添削AIの強みと限界は?今後の展望は? byひでまる

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- 1. 添削AIの出力例比較:本AIの強み
- 1.1.1. 本AIによる添削結果(抜粋)
- 1.1.2. ねね子さんの添削AIによる添削結果(抜粋)
- 1.1. 比較から見える本AIの利点
- 2. 開発における技術的な限界と課題
- 2.1. 1. AIの分析精度の限界
- 2.2. 2. 技術的・予算的な制約
- 2.3. 3. LLM特有の意図しない挙動
- 3. まとめと今後の展望
- 4. よくあるご質問(FAQ)
- 5. 参考:AI添削出力全文
- 5.1. 添削対象答案(全文)
- 5.2. 1. 本AIによる添削結果(全文)
- 5.2.1. 第1問(配点20点)
- 5.2.2. 第2問(配点25点)
- 5.2.3. 第3問(配点25点)
- 5.2.4. 第4問(配点30点)
- 5.3. 2. ねね子さんの添削AIによる添削結果(全文)
- 5.3.1. 設問ごとの添削
- 5.3.1.1. 第 1 問(配点 20 点)
- 5.3.1.2. 第 2 問(配点 25 点)
- 5.3.1.3. 第 3 問(配点 25 点)
- 5.3.1.4. 第 4 問(配点 30 点)
- 5.3.2. 2. 総評
本日は「ひでまる」がお送りします。
今回も「プワァ~」と音が鳴る音符さんと一緒にお送りします!
よろしくお願いします!
プワァ~(今回も添削AIについて!)
前回の記事では、筆者が以下で公開した添削AIの仕組みを解説させていただきました。
本記事では、この答案添削AIの強みや限界を深堀していきます。
添削AIの出力例比較:本AIの強み
百聞は一見に如かず。実際に、同じ答案を本AIと、ねね子さんが公開されている添削AIでそれぞれ評価した結果を比較してみましょう。
現在、無料で手軽に利用できる答案添削AIは、事実上ねね子さんのAI一択と言える状況です(サンさんがdifyで公開されていた「採点君AI R06」は現在利用できなくなっています)。そのねね子さんのAIは、単にAIが生成した模範解答をベースにするだけでなく、診断士の監修のもとで精査されているため、採点基準が非常に精緻であり、目指すべきゴールを示す上で質の高い添削を実現しています。
では、このように優れた先行事例がある中で、再現答案の分析を軸とする本AIが持つ独自の利点はどこにあるのでしょうか。
対象とするのは、筆者が作成した令和6年度事例Ⅱの答案(自己採点47点、Cランク相当)です。
対象答案(令和6年度事例Ⅱ、筆者作成、47点)
第3問(配点25点) 食器のレンタル事業を提案する。3代目の食器の提案力を生かし、顧客の料理に合わせて様々な窯元の食器を貸し出す事で、様々な食器を使いたい顧客ニーズを満し、窯元の商品アピールに貢献すると共に固定客化を図る。
本AIによる添削結果(抜粋)
第3問(配点25点)評価:キーワード C, 論理 C, 文章 B
1ランク上の評価(Bランク)を得るために必要な要素:
Bランクを目指すには、設問で明示されている「収納スペースがない」「捨てられない」という食器愛好家のニーズに対して、より直接的かつ具体的な解決策となるキーワードを抽出してください。
例えば、「サブスクリプション」「下取り」といった、より具体的な事業モデルのキーワードを追加する、あるいは「食器の一時保管サービス」のように、直接的な課題解決に資するキーワードを盛り込むことで、提案の精度を高めることができます。
ねね子さんの添削AIによる添削結果(抜粋)
第 3 問(配点 25 点)評価: B(65点~74点。筆者のAIではSまたはA評価に相当)
改善提案:
結論として、「サブスクリプション事業」と明記することで、単発のレンタルではなく、継続的な顧客関係と安定収入を生む事業モデルであることを示唆できます。
(中略)
「気に入った器はECサイトで購入可能」という、レンタル事業と既存事業(ECサイト)との連携に言及することで、事業全体の相乗効果を意識した解答となり、さらに評価が高まります。
総評: 総合評価: B (合格レベル / 65 点〜74 点)
比較から見える本AIの利点
まず注目すべきは、ねね子さんのAIが47点の答案に対し「総合評価B(65~74点)」と、実際の点数よりかなり高い評価をしている点です。これは、AIが作成した「完璧な模範解答」を基準とする絶対評価のため、部分的に良い点があると評価が引き上げられやすい傾向があるためと考えられます。
| 比較項目 | ねね子さんのAI | 本AI |
| 評価基準 | 模範解答(完璧な答案)との絶対評価 | 実際の再現答案(S~Dランク)との相対評価 |
| 評価の粒度 | 設問ごとに総合評価(A~D) | 設問ごと、かつ3つの評価軸で評価(S~D) |
| フィードバック | 模範解答との差分を指摘し、改善点を提示 | 各評価軸でのランクの根拠と、「次のランク」に上がるための具体的な方法を提示 |
| 強み | 目指すべきゴール(完璧な答案)が明確になる | 自分の現在地と、そこからの具体的な一歩が明確になる |
さらに、アドバイスの質にも違いが見られます。ねね子さんのAIは、「レンタル」を「サブスクリプション」へと発展させEC連携に言及するなど、レンタル事業の延長線上で提案を深掘りしています。これは目指すべき一つの理想形として非常に的確です。
一方で本AIは、「食器を預かる」という、まったく性質の異なる多面的な解決策も提示しています。顧客の「置く場所がない」という課題に対し、「レンタル」と「食器の一時保管サービス」はどちらも有効なアプローチです。このように、一つの課題に対して多様な解答パターンを提示できるのは、本AIが単一の模範解答ではなく、多数の再現答案を分析し、様々な合格パターンを学習しているからです。これは、一つの模範解答に根差した添削を行うAIにはない、本AIの大きな利点です。
