【財務・会計】スタメンイレブンでGET GOAL!

難しい状況に陥っている人は、自らが状況を難しくしているのだと思ったほうがいい。すべてを透明にし、分かりやすくシンプルに考えることだ。
(イビチャ・オシム)

みなさん、こんにちはうちあーのです。

先週金曜日に中小企業診断協会より平成24年度中小企業診断士第1次試験の受験票・写真票が発送されました。既にお手元に届いている方も多いようですね。私も去年受験票が届いた時にはいよいよ迫りくる夏の陣に胸を高鳴らせた覚えがあります。

何はともあれ、まずは記載内容に誤りがないかを念のためチェック。それから受験会場を確認してください。

受験会場を確認したら、早速下見の計画を立てましょう。以下、下見のチェックポイントを簡単に纏めておきます。

1.自宅⇒受験会場の交通機関経路・所要時間の確認
・必ず土日の時刻表で確認すること。
・週末に本試験の時間に合わせて会場に向かってみるのもよいでしょう。
・受験会場が遠かったり、交通の便が悪ければホテルの手配も検討する。

2.会場周辺の確認
・最寄駅から会場まで実際に歩いてみる。距離がある場合にはタクシー乗り場も確認しておく。
・当日飲み物や昼ごはんを買えるコンビニなどがあるか。
・免除科目がある方は空き時間を過ごせるファミレスやカフェなどがあるか。

3.会場内の確認
診断協会のHPなどで「試験会場内の下見は厳禁」と強調されているので注意が必要です。「試験会場内」が「教室内」なのか、「建物内」なのか、「敷地内」なのか明記はありませんが、いずれにせよ受験場所を提供して頂いている会場の所有者や利用者に迷惑をかけないようにしましょう。
かくいう私は受験会場が大学だったので、学生に交じってキャンパス内まで入ってトイレや休憩する場所、建物の設備環境(空調など)を確認しちゃいましたけど。
大学の場合、本試験は夏休み期間中になるため、構内で工事をしているところもあります。その場合は騒音なども気になります。受験生にとっては年に1度の試験ですが、工事している方はそんなことお構い無し。大音量で工事していることもありえます。(実際、去年の東洋大学、一昨年の立教大学で工事していました。)試験案内で「試験時間中の注意」として耳栓の使用はできないことになっているので、対策としては騒音がある環境の中でセルフ模試を実施し慣れておく、などが考えられます。

とにかく下見はとても重要です。会場内まで入れなくても、事前に夏の陣の戦地を訪れておけば多少なりともアウェイ感が薄れ、本試験で精神的なゆとりが生まれますよ。

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さて、ここからが本題
先週から始まった【超直前科目別総まとめ】シリーズ
今日は財務・会計についての記事です。

財務・会計は得手、不得手が大きく分かれる科目です。
得意な方は確実に15問(60点)を獲り、難易度によって1問(4点)でも多く貯金を積み上げることが目標ですね。
苦手な方はまずしっかりと10問(40点)超えで足切り回避が最低限の目標となりますね。
その目標、ゴールを達成するために本試験まであと19日と迫った今、何をすべきか。
ゴールを達成する最も簡単・確実な方法は「試験に出るところ」を徹底的に理解し、集中的に練習しておくことです。
ここでは過去問でほぼ毎年のように出題されている頻出論点を、私が愛するサッカーになぞらえて勝手に11選出し、出題パターンや典型的な解法・必要とされる知識を箇条書きで纏めてみました。
これらイレブンは財務・会計本試験におけるスタメンです。そして、あなたは監督として彼らをうまく操ることで会心のゴールを狙います。

1.経営分析
・分析指標の計算と良否判断を問う問題が中心。
・参考記事はこちら
・指標の算出式を覚えるだけで確実に得点できる。
・良否判断のみならば、分母と分子のいずれかが同じで数値まで計算しなくてもよい場合も多い。
・収益性:利益率はすべて数字が大きい方が良。原価率はすべて数字が大きい方が悪。
・効率性:回転率はすべて数字の大きい方が良。回転期間はすべて数字の大きい方が悪。
・安全性:流動比率と当座比率、自己資本比率は数字の大きい方が良。
固定比率と固定長期適合率、負債比率は数字の小さい方が良。
(良否判断はあくまでも試験対策上の話です)

2.CVP分析
・売上高、変動費、固定費が与えられ損益分岐点売上高、目標利益、安全余裕率などを問う問題が中心。
・参考記事はこちら
・損益分岐点売上高の計算式:Sbep = FC / (1-α)
・損益分岐点売上高(利益0)と実際売上高(利益明示)の連立方程式で変動費率と固定費を求める問題も定番。
・損益分岐点比率の計算式:Sbep / Sact x 100(%)
・安全余裕率の計算式:(Sact – Sbep)/ Sact x 100(%) or 100 – 損益分岐点比率(%)
・損益分岐点比率が100%未満で100%に近いほど収益獲得能力が低く、売上減少に対するリスクが高い。

3.投資の経済性計算
・正味現在価値(NPV)、回収期間法(PP)や内部収益率法(IRR)、フリーキャッシュフロー(FCF)の意味や計算問題が中心。
・参考記事はこちら
・NPVの計算は必ず時系列で図式化する。
・PP:回収期間 = 設備投資額(初期) / CF均等額 時間価値考慮しない。
・IRR:投資のNPVが0となる割引率を算定し、必要収益率(資本コスト)を上回れば投資を実施すべきとの判断をする。
・FCF = 営業利益 x (1 – 税率) + 減価償却費 – 運転資本増加額 – 投資額

