【中小企業診断士】試験データ分析 各論:一次試験〜2021年度〜
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今回は、前回のR2年度中小企業診断士試験分析の続編の「各論:一次試験データ分析」を行います。
前回の記事「【中小企業診断士】試験データ分析(総論)〜2021年度〜」も参考にしてください。
それでは一次試験データ分析、いってみましょう!!
contents
一次試験データ分析
はじめに
前回の【中小企業診断士】試験データ分析(総論)〜2021年度〜に引き続き、今回は一次試験のそれぞれの科目の「科目合格率」の推移をグラフにして分析していきます。
グラフ化により「一次試験の全体像を掴むこと」が目的です。
一次試験のそれぞれの科目は年度ごとに難易度のばらつきがあります。
今回掲載するグラフはこの難易度の一つの指標となります。
令和3年度の試験に向けて、2021年度も一次データ分析をしていきます!
それでは、確認していきましょう!
データ出典:中小企業診断士協会
(注1)科目合格率の算出には、一次試験合格者は含まれません。
(注2)科目合格率の公示はH18年度からのため、H18年度からの推移を掲載しています。
(注3)9代目Chikaと11代目べりーの記事にはTACデータリサーチのデータが含まれていましたが、今回は掲載しません。
科目合格率の推移とR3年の予想・対策
経済学・経済政策 (2次試験関連科目:なし)
🌟これまでの傾向
直近5年間の科目合格率の推移は横ばいで、20%を上回っており受験生が安定的に合格できる科目です。
また、推移から見ても難易度も変化していません。
ただし、平成22年と25年に伝説的ともいえる超難化がありました。
H25年は科目合格率がまさかの2.1%と極めて難しい年度です。
他科目と比べると比較的科目合格しやすい傾向が続いたため、令和2年度は大手予備校やtwitterなどで難化の可能性が高いと予測されていました。
そのため、自分も覚悟して臨んだことを覚えています。
試験当日、フタを開けてみたら「アレ?変わらない?」と感じ、実際の科目合格率的も実感通り例年と同じ水準でした。
🌟令和3年度の傾向予想・対策
これまでの傾向から、「R3年度こそ難化の年が来てもおかしくないか??」と個人的に予測しています。
そのため、経済学が得意な方は得点源にしようと思った矢先、初日の一科目から「こ、これは・・・!!」とならないよう他の科目でも得点できるようにリスク分散しましょう。
もし、R3年度もこれまでと同じ水準だったら儲け物ですので難化を想定して対策しておくことはベターかと思います。
財務・会計 (2次試験関連科目:事例IV)
🌟これまでの傾向
H18年度からの分析で、ここ数年は隔年で易化と難化を繰り返しています。
H27に科目合格率36.9%に大幅に易化してからは、以前の科目合格率に徐々に戻りつつあります。
それでも、この5年間は多少の凸凹あれど以前に比べたら易化傾向だったと分かります。
H24年の科目合格率は3.8%とここ近年ではありえない難易度です。
私はH24を解いていないためわかりませんが、H26年度は難しかったことを今でも覚えています。
🌟令和3年度の傾向予想・対策
難易度が隔年で易化と難化を繰り返していることから、2022年度は易化する可能性があります。
しかし、前回の記事で試験全体の合格率の推移の上昇と合格者数の増加から難易度の維持、もしくはさらなる難化の可能性もあります。
また、11代目のベリーは昨年度に背景から以下のように指摘していました。
市販の過去問題集は「5年間」のものが多いと思いますが、直近5年間のみを切り取ると財務・会計を見誤る可能性があります。
H26年度・H24年度の過去問も解いて難易度を把握しておくことをオススメします。
絶対的必要項目ではないにしても、最も難しい年度を知っていて悪いことはありません。
もし、時間的に余裕がある際にはH26年度とH24年度も解いておくことを私もおすすめします。