加えて、本AIはCランクレベルの答案も分析しているため、多様なレベルの答案に対し、その答案のレベルを一歩引き上げるための的確な提案がしやすくなっています。Cランクの答案がいきなり完璧な事業モデルを目指すのは困難であり、まずは一つ上のBランクに到達することが現実的な目標です。本AIは「Cランク答案に共通して不足し、Bランク答案で追加され始める要素」を学習しているため、受験生の現在地に寄り添い、「Dランクとはここが違うが、Bランクにはここが足りない」という、相対的かつ具体的な一歩を示すことができるのです。
ここで強調したいのはねね子さんのAIと私のAIでどちらが優れているという話ではなく、添削におけるポリシーが違うのだということです。ねね子さんのAIは本当に素晴らしいです。AIが作ったレベルの高い正解をもとに添削するねね子さんの添削は、完璧な答案を目指すうえで非常に有用でしょう。一方で、私が公開したAIは実際の再現答案分析をもとに、可能な限り実際の採点を再現できるように設計しており、合格点を取るためにはどれだけの要素を網羅しないといけないのか?を指摘できるように作られております。まだまだ改善の余地があるものの、その設計思想が添削内容に反映されていることを本比較で感じ取っていただけたら幸いです。
開発における技術的な限界と課題
本AIの開発において、現在の技術ではいくつかの限界や課題に直面しました。
1. AIの分析精度の限界
実際の採点基準は、採点官の「暗黙知」なども含み、極めて複雑であると推測されます。人間であれば、短い基準でもこの暗黙知を共有し、一貫性のある採点が可能です。しかし、AIは人間のような共有コンテキストを持たないため、採点基準を正確に理解するには、あらゆる判断基準を明示的かつ詳細に書き下す必要があります。本AIが再現答案から生成する採点基準は、残念ながらこの「すべてを明示的に書き下す」というレベルには到底及んでいません。
分析の度合いや情報量が、AIを完全に機能させるにはまだ不足しているのです。これが、採点精度を一定以上に上げることが困難な根本的な原因となっています。これは、特徴を聞いただけではっきりとしない人の似顔絵を描くのが難しいのと同様に、再現答案という限られた情報から、AIが理解できるレベルまで詳細な採点基準の全体像を復元することの難しさに起因します。
また、この分析精度の限界は、別の課題も生んでいます。開発過程で評価のバランス調整を行った結果、Sランクの基準が厳格になり、本来Sランクに値する答案をAランクと評価してしまう傾向が見られます。これも含め、AIの分析精度をいかに高めていくかが今後の重要な課題であり、改善に向けて引き続き取り組んでまいります。
2. 技術的・予算的な制約
本来であれば、前述のプロセス②(基準作成)と③(採点実行)を何度も繰り返し、フィードバックループを回すことで、採点基準の精度をさらに高めることができます。「ふぞろい」シリーズがキーワード配点を調整していくプロセスに近いものです。しかし、これをAIで自動的に行うには、膨大な量の答案採点を繰り返す必要があり、筆者の技術的・予算的な制約から断念せざるを得ませんでした。
3. LLM特有の意図しない挙動
LLMの仕組みに由来する、以下の3つのような予期せぬ挙動も見られました。
- ハルシネーション(幻覚): NotebookLMは与えられた採点基準に沿って出力するよう設計されていますが、稀にLLMが持つ元々の知識に基づいて、試験のセオリーから外れたアドバイス(例:推奨される箇条書きを修正するよう促す)をしてしまうことがありました。
- 評価の引きずられ: 3つの評価軸(キーワード、論理、文章力)は独立して評価されるべきですが、互いの評価に引きずられてしまう傾向があります。例えば、キーワードがS評価だと、文章構成に難があってもC評価ではなく、AやBといった近い評価が出がちです。これは、各項目を独立したAIで採点すれば回避できる可能性がありますが、無料提供という制約上、実装は困難でした。
- 文字数カウントの誤差: 当初、「ワンランク上の答案例」を自動生成する機能を実装しようとしました。しかし、「現在の文字数を変えずに」と指示しても、長すぎたり短すぎたりする答案しか生成できず、断念しました。これは、AIが内部で文字数ではなく「トークン」という独自の単位でテキストを処理していることに起因する誤差だと考えられます。実際にこの現象は、OpenAIの論文「Why Language Models Hallucinate」でも言及されているものです。
これらのLLM特有の問題は、確率的な挙動も相まって、完全な対策は困難です。もし意図しない出力が発生した場合は、大変お手数ですが「一度サイトをリフレッシュしてから、再度答案を入力いただく」という方法をお試しください。
まとめと今後の展望
本AIにはいくつかの限界もありますが、「勉強会に参加する時間がない方でも、客観的なフィードバックを気軽に得られるようにしたい」という開発当初の目的は、一定程度達成できたのではないかと考えています。
今後、LLM自体の性能向上や、複数のAIを連携させるAIエージェントのような技術の活用により、さらなる進化が期待できます。じょにーが提案している「答案開示請求」が可能になれば、より信ぴょう性の高いデータソースを基にしAIの分析がさらに高度になる事でしょう。筆者としても、継続的に添削AIの機能向上に取り組んでまいります。
「こんな評価項目も加えてほしい」「採点基準をこう変えてみては?」など、皆様からのフィードバックが、このAIをより良いサービスへと成長させます。ぜひお気軽にご意見をお寄せください。
よくあるご質問(FAQ)
- Q. 本当に無料で使えますか?
