令和2年度高得点答案から読み解く事例の本質 〜事例Ⅱ編〜

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雑誌『企業診断 10月号(9月27日発売)』に
当サイト「一発合格道場」 12代目メンバー一同による記事が掲載されています!👏👏👏

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発売時期にお勧めのコンテンツとして、事例Ⅰ~Ⅲでは道場メンバーが受験生時代に実際に書いた「ダメ答案から学ぶ事例ポイント」を、事例Ⅳでは直前対策としての「記述問題対策」、「部分点対策」、「チェックリスト」の3点を雑誌記事にて公開します。

本試験1カ月前という直前期に受験生のみなさんにご確認・ご理解して頂きたいポイントをまとめましたので、よろしければご活用ください!

どうも、のきです。

2次筆記試験まで残り40日

だいぶ肌寒くなってきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回は前回の記事の続き事例Ⅱです。前回の事例1はこちら↓

本題に入る前にちょいと閑話を挟みます。(とっととしろという方は少し下の目次までどうぞ。)

1次試験の合格発表もあり、なんとも2次試験に向けてふわふわした状態のまま前に進むしかない状況から、はっきりと2次試験が意識できるようになったのではないでしょうか?
かく言う私も昨年は2次筆記試験の試験案内が到着した時にはっきりと2次試験を受けるんだと実感が湧いた記憶があります。

1次試験からおよそ1ヶ月経過して、過去問の演習も進んできて少しずつ2次筆記試験の形式に慣れてきた頃ではないでしょうか?
そして形式に慣れてくるととともに、「こんなんでいいのかな?」、「いまいち前に進んでいる感覚がない……」と言ったように不安が出てくるのではないでしょうか?

大丈夫! その反応は至極真っ当です!

勉強していて不安になるのは「自分が本当にその勉強を一生懸命取り組んでいるから」です。

不安になる程、自分は本気でこの試験に取り組んでいるんだと言うことの証左に他ならないのです。

と、激励の言葉をかけても不安が消えないのもわかっています。

そんな不安を払拭するのに効果があると私が考えるのは、

自分や人の答案を批判的に見てみる

ことです。

いざ批判をしようとすると自分自身の中で確固たる論理がないとただのイチャモンにしかならず、なんとも間抜けなコメントになりがちです。
そのため、批判的に考える過程で、何が良いのか?、何が悪いのか?を本気で考えることができます。

診断士試験の2次試験の勉強というのは、究極的にはこの批判的に自分の答案と向き合うこと(いわゆるクリティカルシンキング)をどれだけ深く、そしてどれだけ高いレベルでできるかということだと考えています。

自分の答案をコケにするのはなかなかに苦しい作業ではありますが、2ヶ月後の自分のためと思い、徹底的に行っていきましょう。

そして、今回の記事が答案との向き合い方のヒントや追体験の助けになれば幸いです。

では、本題に入っていきますよ〜。

今回のご協力者〜クレジットに変えて〜

今回は私を含めた以下の4名の再現答案を使って話を進めていきます。
この場を借りてご協力者には感謝申し上げます。

  • ハルカさん
    開示得点:80点
    タキプロのWeb勉強会で一緒に活動をするお友達。基本的に物腰柔らかで、物言いも非常に丁寧。zoomでの発言がお見合いになるとついつい相手に譲ってしまう大和撫子。
  • にのみ
    開示得点:61点
    道場12代目最年少。見た目はさわやかな優男だが、プラントエンジ会社でしこまれた(?)真の強さ、積極性は12代目随一。家サウナを実現するための投資は厭わないサウナー。
  • のき
    開示得点:58点
    言わずと知れたこの記事の筆者。最初で最後の見せ場だった事例Ⅰが終わったのであとは高得点答案の引き立て役に徹する予定。でも言うべきこと、論理的に言えることは言わせていただきます。
  • しょーた
    開示得点:47点
    ふぞろいな合格答案メンバー最年少。基本ヘラヘラしているので、何も考えていないように見られがちだが、実は若いなりに色々なことを考えて動いているしたたかな男。

高得点答案と40点台の答案が道場内で見つからなかったので、タキプロからハルカさん、ふぞろい14からしょーたに協力いただきました。

期せずして、道場とふぞろいの最年少が並ぶ事例Ⅱ。
前回の事例Ⅰ同様長くなりますが、お付き合いいただけますと幸いです。

では行きますよ〜。

第1問

第1問

現在の B 社の状況について、SWOT 分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ 40 字以内で説明すること。

設問解釈

令和元年度に続いての第1問からのSWOT分析。昨年出ていたから今年はSWOT分析が出るはずないと踏んでいた予備校もあったそうです。
ですが、令和元年度の過去問をしっかりと取り組んでいたり、事例ⅢのSWOT分析をしている受験生であれば、SWOT分析はお手の物のはずです。
しかし、事例ⅡではSWOTの要素がたくさん記述されており、特に強みの記述が多く記載されるという特徴があります。
そのため、強みの記載を如何に選別して、適切なものを限られた字数に記載するかのがポイントになるのではないかと考えます。

のきの設問解釈

事例IIでは問題のタイプやレイヤー等を考える必要はあまりなく、どちらかといえば制約条件をきちんと押さえて、中小企業としてのマーケティング戦略を意識した解答をすることが肝要になります。
そのため、制約条件と想起したことを設問解釈として

