【渾身】経済学・経済政策 経済成長理論

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※今日は8,398字なので、長~いです。平日にスミマセン!
(時間ない方は、スクロールしまくって「まとめ」だけ読んで下さい!!)

カワサンです。
流動性のわな」に魅力を感じる今日この頃。
(以下、グラフを頭に思い浮かべて読みましょう。今日は文章からグラフを想像するトレーニングをします。思い浮かばない人は参考書を開いて!!)

想像して下さい。
流動性のわなのケースでは、低金利下で財政支出をすると、IS曲線がスライドした分GDPが上がる。
しかし、低金利=利子率弾力性も低い(貯金しても利子がほぼつかない)ので、「銀行に預けても手持ちしても変わらない」とみんな思ってしまうと、誰も銀行に貯金しなくなります。
まして、マイナス金利となれば銀行にお金を預けたらマイナスの利子(手数料的に預金から引かれる)なので、自宅に堅牢な金庫を買って預けたほうが良くなります。
ATMで時間外手数料取られたり、銀行窓口の縮小となれば、なおのこと預けるメリットが低下。
(キャッシュレスで現金自体必要性が低下した、ということも言えますけど)
そうすると、今後預金流出すれば信用創造も崩壊して投資に支出する現金(貨幣)が不足し、マネーサプライが混乱し、金融システムが崩壊しちゃいます。
ということで、貨幣需要が不足しないように日銀がマネーサプライ(マネーストック)をうまくコントロールして、LM曲線が右シフトするようにしていると推定されます。
→実際に国債の日銀引受などで操作しています(参考サイト:外部)。

…そんな事を思いながら、今回は経済成長理論の解説です。

 

1.はじめに

今日はリクエストを頂いた分野の解説ですが、論点そのものはややマニアックです。

とはいえ、これといった頻出論点も無いわりに、毎年のように経済学の理論を複合させた問いが過去10年間で1~2問登場しています。それがこちら。


*2020/5/30 抜けがあったので追加しました。
そして試験範囲の明示の仕方がこちら(令和2年度1次試験概要より)


過去問を見ると、直接的に「マネタリストは…」「ニューエコノミーは…」なんて聴き方はされません

厄介ですね。これらは違う言葉になって出題されているという事です。

加えて、理論を問う問題は「グラフが問題文に出てこない」という特徴があります。

グラフが頭に入っていれば、理屈まで丸暗記しなくても「線がスライドすると…」とその場で補助線でも引っ張れば、何とかなりますが、そうはいきません。

難解さを感じるゆえんは、この辺にあります。

「経済学・経済政策」は1次試験の最初の科目。

後に引きずらないためにも、頻出論点であるマクロ経済学の基本的な考え方から解答を導くことができる(回答にアプローチすることが可能)という視点で解けるように目指しましょう。

 

2.そもそも経済成長って何なん

乱暴に言うと、IS-LM分析やAD-AS曲線の交点について「相対的に右に移動する」と、経済成長します。

なので、マクロ経済学は「美しく曲線の交点を右にずらすために、何をしたら望ましいか」を考える学問と言えます。

経済学は、18世紀にイギリスの経済学者アダム・スミスから始まりました。それ以来、歴史と共に様々な政策や理論が提唱されています。

試験範囲で掲題されている理論をwikipediaを参考にまとめると、こんな感じです。

 

(1)ケインズ理論
(2)古典派と新古典派理論

毎年常連さんのIS-LM分析AD-AS分析の分野です。加えて、これらの分析手法の根底となる考え方(貨幣、投資、消費など)を問いかける問題が出てきます。

分析系の問題については、先代の分かりやすい解説が沢山あるので多くは触れません。

 

3)マネタリズム

文字の通り、マネーサプライ操作を政策の中心に据えるべし、とする考え方です。
試験では「k%ルール」や「恒常所得仮説」として登場しました。

1970年代のアメリカで生まれた概念です。スタグフレーションという、不況とインフレが同時に起こる状態を、ケインズ理論では説明できないね~という中で生まれました。

ケインズ理論のように国が管理する需給政策は良くないと痛烈な批判を行い、マネーサプライを重視する政策を適用したものの、実際には国際マクロ経済で混乱が起きました。

 

