【令和2年事例Ⅲ】思考プロセスを辿る!現場対応実況中継 by TAKURO

TAKURO
TAKURO

試験当日まで1カ月を切りました。
ストレート生は、ここから試験当日までまだまだ伸びますので、体調に気を付けながら、そして、演習や模試の出来不出来に一喜一憂せずに頑張っていきましょう!
リベンジ組の方は、これまで積み上げたものをまとめて調整する時期に入っているかもしれません。これまでの積み上げをいかに当日の解答につなげるか、集大成を示す時期だと思います!焦らずにこれまでの積み上げを棚卸していきましょう!

先日、我らがのきさんが事例Ⅲの本質に迫る記事を掲載しました。

私の解答も検討対象に挙がっています。他己紹介にあるとおり、私はのきと実務補習が同じ班だったので、一緒に焼肉に行ったり、コメダ珈琲に行ったりして課題に取り組んだ仲なのです!!

TAKURO
TAKURO

え?この分析凄すぎない?
ヒアリングされた記憶ないけど、どっかで俺のことヒアリングしたでしょ!?

といいたくなるくらい、私の解答プロセスに迫る内容でしたし、私の解答プロセス云々を抜きにしても、非常に真に迫る内容であったと思います。

なので、事例Ⅰ編に続く現場の解答プロセス振り返り記事事例Ⅲ編は、上記ののきの事例Ⅲ記事へのアンサーソングの意味も込めてお送りしたいと思います。

ちなみに今回の記事は解答プロセスを振り返ることをメインにしています。
具体的な編集術などは、令和2年事例Ⅲを題材に以下の記事をかいているので、そちらをご参照ください。

TAKUROの事例Ⅲに関する前提情報

得点/得意かどうか

令和2年度事例Ⅲ 72点
令和元年度事例Ⅰは55点だったので1年で17点挽回した。
TAKURO自身は製造業のことを全く分からず。事例Ⅲが苦手な人の気持ちは分かるつもり。

事例Ⅲの解答プロセス

①受験番号を書いたら与件文に段落番号を振りながら、組織・生産形態を確認
②設問文を読み、与件文と解答のあたりをつける(ここまで10分)
③与件文を読み、マークやメモ(ここまで20分)
④再度、設問文と与件文を読み、設問と与件の対応関係をつける(ここまで30分)
⑤解答作成(5問×10分で80分で解答終了のイメージ)

与件文の色分け

時制・時期:オレンジ
強み:青
問題点・課題・社長の思い:紫
製品ライン:黄色
その他重要な箇所:灰色
 ※以下では灰色文字は分かりにくいので、下線にしています!

段落番号振り&組織・生産形態の確認

・ビル建築用金属製品、モニュメント製品の受注・製作・据付をする企業(第1段落)

・個別受注生産(第2段落)

・5名の営業部がある(第1段落)

・図はない(全体を見て)

TAKURO
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個別受注生産の事例に当たった記憶がなく、この時点で若干の戸惑いがありました。
他方、図表がないことには安心しました。図表があると、その読み解きにかかる時間が予測できず、全体で時間不足になるおそれがあるため、全体的にスケジュールを詰めていかなければなりませんが、そのような対応はいらなくなりました。

設問解釈

全体をざっと見る。配点は、おそらく20点×5。設問に色々と書いておらず、シンプルな内容だなぁという印象で、個別の設問解釈に入りました。

第1問 


聞かれていること:強みと弱み

想起したこと

・よくある事例Ⅲの1問目
・40字は少ないので、要素2~3個か?3個になると、詰め詰めになるので日本語が崩壊しないように注意!
・逆に崩壊ギリギリまで詰め込みを優先!

TAKURO
TAKURO

のきの分析でも、日本語的にどうなの?とつっこまれつつも文章として破綻していないとのことだったので、狙い通りといえば狙い通りでしょうか。次に行きましょう!


第2問 設問1

制約条件:営業部門で生じていることを書く、納期遅延に関わることを書く
聞かれていること:問題点とその対応策

想起したこと

・ここまではっきりと納期遅延が問題になると明示されているから、第1問の弱みでは、納期遅延に必ず言及する。
・問題点と対応策で解答欄が分かれている…これまでは120字で問題点と対応策を書くパターンが多く、帳尻合わせもできたのに、その手段を封じられてしまった。解答編集に時間がかかりそうだから急ぎ目で!
・営業部門の出来事が納期遅延に影響するイメージが湧かない。納期を安請け合いしているとか?いずれにせよ与件ファーストで検討するしかない!