【制約条件】

  • 「現在の」状況について記載しなくてはいけない。過去の強みについて書かないように注意

【想起したこと】

  • SWOT分析+現状ということで、与件文の情報をうまく解答に記載しよう
  • 40字の字数制限なので、2つか3つくらいの要素を詰め込むことになるだろう

再現答案比較

さて、実際に再現答案を見ていきましょう。

解答者再現答案
ハルカS:無農薬で高品質なハーブ、効率的な栽培方法の確立、島内工場加工による輸送コスト削減。

W:ハーブと島の全国的知名度の欠如、Z社との取引への依存、自社ブランド製品が無いこと。

O:安眠系サプリメントの原材料需要の増加、美しいハーブ畑の景色、島の観光資源。

T:ヘルスケア市場の競争激化、Z社との取引の減少、X島からの人口流出。
にのみS: ①効率的なハーブの栽培ノウハウ②美しいハーブ畑③高品質、安全性を追求する姿勢。

W: ①本州から遠く、輸送コストがかかる②全国的な知名度がない③自社ブランドが無い。

O: ①インターネットを介したハーブ需要②複数のヘルスケア社からの引き合い。

T: ①Z社からの取引縮小②島からの雇用人口減等の地域の活力低下。
のきS: 製品が島内で認知され、島の顔として広告設置され、自社サイトで販売もしている点。

W: 本州から海で隔てたX島にあり、ハーブの認知度が大消費地で著しく低い点。

O: 消費者の健康志向が高まり、複数のヘルスケアメーカーから引き合いがある点。

T: X島の若年層の人口流出と高齢化による地域活力の低下とZ社のブランド刷新。
しょーたS: ①独自の効率的な方法での複数種類のハーブ栽培と粉末加工技術,②ハーブの知名度向上。

W: ①Z社への売り上げ依存体質と取引量減少,②島から島外へのハーブ輸送コスト。

O: 安眠ハーブの取引先からの需要と自社ブランドとして顧客から需要があること。

T: 消費者の健康志向を背景に拡大するヘルスケア市場における競合メーカーの存在。

今回4人がSWOTで記載した項目のうちハルカさんとにのみが書いた項目を60点以下の2人が書いていたかどうかの視点で下の表の通り一覧表にしてみました。

【ハルカ】

のき的評価:A答案

ハルカさんの解答を見るとSWOT全てで3つの要素を入れ込んでいます。そして全ての要素は10~15字程度の体言止めで美しくまとめています。全てが加点項目になって、いると思います。

箇条書きをするときは①〜、②〜と書く人が多いと思いますが、ハルカさんの解答では、単純に読点のみで記載しているので、言止め+読点で箇条書きする書き方はありなのではないかという仮説をここではたてられますね。

体言止めで書いている記述自体が与件文の記述をベースにしつつ、まとまっているので読んでいても違和感ありませんし。おそらくSWOTが最もやらかした設問と言える私としては模範的な解答をみることができて眼福でした。

【にのみ】

のき的評価:A答案

にのみの解答がハルカさんと異なるのは、OとTが2項目しかないという点です。ハルカさんとにのみの点数の差と他の設問での解答を考慮すると1項目抜けたところで、1点程度の差にしかならなかったと分析します。

またSとWにおいても1項目ずつ書く要素が異なっています。
ここで考えられる仮説はもしかしたらOとTに関しては3項目ではなく、2項目でも十分だったのかもしれません。この加減については神(採点者)のみ知る世界なのであくまで参考として理解してください。

ただ、中小企業が自分の力で成長していくということを考えると自分でどうすることもできないOやTよりもSやWにより重点的に着目して戦略を考えていくのが妥当なのではないかと考えます。

【のき】

のき的評価:B~C答案

こうみると私の解答は特にSとWが壊滅的ですね。Sは試験時間ギリギリまで何を書くべきなのか悩んだ結果書いたので、迷走の結果がみて取れます。

変に与件の言葉を編集しようとした結果、なんだか変な解答になってしまったような気がします。第1段落に書いてある現在のB社の状況をその後の与件文の記述と組み合わせて素直に記載すればよかったと、猛省しています。

【しょーた】

のき的評価:B答案

しょーたの答案は私の完全上位互換、ハルカさんの完全下位互換といった解答です。

1点、この問題で判断が難しいのはヘルスケア市場を機会と捉えるか、脅威と捉えるかがあったと思います。
今思い返してみると、複数のヘルスケアメーカから引き合いがある(O)とはいえ、市場としては競争が激しい(T)という記述が与件文にあるため、ヘルスケアメーカ経由で参入した市場がレッドオーシャンになっている可能性は高いと考えて、脅威に分類すると思います。

その点においても私個人としてはハルカさんの回答が最も妥当性のある解答ではないかと考えています。

高得点答案 ここがPoint!!

  • やっぱりあくまで与件文の記述を活用した解答をする!
  • 簡潔に短い文章で説明することで、要素をなるべく入れ込む!
  • SWOT分析では特にSやWをなるべく多く、そしてクリティカルなものを探し当てる

第2問

第2問

Z 社との取引縮小を受け、B 社はハーブ Y の乾燥粉末の新たな取引先企業を探している。今後は Z 社の製品とは異なるターゲット層を獲得したいと考えているが、B社の今後の望ましい取引先構成についての方向性を、100 字以内で助言せよ。

設問解釈

本文は100字で30点という高配点の設問で、おそらく受験生の誰もが「この問題は落とせない……」と考えたのではないでしょうか?

