていました。
自分がへこんだエピソードはいいとして、SECIモデルは確かに経営戦略で触れる内容です。令和2年度に出題されれば、今後対応できる受験生がほとんどでしょうが、これからもハード資源に関連させて問われる経営戦略の設問は出るかもしれないため、今いちど一次試験の内容を軽くでいいので復習しておきましょう。
登録してから半年だけの診断士のざれ事:「強み」とは?
第2問では、設問が事例IIIのようにハード資源に関する問いであることを説明しました。
そこで、もう一歩踏み込んだ質問を読者の方にします。
あなたは「強み」をさらに細分化していますか?
強みの分類・細分化の切り口はさまざまですが、自分は強みをさらに以下のように大まかに分類しています。
外部への強み(魅力)
・「お客様がお金や時間と交換したいと思えるもの(商品など)」
内部の強み
・「ソフトな経営資源(ノウハウや人材など)」
・「ハードな経営資源(機械などの固定資産に関連することなど)」
そして、これらの強みが特に注目を浴びてスポットされる事例が、
事例I:「ソフトな経営資源(ノウハウや人材など)」
事例II:「お客様がお金や時間と交換したいと思えるもの(商品など)」
事例III :「ハードな経営資源(機械などの固定資産に関連することなど)」
もちろん、重複する部分もありますが、根底は上記のようになります。(事例Iは戦略・組織管理、事例IIはマーケティング、事例IIIは生産・運営管理であることを考えると当たり前です。)
中小企業診断士試験では、この「強み」の細分化が本当は大切だけど暗黙知なのでは?と思い、ここに記載しておきます。
※資源(内部の強み)は診断士試験では「強み」と解釈されますが、資源は強みではなく「独自資源」であり、「強み」と明確に区別する場合もあります。
しかし、正直に、去年受験した当時の自分はここまで理論的に細分化できていませんでした。感覚的な判断もいいところです。時間があれば、ここまで細分化してみると面白いかもしれませんよ。
この設問を契機に、自分の周囲の暗黙知を考えてみると数えきれないくらいまだまだあることがわかりました!
あなたがプライベートや仕事で当たり前のようにやっていること、実は暗黙知ではないですか?
第3問
第3問
現在、A 社長の右腕である執行役員は、従来のルートセールスに加えて直販方式を取り入れ売上伸長に貢献してきた。その時、部下の営業担当者に対して、どのような能力を伸ばすことを求めたか。100 字以内で答えよ。
設問解釈の比較
さて、後半戦の第3問です。
長いよ!長すぎるよ!!Ma.satoさん!!!とお思いのあなた、コーヒーブレイクしても大丈夫ですよ。え?出勤中?ならば、目をつぶって5分間マインドフルネスしましょう🧘♂️
でもでも、元気な人は勢いこのまま行っちゃいましょう!
本番でのMa.satoの解釈
【制約条件】
- 時制は「直販方式を取り入れた時」なんだなぁ。
- 問われていることは「能力」か。
【想起したこと】
- ルートセールスって、売ってくれるところに訪問して販売だったかな?(営業経験がない自分の弱み…)
- 直販方式って、自分たちで直接販売することだったっけな?だから直販か!(勝手に納得)
- ということは、直接販売することで売上伸長する要素となる能力を高めたってことね。
- 自分たちで売るから、B to BからB to Cになって、B to Cで伸ばせる能力をメインで書こう!
- となると、お客さんと双方向のコミュニケーションがとれるくらいの営業力、自分たちでニーズの調査などマーケティング分析ができることかな?
次に、のきが記載してくれた設問解釈と見比べてみましょう。
のきの設問解釈
設問のタイプ:期待効果
「どのような能力を伸ばすことを求めたか」が設問要求ですので、こちらは期待効果だと考えました。
設問のレイヤー:人的資源管理
従業員の能力開発についての問題のため、人的資源管理のレイヤーだと考えました。
【制約条件】
- 明確なものはないですが、ルートセールスから直販方式への変化における能力を考慮する必要があると思います。
【想起したこと】
- BtoBからBtoCに変わるので、顧客のニーズ把握とかだろうか?
問われていることは、従業員の能力のため、「レイヤー」=「誰のため?」とすると「従業員」のためということになります。
この点は同じですね!ふぅ、危なかった!!