TAKURO
TAKURO

120字のなかで問題点と対応策を書く練習をたくさんしてきていたので、戸惑いました。次の問題も同じ形式なので、編集に手間取ることを想定しました。各設問も第4問を除いてシンプルだったので、設問解釈も早々に先に進むことを意識しました。

第2問 設問2


制約条件:製造部門の話、納期遅延に関わることを書く
聞かれていること:問題点とその対応策

想起したこと

・第2問-1と同じ構成
・同じく解答編集に時間がかかりそうな上、設問がシンプルだから深く考えずにさっさと次の設問解釈へ!

TAKURO
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ここも第2問-1と同様です。この情報量で深く考えるだけ時間がもったいないですね。問題点と対応策をそれぞれ60字でまとめる労力を考えるとさっさと次に進んだ方がいいですね。

第3問

制約条件:納期遅延対策に資するもの、IT化に関するもの
聞かれていること:IT活用についての助言

想起したこと

・IT活用のために前提情報を整えるという切り口は過去問でも出ていた。今回もその切り口?
・ここまで各部門の話しか聞かれていない。生産計画の話は、全社的な話になるから、第2問にはなじみづらい。第3問で書くべきか?
・もし生産計画の話をするとしたら、納期遅延対策のIT化なので、生産統制にからめて進度管理に触れるとよさそう!

TAKURO
TAKURO

令和2年の事例Ⅲは、解答要素の切り分けが難しかったです。
その中で、第2問では、個別部門の話が聞かれていたので、全社的な生産管理の話をしづらいと感じており、他方で生産管理の話が一切聞かれないとも考え難かったので、もし生産管理の話が出るのであればここかな?と思っていました。

第4問


制約条件:モニュメント製品事業の拡大に寄与する内容
聞かれていること:モニュメント製品事業の充実、拡大策

想起したこと

・採るべき戦略が設問文に明示されてしまっている。普段、事例Ⅲで聞かれる最終戦略問題とは違うようにも思える??
・一応、普段の事例Ⅲの最終戦略問題と同じ方向性での解答も候補にいれつつ、聞かれ方が若干異なるので、通常の最終戦略問題とは異なる解答になる可能性も頭に入れておく。

TAKURO
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のきの分析に全て見透かされていますが、この問題は、今振り返っても方向性が分かりません。戦略の方向性が明示された上で、その戦略に資する手段を提示させるという問題に読めるのですが、近年、そういった切り口での聞かれ方はなかった気がするので、ここでも戸惑いました。

設問解釈終了!

この時点で6分経過です。
通常、設問解釈には10分かけるのですが、第1問、第2問が非常にシンプルだったこと、第2問の問題点・対応策がそれぞれ60字指定で編集に手間取りそうなこと、第4問の方向性が見えず、解答に時間がかかりそうだったことから、設問解釈を早々に終えて与件文を読むことにしました。
結局、時間ギリギリな上に、第3問、第4問には十分時間をかけられなかったので、設問解釈は6分でさらった終わらせる現場対応でよかったと思います。
令和3年でも、設問の複雑さとの兼ね合いで目安としている設問解釈の時間と実際にかかった設問解釈の時間が異なってしまってもよいと思います。
(但し、想定より時間を長くとる場合は、上限を決めましょう!)

与件文読み マーク&メモ(1回目)/設問・与件の対応(2回目)

設問解釈が終わったので、与件文を読んでマークとメモをつけていく工程にはいります。
事例Ⅲは、C社の概要、業務プロセス、生産の現状にわかれているので、それぞれを前半戦、後半戦に分けてお送りします!

