【懇親】比較優位な我が家のブルーオーシャン戦略
直前期いかがお過ごしでしょうか?
・寝ても覚めても過去問を解きまくっている
・いつも道場の記事を読んでくださっている
・疑問点があったら道場ブログの検索機能を使っている
そんなあなた、色んな分野を網羅する道場記事で、
検索結果0件のキーワードを、発見しました。
それが「比較優位」
でも頻出論点じゃないでしょ?という突っ込みがありそうなので、
①渾身:勉強の成果を上げる、密度たっぷり
②懇親:あなたの家族との関係性を向上する
③根心:私的な役立ち理論BEST3で推薦
3つの観点でギュギュっと濃縮して、
本邦初の懇親記事として、お届けします。
(過去問演習は、のきの記事をご参考に)
ここだけCheck
1| 資源は相手と○○して得意な、比較優位に集中 →2.
2| 痛めつけ合う○○のジレンマ、歩み寄りそう○○○○ダンス →3.
3| ○○価値を意識して投資と返済を行う →4.
1.学んで診断する前に、まず。。。
経済学は、お好きですか?
ただ、お金や世の中の仕組みを学ぶだけでなく、
もっと身近で、奥深い、楽しくて役立つ分野だと思うので、
今日はその切り口、経済学の成り立ちから始めさせてください。
「経済:Economy」の語源は、「oikonomia」に由来する。
oikos「家」+nomos「法」
→oikomnomos
⇒oikonomia:家計を管理する技術・知識
経済学の定義の一つに、こうしたものがあります。
「有限な資源をいかに配分して、効用を最大化するか?」
こう聞くと、
・家計を賢くやりくりして、日常生活に加え、たまの旅行のお金を捻出する
・冷蔵庫の中身で、家族の健康と笑顔を最大化する
そんなとっても身近な、生活にイキてくる学びな気がしてきませんか?
そもそも経済学に限らず、この「中小企業診断士」という資格。
学習範囲が広く、合格も決して容易ではありません。
合格後に中小企業の経営者や、個人事業主の方々の支援をする。
そうして誰かに提案する機会を頂くわけですが。。
まずは自分自身や、我が家で導入してみませんか?というのが、
今日の記事の趣旨です。
因みに、実生活に診断士の学びを導入するメリットは、
主に以下の3点です。
①生活の質向上
効率化を通じて、コスト低減や品質向上につながる
⇒相談や提案によるメリット提示の際に、一つの事例になる
②伝える・導入の練習
自分の言葉で人に説明して理解してもらう事で、理解を深め使える知識にする。
⇒相手に合わせた言い換えや説明ができるようになる
③生活しながら、学べる
日々の生活が知識と結びつくことで、生活の中で知識の再確認が自動的にできる。
⇒受験から合格後まで、日々過ごしている全ての時間が学びに変わる
本日は、3つの分野で実生活への応用を紹介いたします。
実生活への応用記事は、こちらもご覧ください。
<企業経営理論>
【渾身】消費者行動理論 3か月迷ってついにPC買いました(前編) masumi
【ゆるわだ】カンブリア宮殿勉強法 TAKURO
<運営管理>
【渾身】運営管理のアローダイアグラムを料理で考える 池やん
3倍!!美味しい学び:目指せ運営管理マスター と~し
<経営情報システム>
身近なところから経営情報システムを理解する! 池やん
2.比較優位で生産性を向上してみた
まずは、絶対優位と比較優位から見ていきましょう
テーマは、「皿洗い・洗濯分担」です。
妻は家事を手際よくこなすのですが、
夫は、どうも家事が苦手なご様子。。
妻と比較して、皿洗いは2倍、洗濯は3倍の時間を要します。
最近はお互いに忙しくなってきたようで、
時間を捻出しても、家事に充てられる時間はそれぞれ30分/日程度。
夫に頼んでも、遅いことが分かっているので、
妻が全力で取り組むことにしました。
すると。。。
毎日2回ずつ皿洗いと洗濯を出来るのですが、
どうしてもキッチンや洗面所に汚れ物が残ってしまう様子。。
清潔に保たれていない上に、
自分ばかりが家事をしていることに、
妻の不満は募っていきます。
そこで、夫に相談して2人で協力して、
毎日、皿洗いと洗濯を3回ずつ行うことを目指します。
何とか3回ずつ作業をすることは出来ましたが、
お互いにご不満な様子。
妻は、家事の回数を2倍こなしていることにイライラ。
夫は、40分と妻よりも長い時間を費やすことにイライラ。
ここで不満をぶつけあっては、修羅場が目に見えているので、
比較優位の概念で整理してみましょう。
<妻>
・皿洗い・選択ともに、夫より早く絶対優位。
・洗濯は、皿洗いの2倍(=10÷2)の工数で済む比較優位。
(旦那は3倍(=30÷10)を要する)
<夫>
(・基本的に家事は苦手で絶対優位無し)
・皿洗いは洗濯の1/3(=10÷30)の工数で済む比較優位
(妻は、選択の1/2(=5÷10)を要する)
お互いに相手と比較して得意な比較優位に専念して家事を分担、
妻:洗濯、夫:皿洗いに取り組むと。。。
先ほどの例と洗濯・皿洗いを3回ずつにしているにも関わらず、
妻は30分のまま、夫は30分(40分より▲10)で済むようになりました!
