設問解釈で見える回答の方向性 byまさき

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- 1. 運任せで「2次試験」に臨みますか?
- 2. なぜ、「設問解釈」が重要なのか?
- 2.1. メリット① 時間のロスを防げる
- 2.2. メリット② 解答の再現性を高められる
- 2.3. メリット③ 学習効率の最大化(復習の質向上)
- 3. 設問解釈の3つの視点
- 3.1. ①制約条件・時制の確認
- 3.2. ②解答の骨格を作る「論理構造」の明確化
- 3.3. ③設問の流れを確認
- 4. 令和2年度事例Ⅱで体感する!設問解釈プロセス
- 5. 明日からできる設問解釈トレーニング
- 5.1. 準備するのは「設問2枚」だけ!スキマ時間でできる反復練習法
- 5.1.1. Step1:書き込みのない設問文で設問解釈を行う
- 5.1.2. Step2:過去の自分が作った「理想の設問解釈」と比較する
- 5.1.3. Step3:「理想の設問解釈」をアップデートする
- 5.2. 「なぜ、その解釈に至ったか」を言語化する
- 6. 次回予告
運任せで「2次試験」に臨みますか?
「設問解釈」の重要性って、腹落ちできていますか?
2次試験は、80分で与件文を読み、設問に答える試験です。
「設問解釈が大事」とよく言われますが、なぜでしょうか?
もし、
- 「1次知識って2次試験に必要?」
- 「与件文を読めば何とかなるでしょ」
と思っているなら、要注意です。
設問解釈を甘く見ると、ポエム回答や時間切れに直結します。
今回は、自分が実践した設問解釈と、その重要性をお伝えします。
なぜ、「設問解釈」が重要なのか?
設問解釈を徹底すると、
「試験問題が変わっても」
「時間内に」
再現性高く「それなりの回答」を作れるようになります。
自分の2次試験の作戦は50点は死守することでしたが、
そのための作戦の1つが設問解釈を徹底することでした。
その理由を3つのメリットを通じて説明します。
メリット① 時間のロスを防げる
設問解釈をしないで与件文を読むことは、
「地図なしで航海をするようなもの」だと思っています。
もちろん、「波が俺
を導いてくれる」「俺が進む方角が目的地」と考える関西版ローランドタイプの方もいるかと思いますが、80分しかない試験で遠回りするのは致命的です。
設問解釈を行うことで与件文を通じて読むべきポイントが明確になり、設問と与件文を行ったり来たりする無駄読みを防げます。
つまり、80分後のゴール(設問に答える)を明確にしてから与件文を読めるということです。(実務でも、ヒアリング項目を考えずに企業訪問することはないです。)
メリット② 解答の再現性を高められる
「本番で閃いて合格できた」という話も聞きますが、
それは、宝くじが当たるのを待っているようなものです。
本当に2次試験までに身に着けたいのは
事例企業や問題傾向が変わっても、安定して合格点を叩き出す。
そんな「再現性のある思考プロセス」だと思います。
そこで、大切になってくるのは「設問解釈」です。
設問解釈とは、問題の構造を分解し、解答の設計図を描く論理的な作業に他なりません。
この「設計図を描く」という一連のプロセスは、企業の課題解決プロセスと同じであるとも言え、事例や設問形式が変わっても応用が効きます。
また、「ふぞろいやAI採点を見て、キーワードが入っていたかどうかで一喜一憂する」ことに心当たりはありませんか?
これは危険なアプローチかもしれません。
なぜなら、そのキーワードをなぜ選んだのか、論理的に説明できるでしょうか?
また、問題が変わっても、同じように「正解のキーワード」を見つけ出す自信はありますか?
もし、できないのであれば、試験本番も閃きや勘で回答することになります。
復習時に大切なことは、「なぜそのキーワードを回答に使うのかを自分の言葉で説明できる」ことだと思います。
その際に、設問解釈を通じて自分が立てた回答の方向性や作戦が
‐どれくらい正しかったのか?
‐誤っていた場合、何が足りてなかったのか
(フレーズから想起するべき知識? 因果関係をつなげるのが甘かった?など)
パーフェクトな回答を出すことは時の運もありそうですが、
設問解釈をして論理的に考えることは再現性高くできます!←自分の体験談
そして、しっかり設問解釈をすることで、「解答の大枠を外さない」ことはできます!