そんな中私といえば、

第1問はSをどうしたらいいかいまだにわからん……。とりあえず次行こ、次。

と、特に配点を気にすることもなく、次の問題ということで取り組み始めましたとさ。

のきの設問解釈

【制約条件】

  • 新たな取引先企業を探しているため、新たな取引先企業を解答で示さないといけない
  • Z社の製品とは異なるターゲット層をターゲットにしないといけない

【想起したこと】

  • ターゲットについての言及が必要ということはダナドコにそって記載していけばいいはだ。ただ、ハーブYを売ることは決まっているので「何を」は書かなくていいはず。
  • 取引先構成というのはどう考えるべきだろうか?チャネルの話だろうか?
    チャネルの話の場合は直販は考えなくてもいいのか?(←おそらく考えなくて良い)

再現答案比較

では4人の再現答案です。

解答者再現答案
ハルカ大消費地の高齢者をターゲットとする複数のヘルスケアメーカーとの取引を志向する。ハーブの健康・長寿の効能を訴求し、Z社との取引実績を生かして、新顧客獲得、Z社への依存度を下げ、経営リスク分散を図る。
にのみ高齢者をターゲットに粉末ハーブを練り込んだ製品を食品メーカーと開発し、長寿、健康を訴求したパッケージや広告看板を本州に設置し、全国的知名度を獲得し全国販売することでZ社とヘルスケア市場依存を解消する。
のき20代後半と50代のヘルスケアに関心の高い女性を狙って、①現在少量取引のヘルスケアメーカーへの原材料供給取引、②自社オンラインサイトを通じた消費者への直接取引、を拡大させ、Z社との取引減少に対応する。
しょーた少量の取引がある取引先に対し,ハーブYの健康,長寿の効能という強みを生かして健康志向の高齢者をターゲットにした新製品開発を想定した提案営業を行い新規顧客,取引先の獲得とZ社依存からの脱却を図る。

この問題はダナドコで考えるはずなので、4人がダナドコで何を書いたのか表にしてみました。

【ハルカ】

のき的評価:A答案

よく読んでみるとハルカさんの解答で、与件文に書いていないキーワードは「経営リスク分散」のみです。つまりほぼ全てのキーワードを与件文の単語から拾ってきているということです。
与件文に寄り添い女王の称号を授与したいレベルでの与件文の寄り添い具合です。

また、唯一ハルカさんが書いているのが、「Z社との取引実績を生かして」という記載です。11段落にもハーブYとは異なるハーブに対して声がかかっているヘルスケアメーカもZ社とのハーブYの取引実績が安心材料となっていると書いていますし、現在少量でも取引がある相手の取引を拡大する方が実現可能性は高そうに見えますね。実に妥当性の高い解答だと思います。

強いてよりよい答案にする方法を考えるとしたら、ヘルスケアメーカ向けに売るのであれば、「ヘルスケア市場の拡大」という機会について触れておくとさらに得点が伸びたような気がします。

【にのみ】

のき的評価:A~B答案

にのみの取引先の選択は食品メーカでした。ハルカさんの点数を頭に入れて考えるとやや思いつき答案のような感じが否めませんね。いきなり全国知名度を獲得したり全国販売するといった未来を描いていますが、やや性急な戦略な気がしますね。

ただ、試験現場では全国的な知名度がないという悩みを抱えたB社の悩みを解消する手段として書きたかったのではないかと思います。

【のき】

のき的評価:B答案

私の解答の致命的なところはハーブYの特性に全く触れていないところですね。

正直に告白すると、私はこの解答を作るときはハーブYとハーブY以外のハーブの効能の違いを全く意識していません。なので、単純にZ社がメインターゲットとしていた健康や長寿の効能を持つハーブYを20代後半に売りつけようとしているわけですね。実にいけてない戦略だと思います。

また、最後の効果の記述でも「Z社との取引減少に対応する」という書き方で、なんともボヤッとしたいけてない言葉遣いですね。

また、私としょーたの解答には「ジオ」の記述がない一方で、ハルカさんとにのみの解答には書いてあります。もしかしたら、離島に所在するB社が大消費地ないし本州に打って出るために新たな取引先を開拓する戦略という解答が求められていたのかもしれません。

【しょーた】

のき的評価:A〜B答案

この設問のしょーたの答案は私はかなりハルカさんの答案に近いものがあるのがあるのかなと思います。ですが、ハルカさんの答案との大きな違いは本文で問われている「取引先構成」を「少量の取引がある取引先」という記述にして、与件文に書いてある取引先の属性(今回はヘルスケア)の記述を抜いてしまった結果、ぼんやりとした解答になってしまったのではないでしょうか。やっぱり与件文大事なんですね。

また、B社はハーブの粉末化については技術があるのですが、ハーブをどんな商品にするかまでは提案力があるとまでは与件文の情報だけでは言えない気がします。なので、提案営業という記述が「B社のことわかってない」感を出してしまい、点数が伸びなかったのかもしれませんね。

改めて、本文のポイントは商材(ハーブY)の特性や強みを踏まえて、B社の持つ歴史的強みを活用して、新たな販路を拡大するという解答が求められていたのだと思います。そのため、先述のそれぞれの要素を一つ一つ丁寧に解答に織り込めた解答が高得点になったのではと思います。

高得点答案 ここがPoint!!

  • やっぱり与件文の活用が重要
  • 取り扱う製品の特性を必ず意識して販売戦略を建てないといけない
  • ターゲットの設定は販売する製品が本当にそのターゲット(市場)に刺さるかを確認する。
  • 販売戦略は実現可能性の高さを解答で示すために、与件文の情報からこれまでの取引経緯等を踏まえて書くのが望ましい

第3問(設問1)

第3問(設問

B 社社長は最近、「眠る前に飲むハーブティー」の自社オンラインサイトでの販売を手がけたところ、ある程度満足のいく売上げがあった。

(設問 1 )
上記の事象について、アンゾフの「製品・市場マトリックス」の考え方を使って50 字以内で説明せよ。

設問解釈

人によっては「アンゾフの馬鹿野郎」という言葉を吐かざるを得なかったという本文。正確にアンゾフの「製品・市場マトリックス」を理解した上で、B社の具体的な事象を織り込んで説明することが重要です。