(4)新保守主義とシカゴ学派

「新保守主義」これは1980年前後のアメリカ経済の思想です。

「シカゴ学派」これはマネタリズムや新制度主義経済学等を生み出したシカゴ大学経済学部に名前を由来するものです。ここから生まれた経済思想は数多く(マネタリズムもそう)、試験に関連する理論を選択肢へ登場させるため、試験範囲と記載しているものと思われます。

 

(5)サプライサイド・エコノミクス

試験では直近10年間で2回「リアル・ビジネス・サイクル理論」として登場しました。

これは古典派の系譜の理論です。
古典派はサプライ(供給)重視の経済理論(セイの法則)ですので(ケインズは対して「有効需要」を重視)。

AD-AS曲線で言う所、AS曲線を右側にスライドさせて物価水準を下げよう、という考えです。歴史的には1980年代のアメリカ「レーガノミクス」に代表される政策です。

 

(6)新制度主義経済学

ここは「取引費用(取引コスト)理論」や「プリンシパル・エージェント理論」など、ミクロ経済学に近い理論です。

経済学は、ある決まった条件下での行動を分析するもの。普遍的と論じても、事後に「特定のケースしか有効でない」と否定されるものばかりでした。そこで登場したのが「情報」という概念を踏まえた意思決定に関する理論です。

毎年のように試験問題の最後のほうに登場するゲーム理論も、ここの分野に近いです。

これらの経済思想そのものが試験で問われることは、ほぼありません
(こんな話しておきながら、すみません)

それにしても、多岐にわたりますね。
すべて取り上げたら長い+試験出題可能性が低い所まで徹底解説となるので、過去繰り返し登場した部分を3つご紹介します。

 

3.解く前に。マクロ経済学で押さえたい考え

マクロ経済学は以下の三要素(市場)で成り立ってます。問題に向き合う上で、この捉え方が必要です。

」を産むのは「労働」:生産

労働」で「貨幣」を得る:所得

貨幣」で「」を手に入れる:消費(=支出)

個々に見ましょう。便宜上、上と順番を変えます。

 

■財市場

・暗記すべき式はY=C+I+G(国民所得=消費+投資+政府支出)

・上式から導かれるモノやサービス、貨幣と交換可能なものの、需要と供給。

・IS曲線:利子率が下がる→投資資金調達コスト低下→投資促進→財供給あがる→国民所得アップ

 

■貨幣市場

古典派は財との交換手段としてのみ認識

ケインズ派は債権と保有メリットを比較投機的(貨幣自体を増やそうとする)貨幣需要がある

・LM曲線:所得が増える→増えた分「貨幣」が必要→貨幣需要増加→利子率が上がる

 

■労働市場

・労働力の需要と供給:実質賃金 W/P(賃金/物価)の比率で決定

・労働需要:物価P(財の価格)が上がる→儲けるチャンス!→企業は労働力を求める→労働需要増加

・労働供給:実質賃金W/Pが上がる→稼ぐチャンス!→働きたい人が増える→労働供給増加

以上を念頭におき、さとまる作の必殺グラフを頭に入れます。

では、過去問を使って上記考え方で解いてみましょう。

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ちょっと休憩。

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4.所得・消費の理論

ここでは「貨幣」を「」と交換することに関して聞かれます。
では過去問です。

【経済学・経済政策】平成29年度・第4問
消費がどのようにして決まるかを理解することは、経済政策の手段を検討する際にも、また、景気動向を予測する上でも重要である。一般に、消費の決定に所得が影響すると考えられているが、具体的な影響の仕方についてはいくつかの考え方がある。
消費の決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 恒常所得仮説では、一時金の支給によって所得が増加しても、消費は増加しない。
イ 絶対所得仮説によるケインズ型消費関数では、減税によって可処分所得が増加しても、消費は増加しない。
ウ 絶対所得仮説によるケインズ型消費関数では、定期給与のベースアップによって所得が増加しても、消費は増加しない。
エ ライフサイクル仮説では、定期昇給によって所得が増加しても、消費は増加しない。