(これが50点は下回らない作戦につながります。)
メリット③ 学習効率の最大化(復習の質向上)
メリット2でも少し触れましたが、設問解釈のプロセスは「再現性がある作業」です。
だからこそ、復習を通じて設問解釈の精度を高めることは本番を意識した学習につながります!
もちろん、各事例企業を振り返ることにも意味はあります。
だいだい先生も
書いていましたが、
強み・弱みやSWOT分析は毎年似たような出題が多いので、
「あ、この弱みのパターン、前にも見たな」という感覚を持てることもあるでしょう。
でも正直、その年に出た事例の出来事などがそのまま本番で役立つかは運だと思います。
「模試で高得点を取った人が本試験で不合格になる…」なんてことも珍しくないんですよね。
だからこそ、「運に任せない対応力」を具体的に鍛えることが大事だと思うんです。
そのための一つの武器が、設問解釈です。
これは業種や事例Ⅰ~Ⅲの違いに関係なく取り組めるし、
演習後に「ちゃんと方向性を定められたか?」を検証できるんです。
うまく定められなかったときも、「なぜダメだったのか?どうすれば定められるようになるのか?」を振り返ることで、具体的な思考のプロセスに落とし込めます。
設問解釈はトレーニングで向上できます!
過去問を使い、一度解いた設問を時間を空けて再度解釈することを繰り返すことで
こういう時は、あの1次知識を使ったことがあったな!
回答に書く効果はあれか、あれだな!
こんな感じで、設問解釈に関する引き出しが増えていき、初見問題への対応力も上がったと思います。
つまり、設問解釈を振り返ることは過去問演習の復習の質を上げることにつながり、
最終的には「本番でもぶれない対応力」を身につけられると思います。
設問解釈の3つの視点
設問解釈は人それぞれいろいろなアプローチで実践しているかと思います。
どれが正解とかも特にないと思うので、ここでは自分がやったことを書きます。
あと、すでに先代が設問解釈について記事にしているので、そっち読む方が手っ取り早いです。
①制約条件・時制の確認
設問解釈において時制の確認が重要だということは、下記の記事でも説明されています。
合格してから、ありがたいことに多くの未合格者の答案を見る機会がありました。
そこで強く感じたのは「設問に答えていない」ということです。
これは自分自身にも耳が痛い話です。
体感ではありますが、設問の制約条件や時制に沿えているかどうかで、合否の半分は決まるように思います。
それほど制約条件を守れていない答案が多いと感じます。
皆さんもネットに転がっている再現答案見てみてください。
意外と設問に答えていない回答が多いことに気付けるかと思います。
制約条件を守る=「聞かれていることに答える」ことですが、
設問解釈をしなければ難しいものです。
なぜなら与件文には、その設問にとって不要な情報や、読み手の先入観を誘う要素が含まれているからです。
人間ですから、ふと閃いたアイデアに引っ張られてしまうこともあります。
制約条件を確認することが、与件文の読み方に直接的に影響するかはわかりませんが、合格するためには必要な視点だと思われます。
②解答の骨格を作る「論理構造」の明確化
事例Ⅰ~Ⅲの設問は、大きく次の3つに分けられます。
- 情報整理する問題
- 期待効果を答える問題
- 助言する問題
① 情報整理する問題
これまでの事例企業の戦略や取り組みについて、要因と結果を整理させる問題です。
例:平成30年度 事例Ⅰ 第1問
研究開発型企業であるA社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から100字以内で答えよ。
https://www.jf-cmca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2018/a2ji2018.pdf
この問題は「情報整理する問題」に当たるかと思います。
(①と②の区別は厳密でなくてもOKです)。
①や②の問題では特に次の2点を意識して設問解釈していました。
- 制約条件を確認すること
- 因果関係を整理し、何を答えるべきかを明確にすること
■ 制約条件の確認
制約条件を見る際は、次の3点を意識します。
- 時制
- 現在か過去か未来か。例題では指定なし
→ 与件文から「小規模市場を狙った時期」を把握する。
- 現在か過去か未来か。例題では指定なし
- 解答で求められていること
- 「理由」
- わざわざ表現
- なくても成り立つが、設問に入っていると別の意味を与える表現。
例題では「競争戦略の視点から」とあるため、
理由を答える際にはポーターの基本戦略(コストリーダーシップ、差別化、集中)に関連付ける必要があると考えます。
また、主語を「A社」とするだけでよいのに、
あえて「研究開発型企業であるA社」と表現されています。
ここに出題者の意図が隠れていると考えます。
「なぜ研究開発型と強調するのか?」
研究開発型企業が経営資源を集中し、
小規模市場で効率的に差別化して競争優位を得ようとしているのでは?