4.企業評価
・株価の各指標に関する問題と加重平均資本コスト(WACC)の計算問題を問う問題が中心。
・参考記事はこちら
・DPS、配当利回り、配当性向、EPS、PER、BPS、PBRの意味と計算式をしっかりと覚える。
・計算の際には、配当金・当期純利益・純資産の総額を使う場合とそれぞれ1株当たりの額を使う場合をうまく使い分けると効率的。
・PER x EPS = 株価
・PBR x BPS = 株価
・WACCの計算はCAPMで株主の期待収益率(自己資本コスト)を算出した上で負債コストと合わせるパターンが典型的。
・WACCは負債部分の節税分を気をつければ確実に得点できる。

5.MM理論
・「市場は完全」、「税金や取引コストは存在しない」などの前提条件があればMM理論。
・参考記事はこちら
・MM理論の命題:「法人税が存在しない市場では、企業価値はその資本構成に依存しない」
→節税効果がないため、自己資本増強でも負債利用でも企業価値は同じ。
・MM理論の修正命題:「法人税が存在するとき、負債比率が高まるほど節税効果の現在価値分だけ企業価値は上昇する」
→同じ額を資金調達する場合、自己資本増強より負債利用の方が有利。

6.ポートフォリオ理論
・リターン(期待収益率)とリスク(分散、標準偏差)を問う問題が中心。
・参考記事はこちら
・期待収益率の算出式:Σ{発生確率 x 各状況の収益率}
・分散の算出式:Σ{発生確率 x (各状況の収益率 – 期待収益率)の二乗}
・標準偏差は分散の平方根
・分散・標準偏差が大きいほど平均からの乖離(バラツキ)が大きくリスクが高い。
・できれば相関係数と共分散の意味と計算式も覚える。(性質の異なる証券の組み合わせは低リスク)

7.CAPM
・CAPMの理論や計算式を問う問題が中心。
・「市場リスクが高い株式ほど期待収益率は高くなる。」という関係を説明するモデル。
・個別証券の期待収益率 = 無リスク利子率 + β x 市場リスクプレミアム
・市場リスクプレミアム = 市場ポートフォリオ(例えば東証株価指数)の期待収益率 – 無リスク利子率
・βは個別証券のリスクを表したもの。β=1なら個別証券と市場ポートフォリオのリスクは同等。

8.CF計算書
・営業CFの計算問題が中心。
・参考記事はこちら
・営業CFの直説法と間接法それぞれの算出方法を覚える。
・直接法の営業CF小計まで:P/Lの営業利益をキャッシュ換算したもの。
→ 営業収入 – 商品仕入れによる支出 – 人件費の支出 – その他営業支出
・間接法の営業CF小計まで:P/Lの税引前当期純利益から非資金費用などを調整し算定。
→ 税引前当期純利益 + 減価償却費 + 減損損失 + 引当金増加額 +/- 営業外損益逆進 +/- 特別損益逆進 +/- 運転資本

9.税効果会計
・税効果会計の意義・目的や計算問題が中心。
・参考記事はこちら
・会計上と税法上の資産額・負債額に相違がある場合の調整。(重要性に乏しい場合は無視できる)
・支払税額を法人税等に計上する一方、会計報告上の法人税との差額をP/Lに法人税等調整額(費用)として表示。
・法人税等調整額 = 会計上と税法上の費用の差額 x 税率
・減価償却超過額など将来減算一時差異が発生の場合は、法人税等調整額と同額をB/Sに繰延税金資産(資産)として表示。
・特別償却準備金など将来加算一時差異が発生の場合は、法人税等調整額と同額をB/Sに繰延税金負債(負債)として表示。
・税効果会計の対象とならない永久差異には受取配当金、交際費、寄付金、罰科金などがある。

10.原価計算
・総合原価計算、個別原価計算、標準原価計算が中心。
・参考記事はこちら
・それぞれ出題パターンがあるので比較的対応しやすい。
・総合原価計算:大量生産形態で採用される製品原価計算。費用を直接材料費と加工費に分け、期末仕掛品を進捗度に応じて按分する。
・個別原価計算:受注生産形態で採用される製品原価計算。工場全体の原価を材料使用量や労働時間の配賦基準で製造指示書ごとに賦課する。
・標準原価計算:予め製品製造の標準的な原価を設定し、実際に必要とした原価と比較対照することで原価差異を把握し原価能率を高める。T字ボックス。

11.オプション取引
・オプションの仕組み、損益図の理解を問う問題が中心。
・参考記事はこちら
・株式や通貨を一定期日若しくは期間内に売買する権利で、買う権利をコールオプション、売る権利をプットオプションという。
・損益図では、コール買いは右上がり(ルのはねの部分が右上がり)、プット買いは右下がり(トの2画目が右下がり)。
・一定期日(満期)のみ行使可能なオプションはヨーロピアンタイプ、満期まではいつでも行使可能なオプションは(自由な国)アメリカンタイプ。

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いずれも基本的なことですが、この時期だからこそ基本をしっかりと整理しておきましょう。基本が安定していれば相手チームの変則的な攻撃にも現場対応可能だし、ケアレスミスによる失点も防げます

スタメンイレブンをうまく使い切れる自信がついてきたら、を~が超狙いメとした取り上げたスーパーサブの3選手も掌握しておきましょう。ゴールの幅が更に広がるはずです。

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本番まであと19日。
先週のイチローの言葉が諭す通り「あの時こうしておけばゴールを達成できたのに」などと言い訳しないために「今何をすべきか」を考え、その考え得るすべてのことをこなしていきましょう!

それでは、今日はここまで。

 

Ciao!
By うちあーの

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