のきの設問解釈

【制約条件】

  • 製品・市場マトリックスの考え方を使うこと
  • 眠る前に飲むハーブティーで起きた事象であること

【想起したこと】

  • 製品・市場マトリックス(市場浸透、新市場開拓、新製品開発、多角化)

再現答案比較

解答者再現答案
ハルカ20歳代後半〜50歳代の大消費地の女性という新市場、安眠系ハーブの新商品による多角化戦略。
にのみ安眠を求め、20歳代後半〜50歳代の大都市圏在住の女性需要に安眠をコンセプトにした製品がマッチした。
のき従来から栽培していたハーブの用途の広さを活用し、自社で新製品を開発し、大都市圏の市場を開拓した。
しょーた新ブランドを立ち上げて幅広い顧客層への新しいコンセプトを提案し,支持拡大と売上拡大を行った。

【ハルカ】

のき的評価:A答案

さすがハルカさんバッチリ製品・市場マトリックスを完璧に理解していると思われる解答。アンゾフのマトリックスの「新市場」の考え方については議論の余地がありますが、ハーブティーの市場と、ハーブティー製品の特性を、与件文から引っ張ってきて最後に製品・市場マトリックスの知識として多角化で締める。模範的な解答だと思います。

【にのみ】

のき的評価:C答案

にのみの解答は明らかにアンゾフの製品・市場マトリックスがわかっていない解答ですね笑 わからないなりに何かを書かないとと言う現場での格闘の跡が見えます。

一見すると、問題に答えられていないような解答なのですが、戦略名を明記しないまでも、市場(ニーズ)に対して、製品(安眠がコンセプト)という記載なので、なんとなく理解できているようないないような解答なので、0点にはならなかったような気がしますね。

やっぱりわからない時に思考停止にならず、なんでもいいからそれっぽいことを書いて足掻くというのは2次試験で重要なマインドだと改めて思います。

【のき】

のき的評価:B答案

手前味噌ですが、私の答案も製品・市場マトリックスを理解していることをアピールできる解答にはなっているとは思います。しかし、自分自身での反省でもあるのですが、最後に「多角化戦略」と書かなかったことで、中途半端な理解だとみなされてしまったのかもしれません。(わかってはいたんです。「市場」の定義に自信が持てなくて「多角化戦略」と書くのが怖かったんです。)

【しょーた】

のき的評価:D答案

しょーたもおそらくアンゾフの製品・市場マトリックスがわかっていないですね笑 というか、ブランド戦略について回答しているので、これは流石に点が入らないですね。にのみのようになんとなく製品と市場について触れていますよーという書き振りだと点が入ったかもしれませんね

高得点答案 ここがPoint!!

  • やっぱり与件文の言葉が重要(本日3回目)
  • 知識問題がしっかり頭に入っているのであればその知識に基づく言葉を明確に使う(=わかっている感を出す)
  • 知識がなかったとしても設問で問われていることをしっかりと踏まえて、それっぽいことを解答用紙に記載する

第3問(設問2)

第3問(設問2)

B 社社長は自社オンラインサイトでの販売を今後も継続していくつもりであるが、顧客を製品づくりに巻き込みたいと考えている。顧客の関与を高めるため、B社は今後、自社オンラインサイト上でどのようなコミュニケーション施策を行っていくべきか。100 字以内で助言せよ。

設問解釈

事例Ⅱ頻出のオンラインでの顧客とのコミュニケーションです。
制約条件をしっかりと踏まえた上で回答を作成していけば比較的合格レベルの答案は書きやすかった設問だったのではと考えます。

のきの設問解釈

【制約条件】

  • 顧客を製品作りに巻き込む施作であること
  • 顧客の関与を高める施作であること
  • オンラインサイト上でのコミュニケーションである事

【想起したこと】

  • オンラインサイトで行うコミュニケーションといえば、大体掲示板・BBS・SNSあたりか。
  • 顧客を巻き込むということは「双方向コミュニケーション(=双方向の交流)」というキーワードが入ってくるはず。

再現答案比較

設問解釈をしたところで4人の再現答案です。

解答者再現答案
ハルカ施策は①自社商品を使用したレシピ投稿の募集・掲載、②新商品のモニター募集と感想の掲載、③口コミ募集と商品の改良・開発への反映を行う。以上により顧客満足度向上と商品の知名度・付加価値向上を図る。
にのみサイト訪問者に対して、コメント欄を設置して、そこに好みや要望を書き込んでもらうと共に、自社からの提案も行い交流を図る。そこで獲得したニーズを基に自社ブランド製品を開発し、愛顧向上と売上向上を図る。
のき施策は①製品購入者に対してBBSやSNSへの口コミ投稿の喚起、②顧客ニーズ把握のためのアンケートの実施、③ハーブを使用したおひたし等のレシピ公開、等の双方向の交流による愛顧獲得と自社ブランドの確立である。
しょーた施策は①問い合わせフォームの設置による質問への対応で満足度を高め,固定客化を図るとともに,ニーズを把握して商品開発につなげ,②購入者に顧客情報を登録させ,消費が終わるころにDMを送りリピート購入を促す。

【ハルカ】

のき的評価:A〜B答案

施策として挙げた①〜③はどれもハーブという食品と効能を体験してもらうことで価値が認識できる商品であることを踏まえて、顧客を製品作りに関与させる施策となっており、その上で、製品の改良・開発へ反映すると記載しています。そして、締めの効果として顧客満足度向上、知名度・付加価値向上、が記載されています。

これまでハルカさんの解答には非の打ち所はなかったのですが、本問においてはコミュニケーション施作が問われているので知名度や付加価値という製品に対しての効果を記載するのはやや解答の方向性としてはズレているような気がします。