こんな感じで推測できます。
あとは与件文から根拠を探し、解答を固めていく流れです。
(実際この問題では根拠があまり明確でなく、高得点者でも解答が分かれています。)
■ 因果関係の整理
「理由」や「狙い」を問う設問では、必ず因果関係を整理してから答えます。
例題では次の流れです。
- (外部・内部環境に変化?→これまでの強みが活かせなくなった?)
→ 原因(社長が小規模市場をターゲットにした理由)
→ (結果:※与件文読むと・・・※事業継続、多様な製品開発など)
さらに「研究開発型企業」という”わざわざ表現”を踏まえると、
「資金力が乏しい中小企業が大企業に研究開発で勝つのは難しい。
だからこそ小規模市場を狙い、資源を集中し、
技術力による差別化で競争優位を確立しようとした」
とやっぱり整理できます。
与件文に裏付けがあれば、この方向性で解答を作成します。
根拠が弱い場合でも、ニッチ市場戦略に関する1次知識を補強に使えば大きく外れません。
余談![]()
(与件文を読んでも明確な根拠は見つかりません笑。
なので、高得点者の回答も割れています。
ただ、与件文に
「ニッチ市場向けの製品を開発し、事業を継続した」とあるので、
ニッチ市場戦略に関する1次知識を根拠にすれば、大きく外れることはないと思います。
(また、整理の部分で見た結果の部分まで意識して与件文を読むと、「多様な製品開発を実現するため」という理由も導けると思います。)
試験対策的に、1次知識だけを記述するのはかなり勇気がいりますよね・・・
ただ、与件文に根拠があまりない時は「設問文に素直に答える」方向性で自分はやってました。そうすれば、少なくとも設問に答えていない明後日の回答にはならないと思います。
でも、大原則は与件文を根拠に確からしいと言える範囲の1次知識で回答することです。
それが難しいんですけどね。
③ 助言する問題
「助言」を求められる設問は、特定の論理構造を持って解答する必要があると言われています。
例えば、事例Ⅱでよく使われる「だ・な・ど・こ」フレームなどですね。
ここで、追加で考えたいのは助言が求められている時点で、
その企業には課題があるということです。
よって「現状・あるべき姿・課題」という
一般的なフレームで整理するのが効果的だと思います。
実際、設問文だけでも「現状・あるべき姿・課題」を整理できることが多く、
これが設問解釈の解像度を上げる助けになります。
具体的な事例をもとに示すと理解が深まるので、次の章で詳しく説明したいと思います。(ネタバレ注意)
③設問の流れを確認
これまでは1つ1つの設問で設問解釈を行っていましたが、
第1問~第5問までの設問の流れをみることで与件文の読むべきポイントや設問解釈の解釈が深くなると思います。
例:第1問がSWOTのとき
- 与件には「機会」と「脅威」がある=外部環境の変化があるサイン
- 変化に対応できていない点は、その企業の課題(弱み)になりがち
- 後半の設問(とくに助言)は、その課題の解決を聞くことが多い
こんなことを想定できると、設問解釈で回答の方向性が見えてこない時に考えるための1つの取っ掛かりになります。
令和2年度事例Ⅱで体感する!設問解釈プロセス
ここからは超絶にネタバレを含みます。
まだ、令和2年度の事例Ⅱを解いていない方は見ないことをお勧めします。
令和2年度事例Ⅱ 設問2
ここからはネタバレを含みます。本当に。
令和2年度事例Ⅱ 第2問
Z社との取引縮小を受け、B社はハーブYの乾燥粉末の新たな取引先企業を探している。今後はZ社の製品とは異なるターゲット層を獲得したいと考えているが、B社の今後の望ましい取引先構成についての方向性を、100字以内で助言せよ。
https://www.jf-cmca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2020/b2ji2020.pdf
設問解釈(問題のタイプと聞かれていること)
- 問題のタイプ:助言問題(課題解決)
- 聞かれていること:取引先構成の方向性
自分は設問解釈前に、与件文の冒頭(第1段落)だけ読み、
B社がどんな企業か確認しておきます。
①設問文から現状、あるべき姿(≒社長の想い)、課題を整理する
整理の一例
現状:Z社との取引縮小、新たな取引先を探している
あるべき姿:?←与件文読まないと分からない。
きっと理想とする「取引先構成」にして叶えたいことがある。
課題:Z社製品とは異なるターゲット層を獲得
→異なるターゲット層を獲得することであるべき姿につながる?