C社の概要-前半戦(第1~2段落)

メモしたこと、気づいたこと

第1段落
⑴受注・製作・据付まで対応できる。一貫対応の強みになる可能性がある。
⑵営業部にそれなりの人員が割かれている。既にそれなりの力がありそうだから、与件文の根拠なく最終戦略問題で安易に営業の強化という訳にはいかない。


第2段落
⑴個別受注生産の製品を扱っている。納期遵守と受注平準化が課題になりうる。
⑵取扱い製品に設置高さ7m以内の制約があるとのこと。重要そうだけど何に使えるかわからない。

TAKURO
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個別受注生産であることと、設問の「大きな悩みとなっている納期遅延」より、個別受注生産における納期遵守への対応がメインテーマの事例であると当たりをつけます。
もう一方で、受注平準化も課題に挙がる可能性も視野にいれています。
他方、高得点答案では言及できている、高さ7メートルの制約の点は、一応マークしているものの、あまり重点を置けていません。

※試験対策じゃない話なので、急ぐ方は飛ばしてください。
【個別受注生産と受注平準化について素朴な疑問】
私は、製造業の実務を知らないのですが、弁護士業も個別受注生産に近いものがあると推測しています。例えば、同じ解雇案件でも1つ1つ事情は違いますので、ある程度の共通点こそあれ、別々に対応しなければいけません。

そんな自分なので思うのですが、個別受注生産で受注平準化って実現できるのでしょうか?
例えば、自分が仕事がパンパンで新規案件を受けられなかったとします。
そんな時に、顧問先から、従業員から提訴されたので訴訟の受任をお願いしたい、という話があったときに、今は仕事がパンパンなので、ヒマな時期になったら受任しますね!なんて解答したら、二度と依頼はないと思います。
ということで、受注平準化なんてできる訳ねーだろと思っていたところ、11代目かーなさんの記事で製造業のリアルを垣間見ることができ、自分の感覚は間違っていなかったんだ、と思いました笑

 

C社の概要-後半戦(第3~5段落)

メモしたこと、気づいたこと

第3段落
⑴C社の強みがてんこ盛り!ここを編集して解答しよう(第1問強みの解答要素
⑵40字の中にこれだけの強み要素を詰めこむのは編集に時間がかかりそう。やはり編集時間はなるべく長めに取った方がいい。

第4段落
第3段落に続いて「溶接技術」「研磨技術」というワードが出てきた。強みを示す繰り返しワードなので、このまま解答に入れたい

第5段落
⑴モニュメント製品の受注に関する情報 第4問と関連
⑵モニュメント製品の製作依頼が増加傾向であることは重要な環境変化 第4問がこれまでの事例Ⅲ最終問題と同様に戦略問題だった場合には、解答要素になる
⑶やはり個別受注生産なので、「受注量の変動が大きい」という問題が出てきた。紫チェックはしたものの、どうやって解消すべきか…

TAKURO
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ここを読んだ時点で、第1問の強みの記述要素はほぼカバーできました。あとは40字に詰める編集ですが、いくら要素の目星がついていたとしても、40字への編集はなかなか大変なので、引き続きタイムマネジメント注意です!

業務プロセスー前半戦(第6・7段落)

メモしたこと、気づいたこと

第6段落
特になし

第7段落
⑴受注製品「ごとに」担当者を決める⇒製造過程のルールは改善ポイントになりやすいからチェック!(本問はならなかった。)
⑵営業部の業務フローが書かれている。ここを整理すると第2問-1の解答になりそう。
「顧客とのやりとりが多く発生」「イメージ摺合わせ…製作段階でも打合せが必要」は、明らかに納期遅延につながっている。ここの原因を解消すべし

TAKURO
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第7段落ではやや複雑な事実関係が書かれています。パッと読んでわからなかったり、緊張して与件文が頭に入ってこなかった場合でも、「ここに営業部のことが書いてあるぞ!」と分かるようにマークして、後で時間をかけてよく読むというのもアリです!

私もそうですが、製造業のことがよくわからないと、このあたりをしっかり頭に入れるのが難しいことってありますよね!

ちなみに復習の時は、このあたりをしっかり読んで、製造工程の問題点が発生した根本原因を突き止めるようにすると事例の理解が深まります!

業務プロセスー後半戦(第8~10段落)

メモしたこと、気づいたこと

第8段落
⑴施工管理「のみ」社内営業部担当者が行っている。という強調表現が気になりマーク(本問ででは何もなかった。)
⑵営業部と製造部、協力会社、顧客のやりとりが書かれている。情報の流れ整理につながるため、第3問の解答要素と考えた(※実際は違います。)