こなす家事のタスク量を減らしたり、所要時間を増加させるでなく、
時間を減らして、最大の家事という成果を生むことができる、
「夫婦二人がニコニコ笑顔、我が家はピカピカ綺麗」
これが比較優位の力です。
因みに、多能工として万遍なく作業するでなく、
スペシャリストとして選択と集中を行うことで習熟して、
更に作業効率・生産性が高まっていくことが期待できます。
ぬくぬくとお互いにブルーオーシャンにおける知見蓄積に励めるわけです。
企業における、選択と集中はもちろん、
国家運営でも、自国の産業を戦略的に絞ることがあります。
お手すきの際に、好きな国や旅で訪れたことのある国の重点産業を調べてみると発見があると思います。
家計から国家まで、限られた資源の中で効用を最大化する秘訣、
それが「比較優位」です。
3.ゲーム理論で満足度を向上してみる
そうは言っても、
・実際に家事をやるのはめんどくさい
・ルールや分担を決めたって、サボる時がある
そんな声が聞こえてきそうなので、次はゲーム理論を使ってみましょう。
今度のテーマは、
「溜まった家事を発見した際の対応」です。
タテヨコに夫婦の反応を仮定し、その際の気分変化を点数化します。
それぞれのマスの内、左が妻の気持ち、右が夫の気持ちです。
4象限で次の様に分かれています。
①溜まった家事を見た時、お互いに率先してやる
溜まった家事を見たら、気づいた方が率先してやる。
家は清潔に保たれ、お互いに感謝の気持ちもあり円満家庭。
②③溜まった家事を見つけても放置する。。けど一方が折れる
溜まった家事を無視して放置する。
気になった他方が、仕方なく取り組む。
無視した方は家事をせず揚々と過ごす一方、他方はイライラ。
④溜まった家事を見つけたら、放置してケンカしてから嫌々やる
溜まった家事をお互いに放置して、ごみ屋敷。。
というわけにはいかず、ケンカをする。
そして仕方なしに片づける。家事だけでなくストレスも貯めてしまう模様。
全体を客観的に俯瞰すれば、②③はもちろん、
④なんてバカバカしいって思いますよね。
汚れだって、すぐに落とせば落ちるのに、
溜めておくと頑固な汚れになってしまったり、
ケンカなんていらないおまけもついてきたり。。
百害あって、一利なし。
では、もう一歩踏み込んで、
実際に2人の立場だったら?と考えてみましょう。
家事を溜めるのは合理的でないと、
どちらかが率先して取り組むとします。
しかし。。。
自分ばかりが気づいたらやっている。
相手は無視して、Netflixやゲームに夢中。
我が家が汚く放置されるのは嫌だけど、
私だって、自分の時間は欲しいし、相手にもやってほしい。
自分が選択を変えることで自分の効用を高めることは出来ず、
相手が選択を変えてくれない限り、自分の効用は低いまま。
・出来るものなら、面倒なことをやりたくない
・放っておけばやってくれるかも
・私だって家事でなく、趣味をEnjoyするわ
そんな己の中の小悪魔の囁きに任せると、、
最適解でない④象限に陥ってEnjoyどころでなく、
盛大に炎上です。
お互いに仕返ししてやろうと、最適解でない所で硬直する。
これが「囚人のジレンマ」です。
互いを痛めつけ合う、双方が得をしない状況です。
二次試験で、迷ったら社長の想いに立ち返る様に、
当初の想いに立ち返ってみましょう。
「病める時も、健やかなる時も・・・(中略)
~その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
そう、誓ってるんです。
そして重要な所、「命ある限り」
命ある限り・・・無限回の試行
最期の時まで無限回繰り返されるのであれば、
無視を決め込んでケンカしていればよいのと、
ちょいと事情が変わってきます。
相手といがみ合い押し付け合い続け、喧嘩し続ける。
これは最善策ではありません。
仕返しのリスクが出てくるからです。
例えば、普段の家事を無視してやってもらい続けた結果。。。
診断士試験の前日に、
・突如家事を任される
・特大のケンカが勃発する
こんな事件が起きたら、どうでしょうか?
普段の家事を無視していたのなら、
今日ぐらいは。。。とパートナーから言われたら一理あります。
こんな恐ろしい仕返しや、そもそもケンカし続けるの良くないよね。
だって私たち、関係を続けていきたいもの。
そうやって一歩ずつ歩み寄って①の協調解のパレート最適に至る。
無限回の継続が前提になった場合に、
協調解が均衡となることのがフォーク定理です。
一歩歩み寄り、手を差し出す、フォークダンス みたいですね。
我が家に導入したい時、ついケンカしそうになった時、
星の王子様の著者:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
の言葉が役立つかもしれません。
恋とはお互いを見つめあること。
愛とはお互い見つめあうことではなく、
共に同じ方向を見つめることである。
ゲーム理論を考える時、登場人物を頭に思い浮かべてください。
その人たちは果たして、どちらに当てはまるでしょうか?