②上記から確からしいと推測できることを考える
設問文に記載のある事実から「確からしい」と推測できることを考える
Z社との取引縮小+新たな取引先探している+異なるターゲット層を獲得したいという考え
→方向性は恐らくハーブYの乾燥粉末(既存商品)の「取引先と顧客層を広げていく」こと
これを、1次試験のアンゾフの成長マトリクスに当てはめると「新市場開拓戦略」であり、その目的の1つは「リスク分散」
→「特定の市場や顧客に依存していること」が与件文から読み取れれば、それを根拠にリスク分散(=あるべき姿)の方向性で回答できそう!
一方で、課題でもある「異なるターゲット層獲得」ができる根拠(生かせる経営資源など)は設問文からはわからない。
→これも与件文から読み取る必要がある
(B社もしくはハーブの強みを活かすことで、Z社製品と異なるターゲット層を獲得できる製品を作る企業との取引ができる?など)
③与件文から読み取りたい根拠を整理
与件文から読み取るべきこと
①B社とハーブ(乾燥粉末)の強み→異なるターゲット層獲得につながるものはあるか
②B社が特定の顧客や市場に依存している課題があるかどうか
→これが読み取れれば、「経営リスク分散」の方向性で回答できそう。
【与件文を読んで】
与件文を読んで確認できたこと
【与件文を読んで】
11段落から、B社がZ社との取引に依存していることが読み取れます。
したがって、設問解釈で考えた回答の方向性は妥当だと考えられます。
ただし、安眠効果を軸にした回答は減点の可能性が高いでしょう。
設問では「ハーブY」と制約されており、その観点からすると「ヘルスケアメーカーとの取引拡大」という回答もやや的外れです。
B社とハーブの強みは4段落と11段落から確認でき、今回の回答の方向性を整理すると以下の通りです。
- 現状:Z社との取引縮小により依存度が高まり、新たな取引先を模索している。
- あるべき姿:Z社依存から脱却し、複数の取引先を確保する。
- 課題:Z社製品とは異なるターゲット層を獲得すること。これによりZ社以外の収益基盤を築ける。
設問解釈と与件文で見つけた根拠を元に自分は下記のような回答を書きました。
【自分の回答案】
方向性は新規取引先の開拓によるZ社への取引依存解消で経営リスク分散を図る事。Z社との取引実績やハーブの健康・長寿の効能を活かし、30~40代の女性やアンチエイジングに限定しない製品を扱う企業との取引を進める。
→ひでまる先生のAIによると、キーワードはAだったので、大きく外してはいないのかなと思います。
いや、まさきもキーワードで一喜一憂しているじゃん
てへ!
【設問解釈をしなかった時に起こり得ること】
- 制約条件を守らない回答になる
- 解答のキーワードが書けない回答になる
補足(実際にどんな回答になる?)