再現答案の反省
再現答案
能力として双方向コミュニケーションの直販方式に対応する為①丁寧な接客力②最終顧客のニーズを把握し、省みて全社的に共有する営業力を伸ばす事である。これにより顧客ニーズに対応し、顧客満足度と売上伸長した。(100字)
記事が長くなるため、比較する解答の一覧は以下のリンクから確認してください。(4度目)
では、上記記事で掲載されている再現答案と分析と自分の答案を比較します。
反省点
・「能力として双方向コミュニケーションの直販方式に対応する為①丁寧な接客力②最終顧客のニーズを把握し、省みて全社的に共有する営業力を伸ばす事である。」
①はこれまでA社にない能力、②与件文に意図させる内容を切り貼りした(言い換えあり)内容で大丈夫かな。
また、論理も読み返して破綻がないため、問題ないでしょう。
だ・け・ど!”双方向コミュニケーション”の直販方式とまで言及してよかったのだろうか?(この点も、試験終了後に自分を悩ませました…)
他の受験生にも「双方向コミュニケーション」というフレーズの記載はなく、ここまで記載するのは正解とは言えないでしょう。
そして、コミュニケーションに「双方向」とつけていても、A社と誰なの?B(相手企業)?C(最終顧客)?と目的語を明確にしていないところも良くありません。「双方向」なら3文字なため、単純に「顧客と」と記載すべきであり、コミュニケーションには元来「双方向」というニュアンスがあることを考慮しておけば…などと、試験後に悩み続けた自分です。
顔も知らない採点者の方に「顧客だよ!!」と念波を送った私ことMa.satoは勇気があるというよりも、無謀でした。
でも、結果問題なかったのでしょうか。採点者のみぞ知ります。
・「これにより顧客ニーズに対応し、顧客満足度と売上伸長した。」
「効果」として記載しましたが、ここはもう少し問われている能力を記載した方がよかったのか、はたまた「効果」を記載するという分散作戦が功を奏したのかは判然としません。
無難なことは、のき、なゆた、と〜しのように「”効果のための”○○という能力」と修飾させて記載する方法が好ましかったのではないかと思います。
今回の反省することは、
- ルートセールスと直販方式の違いを明確に指摘できなかったこと
- さらにそれぞれの販売方式で活用できる能力を明確に区分できなかったこと
- 文章として、主語+(修飾後)目的語+述語、を明確にできなかったこと
です。
これらの反省点を意識して実行できるようにすることが、次回の課題です。(メモメモ〜)
ルートセールスと直販方式
本設問では、ルートセールスと直販方針が問われています。昨年の自分のように、なんとな〜く理解していませんか?
今回を機に違いを確認しておきましょう。
ルートセールス:特定の決まった得意先に向けて営業活動を行う仕事。B to Bで、相手先に求められるサービス・商品を提供する。
直販方式:自ら生産した商品を直接店や消費者に販売する(EC(電子商取引)も含む)。B to Cで、顧客にサービスを提供する。
上記のため、売上伸長のために求められる能力は、ルートセールスではB to Bに関することであり、直販方式ではB to Cに関することです。
それぞれどのような能力が求められるか、一度おさらいしてみてください。
参考:コトバンク「ルートセールス」
参考:コトバンク「直販方式」
今回の設問は、事例Iというよりも事例IIのマーケティングに関するような問いでした。
しかし、問われていることはソフトな経営資源(人材に関する能力)です。
設問2では事例III、設問3では事例IIというように、それぞれのフレームを外れてコラボレーションして問われる可能性が今後もあるため、冷静沈着に対応できるようにしておいてくださいね!
そうでないと、自分のように試験後に悩みます。笑
第4問
第4問
将来、祖父の立ち上げた企業グループの総帥となる A 社長が、グループ全体の人事制度を確立していくためには、どのような点に留意すべきか。中小企業診断士として 100 字以内で助言せよ。
設問解釈の比較
では、最後の設問に取りかかりましょう!
最後は、みんな大好き!お決まりの人事施策です!!
自分は試験本番で「きたぜよ!おっしゃー!!」と坂本龍馬ばりに心の中で叫んでおりました!