関与させることは顧客がB社の製品をより使いたいと思わせるような施策であるはずなので、そのため、今回の解答は施策はバッチリ、効果がイマイチという解答ではないかと僭越ながらコメントしたいと思います。

【にのみ】

のき的評価:A〜B答案

にのみの解答は双方向のコミュニケーションを志向するような施策の書き方になっているのでその点は評価されて加点されているはずです。ただ、若干概要的な記述なので、より具体的な施策を記述することでさらに点数が伸びたのではと考えます。しかし、ハルカさんと対照的に効果の記述は完璧。収集した情報を製品開発に活用して、愛顧・売上向上で締めているのはさすがです。

【のき】

のき的評価:B答案

実は私だけ解答に書いていないことがあります。それは「コミュニケーションで入手した情報を製品開発に活用する」です。私の解答は情報の収集やコミュニケーションに注目してしまっていて、他の3人が書いている製品への反映という重要な視点が抜けてしまっています。自分の解答に書いている通り、双方向のコミュニケーションは顧客の愛顧を得る有効な手段ではあると思いますが、顧客との関係性構築だけでは得られた情報を最大限活用できているとはいえません。そういう意味で私の解答はあまり多面的な解答ができていなかったと思います。

【しょーた】

のき的評価:B〜C答案

しょーたの解答が他の3人と明らかに異なる点は「コミュニケーション施作の効果が書いていない」ように見えることですね。書いてなくはないのですが、一読したときに①の文章が妙に長く、文の切れ目がわかりにくいことで施作の内容と効果の記述の区別がつきにくく、やや読みにくい文章になってしまっているのだと思います。

そのため、この手の施作助言系の問題は、ハルカさんの解答のように、施作を冒頭で示して、最後に効果を列挙して締めるという書き方をすると比較的読みやすい文章構成になると思います。

高得点答案 ここがPoint!!

  • 施策助言問題では具体的な施策+その効果をしっかりと解答する。
  • 施策を考えるときは本当に商材にとって効果的な施策であるかを改めて考えるべき!
  • 施策で得られる効果は一つではない。様々な副次的な効果も考慮して多面的に捉えて解答すべき

第4問

第4問

B 社社長は、自社オンラインサイトのユーザーに対して、X 島宿泊訪問ツアーを企画することにした。社長は、ツアー参加者には訪問を機に B 社と X 島のファンになってほしいと願っている。
絶景スポットや星空観賞などの観光以外で、どのようなプログラムを立案すべき
か。100 字以内で助言せよ。

設問解釈

さあ、最後の問題です。

第3問に続き、施策を考える系の問題です。最後まで考えることをやめさせてくれない事例ですね。脳のスタミナも診断士には必要不可欠ということでしょう。

本問では訪問ツアーのプログラムを考える問題ですが、施策を考える系の問題と考えれば、全く見当がつかないわけでもなく。ある程度現在B社のが持つ経営資源を考慮に入れながら、与件文にない記述もしていく必要があります。

のきの設問解釈

【制約条件】

  • B社だけでなくX島のファンになってもらえるプログラムであること
  • 絶景スポットや星空鑑賞などの観光以外であること
  • 自社オンラインサイトのユーザー向けのプログラムであること

【想起したこと】

  • とりあえず工場見学やB社の持つ施設を見学することが安定か?
  • ファンになるということは愛顧を獲得するということ?
  • X島のファンになってもらうにはまず来てもらうことが先決? 島の魅力を制約条件以外から引っ張ってこないといけないな。

再現答案比較

さて事例Ⅱ、最後の再現答案です。

長いこととお付き合いいただきありがとうございます。もちっとだけ続くんじゃよ。

解答者再現答案
ハルカプログラムとして①B社工場見学やアロマ、香水づくり体験教室②島の高齢者と共にハーブを使用した料理教室③ハーブ畑を背景にした写真コンテストを立案する。以上によりB社と島への愛顧を獲得する。
にのみツアー参加者に美しいハーブ園のツアー企画を提案する。内容はハーブの摘み取り体験とそのハーブを用いた自分で好みの香りのアロマ作成体験である。以上で顧客との関係性を強化し、愛顧向上でファンになってもらう。
のき①島内の自然の豊かさとB社製品の無農薬栽培を訴求するハーブ畑見学、②X島の風習と島のハーブの歴史を紹介する島のイベント参加ツアー、を催行し、島民との交流を通じたB社とX島への愛顧獲得と島の活性化を図る。
しょーた施策は祝いの膳など島の伝統体験と美しいハーブ畑の見学ツアーを企画する。言い伝えによる効能の訴求と畑によるイメージ向上で売上拡大と固定客化を図るとともに、島のお年寄りを活用して地域活性化を図る。

【ハルカ】

のき的評価:A〜B答案

ハルカさんとにのみの解答に共通していますが、アロマや香水作りの体験型プログラムを提供することは制約条件の一つ、「自社オンラインサイトのユーザー向け」に見事に対応できています。与件文の12段落に書いてある通り、自社オンラインサイトで販売して食いついたのは「20歳代後半〜50歳代の大都市圏在住の女性層」です。必然的にツアーで提供するべきプログラムは女性に刺さるようなものでないといけません。やはりターゲットを正しく把握して、それに刺さる施作を取ることは事例Ⅱにおいて常時意識すべきことなのではないかと思います。

また、島の高齢者と一緒に何かをするというのもX島のファンになってもらうという制約条件に応える上では有効な施策であると考えられますね。

唯一指摘をするとすれば、与件文第2段落で島の地域活力の低下にわざわざ触れていたり、最終段落で社長の「島の数少ない事業家としての責任」という記述があったりと地域の活性化の視点は必要だったのではないでしょうか? 島への愛顧獲得は書いているので、大きな減点はないでしょうが、愛顧獲得の先に広がる未来を示しておいた方が良かったような気がします。(と言ってもこれ以上点数を上積みされても困っちゃいますが)

