事例Ⅲ:出題者の意見を採用する

WATATAです。

私はずっと工場勤務なので、人からは事例Ⅲが得意だと思われがちです。でも、最初はかなり苦手でした。まあ、単にヘタだったわけですけど。中途半端に工場の事を知っているだけに、自分の知識とか常識に頼って解答してたんです。結果、しばしば「模範解答と全然違う解答」になりました。

これって、「出題者と受験生の意見の相違」だと思うわけです。出題者より自分の方が現場を良く知っている可能性が高いわけですから。

事例Ⅲに限らず、企業に対するどんなアドバイスにも正解ってのは無くて、ただ意見だけがあるんじゃないかと思ってます。だから、中小企業診断士が2人以上いると、必ず何らかの意見の相違が発生してもおかしく無いと思います。それは「出題者」と「受験生」という2人の経営コンサルタントの間にも起こり得ることです。

これは別に事例にも診断士にも限ったことじゃなくて、人間同士のコミュニケーション全般に言えることですね。一人一人の人間はそれぞれ違う世界に住んでいて、違う世界を見て生きているから、世界に対してそれぞれ違う意見を持っているのだと思います。だから人の意見は魅力が無く聞こえるし、人は自分の意見を否定してばっかりだと思ってしまうんでしょう。
昔、ある人から「あなたとは使っているプロトコルが違う!」と言われたことがあります。その人は外資系の世界的に超有名な企業でコンサル的な仕事をしている人で、自分は日本の中小企業に勤務するただの品質保証課員だったので、非常に悔しく思いました。でも、考えてみたらそんなの当たり前ですよね。すべての人間が違うプロトコルを持って生きていると思います。それが、コミュニケーションの結果が自分の望んでいないものになる原因だと思うのです。

余談っぽくなってしまいましたが、事例を解くのもコミュニケーションです。出題者の質問に対し、解答する行為です。出題者と受験生は違う人間ですから、世界に対し違う意見を持っています。事例企業に対するアドバイスでも、違う意見を持っているはずです。

中小企業診断士試験はその差異を認める試験なのか、それとも認めない試験なのか、真相は藪の中ですよね。ただ、受験指導上は「出題者の想定する解答を書く」ということにしないと、採点も指導も難しいです。

「出題者の想定する解答を書く」為に、自分の今までの知識や経験が邪魔になることがあります。製造業の経験者にとって、事例Ⅲはそんな事故が起こりやすい事例かと思います。それを防ぐためには、 「出題者の意見を採用する」必要があるかと思います。

 例えば納期を短縮したい場合、対策は何十通りもあります。しかし、出題者は「この工程にムダがある。このムダを取ればよい」と事例本文に書いています。他にも意見はありますが、ここはひとつ出題者の意見を尊重し、その対策を採用してあげましょう!

製造業の話に限らす、事例Ⅱや事例Ⅲで「模範解答と全然違う解答になってしまう・・・」という悩みをお持ちの方は、この「出題者の意見を採用する」という考え方で戦ってみてください。

最後にもう一つ。
事例Ⅲのシチュレーションは「製造業の社長が、生産管理の専門家である中小企業診断士の○○さんを呼んだ」という場面です。
○○にはあなたの名前を入れて下さい。そして、このシチュレーションに沿った解答を心がけてください!

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