「中小企業診断士として答えよ」の意味 ~脱ポエム~ by みっきー
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14代目みっきーです。記事を開いて下さり、ありがとうございます!
自己紹介記事はこちらです。
突然ですが、中小企業診断士試験において、本業がコンサルタントの方の合格率が高くないことはご存じでしょうか?
様々な理由があると思いますが、この試験は、経営コンサルタントの実力があれば受かるというものではないということです。
「中小企業診断士」としての答えが求められます。
実際、2次試験では「中小企業診断士として助言せよ」という設問文をよく見かけます。
皆さまは、この問いかけをどのようにとらえているでしょうか?
受験生当時の私はこの設問に対しどのように臨めば良いのか明確に理解していませんでしたが、
合格後に中小企業診断士としての活動をしていく中で自分なりの解釈が出てきました。
今回は、「中小企業診断士として答えよ」の私なりの解釈についてお伝えいたします。
望まれた答えを書き、本番にて脱ポエム解答を目指しましょう!
※ポエムとは?
診断士試験界隈では、作問者が意図した解答とは全く違う答えを想像で書いてしまうことをこのように呼びます。
「ポエム解答」とも言われます。
中小企業診断士とは?
そもそも「中小企業診断士」とはどのような公式にはどのような定義のある資格なのか、
診断士協会での紹介から抜粋いたします。
中小企業診断士とは?
▶中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。
法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。
▶中小企業基本法では、中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者
(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)として位置づけられています。
▶中小企業診断士は、企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務ですが、
中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、
また、専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められています。
(引用:中小企業診断協会「中小企業診断士ってなに?」より)
求められる役割の中には、中小企業と行政のパイプ役、中小企業施策の活用支援といった、公的機関の補助も入っています。
これは、中小企業診断士の歴史に関連していると考えています。
資格が制定された当時は「中小企業診断員」という名称で、「国や都道府県が行う中小企業指導事業に協力する者」でした。
その後「中小企業診断士」に名称変更があり、
2000年に現在の「中小企業の経営診断の業務に従事する者」に定義が変更されました。
元々は公的支援事業を想定して作られた資格である中小企業診断士は、現在も公的業務に関わる機会が多くあります。
そして、上記のような「行政」のパイプ役、そして「中小企業政策の適切な活用支援」が現在も役割として求められています。
代表的な公的業務は、
・中小企業基盤整備機構
・都道府県等中小企業支援センター
・商工会議所・商工会
などから委託される「窓口相談」や「専門家派遣」です。
また、補助金支援業務なども「中小企業施策の適切な活用支援」の一環となります。
…それと、診断士試験の解答と、何の関係があるの?
もう少しお付き合いください。
国が求める中小企業の在り方とは?
中小企業診断士は、その歴史や定義から「中小企業施策の適切な活用支援」が求められているという話をしました。
では、国が定める中小企業政策とは、どのようなものでしょうか。
これについては、さやがわかりやすくブログにまとめてくれています。
ブログ引用
大大大前提として、各種機関が(国が)中小企業を支援するのは、企業数ベースで99%超を占める中小企業に頑張ってもらって、国力を高めるためです。
ですので、中小企業には経営力を強化して利益は従業員に還元してほしい(=国民の生活水準を上げてほしい)し、投資をして技術力を磨き、国際競争力を高めてほしいし、外貨を獲得してほしいし、地域経済も活性化してほしいし、どんどん起業してほしいし、後継者がいなくて廃業なんてとんでもないのです。
(引用:どうする対策 ~第4回「出題予想付き!中小企業政策の勉強方法」~ by さや)
国は、中小企業について「我が国の経済の基盤を形成しているもの」と位置付け、
国の経済の活力の維持及び強化に果たすべき重要な使命を有すると定義しています。(by 中小企業基本法)
そのために中小企業に対し、補助金・助成金制度や相談窓口設置など、数々の支援策を実施しています。
支援策では中小企業に対し、生産性の向上や経営革新などの様々な条件を提示しています。
国には、中小企業にこうあって欲しいという理想像があります。
中小企業診断士も、行政とのパイプ役、そして中小企業施策の適切な活用支援を行うものとして、
中小企業を国が目指す方向性へ導くことを求められているのではないかと私は考えます。
中小企業診断士に求められる助言の方向性とは?
例えばある製造業者が、赤字続きな所に原材料の値上げもあり、大口の客先に受注先を変更される危機にあるとします。
この企業に対し、中小企業診断士としてどのような助言をしますか?