・制約条件を守らない回答になる
→今回はハーブYの取引先。ヘルスケアに関する効能がハーブYにあると言い切るだけの根拠は与件文にない。
→新製品開発など、取引先構成に関する助言ではない回答も制約条件を守れていない
・経営リスク分散が書けない、新たな取引先獲得につながる内容が書けない
→Z社取引依存解消だけだと、新たな取引先を探しているB社への助言としては不十分。
余談:あえて「誰に」を書かない回答にした理由
「高齢者」にターゲットを絞ることで得点につながる可能性があったことは理解しています。しかし、与件文からはその根拠が十分に読み取れませんでした。
たしかに
「島内の高齢者が普段から食べている」
「消費者の健康志向が高まっている」とは書かれていますが、
これだけで幅広い高齢者に販売できると結論づけるのはやや飛躍があると思います。
また、この設問は「取引先構成の方向性」を問うているため、取引先=誰に、にあたるとも考えられます。本来はその先のターゲット層まで書けると理想ですが、与件文の制約と80分という試験時間を考えると現実的ではありません。
実際に予備校の模範解答でも「誰に」を明確に書かないものや、与件文に根拠がないアイデアを補っているものがありました(例:男性向け健康食品を扱うヘルスケアメーカー)。
もちろん一般的には「生活習慣病予防」などのニーズ拡大は確からしいことですが、試験対策では与件文に根拠がなければ使いにくい。与件文から「高齢者の健康志向」が明確に読み取れるなら、高齢者をターゲットにした回答の方向性にします。
皆さんの中には「設問解釈で明後日の方向を考えたら根拠を拾えないのでは?」と思う方もいると思います。これは、本当にその通りです。
でも、だからこそ設問解釈のトレーニングを行って、設問解釈の精度を高める必要があると思います。
若干の妄想も入っていますが、、、
ベースは設問文に書かれていること+1次試験の知識を元に「確からしい」と言えることで考えています。
今回で言えば、「Z社との取引縮小+新たな取引先探してい+異なるターゲット層を獲得したいという考え」と1次知識(アンゾフの成長マトリクス)だけで導けることです。
それに今回は助言する問題(課題解決)なので、設問文から「現状、あるべき姿、課題」を分けて考えただけです。
このように考えれば、事例が変わっても、設問が変わっても再現性高く対応できるかなと自分では思っています。
令和2年度事例Ⅱ 第3問 設問2
B社社長は最近、「眠る前に飲むハーブティー」の自社オンラインサイトでの販売を手掛けたところ、ある程度満足のいく売上があった。
B社社長は自社オンラインサイトでの販売を今後も継続していくつもりであるが、顧客を製品作りに巻き込みたいと考えている。顧客の関与を高めるため、B社は今後、自社オンラインサイト上でどのようなコミュニケーション施策を行っていくべきか。100字以内で助言せよ。
https://www.jf-cmca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2020/b2ji2020.pdf
完全なる余談ですが、設問2の設問解釈を行うことで、
設問3の(1)の回答のあたりがついてしまいます。
(もちろん、与件文から根拠を読み取る必要がありますが・・・)
設問解釈(現状、あるべき姿、課題の3つを確認)
まずは、制約条件と合わせて、現状、あるべき姿、課題の3つが書かれているのかを確認します。
現状:自社オンラインサイトでの「ハーブティーの」販売
→満足のいく売り上げがあるが、顧客を製品作りに巻き込めていない
(現状は顧客関与が低い?)
あるべき姿:顧客の関与が高い状態(顧客とは誰かを与件文から読み解く)
→高めた先にどうなりたい?は与件文から読み解く
課題:オンラインサイト上でのコミュニケーションを通じて、顧客を製品作りに巻き込めるようにすること
ちなみにですが、設問文は絶対です。
自分も正直オンライン上のコミュニケーションで顧客関与が高まるかは疑問ですが、そういう設問なので、それに従います。
「顧客を製品作りに巻き込んでいける」根拠は与件文から読み解く必要があります。
また、自社のオンラインサイトを使ったコミュニケーション施策は多様ですが、今回は「製品作り」に特化した施策なので、ある程度選択肢は限られるでしょう。
ただし、設問だけでは方向性が定まらないため、イメージだけしてそれができる根拠を与件文から探していきます。
与件文を読んで確認できたこと
12段落に「社長は自社ブランド製品の販売に再びチャレンジしたいという思い」が読み取れます。