第9段落
⑴リードタイムに関する記述!これの短縮が問題になる。
⑵納期遅延に関する記述。「制作前プロセスに時間を要して製作期間を十分に確保できない」は、正に営業部を震源にした納期遅延。「製作期間が生産計画をオーバーする」は、製造部震源の納期遅延。それぞれ第2問の解答要素になる。
⑶ただし、⑵だとまだまだ抽象度が高い。もう少し具体的に原因を特定したい
⑷⑵の2つは、そのままC社の弱みにもつながる。第1問の解答候補にもなる。

第10段落
⑴「製作プロセスを含む」見直し、はかなり強い表現。製作プロセスの変更にまで切り込めというフリだろうか?
⑵しかもその対策支援としてITを使うとのこと。どうやって使うのかはわからんけど。

TAKURO
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冒頭にあげた事例Ⅲの記事でも書きましたが、問題点を階層別に示すと解答が書きやすいです。アヤカの記事でいうところのなぜなぜ分析と言った方が分かりやすいかもしれません。
納期遅延が起きているのはなぜ?⇒製作前プロセスに時間を要している&製作期間が生産計画をオーバーしているから。となります。
ただ、これだけでは具体的な&根本の原因が分からないですよね。そこで、与件文を読み進めて、具体的かつ根本的な原因を突き止めていきます
具体的かつ根本的な原因を突き止められれば、道場おなじみだいまつさんの記事のとおり、できていないことをやって下さい、というだけです。

生産の現状-前半戦(第11・12段落)

メモしたこと、気づいたこと

第11段落
⑴製造工程が列挙されている。ボトルネックがどこか注意する。
手作業は改良の余地が多いのでチェック(本問では問題になりませんでした。)
チーム分け作業も要チェック!連携がうまくいっていなかったり、作業標準化ができていなかったりします。
きました、熟練技術者!普通は熟練技術者がいるのはいいことですが、大体の場合、この人の勘と経験に頼っていたりします(本問ではそこまで頼っていませんでした。)
⑸チームには技術格差があり、高度な技術が必要なものは任せられないチームもある、とのこと。これも具体的な製造部門の納期遅延の原因なので、第2問―2の解答候補

第12段落
⑴引き続き、作業工程。製造部長、営業担当者、デザイナーなど人がでてくるので、情報の流れに問題がないかチェックするも特に問題はなさそう。
⑵技術力に差があるのに、金属製品もモニュメントも高い技術が要求されるらしい。これは作業が遅れるわ。

TAKURO
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この段落は、製造部門の問題点が具体的に出ています。営業部門と同様に、最初は細かく読み込めなかったとしても、「ここに製造部門の問題点が書いてあるよ~」と分かるようにマークをして次に進みましょう!

生産の現状-後半戦(第13~15段落)

メモしたこと、気づいたこと

第13段落
⑴生産計画の記述。生産計画は問題になることが非常に多いので注意深くチェック。(結果、たいして問題にならず。)
⑵「営業部の受注情報」「設計担当者の製品仕様情報」は、情報つながりでITの第3問の解答候補課と思いチェックした(※結果、使わず。)
作業振り分け基準もよく問題になる。難易度を考慮して振り分けを行っていたら、高度な技術を持つチームばかりに仕事が集中するのでは
⑷工程順序や工数見積もりなどが標準化していないと、基準数値を入れてIT利用する前提が崩壊するのでは?IT化に当たってここの整備が問題になりそう。第3問の解答候補

第14段落
⑴加工物の大型化による狭隘な状態⇒作業スペース確保難⇒作業途中の移動 は、納期遅延の因果関係が順番に書かれている。第2問-2の解答候補
⑵⑴との関係でSLPを提案したいが、費用もかかるし…と思ったが、10年前にもレイアウト改善している!提案できそう

第15段落
⑴不稼働の原因が書いてある。
モノの移動は、第14段落の作業スペースが原因だろう。第2問-2の解答候補
⑶作業者間の打合せや営業部の打合せは第7段落の「製作段階での打合せ」が原因ではないか?そうだとすると、製造現場の出来事として書かれているが、営業部門の問題として取り上げる必要がある!第2問-1の解答候補

TAKURO
TAKURO

ここも引き続き因果関係の整理が中心になります。どこをどうつなげたのかは、解答作成の部分で明示します!
ここでは、私が事例Ⅲの与件文を読む際にチェックポイントにしていた事項が多く出てきます。事例Ⅲの処理にお悩みの方は、参考にしてみてもいいかもしれません!

与件文読み終了!