解答例①
①仕入面では、海外から輸入した安価な代替品に原材料に変更し、そのことを取引先には伏せ元の価格で販売し、利益を確保する。
②販売面では、大口の客先担当者を手厚く接待し情に訴えることで、引き続き受注を得たり新規案件をまわしてもらえるように努め、売上を確保する。
例え、上記の対策が現実的には1番の近道だったとしても、診断士試験の解答で書いて点数が入る可能性は少ないと思います。
国の在って欲しい中小企業の姿と、上記対策は方向性が異なっているからです。
解答例②
①仕入面では全社的な生産計画を策定し統制活動を実施し、コストを削減と収益性の改善を進める。
②販売面では新たな販路を開拓し、強みを活かした付加価値の高い製品の販売を進め、売上を向上していく。
例題の都合で具体性に欠ける提案ですが、こちらは診断士試験あるあるな解答ではないでしょうか。
国が中小企業に期待する在り方に近い助言は、解答例①より解答例②であると私は考えます。
診断士試験で求められる「あるある」は、教科書的な解答というか、綺麗事に見えると感じる方もいるかもしれません。
実際の現場では、教科書通りにいかないことも多々あると思います。
こういった葛藤は、実務で支援策を中小企業に紹介する時にも出てくる場合があります。
例えば、補助金の申請。
国に補助金を申請する際には、企業側には、補助金の申請理由や使用使途にしっかりとした動機や目的を求められます。
時には「ただお金が必要なだけで、そんなしっかりした動機や目的はありません」という企業も出てくるかもしれません。
しかし、国が企業にお金を渡すためには、しっかりとした理由や根拠が必要です。
なぜなら、各種支援策の財源は税金だからです。
国民の税金を使って支援をするからには、それに値するだけの価値がある企業だという根拠が行政側には必要になります。
その根拠を、企業は補助金の申請理由や使用使途で示す必要があります。
中小企業診断士は、補助金等の支援策を企業に紹介したり申請補助をする際には、
国が求めるあるべき方向に企業を導く必要が出てきます。
補助金の申請について「ただお金が必要なだけで、そんなしっかりした動機や目標はありません」という企業に対しては、
ヒアリングを重ね、行政が求めるレベルの申請理由や使用使途を作る手伝いをしてあげることになります。
(例え、それが建前であってもです。)
2次試験での「中小企業診断士として助言せよ」も、企業を導く方向性についての考え方は同じだと思っています。
仮に教科書的で綺麗事に聞こえたとしても、理論とあるべき姿に基づく、モラルのある助言を企業にすることが求められるのではないでしょうか。
それが、通常の経営コンサルタントとは異なる、「中小企業診断士」という資格に求められている役割であると私は考えています。
結局、どうすれば良いの?
それで、結局、どうしたらいいの?
国が求める中小企業の在り方、なんて今から調べられないけど…
今から、新しい知識を仕入れる必要はありません!!!
中小企業診断士試験には、定番の解答の方向性、いわゆる「あるある」があります。
例えば、14代目の動画夏セミナーではっしーが公開している「事例別あるある集」で紹介されている解答法のようなものです。
「あるある」は、中小企業白書などで示されている国が中小企業に求める在り方に繋がる解答です。
求められている解答だからこそ、頻出論点であり、あるあるになっているのです。
また、1次試験の知識も中小企業診断士としての助言には求められます。
これは、今まで勉強してきた通りです。
つまり、中小企業診断士の在り方…などと色々な話をしてきましたが、
結局は1次試験の知識に基づき、2次試験の定番通りの解答をしていけば良いだけです。
どんな1次知識を使えばいいのか、2次試験の定番とは何か、道場ではずっと発信してきました。
本番でも、今まで通りにやっていただけば良いだけです。
最後に
試験験本番には魔力があります。
ついつい、与件文から発想を広げて、オリジナリティのある解答を思いついてしまうかもしれません。
また、実務と絡めた現実的な解答をしたくなる時もあるかもしれません。
そんな時にぜひ、診断士協会が「中小企業診断士」に求めている役割を思い出して下さい。
中小企業診断士とは、ただの経営コンサルタントではありません。
中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家であり、
その診断・助言は国が中小企業に期待する「あるべき姿」に沿ったものであることが期待されています。
今まで勉強してきた通りの1次試験の知識に基づき、2次試験の定番通りの解答をぜひ本番の解答用紙に落としてきてください。
これまで通りで大丈夫です!
ぜひぜひ気負わずに本番までの時間をお過ごしください。
皆さまの健闘を心からお祈りしています。
最後に、受験生の皆さまへ、道場13代目から応援メッセージを預かっています!
道場13代目からの応援メッセージ
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本日も読んでいただきありがとうございました!
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みっきーさん、記事をありがとうございます。
とても腹落ちしました!
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診断士として、行政とのパイプ役、そして中小企業施策の適切な活用支援を行うものとして、中小企業を国が目指す方向性へ導くことを求められている。
だから、「1次試験の知識に基づき、2次試験の定番通りの解答をしていけば良いだけ」。
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たしかに!!
最近、事例解くのがテクニカルな感じなっていて、自分の中でちょっとイマイチでした。
最後は初見問題を見ながらの拠り所だな、と思っていたので、拠り所の一つに入れさせて下さい。
この拠り所を一つの頼りに現在の実力を測ってもらいに行こうと思います。
あと2日、最後まで「あるある」を読みまくって頑張ります。
たろさん、コメント下さりありがとうございます。
そして、私の記事をまとめてくださる要約力で、たろさんの実力の片鱗を拝見できた気がします。笑
ご理解下さった理由で、私は初見でも求められる「方向性」は同じだと考えています。
そのため、テクニカルに事例を解けるというのは強みだと思います。
最後は「拠り所」だというのも同感です。
コメント下さった内容からも、たろさんが実力を発揮できたら良い結果になると思います。
ぜひ、初見問題を楽しむ気持ちで行っていただけたら良いなと願っています。
たろさんが良い結果を得られることを心からお祈りしています。
試験当日はコメントオープンデイも実施される予定です、ぜひまた試験後に落ち着いたら、道場にもコメントなどしにきてくださると嬉しいです。