消費ということですから、個人がどうやって「貨幣」を「」と交換(=消費)するのかを聞いています。

正解は「ア」です。
もし文言がわからなくても、マクロ経済学の基本的な知識を踏まえて、以下の手順から考えましょう。

・イ&ウ…ケインズ消費関数:C=c(Y-T)+C0から正誤判定(後述)
・エ…一般論で考えると、将来の給与が上がると思ったら、消費(=支出)は一定になりますでしょうか?
そうではないですよね。持ち家を保有したり、子供の養育費のことだったり、年収見通しなりに生活水準を変えるのが実態と言えます。
・ア…消去法的に残る

経済学は、私たちの生活に身近な学問です

どんな通説も、生活感や経済実態に根差しています。
設問に迷ったら、身近な行動からどういえるか?を試験会場で考えて欲しいです

<解説>

■ア:恒常所得仮説
これはマネタリストのミルトン・フリードマンが唱えた仮説です。どういう仮説かというと「人々は将来の年収も踏まえて消費額を決定するので、断面的に収入が増えても、その年の国民所得に影響しません」という考え方です。

ここで感の鋭い方、こう思ったのでは?
「この前申し込んだ安○さんからの10万円って、経済政策にあんま影響ないってこと???」
→マネタリストの考え的には、そうなっちゃいます。あちゃー

 

■イ&ウ:絶対所得仮説

これは文言が分からなくても「ケインズの消費関数」で思い出してほしいです。
国民所得の恒等式 Y=C+I+G のCの部分ですね。

C=c(Y-T)+C0(c:限界消費性向、Y:国民所得、T:税金、C0:固定的消費)

選択肢イ:「減税」ですので、Tが小さくなる→結果、Cは増大。「消費は増加する」が正解。

選択肢ウ:「定期給与のベースアップ」なのでYが増加→結果、Cは増大。「消費は増加する」が正解。

なお、理論自体は「その年の年収が増えれば、収入に対する支出割合(=限界消費性向)は小さくなる」というものです。

 

■ついでに:相対所得仮説
また、合わせて相対所得仮説、というのも押さえておきたくて、これは現在の消費は時間や空間に左右されるというものです。

ラチェット効果…一度年収が下がっても生活水準が下げられず、消費性向は下がりにくここと(例:家を建てるとワンルームに転居しづらくなる)

デモンストレーション効果…周囲の消費動向に流される(例:生活水準に関わらずスマホを保有する 等)

 

■エ:ライフサイクル仮説(ライフサイクルモデルとも言われます)

これは3~4年に1回ほど試験に登場するワードです。考えは恒常所得仮説に近く、「生涯を通じての年収(=毎年のお小遣い)が平均的に一定となるように、消費or貯蓄の行動を取る」という考え方です。

つみたてNISAや任意の確定拠出型年金、長期的に個人が保有する株式なんかは、退職後の収入を安定的にするために貯蓄行動の一例と言えます。

続いてこちら。2012,2016年と夏のオリンピックイヤーに出てきた効率賃金理論(次回出題は2021年か!?)。

【経済学・経済政策】平成28年度・第6問
賃金に関する考え方の1つに効率賃金理論がある。効率賃金理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 企業が支払う効率賃金の下で完全雇用が実現すると主張する。
イ 均衡賃金に等しい水準の賃金を支払うことが企業の効率的な生産につながると主張する。
ウ 均衡賃金を超える水準の賃金を支払うことが生産性を高め、企業の利潤を増やすと主張する。
エ 均衡賃金を下回る水準の賃金を支払うことが生産性を高め、企業の利潤を増やすと主張する。

正解は「ウ」です。
「自分が一番ヤル気出るパターンどれ?」と思えば正解が出ます。

・エ 均衡より下回る:平均より低い賃金では「労働」でヤル気でない→誤判定
・ウ エの反対。ヤル気出るから生産性UPしそう→他のも見ておこう
・ア 完全雇用から、失業の話を連想→ケインズの「非自発的失業」の考え方は?→欲しい賃金≠均衡賃金なので、失業する →誤判定
・イ 効率的な生産:「労働」がヤル気満々で効率的な生産になると考えるんだから、欲しい賃金≠均衡賃金じゃない。
→誤判定⇒結果的に「ウ」が最適解