また、自社オンラインサイトで販売しているものは、「自社ブランド製品」であることも読み取れます。
さらに注文が来ている(≒ニーズがある)のが「20歳代後半~50歳代」の「大都市圏在住」の「女性層」であることもわかります。
また、”再び”という表現から最初どうだったかを確認します。
6段落を読むと、「このハーブと島の知名度が大消費地では著しく低いことを痛感し、ハーブを使った自社による製品開発をいったん諦めた」とあります。
つまり、このB社は過去の弱み(大消費地での知名度の低さ)を克服しつつあり、既存顧客であれば顧客を製品作りに巻き込んでいけそうです。
これらを踏まえて改めて整理すると
現状:自社オンラインサイトでの「ハーブティーの」販売→満足のいく売り上げがある 顧客を製品作りに巻き込めていない+大都市圏の知名度がなく大消費地で販売できなかったが、オンラインサイトを通じて大都市圏在住の女性との接点ができた。
あるべき姿:自社ブランド製品における顧客の関与向上。
課題:オンラインサイト上でのコミュニケーションを通じて、顧客を製品作りに巻き込む
ただ、施策を絞り込む根拠(B社の強みを生かせるコミュニケーション施策)は与件文から読み取れませんでした。そのため、設問解釈時に制約条件として確認した「顧客を製品づくりに巻き込む」「顧客の関与を高める」ことを外さない施策を考えます。
「だ・な・ど・こ」のフレームワークで整理すると下記のようになるかと思います。
誰に:自社オンラインサイトの既存顧客(20歳代後半~50歳代の大都市圏在住の女性層)
何を:オンラインサイト上でのコミュニケーション施策
どのように:顧客を製品作りに巻き込む形式
効果:既存顧客の関与を高める
また、与件文から自社オンラインサイトで販売しているものは「自社ブランド製品」であることが読み取れます。そして、社長も「自社ブランド製品」の販売にチャレンジしたいと考えているので、自社ブランド製品の顧客関与(≒ロイヤルティ)を高めることを目的とした施策を回答します。これを守ればかすりもしない回答にはならないはずです。
こんな風に考えると、SNSとかを登場させるのは危険だとわかると思います。
自社オンラインサイトと指定があるので、少し危険ですよね。
回答案
施策は自社サイト上で①ハーブの効能を伝え②ニーズや製品の感想、新製品アイデアを収集する交流を行うこと。収集した意見を製品の改良や開発に反映させ、既存顧客の自社ブランド製品のロイヤルティ向上を図る。(101字)
・・・。
この回答微妙じゃね?
こう思った方、実は自分も同意見です!
誰が言ってんだ、という話ですが、
設問解釈の精度が高いのではないかと思います。(本当にすみません。)
ここで、再度設問文を振り返ります。
令和2年度事例Ⅱ 第3問 設問2
B社社長は最近、「眠る前に飲むハーブティー」の自社オンラインサイトでの販売を手掛けたところ、ある程度満足のいく売上があった。
B社社長は自社オンラインサイトでの販売を今後も継続していくつもりであるが、顧客を製品作りに巻き込みたいと考えている。顧客の関与を高めるため、B社は今後、自社オンラインサイト上でどのようなコミュニケーション施策を行っていくべきか。100字以内で助言せよ。
https://www.jf-cmca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2020/b2ji2020.pdf
そうです。
今回求められている回答は「顧客の関与を高める」自社オンラインサイト上でのコミュニケーション施策です。
つまり、「効果」の部分で回答している「既存顧客の自社ブランド製品のロイヤルティ向上」は今回の設問においては求められていないのです。
そして、施策もぼんやりとしていて、既存顧客のロイヤルティを高められるかもいささか疑問です。
なので、本来は具体的なコミュニケーション施策(オンラインサイト上で顧客投票で新商品を決めるコンテストなど)を回答するべきなんだと思います。
しかし、80分の中で大した根拠もなく、アイデア勝負の回答を記載する勇気は自分にはないです笑
オンラインサイトでそんなコンテストを実施できるだけのリソースがこのB社にあるのかも疑問ですし。
ただ、設問解釈を現状、あるべき姿、課題に分けて少し論理的に考えるだけで、大枠は外さない回答になることは理解できたのではないでしょうか。それを、今回お伝えできればと思います。
明日からできる設問解釈トレーニング
中小企業診断士2次試験の設問解釈は、ただ読むだけでは上達しません。知識を「使える武器」に変えるための、具体的なトレーニング方法をご紹介します。
準備するのは「設問2枚」だけ!スキマ時間でできる反復練習法