本番でのMa.satoの解釈
【制約条件】
- 時制は「未来」で、これからやること。
- 問われていることは「留意点」であり、「課題」と「対策」のセット記載、「効果」はおまけで記載する。
【想起したこと】
- とりあえず、「さちのひもけぶかいねこ」と「茶化(サハホイヒ)」を無意識的に書き込む。
- 企業グループの今の人事制度ってなんだろう?与件文で確認だな。
- 現在の企業グループの人事の課題とそれに対する対策を述べるればよいのね。
- そして、先代にもなくて今のA社長にもない、これから必要なマネジメントですね。
次に、のきが記載してくれた設問解釈と見比べてみましょう。
のきの設問解釈
設問のタイプ:助言
人事制度を確立していくために留意する点を聞かれているので、助言だと判断しました。
設問のレイヤー:経営戦略&人的資源管理
人事制度の確立と言われているので、人的資源管理のレイヤーであることは間違いないと思いますが、「グループ全体の」とあるので、経営戦略的視点も必要なのではないかと推測しました。
【制約条件】
- 「グループ全体の」人事制度を確立する施策でないといけない
【想起したこと】
- 幸の日も毛深いネコの何を使うべきか?
- グループの一体感を作り出すことが必要?
- グループ共通の人事評価の納得感を形成することが重要?
グループの一体感を出すこと、グループ共通の人事評価の納得感を形成することに関しては、正直今もわかりません。
なぜなら、企業グループの情報が少なくて良いとも悪いとも結論づけられないからです。
この点は、参考として頭の片隅においておきます。
再現答案の反省
再現答案
留意点は、家族主義的経営の脱却と祖父に依存する人事管理の近代化である。具体的には、正規・非正規社員を問わず①公平な評価制度に基づく表彰や報酬の成果主義の導入②責任権限の移譲で、士気向上と組織活性化を図る。(101字)
記事が長くなるため、比較する解答の一覧は以下のリンクから確認してください。(5度目)
では、上記記事で掲載されている再現答案の分析と自分の答案を比較します。
反省点
・「留意点は、家族主義的経営の脱却と祖父に依存する人事管理の近代化である。」
自分は、この設問では「課題」と「対策」を先出しにすることにしました。
他の受験生とはやや異なります。と〜しと若干似ているでしょうか。
理由は、与件文の最後の段落である12段落目に「しかしながら、A社の人事管理は、伝統的な家族主義的経営や祖父の経験を勘をベースとした前近代的なものであることも否めない。社員の賃金を同業他社より高めに設定しているとはいえ、年功序列型賃金が基本である。」という記載があったことです。
え?理由になっていない?
ここの文章が私には「ここだよ!見つけて!!」と訴えているようにしか感じられませんでした。(え?感じない??)
そこで、記載はそのまま”裏返し戦法”で「留意点は、家族主義的経営の脱却と祖父に依存する人事管理の近代化である。」と記載したわけです。な〜んだ、答えは与件文に書いてるじゃんと思いませんか?(え?思わない??)
さらにこの文章から、賃金は高いけど年功序列型をどうにかしたいことを「しかしながら」という接続詞をわざわざ使って強調されているわけです。
ワナではないだろうな、とちょっとだけ疑ってから以下の具体的施策を記載します。
ただし、他の受験生と比較すると「ち:賃金・報酬」「ひ:評価」「け:権限委譲」のみに特化した答案であり、多面的に記載して分散戦略をとっている自分としてはかなり攻めた解答です。
・「具体的には、正規・非正規社員を問わず①公平な評価制度に基づく表彰や報酬の成果主義の導入②責任権限の移譲で、」
年功序列の反対事項を記載することをメインに、自分は上記を記載しました。
正規・非正規の記載に関しては、今回のA社ではそこまで問題視されていなかったことからここだけに絞るのはいかがなものかと現在は振り返ります。
正規・非正規について、現在の日本の社会的問題の一つである「正規雇用と非正規雇用の格差」に大きく引きづられてしまいました。決して誤りではないでしょうが、自分のように事例を超えて日本の社会問題に強く影響されるような記載は好ましくないでしょう。
・「士気向上と組織活性化を図る。」
最後に、記載したように、おまけで効果も簡潔に記載します。
論理として矛盾なさそうで、試験としてはこれで問題ないかと思われます。
設問4で反省することは、多面的に解答して分散戦略をとっていないことです。(⚠️分散戦略をとっている場合)
一貫性がない自分自身を戒めます。
また、去年、どなたかの記事で、慣れると自分から解答の根拠を探すのではなく、与件文から自分に解答の根拠を「ここだよ!」と訴えてくれるという内容があったことをうっすら覚えています。
今となっては誰の記事かわからないのですが、受験生当時は何を言っているのか「ワ・カ・リ・マ・セ〜ン」だった私も「最後はなんとかその境地に達したのかなぁ」なんて思ったことを鮮明に覚えています。
きみもこの境地へGO!