<解説>

効率賃金理論(効率賃金仮説)では均衡賃金(世間平均的な賃金水準)より高い賃金だと、ヤル気が出て生産性がUPして企業の利潤に貢献する、という考え方をします。たしかに、同じ仕事でも給料高い方がヤル気でますよね。

 

5.貨幣の理論

【経済学・経済政策】平成26年度・第10問
古典派経済学体系での貨幣の扱いと金融政策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア k %ルールとは、物価上昇率を一定の値に収める金融政策運営上のルールである。
イ 貨幣市場の均衡条件によって実質利子率が決まり、貨幣的側面が実物面に影響を与える。
ウ 実質GDPは労働市場の均衡から決定されるため、貨幣供給量を増やしても実質GDPは拡大しない。
エ 数量方程式で表される貨幣需要には投機的動機のみを想定している。

正解はウです。

この問題はちょっと込み入っていて難解です。k%ルールも参考書に掲載されますが、出題頻度はそこまででもない。

ただ、他の選択肢に不安でもウは「労働市場の均衡」と「貨幣供給」というワードからAD-AS分析(古典派)を思い出せば明確に判断できます


古典派の場合、AS曲線はまっすぐです。
そして、ウに記載されている「貨幣供給量を増やして」は、貨幣に関する動きですからAD曲線が動く要因です。しかし、AD曲線が右シフト(AD⇒AD’)してもAS曲線は微動だにしないので国民所得はY1→Y2、つまりGDPは増えません。

なのでAD-AS分析が頭に入っていればウを選べます。
ちなみに、他の選択肢もエとイは貨幣の考え方が分かっていれば消去できますね。

エ 古典派の考えは「貨幣は取引手段」→投機的貨幣需要は考えない!→誤判定
イ 古典派の考えは「貨幣は取引手段」→実物⇒(「財」の総量)には影響しない→誤判定
ア k%ルールはマネーサプライの話で、物価上昇率(インフレ)とは関係ない→誤判定

<解説>

■ア k%ルール
経済成長率に合わせてマネーサプライの増加率を決めるべきという理論です。物価の上昇とは短絡的な関係はありません。

■イ&エ
古典派の理論では、貨幣は取引需要しか考慮しないので(「財」や「労働」との交換手段でしかない)、貨幣市場の均衡条件をもって実物への需給影響はしません。
(ケインズ理論であれば投機的貨幣需要を考慮するので、正解)

古典派は「財」の数量でマネーサプライを決めるので投機的貨幣需要は出てきません。
参考サイト

 

6.投資の理論

【経済学・経済政策】平成29年度・第8問
投資の決定に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a ケインズの投資理論によれば、利子率の低下は投資を増加させる。
b 資本ストック調整原理によれば、投資の調整速度が大きいほど、投資が減少する。
c 投資の限界効率とは、投資収益の現在価値の合計を投資費用に等しくさせる収益率である。
d トービンのq とは、企業の市場価値を資本の割引価値で除したものである。
〔解答群〕
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd

組み合わせ問題です。[a or b]と[c or d]の組み合わせ。
これもマクロ経済学の基本的な観点で見てみましょう。
aとbは笑顔で瞬殺、cとdで悩むレベルなら、イイ感じです。

正解はアです。

a IS曲線より、利子率低下→投資にかかるコスト低下→投資増加→国民所得増加→正しい!!
b a正解なので深く考えなくても消去(用語は後述)
c こちらもIS曲線と投資の関係が念頭にあれば正解できる(が、ややマニアック…後述)
d (覚えていれば)資本の「割引価値」ではなく「更新コスト」

<解説>

■b 資本ストック調整理論(ほぼ登場しない 参考:内閣府年次経済報告

投資の景気循環に関する理論の1つです。ちょっと雑な解釈ですが、景況感と資本ストック(設備量)は経済成長見通しに応じてバランスするというものです。「調整速度」は「バランスさせる勢い」という意味合いなので「速度が大きい」ということは、投資は「増大」します。