1回目の与件文読み-マーク&メモの終了時点で18分経過

2回目の与件文読み-設問と与件文の対応確認の終了時点で30分経過

という状態です。与件文はそれぞれ10分ずつで読む予定にしていたのですが、それぞれ12分ずつかかってしまいました。やはり、シンプルな設問だったことを踏まえて設問解釈を早めに終わらせて正解でした。
他方、編集に時間がかかると踏んでいたのに、結局、各解答10分×5の時間しか残っていません。
この時点で急ぎ目に進めなければ!という意識でいました。

TAKURO
TAKURO

全く焦る必要はありませんが、特に事例Ⅲでは、当初想定していた作業スケジュールと比べて早いのか遅いのか、遅いとしてどのくらい遅いのかは常に意識しておく必要があります。
その結果、どこで時間を捻出するのか、もしくはどの難しくてよくわからない問題をさらっと流すのか、などを頭に入れながら作業を進める必要があります。
特に図表がついている問題だと遅れやすいので上記の視点を意識する必要があります。
まさに、生産計画/統制ですね!

解答作成

解答作成に着手した時点でのTAKUROのビジョン

⑴普段であれば、第1問SWOT系と最終戦略系問題をセットで解いてから他の問題に取り掛かるところだけど、今回の第4問はそもそも最終戦略問題なのかどうかすらよくわからん。ルーティンを崩すのは嫌だけどセットで最初に解くのはやめておこう。
⑵第1問、第2問は与件文読みの時点で要素はそろえられたから時間さえかければある程度の内容は書けるはず。ここをしっかり書こう!
⑶第3問のIT化問題も第13段落の情報だけで120字も書ける気がしない。こういう問題は後回し!

TAKURO
TAKURO

これまでも私は解答プロセスを大事にすべし!という記事を書いてきており、事前に固めた手順通りに進めることを大事にしているのですが、本番で予定外の出来事が起こった場合(第4問が最終戦略問題かわからない)に、これを柔軟に変更して対応することも重要ではないかと思います。

そして、のきの分析にあったとおり、ちゃんと書けそうな第1問、第2問をしっかり書いて、ここで得点を稼ごうと思っていました。
すごいね、のき!よくわかったじゃん!

まぁちゃんと深く分析すれば気づけるよね。

のき
のき

第1問

最終戦略問題とセットにはしないとしても、強み弱み問題だけでも最初に解いてルーティン通りにしたかったので、最初に強み弱み問題を解くことにしました。

第1問 解答作成への思考

①強みマークしたところをうまくまとめれば強みの解答になる。
②与件文読みで気づいたとおり、「溶接技術」「研磨技術」、一貫対応をまとめれば解答になる。
③40字制限が厳しいので、日本語が壊れないギリギリまで要素を詰め込む!40字なので、よほど酷い日本語でなければ意味は通じるはず!

③弱みは、納期遅延につながる営業部門と製造部門の問題点を書いておけば第2問とのリンクという意味でもおさまりがいいはず!各部門の問題点をまとめた要素が第9段落に明示されていたからこれを解答にしよう!

④他にも受注変動が大きい(第5段落)問題があったけど、これの解決策って与件の要素からは出せないのでは?解決できない問題を弱みで提示しても仕方ないので、ここには触れないでおこう。

TAKURO
TAKURO

個人的には、解決できない弱みを指摘するのはあまり意味がないのではないかと思っています。社長への提案を考えても、「受注変動が激しいことが弱みですね。まぁ、これどうしようもないんですけどね、エヘエヘ」という内容は自己満足な気がしています。
なので、納期遅延の話に絞って解答しました。

もし、最終問題で高さ7メートルの制約を壊すために建屋の階層を提案するのであれば、弱みでもふれた方がよいと思います。
ただ、今振り返っても高さ7mの制約の話には納得が言っていません。(後述します。)

TAKUROの第1問の解答

a 強み
鏡面仕上等表面品質にこだわり、高い溶接技術・研磨技術を有す。設計から一貫対応可能。
b 弱み
製作期間を十分確保できない事や製作期間が生産計画を超過する等による納期遅延発生。

解答完了時39分経過(第1問解答所要時間9分)

TAKURO
TAKURO

のきから、弱みのところで多面的に書いているように見せて実はスケジュールのことしか書いていないのでは?との指摘を受けて全くもってそのとおりという印象でした。
この点は、冒頭の記事にあげた↓の図でも書いたとおり、各部門から見た納期遅延の原因を書けていれば、その下位層の事象も拾えていることになるかな?と考えてのものでした。