A. はい、完全に無料でご利用いただけます。開発者自身が受験生時代に感じた「時間や費用を気にせず、客観的なフィードバックが欲しい」という思いから作成したツールですので、費用は一切かかりません。お気軽にご活用ください。 - Q. 採点の精度はどのくらいですか?
A. 本AIは、公開されている再現答案とその得点結果を基に採点基準を学習していますが、あくまでAIによる分析です。記事本文の「開発における技術的な限界と課題」でも触れている通り、人間の採点官による評価を完全に再現するものではありません。ご自身の現在地を客観的に把握し、学習の方向性を定めるための「補助ツール」としてご活用いただくことを想定しています。 - Q. 対応しているのはどの年度・事例ですか?
A. 現在、平成30年度から令和6年度までの事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのすべてに対応したAIを公開しています。ブログのリンクから、ご希望の年度・事例のAIをお選びいただけます。 - Q. 人間の講師による添削との違いは何ですか?
A. 本AIの最大の利点は、時間や場所を問わず「いつでも、何度でも、即座に」客観的なフィードバックを得られる点です。一方で、答案の背景にある思考プロセスを汲み取った上での対話的な指導や、個人の癖に合わせた細やかな指導は、人間の講師ならではの価値だと考えています。本AIで学習の方向性を掴み、予備校や勉強会などで人間の講師からより深い指導を受ける、といった使い分けが最も効果的です。
明後日の担当はダーヤスです!
どんな記事かな~?
期待してや~!
参考:AI添削出力全文
添削対象答案(全文)
令和6年度 事例Ⅱ
第1問(配点20点)
①S ①X焼で朝食提供できる自社店舗②3代目の料理に合わせた食器の提案力③動画制作力。
②W ①X焼の価格が高い事②自社ホームページやECサイトが発展途上な事。
③O ①クリエイター志望移住者による窯元開業②動画への若者や海外の人からの問い合わせ。
④T ①コロナ禍でのホテル等での食器提供依頼の減少②窯元の零細化とX焼産業の規模縮小。
第2問(配点25点)
顧客が考えたオリジナル食器を作れる企画を提案する。①3代目が盛り付け・写真映えする食器の作り方を教え②地元窯元と連携して窯元見学で食器ができる所を見せる事で、若者に訴求し、X市とX焼のファン増加を図る。
第3問(配点25点)
食器のレンタル事業を提案する。3代目の食器の提案力を生かし、顧客の料理に合わせて様々な窯元の食器を貸し出す事で、様々な食器を使いたい顧客ニーズを満し、窯元の商品アピールに貢献すると共に固定客化を図る。
第4問(配点30点)
施策はECサイトの顧客に対し①自社店舗のX焼を使った朝食や対面での盛り付け・写真映えする食器提案をサイトで訴求し、②X市と連携し陶磁器祭りへの参加ツアーを企画しX市来訪を促し③店舗とECサイトで顧客DBを共有し、ECで得た顧客ニーズに用いて店舗で提案を行う事で、自社店舗への来店を増やし売上向上を図る。
1. 本AIによる添削結果(全文)
それでは、令和6年度「事例Ⅱ」の答案について、中小企業診断士2次試験の採点と答案指導を専門とする講師の立場から、詳細な分析と評価、そして今後の学習に繋がる具体的なアドバイスを提供させていただきます。
第1問(配点20点)
B社の現状に関するSWOT分析(各40字以内)
【答案】
①S ①X焼で朝食提供できる自社店舗②3代目の料理に合わせた食器の提案力③動画制作力。
②W ①X焼の価格が高い事②自社ホームページやECサイトが発展途上な事。
③O ①クリエイター志望移住者による窯元開業②動画への若者や海外の人からの問い合わせ。
④T ①コロナ禍でのホテル等での食器提供依頼の減少②窯元の零細化とX焼産業の規模縮小。
Ⅰ.キーワード抽出力評価:Aランク
採点の根拠:各SWOT要素において、与件文から複数の具体的なキーワードを的確に抽出できていますね。強みとしては「3代目の料理に合わせた食器の提案力」は、与件文の情報を深く読み取り、「3代目のセンスと食器提案力の高さ」に繋がる非常に良い抽出です。「X焼で朝食提供できる自社店舗」も、自社店舗の存在とその活用方法を具体的に示しており、与件文の強みを捉えています。弱みでは「X焼の価格が高い事」は「価格競争力の低さ」に該当し、「自社ホームページやECサイトが発展途上な事」は「HPの内容不足といったオンライン活用の弱さ」を的確に表現しています。機会としては「クリエイター志望移住者による窯元開業」や「動画への若者や海外の人からの問い合わせ」といった、外部環境の変化や顧客からの反応を具体的に捉えたキーワードは、Aランクの特徴である「事実の背景にある意味合いまで捉えたキーワード」として高く評価できます。脅威に関しても、「コロナ禍でのホテル等での食器提供依頼の減少」や「窯元の零細化とX焼産業の規模縮小」は、B社の経営環境を取り巻く具体的なリスクを捉えられており、これも与件文からの読み取りが深いことを示していますね。Sランクの「複数のターゲットや課題を整理・統合し、洗練された言葉で表現」という点にはもう一歩の余地がありますが、現状でも非常に高いレベルのキーワード抽出力があると言えるでしょう。
