合否を分けるポイント!直前期で得点を超ウルトラ伸ばす学習計画・記憶術
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皆さん、おはこんばんちにちは、だいまつです。
先週の私の記事が思いがけず評判を呼びまして、他の9代目道場メンバーが派生記事をたくさん書いてくれました。せっかくなので、まとめてリンクを貼っておきます。
<きゃずさん>
1次試験まであと1.5か月の過ごし方・学習法を「合否を分ける6つのポイント」から考察した
<だいまつのアニキことzenzenさん>
「勉強しない理由」 ~負け組の述懐~
<ヒロちゃん>
1年前を振り返って ~だいまつの6つのポイント+1~
<桃ちゃん>
時間捻出について ~育児と両立~
皆さん、ありがとうございます。
きゃずさん、ヒロちゃん、桃ちゃんとは、道場で出合うまでは、見ず知らずの他人でした。しかし、細かなやり方の違いはあっても、診断士試験に向かう基礎、土台になる取組み方は「随分共通しているのだな」と感じました。
また、先日きゃしいさんとディープに診断士試験の勉強方法等についてお話する機会があったのですが、受験生時代に考えていたことや感じていたことは驚くほど似通っていました。
驚き桃の木山椒の木・・・
一方で、だいまつのアニキことzenzenさんの記事は、ゴリゴリ系(ストイック系)の思考しかない私には、本当に目からウロコでした。
zenzenさんのおっしゃる通り、すぐにゴリゴリ・バキバキ系のモチベーションにはなれない方も当然いらっしゃるでしょう。企業経営理論で、モチベーション理論を勉強しているにもかかわらず、体育会系のノリだけではいけませんね(反省)。
いや、本当に勉強になりました。そういった意味でも、道場ブログを書かせていただける有難さ、喜びを改めて噛みしめているところです。
さて、先週の私の記事の6つのポイント+1(合計7つ)は以下の通りですが、今回は、原因2、4、5、6に関連する、学習計画と効率的な記憶術について、情報提供をさせていただきます。
✓原因1 必要な勉強時間が確保できていない(少ない)
✓原因2 効率的な勉強の進め方を分析していない(効率が悪い)
~「やらないこと・諦めること」を決めていない。
✓原因3 過去問を「実力試し」に使っている
✓原因4 1次試験のベースは「憶えること」だと思っていない
✓原因5 テキストによるインプットを軽視している
✓原因6 計画を立てていない
✓原因7 なぜ診断士になりたいのか明確でない(ヒロちゃん追加)
ちなみに、学習計画については、昨日chikaさんも記事を書かれていますので、参考にしてくださいね(コチラ)。しかし、別に打合せしたわけでもないのに、同じ時期に同じようなことをテーマにするとは・・・、皆さん、学習計画はそれだけ重要なことだと認識してくださいね!
学習計画
1次試験本番まで、残り1.5か月を切ったタイミングで「いまさら」と思うなかれ、やればやっただけ点数が伸びるゴールデンタイムの直前期の貴重な時間を100%活かし、「ムダ、ムラ、ムリ」、そして「モレ」なく学習する。
そのためには、学習計画が必要不可欠です。
運営管理の頻出論点である「生産管理」を思い出してください。
「生産管理」といわれれば、「計画→統制→実行」、「統制」は、「進捗・余力・現品管理」ですよね。
ムダ、ムラ、ムリなく(もちろんモレなく)生産活動を行うためには、ちゃんと生産計画を立てて、これに基づいて進捗を管理するし、余力も管理する、そして現品も管理します。そして、顧客の求めるQCDを満たしていく訳です。
なのに、「起点」となる生産「計画」がなければ、ムダ、ムラ、ムリなく生産活動を行うことはできません。なぜなら、そもそもの計画がなければ進捗など管理できるはずがありませんし、計画がなければ余力がどこにあるか、またその余力をどこに投下すべきかも適切に評価・判断できません。さらに、現品がどこにいくつ、どのような状態であるべきなのかも分かりません。
勉強も同じです。
そもそもの計画がなければ進捗は管理できませんし、勉強漬けの生活の中で確保した小さな余裕を、どこに優先的に投入すべきかも適切に判断できません(進捗管理をしていれば、遅れているところが分かり余力を遅れている分野に投入できます)。さらに効率的に勉強するために、必要な教材の特定(絞込み)もできないでしょう。
こんな状態では・・・、ムダ、ムラ、ムリ、そしてモレなく(つまり効率的に)勉強することなんてできませんよね・・・?