【にのみ】

のき的評価:B答案

先述の通り、にのみもターゲットに刺さるツアープログラムをはっきりと記載できています。しかし、にのみの解答は、終始B社が持っている資源(ハーブそのものやハーブ畑)を使用したプログラムになっているので、X島のファンになってもらえるプログラムかどうかには疑問が残ります。そのため、やはり島自体が持つ経営資源を活用する必要があったのではと考えます。

X島のファンを作るという視点が希薄になってしまったがために、効果においても地域の活性化という視点が漏れてしまったのかもしれませんね。

【のき】

のき的評価:A〜B答案

私の解答はハルカさんやにのみが書いていたようなターゲットに刺さる施策が書けておらず、実に汎用的なプログラムになっています。また、なんとなく島のファンになることができそうなことは書いていますが、「イベント参加ツアー」を「『島民とともに体験する』イベント参加ツアー」とでもしておけばより島のファンを作ろうとしている感を解答用紙に残せたのではないかと思います。

【しょーた】

のき的評価:B~C答案

しょーたの解答は効果に飛躍があると感じます。設問では「ファンになってほしい」と書いているのですが、さらにその先にある売上拡大や固定客化ということが書かれています。最終的なゴールとしては間違っていないのが、やはり効果としてあげるには一足飛びな感が否めないかなと思います。また、なんとも言えない読みにくさがあります。恐らく1文目でプログラムだけを書いているのに対して、2文目に、訴求することと効果が書かれているからではないかと分析します。訴求すべきことはプログラムとセットで書いた方が、そのプログラムを通じて何がしたいのかが具体的になりやすいと感じます。

高得点答案 ここがPoint!!

  • ターゲットの正確な把握とそれに刺さる施作の立案
  • 施策提案は、施策の内容が具体的にイメージできる範囲で短く簡潔に!
  • 論理展開が飛躍しないように注意して解答を書く!

再現答案分析まとめ

上で実施したそれぞれの答案の私なりの評価と実際の評価を以下の表にまとめてみました。

こうして全体を見てみると、第3問(設問1)は製品・市場マトリックスを知っていたか知らなかったかで差がついていますが、試験の結果自体を決定的にするほどの影響はなかったと考えられますね。

60点をギリギリ超えたにのみと60点をギリギリ下回った私の答案の分布をみるとやはり、第3問(設問1)の事故はあれど、全体的に評価一つぶん(AかBか、BかCか)くらいの差あって、それがA評価とB評価の勝負の分かれ目だったのかもしれません。

裏を返せば、1問ぐらい事故っても、他の問題でそつなく6割以上の得点の答案を積み重ねていければA評価に近づけることができるとも言えますね。

また、SWOTは大事です。これをいかに適切に、MECEで書けるかで最初に大コケし後の答案で挽回しないといけなくなるか、最初に点を稼いでそのリードを守り切って走り切る作戦でいけるかを左右しているでしょう。

それだけにSWOTさえやらかさなければ60点を超えていたのでは……、と悔しい気持ちが今更ながら湧いてきます。

最後に:のきの考える事例Ⅱの本質

さて、なが〜い事例分析にお付き合いいただきありがとうございました。

今回の4つの再現答案を比較を通じて、事例Ⅱで重要なポイントが概ね見えてきたのではないでしょうか?

以下では今回分析を通じて見えきた事実と昨年私が学習中に考えていた事例Ⅱの本質を紹介して締めたいと思います。

苦手な事例ではありますが、苦手なりに色々と考えることが多かったので、誰かのお役に立てばと思い、書き記したいと思います。

まだ、それなりに続きますが最後までお付き合いいただければ幸いです。

事例Ⅱの大きな方向性

本事例分析が終わった後の記事にする予定ですが、私は試験1週間前にファイナルペーパーを作成しました。

ファイナルペーパーを作成するときには「その事例が目指すべき大きな方向性はなにか」を考えて記載するようにしていました。その中で自分の中で結論づけたの以下の表です。

表に書いた通り、事例Ⅱに登場するB社がやるべきことは

『①設定したターゲットに対して、②商品 or サービスを、③マーケティング施策を駆使して、④売上・収益を向上させる』

ことです。

大きな方向性を最初に定めるのには、あるべき姿ややるべきことを大まかに捉えておくことで、

考え方の振れ幅を少しでも減らす

ためです。

あまり、方向性を絞り過ぎてしまうと考えが固着化してしまうので、上に書いてある程度に抽象化した言葉で留めておいて、実際は与件文や設問文の記述に基づいて流動的に変化をさせていくことを目指していました。

実際に上で記載した要素と照らしわせて令和2年度の私の失敗の原因を分析してみると、上記の大きな方向性のうち、①設定したターゲット(特に第4問)②商品 or サービス(特に第2問・第3問)に関する視点が随所で抜けてしまっていたことが原因だと思います。

一方で、③や④と言った視点については比較的解答用紙で表現することができたのではないかと思っています。

ターゲット設定における注意点

私が事例Ⅱの学習を始めたばかりの頃最もわからなかったこと。

それは、

ターゲットってどう設定すんだよ! わかるか!

