経済:AD-AS分析のときの経済政策の効果

こんばんは。アックルです。

先週の運営管理は実務実習で多忙のため欠席、そして今週の経済は香港出張だったので久々のエントリーです。

さて、経済についてですが、私は経済学部経済学科出身ですが、診断士試験における経済学は他の4人と比較して、あまり答練や模試の成績は
良くなかったです。恥ずかしい話ですが。
理由は、大学時代 に学んだときも理論を理解していたのではなく、暗記に走っていただけだからです。
つまり大学時代に学んだことをすっかり忘れていたので、なんの優位性もなかったということです。

経済学って本当は非常に面白い学問だと思うのですが社会経験がなく日経新聞やビジネス誌を読まない学生には、そもそも理解しようにも無理がありました。

大学時代の教授(I田先生)がこう仰ってました。「学生に経済学を教えても意味がない。一度社会に出て色んな経験を積んだ人たちに教えたい。」

この言葉が頭に残っていたので、診断士で経済を学ぶときは楽しみでした。10年ほど社会経験も積んでたし!
でも、結局、TACの先生が「1次試験だけなんだから割り切って考えてください。理解ではなく暗記で結構です。」と仰っていたことや、経済に割ける時間があまりなかったので、またもや暗記に走ってしまいましたcoldsweats01

皆さんも診断士試験の経済は暗記に走っちゃって構わないですから。本当に理解するなら、診断士のテキストでは無理ですから。
どうしても経済を理解したいなら、診断士合格後にビジネス書や専門書を読んで下さい
私も合格後に10冊近くの経済本を読んだことで、最近になってようやく経済というものが少し理解できるようになりました。

さて、本題。

■AD-AS分析のときの経済政策の効果

マクロ経済の学習は財市場の45度線分析から始まり、IS-LM分析と続き、最後にAD-AS分析を学ぶと思いますが、ここまでたどり着いたときは、もう疲れちゃってますよね。
おまけにテキストはIS-LM分析重視なので、AD-AS分析はついつい放置しがちだと思います。

今回は、AD-AS分析の中でも重要かつライバルに差をつけられると思われる、経済政策 の効果のIS-LM分析との違いについて説明します。

まずはIS-LM分析とAD-AS分析のそれぞれの整理を行います。

IS-LM分析:財市場と貨幣市場の同時均衡をもたらす利子率と国民所得水準の分析

AD-AS分析:財市場、貨幣市場、労働市場の均衡をもたらす物価水準と国民所得水準の分析

それと以下をしっかり暗記してください。

IS-LM分析は物価が一定。

AD-AS分析は物価変動を考慮する。

IS-LM分析は労働市場は分析しないので、労働市場との関係で決まる物価は一定と仮定しているんです。

このことが経済政策の効果にどのような影響をもたらすのか図で説明します。

まずは金融政策の効果について。

金融緩和政策を行った場合、IS-LM曲線はマネーサプライ(貨幣供給)が増加することで、下図のとおりLM曲線が右にシフトし、
国民所得が増加、利子率が低下します。

では、次に物価変動を考慮したAD-AS分析の場合はどうなるでしょう。
同じように金融緩和政策を実施しても、AD-AS分析の場合は国民所得の増加に伴い物価が上昇してしまいます(P0⇒P1)。
物価上昇により実質貨幣供給量(M/P)が減少し、LM曲線が左にシフトする効果が生じてしまうため、IS-LM分析に比べ
金融政策の効果は小さくなってしまいます。クラウディングアウトみたいですね。

次に財政政策です。
財政政策を行った場合、IS曲線が右にシフト(IS⇒IS´)し、国民所得が上昇、利子率が上昇します。

物価変動を考慮したAD-AS曲線の場合は、やはり国民所得の上昇により物価も上昇し、結果実質貨幣供給量(M/P)が減少し、LM曲線が左に
シフトする効果が生じてしまうため、IS-LM分析に比べて財政政策の効果は小さくなってしまいます。

だらだらと長い説明となってしまいますが、一言でまとめるとこういうことです。

物価変動を考慮したAD-AS分析は、考慮しないIS-LM分析と比べて、金融政策・財政政策の効果は小さくなります。

↑これを覚えてください。

うわ!他のメンバーと違ってかなり固い内容でした。
今回は時間の関係でここまでとしますが、 今度は「IS-LM分析を使った忘れないマンデルフレミング」「国際収支」についても触れたいと思います。

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経済:AD-AS分析のときの経済政策の効果”へ6件のコメント

  1. アックル より:

    ガネーシャさん

    コメントありがとうございます。
    「IS-LM分析を使った忘れないマンデルフレミング」や「国際収支」について近日中にアップしたいと思います。

    せっかく探して頂いたのに、書いてなくて申し訳ございませんでした。

  2. いつもお世話になっております。
    一年前の記事で恐縮ですが、
    「今度は「IS-LM分析を使った忘れないマンデルフレミング」や「国際収支」についても触れたいと思います。」
    を探しているのですが、よろしかったら、
    教えてください。
    以上どうぞよろしくお願いいたします!

  3. アックル より:

    ふうじんさん

    実はこのことは証券アナリストの経済を学習して知りました。でも、かなり重要論点なので診断士試験でも出る可能性は高いと思います。

    きょんさん
    ありがとうございました。
    そう言っていただけると書き甲斐があります!

    きちさん
    ご指摘ありがとうございました。
    次回「忘れないマンデルフレミング」頑張ります!

  4. きち より:

    私も固い内容好きです。
    テキストの後ろのほうって、疲れて軽視しがちですよね。でも、運営管理とか経済って費用対効果が以外とありますね。

    マンデルフレミング、国際収支たのしみにしています。

    PS;4つめのグラフASがLMになってますね。。。

  5. きょん より:

    AD-AS分析の頃はすっかり疲れ果ててしまっているのは、僕だけでは無かったのですね(笑)

    今回の記事で、かなり頭の中がスッキリしました。
    すばらしいです。

    固い内容、全く問題ありません。
    次回も楽しみにしています。

  6. ふうじん より:

    アックルさん、時間厳しい中での記事UPお疲れさまです。
    そうか、IS-LMとAD-AS分析で、政策効果が異なるのですか・・、まったく気づきませんでした(笑)。
    「忘れないマンデルフレミング」にも期待しています!

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