サブスク そしてサステナへ(解答の型の重要性) 〜 by 一蔵
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おやっとさぁ
みなさんこんにちは。一蔵です。
まずはじめに、一昨日(10/5)は大阪、昨日(10/6)は東京でリアルセミナーを開催させていただきました!
たくさんの方に参加いただき、刺激しあい、触発しあえるとても良いイベントとなりました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!
当日の様子については、別途、たいしん🐎が記事にしてくれますので、3日間ほどお待ちください♫
さてさて、いよいよ10月ですね。
泣いても笑っても残りわずかですね。
今日はぼくの2次試験結果を振り返り、その反省から道場ブログを読んでくれている読者の皆さまに同じ失敗をしないように注意喚起をさせていただきたいと考えています。
残り1ヶ月を切っていますので、より実戦的に、本番で点数を下げないための留意点の一つに絞って、端的に書いていきたいと思います。
(令和5年の事例Ⅱの内容を扱っていますので、まだ解いていないという方はご注意願います。)
それでは、今日も行ってみましょう!
ぼくの2次試験結果
前回の記事で、ぼくの破茶滅茶の2次試験ストーリーをお伝えさせていただきました。
本当にギリギリであり、滑り込みで合格にたどり着いたという印象です。改めて結果を振り返ってみます。
・事例Ⅰ:67点
・事例Ⅱ:57点
・事例Ⅲ:63点
・事例Ⅳ:72点
事例Ⅱだけ60点を下回ってしまっていますね。
ぼくの合格体験記で当時の状況を書いていますが、事例Ⅰと事例Ⅱは神が舞い降りてきて、どこも詰まるところなく、スラスラと最高と思える文章が書け、時間も10分近く余るという状況でした。
点数を見返してみると、事例Ⅰの67点は納得してもいいのかもしれません。
手応えは90点くらいだったのですが、ギリギリの滑り込みで試験日当日を迎えた人間の手応えなんてアテになりません。
ぼくが反省しているのは事例Ⅱの方です。
事例Ⅱは95点くらいの手応えでした。この事例Ⅰよりも5点多いところに今回お伝えしたいポイントが潜んでいます。
プラス5点の手応えがマイナス10点の要因
事例Ⅰも事例Ⅱも自信があったわけですが、特に事例Ⅱはさらに5点分(自信を)上積みできる内容となっていました。
しかし、結果は事例Ⅰよりも10点悪い。最初に結果を見たときは驚きました。
うまく変化球に対応したと思ったのに。。
結論から言ってしまえば、この5点上積みできると思った要素が、10点結果を下回らせ、いわゆるオールAを取れたところに×がついてしまったのです(たぶん)。
この振り返り、反省を赤裸々に記事にすることは、今後受験する皆さんにとって有益な情報になるのではないかと思っています。
令和5年 事例Ⅱ 設問2
(令和5年の事例Ⅱの設問を扱いますので、ネタバレにご注意願います。)
ぼくが反省しているのは、令和5年 事例Ⅱの設問2の問題です。いわゆる「サブスク問題」。
まずは設問を振り返ってみます。
設問2
低学年から野球を始めた子どもは、成長やより良い用品への願望によって、ユニフォーム、バット、グラブ、スパイクといった野球用品を何度か買い替えることになるため、金銭的負担を減らしたいという保護者のニーズが存在する。
B 社は、こうしたニーズにどのような販売方法で対応すべきか、プライシングの新しい流れを考慮して、100 字以内で助言せよ(ただし、割賦販売による取得は除く)。
「プライシングの新しい流れ」。んー、何回みてもまどろっこしいですねぇ。これに対するぼくの解答がこちらです。
ぼくの解答
スポーツ⽤品のサブスクリプション販売を提案する。⽤品の取替理由や回数を⼯夫して⾃由に取替えできるようにし、収益性を確保しつつ顧客ニーズに対応。返却された⽤品を再利⽤し、環境対応で企業価値を訴求する。
上記は、試験から半年近く経過した段階で書いた再現答案なので、再現性が低い(本番はもっと納得のいく内容だったけど、思い出せない)のですが、言い回しはともかく、上記のようなことを書きました。
さっそくですが、事例Ⅱの設問に対する答え方の原則は「ダ・ナ・ド・コ」ですね。
だれに・何を・どのように・そして効果。
ぼくの解答は、この型にはまっていません。独学勉強中は、むしろこの型以外の書き方なんてしたことがなかったのに、どうして本番で異なる書き方をしてしまったのか。
思考プロセス
試験時のぼくの思考プロセスを振り返ってみたいと思います。
思考プロセス
・新しい流れ。①サブスク、②ダイナミック・プライシング、③フリーミアム
↓
・サブスクを選択
↓
・有形商品のサブスクは可能か
↓
・マネタイズが難しい
↓
・設問を見返すが、サブスクしかない
↓
・マネタイズが説明できないと助言にならない
↓
・(苦し紛れに)マネタイズを考慮していることを書く
↓
・(誤魔化すように)サステナ効果を織込み、サブスクをもっともらしくする
こうして振り返ってみると、95点の自信どころか「血迷ってしまっている」状況なんですが、上記の思考の流れがスルスルと頭の中で展開されてしまったため、「ヒラめいた!」というような感覚を抱いてしまったんだと思います。
サブスクリプション
サブスクビジネスの詳細を把握しているわけではありませんが、有形商品、とくに消耗が激しく、痛みやすく汚れやすいスポーツ用品のサブスクなんて可能でしょうか。
ビジネスとして成立する?
マネタイズ可能なの?