第2問-1

第1問を作成した後は、次に自信のあった第2問の解答作成に着手しました。順番通りに営業部門の問題から解いていきます。

設問1-1 解答作成への思考

①ここは、事前の分析通り、第7段落と第15段落を合わせて因果関係を示せれば問題点の記述は完成するはず。
②解決策でズバッとしたものが思いつかないけど、せっかくCADデータを持っているのであればそれを顧客と共有して双方が直接追記できれば、イメージも共有出来てやりとりが減って、製作期間を確保できるし、後からの打ち合わせを減らせそうだ!

TAKUROの第2問-1の解答

a 問題点
製作・施工図承認時、仕様・図面変更やイメージ摺合せに時間を要す為製作期間を確保できず、製作段階の打合せも必要な故の納期遅延
b 対応策
製作図、施工図のCADデータを顧客と共有し、顧客の要望を直接データに記入させてやりとりを減らし製作期間確保、打合せ減少。

解答完了時49分経過(第2問-1解答所要時間10分)

TAKURO
TAKURO

対応策としてあまりうまい案が思いつきませんでした。CAD対応しているのであれば、それを顧客と共有することは容易なはずなので、その点から斬り込むことにしました。ここで3D-CADまで思いが至っていればイメージ摺合わせギャップが生じる問題に切り込める解答がかけたのでもっと良かったと思いますが、当時の私の実力ではこれが限界でしょう笑 運営管理の勉強不足です。

一番よくないのは、イメージ摺合わせギャップを解消できない施策しか提案できないのに、効果の部分でイメージ摺合わせギャップが解消する、と書いてしまうことなので、そこを避けて無難な解答をできたということでよしとしましょう。

第2問-2

続いて製造部門の話に進みましょう!

第2問-2 解答作成への思考

①第9段落で高度な加工技術が必要な製品で製作期間が生産計画をオーバーしているとある。
②第13段落でスケジューリングは基本的に納期順であるが、加工難易度を考慮して作業チームを振り分けるとある。
③第11段落で作業チームの技術力には差があるとある。②とセットで考えると、難しい作業は、技術力の高いチームに集中してしまっているのではないか。その上で、①とセットで考えると、難しい作業が技術力の高いチームに集中し、技術力の高いチームの処理能力を超えた結果として、納期遅延が発生してしまったのだろう。
④第14・15段落より、レイアウトが原因のものの移動にも触れるべき。対応策は、レイアウト改善の経験もあるので、SLP+5Sで決まり!
⑤①~③への対応策は、事例Ⅲお決まりの標準化マニュアル化OJT+効果で決まり!

TAKUROの第2問-2の解答
a 問題点
①高度な加工技術等に対応できるチームに処理能力を超える負荷が集中している事②作業途中での加工物の移動による効率の悪さ。
b 対応策
①高度な加工技術等を標準化マニュアル化してOJTで教育し、チーム間技術格差をなくす②SLP実施の上5Sを徹底、作業効率向上。

解答完了時61分経過(第2問-2解答所要時間12分)

TAKURO
TAKURO

この記事は、のきさんの分析のアンサーソングでもあります。
そして、のきの分析の大半が当たっていて驚いたのですが、この点だけはちょっと自分の考えも示しておきたいかなぁというところです。
のきからは、能力の高いチームに処理能力を超える負荷がかかった、という点がやや飛躍があるのでは?との指摘があったのですが、思考①~③を併せて考えると、能力の高いチームが処理しきれない作業量があったのでは?という推測自体はあり得るかなぁと思う次第です。
また、第11段落の技術力に差がある、という記述だけだとなぜこれが納期遅延につながるのか、やや因果が遠い気がします。
この点は、のきとシロノワールでも食べながら議論したいところです。

第3問

解けそうだった第1問、第2問の解答を終えて、難関の第3問、第4問に進みます。一部は解答要素が見つかっている第3問の方が書きやすいと判断し、第3問の解答から着手します。