 

■c 投資の限界効率(ケインズ理論の基本:大切)

IS曲線:利子率が下がる→投資が促進→国民所得が増大
もう少し掘り下げて考えましょう。

①投資収益の決まり方:投資の限界効率が高い=収益率が高い→収益率が高いものから投資実行(経済学は合理的なので、メリット大きい順に実行)→収益率0手前まで投資実行

②投資額の決まり方:利子が下がる→利子負担軽くなる→利子負担軽くなるほど投資に求める収益率が低下→実行可能な投資案件が増加→投資総額が増加

③ 「①の総額が最大」となる「②」で収益(利潤)が最大化

 

■d トービンのq(登場頻度:やや低い)

企業の価値(負債+株主資本)と資本ストックの取得価格(設備の価値)を比べて、投資メリットを判定するものです。

q=(負債総額+株主資本)÷(資本ストック取得価格)
q<1 企業価値<資本ストックなので、企業価値なりに資本ストックを整理すべき(投資しない)
q>1 企業価値>資本ストックなので、資本ストック増大なりに価値も増大できる

まとめ
①IS-LM分析やAD-AS分析で出てくる「財市場」「貨幣市場」「労働市場」の理論(グラフ、式)を理解することが、グラフの無い経済理論の問題を解くカギになる
頻出頻度が低いワードが出てきても、マクロ経済学の基本的な理論から、選択肢の正誤判断が出来る可能性が高い。見慣れない用語を見て捨て問・当てずっぽうと決めつけない。
文字だけの正誤判定でも、数式やグラフにて表現できる可能性が高い。文字以外での表現ができないかを考えてみる。

 

7.オマケ:大学の先生の言葉

私は大学で経済学部を卒業したのですが、授業で学んだことが1次試験の経済学・経済政策や企業経営理論、財務・会計の突破にとても役に立ちました。

そのなかで、マクロ経済学の授業で先生が

Y=C+I+G

これをメッチャ言いまくっていました。ノートにも、この数式を一番多く書いたと思います。

それだけ、マクロ経済学の基本がこの式に詰まっています。

深い話をすると、IS-LM分析が示されたのは1936年。ケインズが「雇用・利子および貨幣の一般理論」を著したタイミングです。この時に、この式(モデル)も登場しました。

1920年代後半に世界恐慌が起き、景気回復の(=国民所得Yを増やす)ために、アメリカのニューディールに代表されるような公共政策の推進(=財政政策;IS曲線やAD曲線右シフト!!)で有効需要の創出が重要と論じた時代です。

以降、様々な観点により、ケインズ理論は実体経済になじまないという論調が主流なんですが(古典派を発展させた理論が多数派という感じ)、現代に通ずるマクロ経済学を理論立てて(モデル化して)確立したのはケインズの一般理論なんです。

なので、マクロ経済学を学ぶ人たちはまずケインズ理論を教わりますし、診断士試験でもその理論を理解することが、解法の近道なのです。

 

【参考資料・リンク】
瞬時に分かる経済学
経済学道場
経済学入門 マクロ編(ティモシー・ティラー)
大学4年間の経済学がざっと10時間で学べる(井堀利宏)


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【渾身】経済学・経済政策 経済成長理論”へ2件のコメント

  1. 匿名 より:

    リクエストをした者です。マクロの諸理論の解説大変参考になりました。ただ、あの、経済成長理論が。冒頭の出題まとめにも、もろソロースワンの平成27年11問が無いような。でも、凄く時間を割いて頂いたものと思います。ありがとうございました。

    1. カワサン より:

      匿名さま
      リクエストされた方に届いたのかが気になっていたので、ご丁寧にコメント頂きましてありがとうございます。
      しかし…申し訳ありません。ご指摘の過去問は見落としてました。もろに新古典派と書いてますね…お恥ずかしい限り。
      本問の論点は分かりましたので、追記or後日掲載の形で解説します。
      勝手で申し訳ありませんが、少しお時間下さい。

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