ここにどハマりしてしまいました。
ハマると言っても時間を要してしまったということではなく、考慮しなくてよかったところを考慮してしまったという意味です。
この点、よくよく押さえておいてほしいぼくの反省点です。
運動用具のサブスクなんて現実的に難しいと思うけど、”プライシングの新しい流れ”ときかれ、頭に出てきたのは、
「ダイナミックプライシング」、「フリーミアム」、「サブスクリプション」の3つ。
どう考えてもあり得るのはサブスクしかないと判断しました。
保護者のニーズは満たせたとしても、マネタイズ可能なの?
マネタイズ(収益化)
サブスクということは、売り切りではないため、以下のような点を考慮しなければならないと考えました。
思考プロセス
・誰に何を貸しているか、管理コストがかかる。
・有形商品であるため、返却時の品質に基準が必要。
・再度、貸与するためには修繕コストが発生する。
・そもそも汗や泥を長年吸い込んだ商品の修繕が可能なのか。
・新品と中古品で生まれる満足度差異をどう価格に織り込むか。
どう考えてもマネタイズできるモデルは描けない。
成立しない助言はできませんね。
そこで、ぼくがした決断は「一応マネタイズは考慮した上で解答しています」という内容にすること。
非常に苦しいですよね。
方向が完全に解答の型をはみ出してしまっています。
はみ出しついでに行き着いたのが「サステナビリティ」ですw。
サステナビリティ
仕事柄、「ESG」とか「サステナビリティ」の文脈で考える機会が多いことも災いしました。
また、過去問でも一度、スーパーかなんかの問題で「環境面に配慮したサービスで企業価値向上」みたいのがあった記憶がありました。
サブスク=(有形商品の)再利用。
リユースによる環境負荷低減は、サステナに配慮したビジネスとして企業価値にプラス効果となる。
普通に考えたら収益化は容易ではないものの、商品取替の頻度や理由、返品時の商品品質などの基準をうまい具合に組み立てた上で、サステナ効果も織り込んで企業価値向上の効果を付記することでムリシャリ解答をまとめてしまいました。
こうして冷静に振り返ってみると、ムリな解答を作ってしまったなぁと思えるのですが、
過去問演習で一度もやったことのない「型からの脱線」を本番でやってしまうリスクは誰にでもあると思います。
反省からのアドバイス
正直、今でも与件文を前提としたスポーツ用品のサブスクは収益化が難しいのではと考えています。
ただ、収益化できるビジネスモデルを問う試験ではないため、
“仮に解答として(サブスクを)書くのであれば、収益化の問題はクリアできることを前提にして、「ダ・ナ・ド・コ」に集中する”
これが、ぼくの反省です。
今後の試験でも、一見、発想力を求められているような設問が出てくると思います。
でも、求められているのは「サブスク」という今どきの“言葉”(だけ)であって、その先はビジネスとしてどう成立させるかではなく、いつものフレームワーク、「解答の型」に当てはめた内容で解答を作れればいいのだと考えています。
収益性とか実現性に関する感度は(現実世界では)重要ですよね。
しかし、2次試験に対応する際は、こうしたアンテナは重しになってしまう場合があり得ます。
「誰よりも早く月に行って、水資源がある土地を押さえてしまう」
言うのは簡単ですが、成功する可能性は非常に低いですよね。
「体が大きくなって着られなくなってしまうユニフォーム等をサブスクによるレンタルサービスで収益化する」
ぼくにとっては、大小の問題はあっても、「実現可能性が不明な助言」という意味で同じ解答です。
でも、「サブスク」と書く以上は実現可能性を顧慮するのではなく、ダナドコに徹することだと思います。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ぼくの失敗事例を基にお伝えしたかったことは、「どんな変化球でも型に徹すること」です。
型にはめがたいのであれば、その解答は捨てた方がいいです。
今回のぼくの場合、「サブスク」を選んだうえで、
解答の方向性
・サブスクを提案する
・買い替えによる金銭的負担を和らげる
・子供たちが野球を続けられるようにする
・CLV(顧客生涯価値)を高め、収益機会を拡大する
とシンプルに解答すれば、それなりに点数が入っていたと思います。
「プライシングの新しい流れ」なんていう制約がなければ、「中古品の買取、販売」という展開で、顧客のニーズも満たしながら型にはまった解答ができますが、制約を外してしまっては元も子もありません。
反省のまとめ
・理屈(実現性、収益性)は解答に詰め込まない
・ひらめき効果(サステナ)も書かない
・特徴的な提案が必要だったとしても、その後は「お作法」どおり、「型」どおりの展開にもっていく
皆さん、最後の追い込みの最中だと思います。肌感覚で分からなくても、着実に”力”がついているはずです。
”力=お作法”であり、”力=設問解釈”であり、”力=解答の型”です。
ここを脱線しなければ、本番でしっかり60点以上の解答を作ることができます。
繰り返しになりますが、
問われ方に惑わされて、“型からはみ出ないように”してください。
それでは、今日も勉強頑張ってくださいね!
明日はかます博士です!
掴みどころが難しい事例Ⅱ編!メモの取り方とポイントをまとめました!
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スポーツ用品のサブスクは、野球の高額バットのような使用しても摩耗が少ない品目で実際に行われているようですよ。
試験時間中の思いつき、思い込みでなく、与件分に従って型に徹すること。とても参考になりました。
あんでぃー
あんでぃーさん、コメントありがとうございます!
実際にサブスクサービスがあるんですね、とても参考になりました!
残り数日、最後まで頑張ってくださいね!
こんばんは!
にっくです。
「型」の大切さ、よく分かりました!
僕も型から外れてしまいがちなので、気をつけたいと思います。
ありがとうございました!
にっく
にっくさん、コメントありがとうございます!
道場メンバーでは私のようにサブスクの収益化を顧慮して型から外れてしまったのは少数派のようでした。やはり型から外れないという意識を高く持つことは定石と言えます。
引き続き、勉強頑張ってくださいね!
応援しています