登録してから半年だけの診断士のざれ事:「さちのひもけぶかいねこ」の「ち:賃金・報酬」には気をつけて
組織・人事施策の切り口として有名な「さちのひもけぶかいねこ」、実は注意点があります。
さ:採用・配置
ち:賃金・報酬
の:能力開発
ひ:評価
も:モチベーション(モラール)
け:権限委譲
ぶ:部門
かい:階層化
ね:ネットワーク
こ:コミュニケーション
この切り口は便利すぎて、実際に中小企業診断士試験から離れて実論の考えとしても有用です。
しかし、この中で「ち:賃金・報酬」だけ仲間外れであることに気づきますか?
ヒントは一次試験で学習したハーズバーグの2要因理論(動機付け・衛生理論)です。
「あっ!」となったあなた、そうです。賃金・報酬だけが衛生要因で、その他は基本的には動機付け要因になります。
そのため、組織・人事施策として「ち」を用いることは必ずしも好ましい結果を生むわけではありません。
賃金・報酬はいくら制度として調整しても、永久に満たされることはありません。
もっと成果に基づく報酬が欲しい、もっと自分に見合った賃金が欲しいとなってしまうことが世の常です。
そして、この欲求は競争主義を助長し、それぞれのグループや組織・個人と小さい枠だけを省みるようになり、組織としての凝集性を失う可能性にも繋がります。
実際に、「ち」の施策として成果主義を導入した結果、近視眼的(短期的)に企業として売上向上しても、俯瞰的(長期的)には組織として機能しなくなったり、それぞれを支え合う組織文化が失われて自滅してしまった企業はあまたとあります。
今回の設問の事例を見ると、A社とそのグループ企業はここまで家族主義と年功序列のメリットを大いに享受したからこそ、ここまで成長した可能性が高いです。
そのため、実務補習・従事・実務などで成果主義を提案する際には、これまでの家族主義や年功序列による恩恵を御社が享受していないか、そして成果主義を導入することで長期的な問題・課題が生じてこれまで築いてきた組織文化が崩壊する可能性がないか、もし可能性があるならば同時にどういったことを考慮する必要があるか、家族主義と年功序列とハイブリッドとなる施策はないかをよく吟味したうえで、施策を提言しましょう。
このようなことを考えると、成果主義などの人事施策は「組織・人事」という根底を支える土台であり、土台が崩れると上層の戦略などの「レイヤー」がともに崩れることもわかります。
⚠️た・だ・し、本事例では先ほどの与件文の抜粋のごとく「しかしながら、A社の人事管理は、伝統的な家族主義的経営や祖父の経験を勘をベースとした前近代的なものであることも否めない。社員の賃金を同業他社より高めに設定しているとはいえ、年功序列型賃金が基本である。」と年功序列は未来においてデメリットが大きくなる可能性を示唆する記載があります。
上記の点と100文字の解答という制限プレイの中で、成果主義を用いることは「試験的」には誤りではないかと思われます。
こういったことを知ったうえで、試験で成果主義を使いこなすといいのではないでしょうか。
日本の多くの企業で成果主義を導入したくても導入できない一つの理由は、家族主義・年功序列というメリットを大いに享受してきたうえに醸成された組織文化があるためでしょう。
各業界で、それぞれの組織文化を維持、または昇華させる成果主義を模倣したり、追い求めることが大切なのかもしれませんね。
おまけのおまけ Ma.satoの解答用紙メモ
令和2年度の事例Iの自分の解答用紙メモをここに置きます。
私は5-6色(設問数と同じ)のボールペン+蛍光マーカー使いです。
この時期に合格者の解答メモを見ることが有用だったことを去年覚えています。
「何が」自分と違うのか分析して、自分にとって「どうすれば」いいかを模索しましょう。
解答メモの工夫
- 解答プロセスの作成に夢中になって時間を忘れてしまう自分へのリマインダーとして、左上に解答を書き始める時間を記載する。
- ”分散”戦略に基づくため、「か(課題)」「対(対策)」「効(効果)」とメモの一番上に記載する。
- Ma.satoの場合、多色で分けるためのペンの持ち替え時間よりも、一色でマーキングした後に該当箇所をその都度探す時間の方が長かったため、多色使いにした。
- どの色で設問分けするかはその都度ランダムで、てきとー(≠適当)に各色で○をつける。
自分なりの解答メモの工夫のルールは以上です。
試してみて、合う場合には使ってみてください。合わない時には真似しない!