やればやっただけ点数が伸びるゴールデンタイムなのに、「ムダ、ムラ、ムリ」、そして「モレ」ばかり、そんな非効率な状態では、試験範囲が広大な診断士の1次試験突破は難しいはずです!
じゃあ、どうするか。
答えは、簡単です。
計画を立てましょう。
そのために計画を立てるためのポイントをお話します。
ちなみに、この記事はタキプロ関西の春セミであつしさんが説明された内容を一部使用させていただいています。だいまつの完全オリジナルではないことをあらかじめお断りしておきます。あつしさん、ありがとうございます。
1.学習計画の立て方
ゴールから逆算して、細かな目標を設定していくことが大切です(以下の①→②の順番)
①いつまでに何ができるようになっているべきなのか
②そのために何をすべきなのか
(大目標 → 中目標 → 小目標の順に計画を組立てる)
これだけでは、分かったような分からないような・・・。
なので、具体的例を挙げて考えてみましょう。
(1)大目標
①本試験までに7科目450点以上の実力
②TACファイナル模試までに7科目420点以上の実力
③本試験までに今年受ける3科目で、200点の実力
(運営管理70点、経営法務60点、経済70点)
(2)中目標
①企業経営理論 → 過去問ABC問題全問全選択肢OK
②財務・会計 → 過去問ABC問題全問全選択肢OK
③運営管理 → 過去問ABC問題全問全選択肢OK
④経済学 → 過去問ABC問題全問全選択肢OK
⑤経営情報 → スピ問全問全選択肢OK
⑥経営法務 → 過去問ABC問題、スピ問全問全選択肢OK
⑦中小・政策 → スピ問全問全選択肢OK
(3)小目標
①全頁解く
②テキスト復習
③誤答問題解く
④理解不十分選択肢復習
このように大目標から逆算をしてより細かな目標を設定していくことが大切です。ゴールが明らかではない日々の計画なんて、無駄が多くて仕方ありませんよね。お尻から計画を分解していくことで、ゴールまで一直線に走り切れるようにするわけです。
2.学習計画を立てる上で重要なこと
(1)数値を目標に据えない
多くの受験生がやってしまうのが、「数値を目標に据えてしまう」という誤りです。
例えば、
「経営法務は苦手科目だから、他の科目の倍の50時間勉強しよう」とか
「テキストや過去問を3回転する」とか
「過去問は10年分解く」とか
です。
なぜダメだか分かりますか?
例えば、
経営法務は他科目の倍の50時間を確保し、テキストや過去問を3回転したけれども、頻出論点を押さえるまで至らず(最後までテキストによるインプットが不十分、ABC問題で解けない問題や選択肢を残し)、最終目標である本番で60点を取れなかった。
これはまずいですよね。
なぜなら、当初に設定した50時間+過去問3回転の目標は達成していますが、「最終目標の本番で60点を取るための実力が着いていない」のですから。100時間やろうが、過去問を10回転しようが、最終目標が達成できないような「回数」にこだわる目標設定をしてはいけません。
そのため、目標は例えば「頻出論点の問題(同じような問題)が出てきたら、必ず正解できるようにする」といったように設定することが重要です。
先ほどの「中目標」がいずれも「過去問ABC問題全問全選択肢OK)」や「スピ問全問全選択肢OK」としていたのをお気付きになりましたか?
(2)余裕・遊びが全くない
さて、いざ「計画」を立てようとすると、誰もが「合格」を意識するため、どうしても前のめりになってしまいます。その結果、「あれもやっておかなきゃ」、「これも必要だ」みたいな感じになり、ゴリゴリ・バキバキで、パッツンパッツン(時間的余裕が全くない)の計画が出来上がります。
かく言うだいまつも、超前のめり人間なので、ムリな計画を立ててしまうのですが。
ここからは自分自身の反省も踏まえてですが、直前期だからこそ「あれもできていない」、「これもやらなきゃ」と焦る気持ちは分かります。でも、落ち着いてください。焦って学習深度が浅くなり、取れる問題が取れなくなってしまっては、何のための学習計画か分かりません。
無理のない計画を立てるように意識をしましょう。学習は計画通りには行かないものです。週に1日はバックアップ日を設け、その週内でキャッチアップするくらいの遊びのある計画を組んでください。
効率よく記憶していく方法 ~ エビングハウスの忘却曲線
先日の記事でも少し触れましたが、人間は記憶していたことを時間とともに忘れていきます。
なのに、1次試験対策の基本は「憶える」ことです。
では、どうすれば効率的に「憶えられる」のでしょうか?