1ランク上の評価(Sランク)を得るために必要な要素:Sランクを目指すには、抽出したキーワードをさらに深く分析し、その事実がB社にとって持つ意味合いや、複数の要素を統合した表現を追求してください。例えば、強みの「X焼で朝食提供できる自社店舗」は、単なる店舗ではなく「顧客接点」としての多面性や重要性を言葉に含める工夫が考えられます。また、「動画制作力」という表現を、例えば「動画を通じた効果的な情報発信力」のように、単なる能力だけでなく、それが生み出す具体的な価値まで示唆する表現に洗練させると良いでしょう。弱みの「X焼の価格が高い事」と「自社ホームページやECサイトが発展途上な事」を、「商品のデザインの新鮮味と価格競争力の低さ、そしてオンライン活用の弱さ」のように、類似する課題を統合し、より洗練された短い言葉で表現することもSランクの鍵となります。与件文の情報を多角的に捉え、複数のターゲットや課題を整理・統合し、それらを洗練された言葉で表現する意識を持つことで、キーワードの選定が格段に向上するはずです。
Ⅱ.論理的思考力・提案の多面性評価:Bランク
採点の根拠:内部環境と外部環境の切り分けは適切にできており、B社の置かれた状況を客観的に整理する能力は備わっています。例えば、自社の能力(3代目の提案力、動画制作力)を強み、外部からの問い合わせ(若者や海外からの問い合わせ)を機会と適切に分類できていますね。しかし、A・Sランクが示すような「単なる事実の抜き出しではなく、その事実がB社にとってなぜ強み(弱み、機会、脅威)なのかという因果関係を深く理解した上で、キーワードを選定」している、とまでは言い切れません。現状の記述は事実の整理に重きが置かれているため、もう一歩深い分析、特に経営環境を構造的に捉える分析力を示す表現が求められるでしょう。
1ランク上の評価(Aランク)を得るために必要な要素:Aランクを目指すには、単にキーワードを羅列するだけでなく、「なぜそれが強み(弱み、機会、脅威)なのか」という因果関係を意識して表現を洗練させてください。例えば、脅威の「窯元の零細化とX焼産業の規模縮小」が、具体的にB社にとってどのような脅威となるのか、その背景にある「産地問屋の活力低下」のような構造的な問題を短い言葉で示唆するような表現を心がけましょう。事実の表面的な理解に留まらず、その根底にある経営環境を構造的に捉える分析力を答案に滲ませることが、評価を向上させる上で非常に重要になります。
Ⅲ.文章構成力と表現力評価:Bランク
採点の根拠:各SWOT要素において、40字以内という制限文字数内に要点を収める構成力があり、比較的簡潔な表現ができています。体言止めも適切に活用されており、Bランクに該当する構成力と表現力をお持ちです。しかし、A・Sランクの「複数の要素を『〜や〜』といった助詞で効果的につなぎ、情報を凝縮」したり、「複数の脅威を一つにまとめ、かつ具体的で分かりやすい表現で記述する能力」といった洗練された表現力には、まだ改善の余地があると言えるでしょう。
1ランク上の評価(Aランク)を得るために必要な要素:Aランクを目指すには、各SWOT要素内で、複数のキーワードを効果的な助詞(「〜や〜」「〜だけでなく〜も」など)で繋ぎ、情報をより凝縮させてください。特に脅威の項目などでは、「安価な外国製陶磁器の輸入や100円ショップの台頭」のように、似たような性質を持つ複数の要素をまとめて表現することで、文字数制限の中でより多くの情報を盛り込みつつ、具体的で分かりやすい文章になります。体言止めをさらに効果的に活用し、冗長な表現を徹底的に排除する意識を持つことで、表現力が向上するでしょう。
第2問(配点25点)
市とX焼のファンを増やす返礼品の企画(100字以内)
【答案】
顧客が考えたオリジナル食器を作れる企画を提案する。①3代目が盛り付け・写真映えする食器の作り方を教え②地元窯元と連携して窯元見学で食器ができる所を見せる事で、若者に訴求し、X市とX焼のファン増加を図る。
Ⅰ.キーワード抽出力評価:Cランク
採点の根拠:「盛り付け・写真映え」という表現からは感覚価値に繋がりうるキーワードを、「窯元見学」からは観念価値に繋がりうるキーワードを抽出していると推察できます。この点はDランクよりは進んでいますが、設問で明確に問われている「感覚価値」「観念価値」という制約条件を答案中で明示的に活用できていない点がCランクの特徴に該当します。単にアイデアを提示するに留まっており、これらの要素が具体的にどのような価値としてファン増加に寄与するのかという視点でのキーワード抽出が不足しています。特に「顧客が考えたオリジナル食器を作れる企画」というアイデアが、設問の意図する「返礼品」として適切に機能するのかという点で、与件文からのキーワード抽出が不足している可能性も考えられます。
1ランク上の評価(Bランク)を得るために必要な要素:Bランクを目指すには、設問で求められている「感覚価値」と「観念価値」というキーワードを明確に意識し、それらにつながる具体的なキーワードを与件文から抽出し、答案に反映させてください。例えば、「3代目が盛り付け・写真映えする食器の作り方を教え」るという点について、「おいしそうに見える」といった感覚的な価値に言及する言葉を加えて「家庭料理が見違えるほどおいしく見える盛り付け方」のように、より具体的で設問に寄り添った表現を心がけましょう。また、「窯元見学」についても、「X焼の歴史」「X市の食文化」といった観念価値に繋がりうるキーワードを明確に抽出し、具体的に提案に組み込むことで、設問の制約条件を意識したキーワード抽出ができるはずです。
Ⅱ.論理的思考力・提案の多面性評価:Cランク
採点の根拠:「顧客が考えたオリジナル食器を作れる企画」という提案は、それが「なぜX市とX焼のファンを増やすのか」という論理的な説明が不十分です。提案自体は「3代目の指導」と「窯元見学」という2つの要素を含んでいますが、これらが「感覚価値」「観念価値」にどう訴えかけるのかという因果関係の記述が不十分であり、特に「感覚価値」への訴求が非常に弱く、提案の核となるべき価値への言及が曖昧です。そのため、提案の説得力も弱くなっています。