ということでした。営業なんて会社員になって1年目でしたやったことのないのーたりんにはB社が提供する製品やサービスがどんな人に刺さるのかが皆目検討がつかず、ついたとしてもなんとも見当違いになっていたことが日常だったわけです。

そんなわけで事例Ⅱすら解きたくない状況をグッと堪えて勉強していたある日、およそ5年分くらい過去問を解いたあたりで気づきます。

なんだ、合格者の答案に書いてあるターゲットって必ず与件文に書いてある人物から書いてるじゃん

というわけで、ターゲットをイチから自分で考えなくてもいいことがわかりました。

そのため、次は与件文に書いてあるターゲット候補生からどのようにターゲットを選ぶのかを考えました。

聡明な読者の皆様はすぐにわかりますよね。そう、冒頭私が文句を言っていた中でさらっと言った一言の逆。つまり、

B社の製品やサービスが刺さると合理的に判断できるもの

それだけです。ただ解答を作成するときにターゲットと製品・サービスの整合を丁寧にチェックするだけです。意外と忘れます。

ちょいと本章の結論を以下の通りまとめます。

ターゲット設定 ここに注意!

  • ターゲットの候補は与件文に書いてある候補から選定すればOK!
  • ターゲットにB社の製品・サービスが刺さるかしっかり検証するべし!

与件文とアイデアのどちらを書くか?

事例Ⅱにおいてよく聞く言葉があります。

事例Ⅱってアイデア勝負なところがあるから思い付かないとどうしようもないのでは?

この問いに対して、私個人は「半分NOで半分YES」という解答を出したいと思います。

なぜそのような解答をするかというと問題の性質によって与件文に沿って書けるか少しアイデアを足さないといけないかが変わってくるからです。

まず、大きく分けて、設問には以下のタイプがあります。

設問の2タイプ

① 事例企業のこれまでを調査・分析する設問

② 事例企業のこれからを考える設問

まず、①の設問タイプの場合。これは断言します。問題の性質上、アイデアは一切必要ありません。最大限与件文の記述を活用しながら記載していくべきです。なぜならば、2次試験において私たちが事例企業において知りうる情報は与件文に書いてある情報以上のものはないからです。

与件文に書いてないこと、または与件文から普通に読んで理解し得ないことは全てあなたの妄想でしかありません。今すぐやめましょう。
過去問を解いていて、与件文の文章の正しい意味を解釈できずに理解違いをしていたことがあった方は要注意です。もしかしたら自分の勝手な理解で変なレッテルを貼ってしまう癖があるかもしれません。
2次試験は素直に解く。お兄さんとの約束です。

続いて、②の設問タイプの場合。こちらの場合は企業の未来を描く以上、これまで事例企業が経験してこなかったような施策や戦略を取るケースがあります。なので、ある程度アイデアは必要になってくるとは思います。

ですが、全ての人がマーケティングの天才的な才能を持って、世界中に製品を売るような施策が思いつくでしょうか?

少なくとも私はそんなことができる気が全くしません。では、できない時はどうするのか?

答えはシンプル。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」戦略です。思い付かないことを悩んでいても仕方がないので、過去に合格者が書いていた施策は一通り自分の中に施策メニュー(=歴史を通じた知恵)として頭に入れておきましょう。

今回取り扱ったハルカさんの再現答案に書いてある施策を見てみてください。

レシピ投稿、モニター募集、クチコミ募集、工場見学、体験教室、料理教室。。。

どれも「何処かの過去問で見たことがあるようなものばかり」ですよね。真新しいのは写真コンテストくらいでしょうか。

高得点答案でもそんなもんなんです。変に神格化する必要はありません。

しかし、メニューとして頭に入れておくだけでは不十分です。
今回の事例企業が扱う製品・サービスに適合するような施策を選択することが解答を作成する上では最も重要です。
縁あって、様々な受験生の方の解答を見る機会があるのですが、この製品・サービスと施策の相性の検証が不十分な解答が多く見受けられる気がします。(当然80分という時間制約の中での解答なので、検証が不十分なものがあることはある程度仕方ないのは理解できますが)

そのためにも過去問の復習をするときに合格者が書いていた施策がどのようなときに有効なのかなぜその事例で使うことが有効だと考えられるのかをしっかりご自身で検討して、施策を腹落ちするまで理解するようにしてください。

ここまでの話をまとめると、私は施策等のアイデアは、(どこかで見たことがある施策)×(事例企業にあったものの選択)だけで十分なのではと思っています。

ちょっとカッコつけて言うと、アイデアは当日ゼロから思いつくものではなく、知恵を組み合わせて作り出すものであると申し上げておきます。(あくまで診断士2次試験の場合においてのみであることはお忘れなく!)

与件文 アイデア どっちを書くか 結論!

  • 施策案はひとまず過去問で合格者が書いていた施策をメニューとして持っておくだけでOK!
  • 施策メニューの一つ一つの特徴や有効な場合をしっかり理解するべし!
  • B社の製品・サービスと施策の相性の検証を丁寧にするべし!

終わりに(実はここも読んでほしい)

今日も長いブログをご覧になっていただきありがとうございます。

1次試験が終わってからの77日間で私が自由にかけるブログの回数は4回なので、毎回とにかく自分が持っている数少ないモノをできる限り濃縮して提供したいと思って記事を書いているので、長文のブログにならざるを得なくなってしまっています。

当然効率を重視すると、こんな2万字近い文字数のブログなんかよりも、もっと綺麗に図表でまとまった絢爛豪華な参考書等で勉強した方がいいのではないかとも思う時もあります。

ですが、色々なことを私なりに言語化する過程で、中小企業診断士の仕事の本質的な価値である「考える」ことのきっかけやヒントを読者の皆様に提供できればと考えています。ひいては、2次試験の合格に向けた一助になってくれればと切に願うばかりです。

さて、後書きはあっさりと。全3回の高得点答案から読み解く事例の本質シリーズも次回で最終回。

最後まで頑張っていきますので、お付き合い頂けますと幸いです。

そして、読者の皆様が2次試験の合格に向けて確実に一歩一歩進めますように!