企業経営理論 (2次試験関連科目:事例I・II)
🌟これまでの傾向
企業経営理念は偶然にも科目合格率がR1年とR2年で同じ19.4%で推移しています。
それ以前は上記のグラフのとおり直近2年よりも難しい年度の方が多いです。
それでも、科目合格率が20%を超える年度はH28年度とH18年度の2回のみで総じて他科目よりもやや難しい傾向があります。
🌟令和3年度の傾向予想・対策
企業経営理念の直近2年はそれ以前と比較して易化傾向ですが、合格率的20%弱のためR3年度も同程度、もしくはやや難化かと予想しています。
ただし、企業経営理論は例年出題される頻出論点をおさえることで年度によらず科目合格の60点の壁はほとんどの年度でクリアできる科目です。
そして、一定数の新出事項の問題が毎年出題され、こちらはほぼすべての受験生が初見で正解できればラッキーな問題です。
そのため切り分けとしては、頻出論点は死守・新出問題は解ければラッキーと割り切ることが大切です。
目標は「科目合格」で、他の科目をカバーする得点源に設定しないことが一般的かと思われます。
なお、企業経営理論の1次知識は2次試験の事例Iと事例IIに直結するため、7科目全体でのウェイトを大きめに設定し、着実に知識を身につけましょう。
運営管理 (2次試験関連科目:事例III)
🌟これまでの傾向
運営管理の図のように難易度が上下に乱高下しています。
R2年度は9.4%とここ近年では2番目の科目合格率の低さで、生産管理、店舗・販売管理のいずれの分野も難化が目立ちました。
設問数が44問と多く、試験本番に初見で対応する問題が多かったことが難化の要因だったかと思われます。
🌟令和3年度の傾向予想・対策
R3年度の難易度の予測としては、グラフの傾向では易化する可能性の方が高いかと思われます。
しかし、財務・会計同様に試験全体の合格率の高さからさらなる難化の可能性は低くとも、引き続き同じ難度の高さを維持することも想定されます。
運営管理は二次試験の事例IIIにつながる科目であることから、運営管理も重点的に押さえておくことが必要です。
経営法務 (2次試験関連科目:なし)
🌟これまでの傾向
H26年年以降、科目合格率12%以下と長らく難易度が高く、特にH28年・H29年・H30年の3年間は冬の時代と呼ばれることもあるほどです。
具体的には、昨年べりーが記載しているように総合的に難易度の高いH28年は、「7科目すべての合格基準を59%にする」という歴史的な得点調整(あるいは合格基準の調整)が行われた年でした。
H28年度に激しく難化したのは「経営情報システム」で、経営情報システムほどではないながらも難化したのが「財務会計」、「運営管理」、「経営法務」です。
そして、経営法務は翌年H29年は「4点加点」、H30年は「8点加点」と3年連続で得点調整を繰り返します。
この冬の時代と比較すると、R1年は「春」・R2年は「夏」といっても過言ではないかもしれません。
特に昨年のR2年はここ7年では最も科目合格率が高く、経営法務に恐れを抱いて受験生からすると「今年はラッキー!」となった受験生が多かったのではないでしょうか。
R2年度が易化した要因は「民法」が約9問出題され、その多くが民法の改正の内容を単純に問う知識問題だったことが考えられます。
🌟令和3年度の傾向予想・対策
R3年は間違いなく難化するのではないかと予測しています。
その理由としては、やはりR2年のように民法の改正が多数出題される可能性が低く、これまでのように過去問と同じ問題が出題されない特徴が強い経営法務に戻るのではという懸念です。
そのため、法律の内容を具体的な事例をもとに理解し、過去の判例をもとに客観的に判断できる基礎固めが大切になると思います。
経営法務に関してはTAKUROが”得意”とするというよりも”現役弁護士”という”エキスパート”なので今後の記事がさらに期待されます。
すでに、TAKUROはこれまでの記事で経営法務に関して多数紹介していますのでぜひ参考にしてください。
法律を学ぶことに意味を見出せない受験生にアドバイス!