第3問 解答作成への思考

①与件文を読んだ際に目を付けた通り、与件文第13段落に書いてあったことを解答に書く。文字数が余りそうだからなぜ工程順序や工数見積もりの標準化マニュアル化がITとの関係で必要になるか明示する。その方が下手な要素をみだれ打ちするより得点が稼げる気がする。
ここでペンが止まるも、半分以上マスが空いているので何かしら埋めようと与件文を読み直す。
③すると、第10段落にIT化に関する記述があることに気づく。
④加えて、設問解釈時に、生産管理面の話は全社的に関わる話であるから、第2問ではしづらいので、第3問に馴染むのでは?と考えていたことを思い出す。
⑤納期遅延との関連で生産統制として進度管理を入れておこう。

TAKURO
TAKURO

第3問の解答のうち、第一文には↑の①の理由からそれなりの自信がありました。
ただ、その後が問題です。㋐第10段落にIT化と書いてあるのでとりあえず移しておく、㋑生産管理のことを書いていないけどどこかでは書くはずだから、制約条件上、一番問題のない第3問に書いておく、という対応は、いずれもアイデア解答、ポエム解答への入り口です。のきの分析にもある通り、比較的難問であったのでやむを得ませんが、このようなアイデア解答に走らざるを得なくなった時点で第3問の解答第2文での得点は期待薄です。
現場対応としては何も書かないよりはマシですが、解答について胸を張って言える根拠のようなものはありません。

そして、この第2文の記述で悩み分析に時間を取らせてしまったのきには申し訳ないです。今度、シロノワールをごちそうすることにします。

いや、そこは焼肉でしょ!

のき
のき

TAKUROの第3問の解答
工程順序や工数見積等のIT化の前提となる基準情報を確定させるために、これらの標準化マニュアル化を行う。製作プロセスを含む業務プロセスの全体的な見直しを行う為、生産計画、進度管理を中心にした生産統制もITを活用して行う。

解答完了時71分経過(第3問解答所要時間10分)

第4問

さてさて、最終第4問。設問解釈をしても与件分を読んでも解答の方向性が見えてこないまま、残り9分でこの第4問にたどり着きました。

第4問 解答作成への思考

①ここまで考えても分からない。自分が分からないということは、周りにもわからない人が一定数いるはず。その人たちは、過去問と同じようにクロスSWOTで処理するだろうから、少なくともクロスSWOTは書いておこう。
②マス目がまだ相当余っている。事業を拡大したいのだから、取引量を増やすために、接点のありそうなところから取引機会を広げる施策をいくつか書いておくか。

TAKUROの第4問の解答
高度な溶接技術や研磨技術、特別仕様の装飾性にも対応できる特殊加工力、仕上げ品質を訴求する。都市型建築の増加状況を生かし、ビル建築用金属製品の受注の際にモニュメント製品の営業を行う。据付の協力会社にも営業協力を依頼する。営業の強化が必要になる。

解答完了時80分(第4問解答所要時間9分)

TAKURO
TAKURO

最後まで分からなかった上、クロスSWOTにすらなっていない解答です。
困ったときは周りがどう書きそうか、それに合わせて書いておこうという、「赤信号みんなで渡れば怖くない理論」は一応の参考になるでしょうか。。。
営業のくだりについては、のきの分析通り、かなり性急な内容です。まるで時間がない中でアイデア解答した現場を見られていたかのようです。

【高さ7メートルの制約を外す、という解答について】
私は、そもそもこんな発想がなかったので、書こうかどうかという悩みすら生じなかったのですが、もし現場で気づいてしまっていたとしたら、相当悩んだと思います。
masumiの診断士脳の記事にもありましたが、中小企業の経営資源は限られています。大きな設備投資をする施策にはそれなりの根拠が必要です。
その根拠として、付加価値の高いモニュメント事業を拡大したい(第5段落)、工場建屋の制約がある(第2段落)だけでは、提案する勇気がありませんし、その勇気も必要ないと思っています。

もしこれが書けていたら70点代後半から80点だった可能性もありますが、そんなことよりも大事故を起こしてしまうリスクを避けた方がよいので、もう1回試験を受けたとしても高さ制約の話は書かないと思います。

この点は、と~しの記事でも言及されているのでご参照ください。

終わりに

ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。
のきの私の答案に関する分析は大部分が図星であり、読みながら笑ってしまったことを白状します。
私が与件文を読む際にチェックしていた点や、72点答案でもかなりのミスをしており、ツッコミどころ満載なんだ、ということが伝われば、貴重な時間を取って読んでもらった意味があると思っています。