1ランク上の評価(Bランク)を得るために必要な要素:Bランクを目指すには、「(提案)をすることで、〜という価値を伝え、ファンを増やす」という因果関係を明確に記述してください。提案の各要素が、具体的にどのように「感覚価値」や「観念価値」に訴えかけ、ファン増加に繋がるのかを説明する必要があります。例えば、「3代目の指導により、盛り付け・写真映えするX焼の使い方を習得させ(感覚価値)、X焼をより魅力的に感じさせることでファンを増やす」といった記述が求められます。提案自体に多面性はあるものの、それぞれの価値への訴求が具体性に欠けている点を改善し、因果関係を明確にすることで、論理的な思考力が向上するでしょう。
Ⅲ.文章構成力と表現力評価:Cランク
採点の根拠:「顧客が考えたオリジナル食器を作れる企画を提案する。」という冒頭の表現は、設問に対する直接的な返礼品企画の提示としてはやや遠回りな印象を与えますね。続く文章も、アイデアの羅列に近い形であり、論理的な接続が弱く、読みにくい構成になっています。設問の要求(ファンを増やす、感覚・観念価値への言及)を十分に満たさないまま文字数を使い切っており、効率的な文章構成ができていません。
1ランク上の評価(Bランク)を得るために必要な要素:Bランクを目指すには、提案内容と目的(ファン増加、感覚価値・観念価値の訴求)を明確に繋げる文章構成を意識してください。一文が長くなっても構いませんので、アイデアを単に羅列するのではなく、それぞれのアイデアがどのような効果をもたらすのかを具体的に示すようにしましょう。設問の要求を漏れなく満たすための骨子を最初に考え、それに沿って記述することで、文章の繋がりと論理性が向上し、より分かりやすい答案を作成できるようになるはずです。
第3問(配点25点)
食器愛好家のニーズを充足する新規事業(100字以内)
【答案】
食器のレンタル事業を提案する。3代目の食器の提案力を生かし、顧客の料理に合わせて様々な窯元の食器を貸し出す事で、様々な食器を使いたい顧客ニーズを満し、窯元の商品アピールに貢献すると共に固定客化を図る。
Ⅰ.キーワード抽出力評価:Cランク
採点の根拠:「レンタル」というキーワードは抽出できており、課題解決に繋がりうる方向性ではありますが、設問で示された「収納スペースがない」「捨てられない」という核心的なニーズに直接的に応えるキーワードの抽出が不足しています。例えば、「食器の一時保管サービス」や「下取り」といった、より直接的な解決策に資するキーワードが盛り込まれていません。また、提案が単発的で、愛好家の複雑なニーズを十分に満たせるような多角的なキーワードが不足していますね。与件文の強みである「3代目の食器の提案力」や「様々な窯元」を活かそうとしている点は評価できますが、課題解決の解像度をさらに高める必要があります。
1ランク上の評価(Bランク)を得るために必要な要素:Bランクを目指すには、設問で明示されている「収納スペースがない」「捨てられない」という食器愛好家のニーズに対して、より直接的かつ具体的な解決策となるキーワードを抽出してください。例えば、「サブスクリプション」「下取り」といった、より具体的な事業モデルのキーワードを追加する、あるいは「食器の一時保管サービス」のように、直接的な課題解決に資するキーワードを盛り込むことで、提案の精度を高めることができます。これにより、愛好家の複雑なニーズに対し、多角的な視点から応える事業モデルを構築する意図が伝わるようになるでしょう。
Ⅱ.論理的思考力・提案の多面性評価:Cランク
採点の根拠:「レンタル事業を行う」という提案はできていますが、それが「収納スペースがない」「捨てられない」という愛好家のニーズをどのように解決し、「事業機会拡大に繋がるのか」という論理的な説明が不足しており、説得力に欠けます。レンタル事業が間接的に収納スペースの課題解決に繋がる可能性はありますが、その論理的な繋がりが明確に示されていません。また、提案が「レンタル事業」という単一の事業に留まっており、多面性も乏しい状態です。Aランクのように「レンタル」と「下取り・買取」など複数の事業を組み合わせる視点が不足していると言えるでしょう。
1ランク上の評価(Bランク)を得るために必要な要素:Bランクを目指すには、「(課題)を解決するために、(提案)を行う」という因果関係を明確に記述してください。特に、レンタル事業が「収納スペースがない」「捨てられない」という課題にどのように貢献するのか、その論理的な繋がりを補強する必要があります。例えば、「収納スペースがない愛好家に対しては、必要な時にだけレンタルすることで保管負担を軽減する」といった説明を加えるべきでしょう。また、提案に多面性を持たせるため、レンタルだけでなく、例えば「不要になった食器の買取・下取りサービス」など、愛好家の多様なニーズに応える事業を組み合わせる視点を取り入れることで、多角的な課題解決型の思考が示せるはずです。
Ⅲ.文章構成力と表現力評価:Bランク
採点の根拠:「〜という課題に対し、〜という事業を行うことで、〜を図る」という基本的な構成で文章を作成しようとする意識は見られます。提案内容と、それが顧客ニーズを満し、さらに窯元アピールや固定客化に繋がるという目的を、一文で繋げようとしていますね。この点はBランクとして評価できます。ただし、提案が一つしかないため、文章表現が単調になりがちという課題は残ります。複数の提案を論理的に構成するような、A・Sランクの高い文章力にはまだ至っていません。
