財務・会計も対策の基本は「暗記」
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【2次試験受験者の方への大切なお知らせ】
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みなさん、おはこんばんにちは、だいまつです。
さてさて。
来年度合格目標の受験生の皆さんにいきなり質問です。
1次試験対策は順調に進んでいますか?
「順調です」と答えられた受験生の皆さんは、大丈夫です。そのままのペースで突っ走ってください。
一方で、だいまつが心配なのは、「うーんまあ、なんとか」や、「あまりうまくいっていない」と答えられた受験生の皆さんです。
足もと、TACのストレートコースでは「財務・会計」の授業が進んでいます。この財務・会計という科目、素地がある方はスラスラ学習が進む一方、初めて触れる方はなかなか学習が進まず苦手科目化してしまう可能性大の「ツンデレ」科目です。
なので、先ほどの投げかけに対して歯切れの良い回答ができなかった受験生の皆さんの中には、「財務・会計」が「苦手だ」とおっしゃる方が多くおられるのではないでしょうか。
そこで今回は、私が「財務・会計」の試験対策上「大切だ」と思うけど、皆さんが意外とおろそかにしていること、についてのお話ができればと考えています。
さて。
もう一つ、皆さんに質問です。
財務・会計は①理解系科目でしょうか、それとも②暗記系科目でしょうか。
多くの皆さんが「①理解系科目」とお答えになったのではないでしょうか。
私もそう思います。間違っていません。
愚問かもしれませんが、では、何と比べて「①理解系科目」というのでしょうか。
そうです。
「他の科目と比べて」です。具体的には、暗記色の強い企業経営理論、経営法務、経営情報、中小企業政策といった科目較比べて、財務・会計は「①理解系科目」といえるのです。
ここで、私が改めて皆さんに認識していただきたいのは、これは1次試験科目の中での「相対的な位置付けの話である」という点です。
「中小企業診断士試験1次試験案内・申込書」の「1.試験の目的および方法」には以下のように記載されています。
第1次試験は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」に基づき、中小企業診断士となるのに必要な学識を有するかどうかを判定することを目的とし、筆記の方法により行います。
・・・「学識」を辞書で引くと、「学問上の知識と見識」とあります。見識とは「物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力。ある物事に対する確かな考えや意見」のことを指します。
つまり、中小企業診断士の1次試験は、受験生に「中小企業診断士となるのに必要な知識を持っているか、またその知識に基づいて物事を深く見通し、本質を捉える優れた判断能力(正解を見つける、間違いを見つける)があるか」を試しています。
従って、1次試験科目の中では相対的に「①理解系科目」といわれる「財務・会計」ですが、「試験の目的」はあくまでも知識(見識も)を問うことが狙いなのです。
だとすると、「①理解系科目」だからといって、「暗記を疎かにする」ことなど許されるはずがありません。
さて、ここで皆さんに、もうひとつ質問です。
財務・会計のテキストを読んだり、暗記カードを使ったり、ノートを見直したりしてインプット(暗記)をする時間と、計算問題を解いてアウトプットする時間の比率はどれくらいでしょうか。
多くの受験生の皆さんが「毎日財務」の掛け声のもとに、アウトプット対策に余念がないでしょう。その結果、他の科目に比べて大幅に演習に時間を費やしているのではないでしょうか。
このこと自体は本当に素晴らしいことだと思います。計算問題を解くことも大切なので、「やるな」とは言いません。でも、インプットとアウトプットのバランスは取れているでしょうか。
繰り返しになりますが、1次試験は「知っているかどうか(正しい選択肢を選び抜く力があるかどうか)」を試しています。
知らないのに(インプットができていない)のに、解けるはずがありません(アウトプットできるはずがない)。
ここからは私の持論ですが、仮に1週間まるまるを財務・会計の勉強に充てられるとするならば、少なくともそのうちの2日間分の時間は、インプットに割くべきだと考えています。インプット(テキスト)1:演習(問題を解く)2の割合です。
皆さん
①B/SとP/Lの勘定科目の位置はちゃんと覚えていますか
②CVPの公式を諳んじることはできますか
③テキストに載っている経営分析指標は分子分母ともに書き出せますか