記憶のメカニズムを知らない状態では、学習計画(復習)は立てられませんよね?
そこで紹介したいのが、ドイツの心理学者であるエビングハウスの発表した「エビングハウスの忘却曲線」です。エビングハウスは、無意味な音節を記憶し、時間と共にどれだけ忘れるかを数値化しました。
その結果は次の通りです。
この表は時間が経過とともに、どれだけ記憶したことが頭に残っているかを示しています。
裏を返せば、時間の経過とともに記憶が頭を離れていく速度でもあります。
人が何かを学んだあと、
20分後には42%忘れる
1時間後には56%忘れる
9時間後には64%忘れる
1日後には67%忘れる
2日後には72%忘れる
6日後には75%忘れる
31日後には79%忘れる
ということが分かります。
ただ、注意が必要なのは、このデータは「子音・母音・子音」からなる無意味な音節を覚えた時の記憶のデータであるということです。「意味のあるもの」であればもっと覚えやすいはずです。中小・政策の製造、卸、小売、サービス業の順番のように、意味のつながりがあまりないようなものもあれば、例えば運営管理の見込生産や受注生産など、現にある記憶とつながりを持たせながら覚えられるようなものもあります。
どちらが覚えやすいかと言えば、断然、記憶とつながりを持たせられる後者の方です。
そのため、一概に「人間はグラフの通りに忘れる訳ではない」ということを、頭の片隅に置いておきましょう。
エビングハウスの研究結果から分かることは以下の通りです。
①何かを学ぶ時、その知識があなたにとって意味のものであったり
重要なものであったりした場合、暗記は楽である。逆にその内容
があなたにとって意味のないものであれば、すぐ忘れる。
②学習に時間をかけると、吸収できる情報量も増える
③一度目の学習より二度目以降の学習の方が簡単になる。復習を重
ねるごとに忘れにくくなる。
④一度にたくさん学ぶよりも、時間をかけて何度かに分けて学んだ
方が、学習効率は上がる。
⑤学んだ直後から物忘れは始まる。最初は一気に忘れ、次第にゆっ
くりと忘れるようになる。
なるほど、当たり前というか、皆さんの感覚にもあっている内容ではないでしょうか。
こうした研究結果をどう活かすか、どうすれば記憶を定着化させられるか、が受験生の皆さんには大切です。下の表を見てください。カナダのウォータールー大学の研究結果をまとめたグラフです。
青い線が一切復習をしなかったとした場合の記憶です。何も知らないところから勉強によって知識を得たことにより、学んだその瞬間は記憶が100%の状態にあります。
しかし、復習せずにいると、どんどん記憶が消えていきます。
忘れるスピードは、
20分後には42%忘れる
1日後には67%忘れる
6日後には75%忘れる
31日後には79%忘れる
でしたね。
だから復習をします。赤色の線に注目してください。
学習した後24時間以内に10分間の復習をすると、記憶率は100%に戻ります。
次回の復習は1週間以内に、たった5分すれば記憶が戻ります。
そして、次は1か月以内に2~4分復習すれば、また記憶が蘇ります。
つまり、タイミングさえ間違えなければ、たったの19分の復習(10分+5分+4分)で1か月後も学んだことを忘れずいることができます。
とはいっても、1次試験の複数科目を巡回するのに、手一杯だ・・・とおっしゃる方も多いでしょう。
だからこそ、「学習計画」が大切なのです。
適切なタイミングで復習をしなければ、せっかく頭に叩き込んだはずの記憶が消えてなくなってしまいます。
今日3時間勉強したことは、明日30分復習する、1週間後に15分、1か月後に5分、少しずつ被せながら勉強すれば良いのです。
1次試験日まで1.5か月です。
少しずつ被せていけば良いだけなら、いけそうな気がしませんか?
大切なので繰り返します。ベストな復習のタイミングは、
✓1日以内に10分
✓1週間以内に5分
✓1か月以内に2~4分
の3回です。
ゴールから逆算しつつ、無理がなく、人の記憶のメカニズムを踏まえたちょい被せ学習計画を作り、今年の1次試験を見事に突破しましょう!
やれやれ・・・、今回も5,000文字を超えてしまいましたね・・・。毎度まいど時間を取らせてしまい申し訳ありません。
以上、だいまつでした。