1ランク上の評価(Aランク)を得るために必要な要素:Aランクを目指すには、提案に複数の要素を持たせることで、文章構成に幅と深みを持たせましょう。例えば、「Aという事業で、Bというニーズに応える。また、Cという事業でDという課題を解決し、〜を図る。」のように、接続詞を効果的に用いて複数の提案を論理的に構成する練習をしてください。100字という制限の中で、多角的な提案を分かりやすくまとめる工夫が必要です。これにより、提案の全体像がより明確になり、説得力のある文章を作成できるようになるでしょう。
第4問(配点30点)
店舗とECサイトの両方を利用する顧客を増やす施策(150字以内)
【答案】
施策はECサイトの顧客に対し①自社店舗のX焼を使った朝食や対面での盛り付け・写真映えする食器提案をサイトで訴求し、②X市と連携し陶磁器祭りへの参加ツアーを企画しX市来訪を促し③店舗とECサイトで顧客DBを共有し、ECで得た顧客ニーズに用いて店舗で提案を行う事で、自社店舗への来店を増やし売上向上を図る。
Ⅰ.キーワード抽出力評価:Bランク
採点の根拠:「サイトで訴求」「陶磁器祭りへの参加ツアー」「顧客DB共有とニーズ活用」といった、具体的なO2O施策やB社の強みを活かした独自の施策に繋がるキーワードを抽出できていますね。特に「陶磁器祭りへの参加ツアー」は、B社の強み(X焼、地元窯元との連携)を活かした独自のキーワードとして評価できます。しかし、Aランクが示す「双方向」の連携を意識したキーワード抽出としては、まだ発展途上です。ECから店舗への誘導が主眼であり、店舗からECへの誘導(例:店舗でQRコード配布、店舗で得たニーズをEC商品開発に活用)の視点がまだ不足しています。また、「店舗受取」「ポイント共通化」といった典型的なO2O施策のキーワードが不足しており、網羅性や高度さの点でまだ改善の余地があると言えるでしょう。
1ランク上の評価(Aランク)を得るために必要な要素:Aランクを目指すには、Bランクの内容に加え、「EC→店舗」だけでなく、「店舗→EC」への誘導を意識したキーワードを抽出してください。例えば、店舗での購入客にECサイト限定の特典を付与したり、店舗でQRコードを配布してECサイトへ誘導したりする施策など、双方向の連携を具体的に示すキーワードを盛り込みましょう。また、「顧客DB活用」「メルマガ」といったCRM(顧客関係管理)に関連するキーワードをさらに具体的に活用し、顧客情報を基にしたパーソナライズされたアプローチを提案に盛り込むことで、キーワードの質をより高めることができるでしょう。
Ⅱ.論理的思考力・提案の多面性評価:Bランク
採点の根拠:「ECサイトの顧客に対し〜サイトで訴求し、〜を企画しX市来訪を促し、〜店舗で提案を行う事で、自社店舗への来店を増やし売上向上を図る」という論理構成は、ECから店舗への顧客誘導という一方向の論理は明確に構築できています。また、「顧客DBを共有し、ECで得た顧客ニーズに用いて店舗で提案」という部分は、双方向連携の視点も一部含んでおり、評価できます。しかし、Aランクが求める「ECから店舗へ」「店舗からECへ」という双方向の顧客循環を生み出す論理構成が明確であるとまでは言い難く、特に店舗からECへの誘導施策の視点が不足しています。施策の多面性はありますが、それぞれの施策が「両方を利用する顧客」を増やすために、どのように有機的に連携し、顧客循環を生み出すのかという点がまだ不十分です。
1ランク上の評価(Aランク)を得るために必要な要素:Aランクを目指すには、「ECから店舗へ」だけでなく、「店舗からECへ」という双方向の顧客循環を生み出す論理構成を明確にしてください。例えば、「EC購入品の店舗受取」「店舗とECの共通ポイント」など、両チャネルを切れ目なく利用させる具体的な施策を提案に組み込むことで、多面的なアプローチを示すことができます。それぞれの施策がどのように連携し、「両方を利用する顧客」を増やすのか、その因果関係をより具体的に説明できるようになることが重要です。
Ⅲ.文章構成力と表現力評価:Aランク
採点の根拠:複数の施策を効果的な接続詞でつなぎ、「①〜し、②〜を企画し、③〜を行うことで、〜を図る」という構造で、150字という制限の中で多角的かつ論理的な提案を分かりやすく構成できています。無駄な表現も少なく、要点が簡潔にまとめられていますね。これはBランクの「ターゲットと施策と目的を述べた文章が書けている」レベルを明確に超えており、A・Sランクの「複数の施策を効果的に接続詞でつなぎ、多角的かつ論理的な提案を分かりやすく構成」に十分に達しています。Sランクのように施策の目的(競合との差別化、ファン化を通じたリピート販売)まで明確に記述し、さらに説得力を高める余地はありますが、現在の構成力はAランクに十分達していると評価できます。
1ランク上の評価(Sランク)を得るために必要な要素:Sランクを目指すには、Aランクの分かりやすい文章構成に加え、提案の目的(競合との差別化、ファン化を通じたリピート販売など)をさらに明確に記述し、説得力を高めてください。例えば、単に来店を促すだけでなく、提案する施策が顧客との関係性を深め、最終的にリピート販売やファン化に繋がるという一貫したストーリーを描けるように表現を磨きましょう。複数の施策が単なる羅列ではなく、一つの目的に向かって有機的に連携していることを示す表現を意識することで、答案全体の論理的なつながりと説得力が格段に向上するはずです。
【総括】
全体を通して、与件文の読み込みは深く、キーワード抽出力も高いレベルにあります。特に文章構成力については、短い字数の中で複数の提案を論理的にまとめる力が備わっていることがうかがえます。しかし、「設問の制約条件を明示的に踏まえた表現」や「提案の論理的な繋がりと多面性(特に双方向性)」の部分で、もう一歩踏み込むことで、さらに高得点を狙えるはずです。今後の学習では、この点を意識して答案作成に取り組んでみてください。応援しています。