囚人は、痛めつけ合うジレンマ
伴侶は、歩み寄りそうフォークダンス
自分自身が忙しさに、心を亡くして、
相手の選択変更を待つ囚人になっていませんか?
もし無限回続く前提であるのなら、
同じ方向を見て、フォークダンスしてみませんか?
(因みにフォーク定理の由来、正しくはFolklore=民間伝承です。
*証明を付けようと思えばつけられるが、実際は証明されていない定理を指す
パレート効率・ナッシュ均衡は人名が由来、これだけ発見者がフォークさんでありません。)
4.時間価値
最後は、時間価値です。
貨幣を時間価値を割り引くことは、前回の記事:【渾身】意思決定会計を分解してみるでお伝えしました。
ただし、現在価値に割り引くのは、
何も貨幣だけではありません。
「時間」も、時間的価値があると言えないでしょうか?
直前期になり、毎日の勉強に疲れてきているかもしれません。
でも、いまサボって解かなかった一問。
これが日々、チリも積もっていけばどのような結果になるでしょうか、
今年受かれば、
来年以降ずっと中小企業診断士のあなたです。
もし勉強が足りなければ、
来年も受験生をしているかもしれません。
「中小企業診断士」を目指すと決めたからには、
いま集中投資して、確実に合格を掴み取る。
意志を持って学習に資源を集中投下しましょう。
勉強時間を確保するためであれば、
今年は期待収益の大きい以下の様な投資も選択肢の一つです。
・回答・勉強効率向上する書き心地のよい文具
・移動時間短縮のためのタクシー・特急/指定席券
・家事の時間短縮のための便利家電・調理器具
また、家族の時間も欠かせない観点です。
家事などをあなたに代わってやってくれているだけでなく、
勉強時間やzoom勉強会の横で、静かに我慢しているかもしれません。
今年家事を100時間任せたから、
来年の100時間で返す。というのでなく、
時間価値を加味して、頂いた勉強時間以上のリターンを検討しましょう。
参考に私は受験期間、以下の2つを心掛けていました。
①キッチン担当は続ける
料理は一つの趣味であるので、受験中も合格後も毎日・毎食つくっています。
趣味として気分転換しつつ、運営管理の効率的な生産方法・スーパーの陳列方法など、
学びと家事を両立出来ます
一方で、洗濯は洗濯機の使い方も分からない。。比較優位を導入しているポイントです。
②一次試験の8時間目と、二次試験の事例Ⅴ
試験当日はもちろん、模試などで外出した際は、
妻の好きなものを買って帰るという習慣にしていました。
ニーズ分析をした上で、適切な投資を行うというマーケティングや意思決定に通じます。
この時期に勉強疲れや中だるみがやって来るの、
頑張ってきたからこその反応だと思います。
でも、ここからが更に気合い入れて得点力を底上げする踏ん張りどころ、
本日紹介した、実生活への応用などで学びながら気分転換しつつ、
試験当日、そして合格の向こう側まで駆け抜けていきましょう!
今日のココだけ3Point
1. 資源は相手と比較して得意な、比較優位に集中 →2.
2. 痛めつけ合う囚人のジレンマ、歩み寄りそうフォークダンス →3.
3. 時間価値を意識して投資と返済を行う →4.
~あとがきにかえて~
拝啓、直前期に頑張る受験生さま
苦手な人が多い財務・会計/事例Ⅳに少しでもお役に立てればと思い、
「ココスタ30日完成!事例Ⅳセミナー」を開催しています。
事例Ⅳ(財務・会計)の単元ごとのセミナーで
経営分析から始まりNPV、企業価値、CVP、予想BS、CF計算書を、
毎週1つずつ1時間にギュギュっとまとめてお届けしています。
残り4回の講義で、文字通り30日で事例Ⅳの頻出テーマを総ざらい。
(診断士の知識は実生活にも活きるだけでなく、
財務・事例Ⅳの得意論点は、得点源として合格にも活きてきます)
次回は6/18金曜日にこんちゃんが企業価値をお伝えします。
先日のコン身記事もお見逃しなく
ココスタへの参加はコチラから。
ココスタでは受験生が中心となって勉強会も開催しており、
過去問だけでなく、模試の復習の勉強会も有志で開催しています!
2次試験のスタートダッシュを決めたい人はもちろん、
1次試験の質問をしたい人や、受験生同士の交流の場が欲しい人、
ぜひご利用ください。
敬具
明日は、Ma.sato:やるべきことシリーズのPart4です。
お楽しみに♪
経済学を実生活に活かす記事、とても楽しかったです!
後半の、見たらやる、無視する、の内容ですが、自分は意識して行動するようにしています。
特にトイレットペーパーがなくなった時の交換がまさにそれで、自分が交換しなかったら家族の誰かが結局交換することになり、それは負担を押し付けてるだけだよな……と気付いてから、自分から動くようになりましたw
ロムさん
お楽しみいただけて幸いです。
身につける知識は得点につながるだけでなく、
企業様や、我が家の改善に活かせるものばかりだと思うので、
ぜひ楽しみながら、学んだり応用してみてください。