どうして法律を学ぶのか、その理由は少なくとも2つあると私は思っています。
①中小企業診断士として顧客が困っていることを把握する
診断士として、一般的な法律の概要について顧客にお伝えるできることは言うまでもありません。
会社法や著作権など多岐にわたり相談を受けることが今後あるかもしれません。
その際に、概要を伝えて詳しくは「弁護士の方に確認しましょう(どこぞの過去問の対話文にやたらめったら出る)」で問題ないでしょう。
しかし、弁護士の方に繋ぐために「何に困っていてどんな法律について顧客は悩んでいるのか」悩みの核ではなくとも表面的なことを理解できなければ弁護士の方と連携することはできません。
つなげる役割、つまりリエゾンができなければ中小企業診断士としてのあなたの存在価値はなくなってしまう可能性があります。
②法律に基づく行動をとることで自分自身を守る
法律に基づく行動をとることで、知らず知らずに自分自身が違法行為に巻き込まれる・巻き込むことを阻止することができます。
士業として活動するためには、責任が必ず生じます。
士業でなくとも私は医業で、医療に関連する法律などは医師国家試験で学び、その後も医療訴訟などの判例から現在の解釈などを確認するようにしています。
そのうえで、自分を含めた医療従事者と患者さんが守られるような診療を行うように努めています。
「自分の身は自分で守る。」
この考えはどの分野においてもとても大切なことなので、ぜひ頭の片隅において勉強していただければと思います。
もちろん、実法主義ではなく、倫理的・道徳的に「善」であることを行うように心がけることは言うまでもありません。
経営情報システム (2次試験関連科目:なし)
🌟これまでの傾向
経営情報システムの科目合格率は上記のように近年は20%を大きく越え、7科目の中では比較的難易度の低い科目です。
R2年も近年の傾向同様で、推移としては維持していてさざ波のような状態です。
ただし、H27年とH28年は鬼年度で、それ以前は科目合格率の上下変動が非常に激しい科目なだけにいつ荒れ狂ってもおかしくないと思います。
🌟令和3年度の傾向予想・対策
上記から、R3年は難化する可能性が高いのではないかと憶測しています。
H27年度・H28年年度のような難易度になると、40点の足切りで一発即退場になる可能性もあるため要注意です。(この年度を解くと、軽く心を折られるので気をつけてください。)
対策としては、なんといっても出題頻度の高い基礎となる用語を押さえておくことです。
基本用語だけで近年は20点前後(5問前後)は確実おさえることができ、この基本事項をいかに落とさないかが肝になります。
経営情報システムに関しては、
TAKURO:「私の学習計画の失敗に学ぶ(経営情報システムの話もするよ)」
池やん:「経営情報システムを好きになってみませんか?」
とそれぞれまとめていますので確認してみてください。
もはや、私が各論として展開する必要性は皆無です!
中小企業経営・政策 (2次試験関連科目:なし)
🌟これまでの傾向
中小企業経営・政策はR2年度は易化し科目合格率16.4%と近年では高い合格率でした。
これまでの推移を見ると、他科目と同じように過去は難化と易化を交互に繰り返す推移となっています。
この科目は、①中小企業経営と②中小企業政策に大別されます。
比較的安定的に得点できるのは②中小企業政策で、こちらは内容と数字をおさえる暗記科目になります。
そして、問題児は間違いなく①中小企業経営です。
①中小企業経営の問題の難易度によって、中小企業経営・政策という科目の難易度は左右されている傾向にあるでしょう。
🌟令和3年度の傾向予想・対策
傾向予想を先だしで言うと、間違いなくR3年は中小企業経営・政策がブラックホースの「超難化科目」になると私は想定しています。
その理由はやはり「新型コロナ感染症」による影響です。
H21年度からR2年度の中小企業経営・政策は、H20年に生じたリーマンショックを背景とする中小企業の経営の推移と日本の政策が反映されている問題がほとんどです。
しかし、R3年度は新時代です。
これからは、「新型コロナ感染症」を背景とした中小企業の経営の推移・と日本の政策が問われる可能性が非常に大きいです。
今一度「リーマン・ショック」が生じたH20年度からH21年度の推移を再度グラフで確認してみると、
H20年度 科目合格率 27.5%
H21年度 科目合格率 2.9%
凄まじい落差です。
H21年度は一発合格道場が誕生する前のため、このブラックホース具合を知る術・お伝えする内容が道場ブログの記録にはありません。
そのため、もしこの年に合格された方がいましたら当時のことをコメントに記載していただければと思います。
さて、対策についてです。
この科目の特徴はなんといっても、問われる内容が毎年大幅に変わることです。
冒頭でお伝えしたように、①中小企業経営で固く得点することは難しいと思います。