二次試験は相対評価であると思っています。
そして、事例Ⅲは難しいので、満足できる解答が出来ている人はほとんどいないと思います。
(製造業が分かる人は現実とのギャップに苦しみ、製造業が分からない人は現実を知らないことに苦しむというみんなが苦しい状況です笑)

なので、直前期に私が一番伝えたいのは、本番、特に事例Ⅲでミスをしたと思っても、それはたいしたミスではありません!!勝手に凹んで事例Ⅳまで引きずるなどということが絶対ないようにして下さい、ということです。

事例Ⅰのときのプロセス振り返り記事と同様に、本来であれば反省点を書くべきなのでしょうが、先ほど書いた通り、もう一度この問題を解いたとしても、私は、建屋を改装する提案はしないと思います。そして、これらの提案をすることをファイナルペーパーに盛り込むと、却ってC社にウルトラCの提案をしてしまい大事故にあう可能性があると考えています。

…ということで、この問題への解答としては、本記事で書いた内容が私の限界なのだと思っています。

前回に引き続き長いブログで恐縮ですが、TAKUROが実況中継を通じてお伝えしたかったことは以上です。

明日はこんちゃんです!

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【令和2年事例Ⅲ】思考プロセスを辿る!現場対応実況中継 by TAKURO”へ4件のコメント

  1. ロム より:

    TAKUROさん、昨年の事例Ⅲの分析記事をありがとうございます。

    TAKUROさんが試験の時にどういう思考プロセスで回答を導いたのかを、じっくり時間をかけて分析させて頂きましたw

    事例Ⅲが他の事例と比べて少し苦手だなと思うのは、本記事にもある通りで「●●がよくないから●●作業の●●がよくないんだなぁ」というのが明確にイメージできないところです。
    与件文を読んでいて、何となくここがよくないっていうのはバシっと断定はできますが、取り上げられるテーマによってどこまでイメージできるかは変動することになると思うので、ここはどうにか自分の分析力と読解力を標準化するしかないなぁと思います……。

    またIT化についても触れていただき、ありがとうございます。
    のきさんの分析記事にもコメントしましたが、「標準化することは大事だけど、何でそれがIT化に繋がっていくのかが分からん」という状態でしたが、TAKUROさんが何故そのように考えたのかを知ることができたので、腑に落ちました。
    ただ、こういった問題が今年も出題されたら同様の発想ができるか自信がないので、対応策を検討するようにしますw

    試験が近付いてきておりますが、まだ弱みとして自覚している部分もあるので、最後の最後まで自分の伸びしろを伸ばすために勉強続けます!

    1. TAKURO より:

      ロムさん

      コメントありがとうございました!こちらの返信もコメダ珈琲からお送りしております笑
      平成27年事例Ⅲなども同じような問題ですが、本問も各問題点の因果関係がどのようにつながっているのか、時間をかけて整理してみるとよいと思います!
      (おそらく私が整理した表のようになるのではないかと思います。)
      本番では、全ての因果関係を明らかにできなかったとしても、問題点の因果関係を明らかにしていこうという姿勢が、事例Ⅲの得点を上げてくれるはずです!

      ITの件は、たま~にこういった切り口が出るんですよね。。
      導入のためには、前提情報が整理されていないといけない、という考え方のようです。
      前提がブレブレだとITを導入しようがないですからね。

      冒頭にも書きましたが、当日までまだまだ伸びしろがあるはずですので、ご体調に気を付けながら頑張っていってください!

  2. より:

    渾身の実況中継ありがとうございました。大変参考になりました。当方は4度目の2次試験受験となりますが、4度目の正直?合格必勝に向けてがんばりたいと思います。

    1. TAKURO より:

      誠さん

      コメントありがとうございました!
      少しでも受験勉強の参考になったのであれば嬉しく思います!
      4度目の2次試験とのことですが、ご自身の中でも勝ちパターン、負けパターンの蓄積や手ごたえと実際の採点のギャップなどが蓄積されてきているのでないかと思います。冒頭にも書きましたが、残りの期間でご自身のやってきたことの棚卸をして4度目の集大成と行きましょう!!
      次回は、誠さんも含め、日々頑張って勉強を積み上げてきた方に向けてメンタル面のアドバイスをする記事を書く予定です。
      どうか本番まで、ご自身のペースで走り抜けていかれることを心よりお祈りしております!

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