【渾身】経済学・経済政策のツボ ~IS・LM曲線~

みなさん、こんにちは。ロックです。
診断士試験1次試験までおよそ二か月。そろそろ息切れしてませんか?
少し根を詰めすぎたな…と言うときは、通勤時間での勉強をお休みして、
関連書籍などを読んでみるのも良いかもしれません。(あくまで通勤時間などの隙間学習)

私は試験委員の方の本はあまり読みませんでしたが、気分転換に読んでいたのは、初代ハカセおすすめのグロービズ社 クリティカルシンキングになります。
この本は主に二次試験対策に有効だと思われますが、診断士試験に関係なく、ビジネスパーソンにお勧めの書籍です。
この本に限らず、何か読んでみることで違った目線から物事を見るキッカケになり、思いもよらないところで良い効果を受けられるかもしれません(ご利用は計画的に)。

さて、一年前の私はというと、2次対策は5月までにしておこうと思っていたにも関わらず、6月も2次対策に比重を振り分けてしまう計画に修正し、2次対策をモリモリやっておりました…。
2次対策をいつからやるか(いつまでやるか)については前回書きましたが、「こんな奴もいるのか」と、あなたの戦略立案の役に立てていただければと思います。


前置きが長くなりましたが、本日は苦手な方も多い「経済学・経済政策」について書こうと思います。
かく言う私も、学習当初は大の苦手としておりましたが、理解をする部分と暗記をする部分を切り分けることで本試験では得点源とすることができました。(この部分については後ほど記載します)

それでは、本題に入ります。

1.経済学・経済政策(以降、経済学と記載)の特徴
経済学の特徴としまして、まずは難易度(平均点)の乱高下が大胆であることが挙げられるでしょう。(こば曰く:超暴れん坊)
平成25年は科目合格率2.1%、平成21年は科目合格率6.1%となっており、
本気で潰しにかかって来た際に耐えし凌ぐ基礎力が必要になるといえます。

また、その他の大きな特徴として、初日1科目目ですので、経済学の出来不出来がその日の、もしくは本試験全体のモチベーションにも関わってきます。経済学をサラッとやっつけて、いい感じに離陸したいものですね!

以上の事から、経済学は他の科目にも増して、しっかりと基礎力を身に着ける必要があることがわかります。

2.出題傾向
詳しいデータ分析については、昨年のこばの記事に譲りますが、昨年も例年同様にミクロ経済とマクロ経済が約半数。そして、他の科目同様にA・B問は確実にとり、C問をいかに取るかが勝負の分かれ目となりました。

難化を予測し、C問を多数取れる状態にしておくと、難化しなかった場合に貯金科目とすることができます。

3.ミクロ経済の鬼門C問 IS-LM分析
では具体的に見ていきましょう。私が冒頭で”理解をする部分と暗記をする部分を切り分ける”と書いたことを覚えていますでしょうか?

IS曲線の数式は、

LM曲線の数式は、

となります。
ちなみにテキストによって表し方が違うかもしれませんので記載しておきますが、c:限界消費性向、i:投資の利子感応度(弾力性)a:基礎消費、To:租税、Io:独立投資、Go:政府支出、k:貨幣需要の所得感応度(弾力性)、h:貨幣需要の利子感応度(弾力性)Mo:中央銀行による貨幣供給量、です。

政府支出や減税によってIS曲線がどうなるか…というのは、IS曲線の基礎の基礎ですから大丈夫ですよね?
念のため整理しましょう。

まず、IS曲線とLM曲線の動き方はザックリいうと2種類です。
・左右(上下)に動くか、
・傾きが変わるか、

です。

まず、左右に動く話をしましょう。

(ちなみ左右シフトと上下シフトの表現に疑問がある方はコメント下さい。ここでは割愛します。)

IS曲線が右シフトする場合

  • 政府支出が増えた場合
  • 減税された場合(乗数によるが基本的に右シフト)
  • 投資が増えた場合


つまりこの部分が増えた場合です。
(ちなみにIS曲線では右シフト=上シフトです)

LM曲線が右シフトする場合

  • 貨幣供給量が増えた場合


つまりこの部分が増えた場合です。
(ちなみにLM曲線では右シフト=下シフトです)

次に傾きが変わる場合についてですが、

IS曲線の傾きが急になる場合

  • 投資の利子感応度(利子弾力性)が下がった場合
  • 限界消費性向が下がった場合

LM曲線の傾きが急になる場合

  • 貨幣需要の所得感応度(利子弾力性)が上がった場合
  • 貨幣需要の利子感応度(利子弾力性)が下がった場合

IS曲線の分母に鎮座する”i”は投資の利子感応度(利子弾力性)で、
LM曲線の分母に鎮座する”h”は貨幣の利子感応度(利子弾力性)です。

分母が大きくなれば、傾きは緩やかに(つまりYにくっついてる数字が小さく)なります。1/1より1/2のほうが小さく、1/3より1/4の方が小さいでしょ?

無限大や、ゼロも要領は同じです。分母が無限大だともうこれでもか!と言うくらいに傾きが緩やかなので水平になります。

分母がゼロだと、もうこれでもか!というくらい傾きが急になるので垂直になります。

ダラダラ書いてしまいましたが、式を覚える必要もないし、一つ一つの動き方を覚える必要もありません。
私は理解暗記を使い分けてこう覚えました。

~結論~

  • 理解:右シフト左シフトは均衡予算等でも頻出なので普通に覚える
  • 理解:限界消費性向と言われたらISのことで、お金の使いたがり度が増せば投資に回すお金は減るのでISの傾きは緩やかになる
  • 暗記:ISの時は弾力性とか感応度とか言われたら傾きの分母のこと
  • 暗記:LMの時に弾力性とか感応度はシリと覚える(フェイマオ流)。シリ(所得=分子)(利子=分母)なので、見極めて考える

最後に実際の問題を使って宿題です。
平成28年 第11問 設問1
ア IS 曲線は、限界消費性向が大きいほど、より緩やかに描かれる。
イ LM 曲線は、貨幣の利子弾力性が小さいほど、より緩やかに描かれる。

この場合は〇でしょうか×でしょうか??

正解はご自分でご確認ください。

 

以上、ロックでした。
ぶわっと書いてしまったので、ご質問はコメントでお受けします!
では!

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【渾身】経済学・経済政策のツボ ~IS・LM曲線~”へ2件のコメント

  1. とくべい より:

    IS曲線の傾きも分子を消費と捉えれば、『シリ』ですね。ただ限界消費性向に-(マイナス)がついているので、問題を解くときに分かりづらいですよね。フェイマオさんのように分子を貯蓄と捉えて『チリ』の方が問題を解きやすいのでしょうか。

    1. ロック より:

      とくべいさん
      こんにちは。コメントありがとうございます。
      「チリ」でもいいと思いますよ!ただ限界貯蓄性向が、全体から限界消費性向を引いたもの「1-c」である、ということは、理解する必要があると思います。

      覚え方はとくべいさんの覚えやすい方法で良いと思いますが、問題が捻られた時にも正答するためには理解が必要な部分もあります。丸暗記でいく箇所と、理解して腹落ちさせる箇所とメリハリを付けて学習されるとよいかと思います。

      気温の差が激しいですが、お体に気をつけてあと少し、頑張ってください!

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