2. ねね子さんの添削AIによる添削結果(全文)
ABCD 評価基準
- A 評価 (高得点レベル / 75 点以上): 設問要求に的確に応え、重要な根拠を複数盛り込んでいる。論理構成が明快。
- B 評価 (合格レベル / 65 点〜74 点): 設問の主要な要求を満たしており、大きな論理的破綻がない。
- C 評価 (合格ボーダーライン / 55 点〜64 点): 解答の方向性は合っているが、根拠の不足や論理の飛躍が散見される。
- D 評価 (要改善レベル / 54 点以下): 設問の意図の誤解や、与件文の無視など、根本的な改善が必要。
設問ごとの添削
第 1 問(配点 20 点)
模範解答(比較参考用)
① 強み(38 字):3 代目の企画力と発信力、及びデザイナーズホテル等の実績。窯元等との良好な関係。
② 弱み(40 字):卸売業の体質が残り、BtoC のノウハウやオンラインを活用した販売体制が未熟な点。
③ 機会(40 字):クリエイター志望の移住者による窯元の新規参入とオンラインでの新たな顧客層の開拓。
④ 脅威(38 字):人口減少による国内市場の縮小、安価な輸入品との競合、産地の情報発信力の低下。
あなたの回答
①S ①X焼で朝食提供できる自社店舗②3代目の料理に合わせた食器の提案力③動画制作力。
②W ①X焼の価格が高い事②自社ホームページやECサイトが発展途上な事。
③O ①クリエイター志望移住者による窯元開業②動画への若者や海外の人からの問い合わせ。
④T ①コロナ禍でのホテル等での食器提供依頼の減少②窯元の零細化とX焼産業の規模縮小。
評価: B
フィードバック:
- 設問解釈と方向性: SWOT分析の設問意図を正しく理解し、内部(S/W)と外部(O/T)を分けて抽出できています。方向性は適切です。
- 与件文の活用: 強みとして「3代目の提案力」や「動画制作力」を挙げている点は良いです。弱みとして「ECサイトが発展途上」を捉えているのも適切です。機会は「クリエイター窯元」と「若者・海外からの問い合わせ」を捉えており、これも良いです。しかし、脅威の「コロナ禍での…依頼の減少」は一時的な事象であり、長期的な脅威(国内市場縮小、安価な輸入品)に比べると優先度が低いです。また、強みとして挙げた「自社店舗」は与件文では建て直したばかりであり、まだ成果が出ていないため、単なる事実の記載に留まり、強みと断定するには根拠が弱い可能性があります。
- 知識と論理構成: SWOT分析のフレームワークは正しく使えています。ただし、弱みに「X焼の価格が高い事」とありますが、これは外部環境の「脅威」である「安価な外国製陶磁器」との比較から生じる相対的なものであり、単独で弱みと断定するのは不十分です。強みは「自社資源」、弱みは「自社に欠けているもの」と厳密に区分けすると、より質の高い答案になります。
- 具体性と表現: 字数制限内で簡潔にまとめようとする姿勢は良いです。ただし、「朝食提供」は本文に記載がなく、「軽食」の提供ですので、細部の記載はより正確にすべきです。
改善提案:
- 強みは、3代目の能力だけでなく、「窯元との良好な関係」といった無形資産も加えることで、より多面的な分析になります。
- 脅威は、「国内市場の縮小」や「安価な輸入品との競争」といった、より根本的で長期的な課題を優先的に記述すべきです。
- 弱みは、「BtoCのノウハウ不足」など、組織としての課題に焦点を当てることで、後の設問の施策と連携しやすくなります。
第 2 問(配点 25 点)
模範解答(比較参考用)
3 代目の企画力とクリエイター窯元を掛け合わせ、伝統と革新を融合した限定品を開発。作り手の想いや地域の物語を伝える動画で訴求し、所有する喜びと、料理が映える美しさを提供。これにより市のファンを創造する。
あなたの回答
顧客が考えたオリジナル食器を作れる企画を提案する。①3代目が盛り付け・写真映えする食器の作り方を教え②地元窯元と連携して窯元見学で食器ができる所を見せる事で、若者に訴求し、X市とX焼のファン増加を図る。
評価: C
フィードバック:
- 設問解釈と方向性: 「感覚価値」と「観念価値」という2つのキーワードに応える必要があります。あなたの解答では、窯元見学による「体験」や、3代目の「指導」に焦点を当てており、体験価値の提供は捉えられていますが、設問で求められている商品企画そのものの提案としては不十分です。
- 与件文の活用: 「3代目の盛り付け・写真映え」「地元窯元と連携」「動画」といった与件文中の要素は活用できています。しかし、模範解答にあるような、クリエイター窯元と3代目を掛け合わせた「限定品」という、商品そのものの企画という視点が抜けています。
- 知識と論理構成: 「顧客が考えたオリジナル食器」は、オーダーメイドであり、ふるさと納税の返礼品として大量提供する企画としては非現実的です。また、「感覚価値」「観念価値」への言及が不足しています。体験によって得られる価値は観念価値の一つですが、それだけでは不十分です。作り手の物語や地域のストーリーといった、より深い「観念価値」への言及が不足しています。
- 具体性と表現: 顧客が「考えた」オリジナル食器は具体性に欠け、現実的な企画とは言えません。
改善提案:
- 設問のキーワードである**「感覚価値」と「観念価値」を解答に明示的に含めるべきでした。**
- 感覚価値:「写真映え」「盛り付け映え」
- 観念価値:「作り手の想いや物語を動画で発信」
- これらの要素を組み合わせ、「3代目の企画力」と「クリエイター窯元」を掛け合わせた「限定品」**という具体的な商品企画を提示し、その商品を通じて2つの価値を提供する、という論理構成にすべきでした。
第 3 問(配点 25 点)