明日はさわやか20代、にのみです。

ではでは〜ノシ

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令和2年度高得点答案から読み解く事例の本質 〜事例Ⅱ編〜”へ7件のコメント

  1. ロム より:

    のきさん、違うんです……。
    前回の記事は、大分前に解いたけど二次試験に向けて初見問題対応力強化のために久しぶりに解くぞー! っていう直前に投稿されたので解き終えた後に活用しようと思ったのです……(解き終わった後に活用させていただきました)

    そして本記事は、今週二週目を解きつつ来月は令和二年の過去問も周回の予定にいれるぞー! と思い木曜日から令和二年の過去問周回二週目を始めようとした直前で投稿されたものなので、今記事内容を深く読んでしまっては勿体なくてw

    ある意味、とてもタイムリーな記事で非常に助かっております!
    今週解き終わった後にはじっくり本記事を活用しつつ分析に役立たせていただきます!

  2. サトシ より:

    ご無沙汰しております。
    今回の企業診断、購入させていただきました。
    立ち読みでも何とかなるかなと思っていましたら、内容が濃そうなので即購入となりました。特にダメ答案がなぜダメなのかの内容、あれは惚れましたね(笑)
    最後の2次試験風メッセージも面白そうでした。僕も自分へのメッセージとしてやってみたくなりました。
    詳しくは明日読みますが、チェックリストも大変参考になりそうです。
    このような有益な情報を提供してくださり、いろいろありがとうございます。

    1. のき より:

      サトシさん

      コメントありがとうございます、そしてお久しぶりです!
      立ち読みの結果、企業診断のご購入ありがとうございます。
      我々の書いた記事が必要としてくださる方の手元に届いて嬉しい限りです。

      2次試験風のコメントは12代目全員で少しずつテーマをずらして、心を込めて書きました。
      お楽しみいただければ幸いです。

      企業診断は10月号のみですが、ブログも引き続き12代目12人全員、全力で(ほぼ)毎日更新していきますので、よろしくお願いします!

  3. ドキンちゃん より:

    今回が3回目の二次試験の受験となります。

    昨年は、丸々一年間、ずっと二次試験対策に時間を費やしたのに不合格という結果に大きなショックを受けました。

    本年は、一次試験7教科を全て受けなおすという作業に時間を費やしました。

    無事に一次試験をクリアすることができましたが、今、感じることは、「前回、なんとかかつかつで1次試験をクリアしたけど、もう一回転1次試験をやり直すことで、読解力や理解力がさらに備わった」 ということです。

    結局、前回2次試験が不合格だったのは、読解力や理解力がまだまだ足りていなかったんだろうな。という風に強く感じています。

    なぜ、そう感じるかというと、この道場のブログが何を書いてあるかを理解できるようになったからです。

    いま振り返ると、昨年、毎日毎日読んでいた道場のブログが、読めていたようで読めていなかったです。 そういえば、昨年は、このブログを読み解く事が苦痛でした。 時間がかかりました。 読み終えても、何が書いてあったのか、半分しかわかっていませんでした。

    でも、いまは違います 何が書いてあるのかが分かります。 理解できます。

    今年こそは、合格したいです。 引き続き、毎日、読ませていただきます。

    1. のき より:

      ドキンちゃん さん(?)

      コメントありがとうございます。
      コメントから昨年の悔しい思いから本日に至るまでの強い想いが伝わってきました。
      そして、再度の1次試験や当ブログを日々読んでいただくなかで、ご自身の変化を感じ取られているとのこと。
      資格試験のゴールとしては、もちろん合格というのがありますが、私は学習を通じた成長の実感というのも報酬だと思っています。
      今年度感じていらっしゃる成長のその先でドキンちゃんさんが合格という栄光を掴むことを心から応援していますね!

      引き続き当ブログへのご愛顧よろしくお願いしますm(_ _)m

  4. ロム より:

    のきさん、事例Ⅱの分析記事ありがとうございます。
    近々もう一度令和2年の過去問に取り組もうと思っているので、その際にフル活用させていただきます!

    冒頭でのコメントにありました、「こんなんでいいのかな?」、「いまいち前に進んでいる感覚がない……」という感覚、少し前から沸々と感じるようになりました。
    過去問を漫然と繰り返しても仕方ないしどうしたものか……と考えて、一回の取り組みの質を向上させよう!と考えたのですが、瞑想の後に集中して試験に取り組む以外の方法が思いつきませんでした。
    なので今回記事にあった「自分や他人の回答を批判的に見てみる」という方法を知り、質を上げる取組に気付きを得ることができました、ありがとうございます!

    「なるほど、幅広い得点の回答が集められているのはこのためだったのか……」と与件文に書いてあるヒントを見つけた時のような感覚を覚えましたw

    試験まであと40日!
    連日勉強時間を割いて取り組んでくる日々もあと40日で終わります。
    なので道場先代メンバーの「死ぬ気でやれよ、死なないから」のメッセージを胸に刻んで勉強頑張ります!

    1. のき より:

      ロムさん

      コメントありがとうございます。
      ロムさんがなかなか令和2年度の問題を解いてくれないので、私の記事をいつ活用してくれるのか考えつつ、仕事をしていて寝れません。
      すみません冗談です。いつでもいいので活用いただければ幸いです。

      過去問を解くことが目的化してしまうと、伸びてる感覚が余計に感じづらいですよね。
      そして、本シリーズで点数の幅を広くとっている理由を汲み取っていただいてありがとうございます。
      事例の本質を捉える上では、いい答案も悪い答案も批判的に見て、いい面も悪い面も分析しないと本当の意味での本質が捉えられないと考えて必死こいて集めました。

      そう、あと40日です。40日くらい本気出しても人間は死にはしないので頑張ってくださいね!

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