設問解釈トレーニングに特別な準備は必要ありません。
用意するのは、過去に解いた事例問題の設問文のページ2枚だけです。
1枚は書き込みのない設問文、もう1つは、過去問演習の復習時に作成するその時の理想の設問解釈を書き込んだものです。
Step1:書き込みのない設問文で設問解釈を行う
まずは、過去に書いた解答やメモをすべて隠し、まっさらな設問文に向き合います。この設問に対して、与件文を読む前に「何を問われているのか」「どのような解答構造にするべきか」を実際に設問解釈します。
Step2:過去の自分が作った「理想の設問解釈」と比較する
次に、過去に自分が作成した「理想の設問解釈」(模範解答や講師の解説など、正確な解釈)と、今書き出した解釈を比較します。どこが一致していて、どこにズレがあるかを確認しましょう。
Step3:「理想の設問解釈」をアップデートする
過去問演習や設問解釈トレーニングを重ねることで、過去の自分が作成した「理想の設問解釈」をアップデートできるようにもなると思います。その時は「理想の設問解釈」をアップデートして、再度トレーニングを積み重ねます。
本番まで毎日このサイクルを繰り返すことで、試験本番でも必要な設問解釈ができるようになると思います。
「なぜ、その解釈に至ったか」を言語化する
このトレーニングで最も重要なのは、「なぜ、その解釈に至ったか」を言語化することです。
「この言葉があるから〇〇の知識を使うべきだ」「この制約条件があるから、解答の方向性はこうなる」といったように、自分の思考プロセスを明確にすることで、解釈の精度は飛躍的に高まります。
設問解釈は、スポーツのフォーム練習、素振りと同じです。反復練習を通じて、あなたの知識は必ず「使える武器」に変わります。日々の学習にぜひ取り入れてみてください。
つたない説明ですが、自分は設問解釈のおかげで
上手くいかなくても50点は外さないことができるようになったと思います。
(実際、試験本番も悔いしか残っていません。)
設問解釈は繰り返しやることで、設問文から引き出せる内容がどんどん増えていきます。是非、毎日やって精度を高めていただければと思います。
次回予告

・・・。
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まさき様
いつもありがとうございます。水曜の座談会で、金曜日設問解釈のブログ書きます!と仰っていたので、お待ちしていました。
設問解釈について、実際どうやってトレーニングするか具体的にイメージができず、迷走していました。やり方を教えて下さり感謝しています。先代の方のリンクも拝読致しました。
過去に解いてできなかった事を何度も反復する訓練は、非常に重要ですね。
今は正直事例ⅳの特訓に全振りしてる状況ですが、スキマ時間を上手く使って設問解釈トレーニングを行いたいと思います。
ありがとうございました!
にしのん様
こちらこそいつもありがとうございます!
設問解釈も大事ですが、事例Ⅳもなかなか難敵ですよね。
事例Ⅳ特訓も後ろの方の設問は何度やってもできなかった記憶がよみがえります。。。
諦めそうになりますが、事例Ⅳ特訓と演習問題(事例)で自分は力がついたと実感できたので、予備校信じて頑張ってください・・・!!
子育てと勉強を両立されていて尊敬していますし、本当に応援しています。
おはようございます!
設問解釈力が弱点だと感じていたので参考にさせてもらいます!
1点お聞きしたいのですが、スキマ時間で設問解釈トレーニングのみをする場合、文字数も頭に入れてましたか?それとも解答の方向性を立てるくらいのイメージでしょうか?
よければ教えてください!
テセさん、いつもありがとうございます。
自分は回答の方向性を組み立てるくらいにしていました。
特に、キーワードみたいな表現から必要な事項がイメージできるかを何度も練習しました。
例えば、「戦略上の差別化」という表現から何をイメージして、どういう方向性で回答するかを考えていました。これはある程度、解答に引っ張られたこと(≒本来は与件文読まないと連想できないこと)もイメージするようにしてました!
参考になればうれしいです!
巻末に「つたない説明」とご謙遜なさってますが、極めて論理的で明解な記事でした。何度も読み返し来年の2次受験に備えます。ありがとうございます!
ジェイジェイさん
温かいコメントありがとうございます。
ブログで書いてよかったです。
2次試験はなかなか取っ掛かりのうすい試験ですが、道場ブログで何かしらのヒントを得ていただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。