模範解答(比較参考用)
様々な窯元の器を交換利用できるサブスクリプション事業を始める。収納場所を気にせず多様な器を楽しめる機会を提供。気に入った器はECサイトで購入可能とし、窯元の事業機会拡大と食器愛好家の継続利用を促す。
あなたの回答
食器のレンタル事業を提案する。3代目の食器の提案力を生かし、顧客の料理に合わせて様々な窯元の食器を貸し出す事で、様々な食器を使いたい顧客ニーズを満し、窯元の商品アピールに貢献すると共に固定客化を図る。
評価: B
フィードバック:
- 設問解釈と方向性: 顧客の「収納スペースがない」という課題と、「色々な窯元の器を手にとりたい」というニーズを同時に解決する新規事業を問うている設問意図を正しく捉えています。「レンタル事業」という切り口は非常に適切です。
- 与件文の活用: 「3代目の提案力」「様々な窯元の食器」「食器愛好家」といったキーとなる要素を網羅的に使っています。
- 知識と論理構成: 「レンタル事業」という発想は、現代の消費トレンド(モノの所有からコトの消費へ)を反映しており、診断士として適切な知識応用です。この事業が「顧客ニーズを満し、窯元の商品アピールに貢献」し、「固定客化を図る」というロジックも明確です。ただし、模範解答にある「サブスクリプション」という言葉を使うことで、より事業の収益モデルを明確に示せます。
- 具体性と表現: 「レンタル事業」という言葉は良いですが、具体的に「交換利用」ができるという点が、顧客にとっての最大の価値です。この点を明確に表現すると、より説得力が増します。
改善提案:
- 結論として、「サブスクリプション事業」と明記することで、単発のレンタルではなく、継続的な顧客関係と安定収入を生む事業モデルであることを示唆できます。
- 「気に入った器はECサイトで購入可能」という、レンタル事業と既存事業(ECサイト)との連携に言及することで、事業全体の相乗効果を意識した解答となり、さらに評価が高まります。
第 4 問(配点 30 点)
模範解答(比較参考用)
①EC サイトで 3 代目や窯元による食器の制作体験や盛り付け講座等のイベント予約を受け付け、店舗へ誘導する。② 店舗では、購入者やイベント参加者に EC サイトで使えるクーポンを提供し、相互利用を促進する。③ 両チャネルの顧客情報を一元管理し、継続的な関係を構築する。
あなたの回答
施策はECサイトの顧客に対し①自社店舗のX焼を使った朝食や対面での盛り付け・写真映えする食器提案をサイトで訴求し、②X市と連携し陶磁器祭りへの参加ツアーを企画しX市来訪を促し③店舗とECサイトで顧客DBを共有し、ECで得た顧客ニーズに用いて店舗で提案を行う事で、自社店舗への来店を増やし売上向上を図る。
評価: B
フィードバック:
- 設問解釈と方向性: 「店舗とECサイトの両方を利用する顧客を増やす」という設問要求を正しく捉え、オンラインからオフラインへ、そして両者の相互連携を図る施策を提案しており、方向性は適切です。
- 与件文の活用: 「ECサイトの顧客」「自社店舗」「3代目の盛り付け・写真映え」といったキーワードを適切に活用しています。特に、「X市と連携し陶磁器祭りへのツアー」という着眼点は、与件文の「陶磁器祭り」という情報を効果的に活用しており、加点ポイントです。
- 知識と論理構成: 「O2O」や「OMO」といったチャネル戦略の観点から論理を構築できています。顧客DBの共有という、施策の基盤となる部分にも触れている点は高く評価できます。しかし、「朝食」は本文に記載がないため、与件文の事実と異なる記述は避けるべきです。
- 具体性と表現: 「朝食」「ツアー企画」など、具体的な施策を提案できている点は良いです。ただし、表現がやや硬く、字数も多くなっているため、より簡潔にまとめる工夫が必要です。
改善提案:
- ECサイトの顧客を店舗に誘導する施策として、「イベント予約」という形にすることで、単なる情報提供ではなく、具体的なアクションを促すという意図を明確にすべきでした。
- 陶磁器祭りツアーの企画は良いですが、それを「両方を利用する顧客」を増やすという設問の目的にどう貢献するか、という論理をより明確に記述すると、さらに説得力が増します。
2. 総評
総合評価: B
全体を通しての強み:
あなたは与件文を丁寧に読み込んでおり、多くの要素を解答に盛り込もうと努力しています。特に、第3問の「レンタル事業」や第4問の「ツアー企画」といった、与件文から独自の視点を生み出す発想力は非常に優れています。これは合格答案に不可欠な能力です。
全体を通しての課題:
設問の要求するキーワード(例:感覚価値、観念価値)との直接的な接続や、与件文の事実をより厳密に解釈する力に改善の余地があります。
論理の飛躍をなくし、施策が**「なぜ」機能するのか**を明確に記述する訓練が必要です。特に、SWOT分析では、内部環境と外部環境を明確に区別する厳密さを持つことが重要です。
合格に向けたアドバイス:
- 設問のキーワードを意識する: 今後、演習を行う際には、まず設問文を読み、解答に盛り込むべきキーワードや概念(例:ブランド価値構造、チャネル戦略など)を特定してから与件文を読み始める練習をしてください。これにより、設問要求から外れるリスクを減らせます。
- 抽象と具体のバランス: あなたの解答は具体性があり素晴らしいですが、その具体例がどのような上位の概念(例:O2O、OMO、サブスクリプション)に支えられているのかを意識することで、解答に深みが増します。日々の学習で、具体的な事例と抽象的な理論を紐づける練習を重ねてください。
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