新型コロナ感染症の影響で、日本経済がどう変化したのか2021年度の中小企業白書の内容は楽しみですが、「受験」という観点では要点のみを最低限押さえましょう。
そのうえで、②中小企業政策で確実に得点できるように、頻出の政策の細かい数字を直前的に一気に覚えましょう。
R2年度のまとめとR3年度の予想
R2年度の難易度はざっくりまとめると、
易化:経営法務
変化なし:経済学・経済政策、企業経営理論、経営情報システム、中小企業経営・政策 難化:財務・会計、運営管理 |
でした。
R3年度の各科目の難易度の予想は、今回の各科目合格率と前回の一次試験全体の合格率を加味して、
易化:なし
変化なし:財務・会計、企業経営理論、運営管理、経営情報システム 難化:経済学・経済政策、経営法務 激難化:中小企業経営・政策 |
かと想定しています。
まとめ
今回はR2年度の各科目合格率から一次試験の試験データの分析を行いました。
今回の傾向と予想はあくまでテクニカル分析をメインとし、ファンダメンタル分析をサブとした分析です。
前回同様あくまで、この予想はMa.satoが行ったものであり公的機関はもちろんのこと他の試験団体との関連性は一切ないことをご承知ください。
次回のMa.satoの投稿日である3月30日(火)は、「まだ間に合う!4月からの中小企業診断士一次試験攻略法」をお送りします。
去年の今頃、まだ私は試験勉強を始めていません。
ここ最近、12代目のメンバーの記事に何度も「Ma.satoはまだ勉強していません!」、「Ma.satoは4月から開始しました!」と記載される度にドギマギしてしまうことはここだけの秘密です。
方法論などは私が語らなくても、12代目メンバーや先代が余すことなく語っていますが、責務を少しは果たすべく次回記載したいと思います。
ちなみに、私は医師兼大学院生(博士課程)で病棟勤務は免除されていて、当時新型コロナ感染症の影響で実験は中止となり比較的時間の猶予はありました。(だからこそ、受験を決意したんですけどね。)
そのうえで、フリーランス医師のような働き方をしながらの3ヶ月(1次試験 300時間)の受験勉強での私の実践と反省をお届けしたいと思います。
皆様、お楽しみに!
本日の記事はこれで終わりです。
明日は、のきから4周目記事に突入します。
せ〜の!ばいび〜
参考文献
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Ma. s ato 様
大変興味深く拝読させて頂きました。
今年受験する者とすれば、今年の試験は総じて難化するとの今回の記事には失望してしまいました。
昨年の合格率は歴史的な高水準となったようで、このような分析結果となった事は理解出来ます。
こんなことを申し上げても仕方ないのですが、国家試験であるならば、公平性を確保しなければならないのではないかと思います。
ある年に受験した人は合格率が高くて有利になり、ある年に受験した人は難化して合格率が低下してしまい不利になるといったことは、国家試験として不公平だと感じてしまいます。
こんなことを申し上げてもただの愚痴でしかありません。申し訳ありません。
どんな年であっても、受験生はやることは一つですね。頑張るしかありません。
貴重な記事をありがとうございました。
ちゃんいちさん
コメントを頂きありがとうございます。
試験としての公平性の担保は私もちゃんいちさんのご意見に賛同です。
なかなか公平性を保つことが難しいことも承知していますが、運営者の方々のご改善が見受けられればと私も思います。
なかなか大変な試験で高い壁ですが、終わりなき旅ではありません。
お体をご自愛していただきながら無理のないペースで邁進していただければ幸いです。
一発合格道場のメンバーの一人としてちゃんいちさんの受験を陰ながらサポートできるよう私も努めます。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
Ma.sato
このデータ、待ってました。ありがとうございます。
僕も去年、こういう合格率の変動のデータをかなり見ていました。おそらく僕1人で閲覧数をかなり稼いでいたかもしれません(笑)
僕以外の受験生も科目・年度ごとの難易度や合格率は気になるでしょうから、今回の記事は試験直前期を含めて閲覧数がものすごいごとになると思いますよ。
特に難しいとされている科目や、去年難しかった科目、自身の苦手としている科目のデータはかなり参考というか、お守り代わりになると思います。
ちなみに、難易度最強の年度の過去問をやるのは、僕もやってました。これで60点以上が取れれば、これより難しくはならないと思って安心できるんですよね。
サトシさん
いつもコメント頂きありがとうございます。
私よりもサトシさんの方がお詳しいと思う中、分析をさせていただき恐縮です。
サトシさんのご指摘通り、このデータが受験生の心構え・お守りになることを心から願っております。
是非、ご無理なさらず受験勉強をおすすめください。
Ma.sato