④株価の指標(PBR、PER、配当性向等)の公式は覚えていますか
⑤貢献利益が何か覚えていますか
⑥投資の意思決定(NPV、IRR、PP)は頭に入っていますか
⑦DCF法、ゼロ成長モデル、定率成長モデルはどうですか
⑧MM理論の命題を答えられますか
⑨CAPMの公式は押さえていますか
⑩コールとプットオプションはグラフごと覚えていますか
⑪直接原価計算、全部原価計算の違いは押さえていますか
⑫ファイナンスリースやオペレーティングリースとは何ですか
何回も演習を繰り返せば、その問題の計算手順を覚えてしまい見ただけでどう解けば良いかが分かるようになるでしょう。もちろん、そうなることも大切です。しかし、最低限、ここで挙げたことくらいは覚えていないと初見の問題へは対応できません。
「覚えていること・理解していることと、解けることは別問題だ」とよく言われます。確かにそうです。だから、練習をして問題を解けるようにトレーニングをします。
でも、そもそも「覚えてもいない」のに、トレーニングをしてもできるようにはなりません。財務・会計が「苦手」、そんなアナタはインプット(暗記)をちゃんとしているでしょうか。自分自身に問いかけてみてください。
ちなみに、平成30年度の財務・会計では、全25設問中12問が計算問題なしの「知識問題」でした。
半分は、「計算の必要すらない問題が出題」されていますね(もちろん計算問題を解くにも知識は必要)。
ここまで書けば皆さん、大丈夫だと思います。
もし、インプットが不足しているなら、改善してみましょう。最初は辛いですが、その先にきっと見えてくるものがあります。
「財務・会計」も対策の基本は「暗記」です。
以上、だいまつでした。
<おまけ>
「中小企業診断士試験2次試験案内・申込書」の「1.試験の目的および方法」の記載内容は以下の通りです。
第2次試験は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」に基づき、中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、中小企業の診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、短答式又は論文式による筆記及び口述の方法により行います。
2次試験は、1次試験でのインプット(学識(知識・見識))に基づき、アウトプットができるかどうかを試す試験であることが分かりますね。
1次試験と2次試験の位置付けが分かれば、1次試験の財務・会計の位置付け(ちゃんとインプットが必要)もより鮮明になると思いますが・・・、如何でしょうか。
だいまつさん
ご回答頂きありがとうございます。
エビングハウスの忘却曲線が出てくるとは思いもよりませんでした。
復習のタイミングと回数がポイントになると理解しました。
暗記の苦手意識が払拭できそうです。
ありがとうございました。
ヘンリーさん
ご回答頂きありがとうございます。
同じ理系(わたしは材料系です)とのこと心強く思います。
さて、律儀に縦方向の暗記をしてしまうところでした。横串を刺す覚え方は目から鱗でした。まとめ表は是非活用させて頂きます。
ありがとうございました。
まとめ表は是非活用させて頂きます。
カスケードさん
だいまつと同じ9代目のへんりーと申します。
自分はもともと理系(工学部機械系)なのでお気持ちよくわかります。
診断士資格勉強における暗記に関して、上記だいまつからのアドバイスの補足として、「横串」を意識する暗記方法があります。
以下のリンク先の記事では法務にフォーカスしていますが、他の科目にも同様に適用できます。
https://rmc-oden.com/blog/archives/105287
参考にしていただければ幸いです。不明点等があればお気軽に質問ください。
はじめまして。カスケードと言います。
来年の試験に向けて学習中です。
理系ということもあり、理解するのは得意なのですが、暗記となると大の苦手です。
道場の皆さまはどのように暗記されていたのでしょうか。何度も書いて覚えるしかないのでしょうか。
カスケードさん
暗記についてお悩みとのことですが、効率的に暗記するためには人間の記憶定着の過程を理解しておく必要があります。以前、記憶術に関する記事を書いていますので、参考にしてください。
https://rmc-oden.com/blog/archives/106201
また、私の勉強の仕方も「暗記面」に関して役立つと思いますので、時間があれば参考にしてみてください。
https://rmc-oden.com/blog/archives/102929