模倣しないことも大切な戦略の一つです。
自分というオリジナリティを持って、色々と試行錯誤してみてください。
こういった作業を楽しめると、もう「勝ち」です。
さいごに
どうでしたか?
令和2年度の事例Iの復習・反省を自分の解答とともにできましたか?
今回反省したことは、次回事例Iを解く時、実務補習・実務従事、さらに実務をする時に役立てましょう。
試験までまだまだ30日以上あります。
本当は、この時期にシャーペン一本打法か多色使いをするか検討していた自分の思い出から、それぞれのメリット・デメリットだけ紹介しようと思っていたのですが、勉強会に参加できないことから自分の解答プロセスを記事として残すことにしました。
一つの記事の長さを3,000文字程度にしようと制限している自分ですが、気づけば18,000文字オーバーです。
多忙な受験生にとっては迷惑この上ないかもしれませんが、お役に立てれば”ヨシッ”とします。
でもね、だからこそみんなのことを応援しています。この思いは12代目の道場メンバーみんな同じです!
適宜、道場の内容を使って前に進んでください。
がんばって!
では、明日は「のき」から19周目です。事例II、おねがいしま〜〜〜す!!!
せ〜の!ばいび〜
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Ma.satoさん、令和2年度の事例Ⅰ分析記事をありがとうございます。
今後、令和2年度の問題を本格的に周回していく予定なので、本記事をフルに活用させていただきたいと思います。
2点質問させてください。
①記事の最後に問題用紙を掲載して頂いておりますが、Ma.satoさんは問題用紙に解答骨子を作成されるスタイルだったのでしょうか?(空白のページを設問の数だけ分割し、そこに解答骨子を作成される方もいらっしゃるので)
②先日のmasumiさんの記事でMa.satoさんの回答内容が公開されておりましたが、本番で解き終えた直後の手応えとしてはどのような感じでしたか?(二次試験は手応えと結果が一致しないことが多いようですが、70点を取得された方の手応えはどうだったのかが知りたいです!)
お時間ある時にご教示頂けたら幸いです!
今月は連休も多く、結構がっつり勉強は行っていたのですが、まだ約40日は残っているんだなぁ、と思ってしまいます。
ただ、むしろこれからどう勉強するかを見直していく必要があり、それを間違えると本番大惨事になりかねないので、皆さんの今後の記事を参考に勉強を継続していきたいと思います。
ロムさん
コメントありがとうございます^^
早速、質問にお答えします。
①問題用紙に解答骨子を作成していたか
はい、そうです。理由としては、問題用紙に記載した方が圧倒的に自分にとっては早かったためです。具体的には、与件文、問題用紙、白紙に作成したメモを交互に見る時間よりも、与件文と問題用紙を見る時間の方が時間が少ないことです。白紙に丁寧に問題を再度記載したり、設問の解釈を記載するのは私にとっては「ムダ」だったためこの工程を削減しています。合う合わないがあると思うので、試してみて自分に合う方を選択してください。
②本番で解き終えた後の手応え
yesかnoかで答えると、手応えはありました。
もうちょっと詳しく書くと、正直に終わった後は大丈夫だな〜、と安易に自信を持っていました。
その後、各予備校の模範解答だったり、twitterで流れる再現答案(twitter民は合格率が非常に高かかったです)などに翻弄されて、試験直後に大丈夫だろうと思った自信はカケラも無くなりました。
しかし、今一度振り返って見ると私の結果は事例I-IIIが60-70点、事例IVは悲惨なもので50点で、試験直後に感じた手応えと一致していたのかなと思われます。(後出し的な分析です。)
おそらく、合格者は同じ精神的な道程を歩んでいると私は思っておりますので、試験が終わった後の自分の手応えを信じてみてください!
残り40日、まだまだ時間はたくさんあります。ストレート生はここから急激に伸びるので、引き続き頑張ってください!
大旗を振って、応援しております。
Ma.sato
Ma.satoさん、ご回答頂きましてありがとうございました。
おそらく、手応えがあってもなくても、合格発表までは自信を得たり無くしたりの繰り返しになると思うので、試験終了直後に「やれることは全部やった」という達成感を得られるよう、その日まで学習を進めようと思います。
また、先日は電卓の使い方の記事をありがとうございました。
あれからメモリ機能を使って事例Ⅳの問題を解いておりますが、以前よりも計算効率が劇的に向上(2分くらいの短縮ではありますがw)しましたので、お礼をと思いコメント致しました。