【渾身・経済学】読むだけ行動経済学

こんにちは、マイスターです。

本日は渾身の論点整理シリーズ「経済学」です。

 

この「経済学」ですが、2次試験にも直結しないし、できればチャチャッと済ませてしまいたい・・・と思っている人が多いのではないでしょうか??

ただ、それもまた難しい。。。ちなみに私はかなりテキスト重視派で、受験校のテキスト以外には手を広げない・・・ということを徹底していたので、過去問に取り組んでいる時に実はとっても苦しんだのが「消費の外部性」「古典派経済学」「行動経済学」とかの”主要どころ”とは言い切えない領域に位置される論点受験校のテキストでもちゃんと解説してない論点で、かつ経済学の学習経験のない私にはお手上げ状態。。。 過去問でこの手の問題を見つけては、「アレ、なんだこの問題・・・?」と思いながらも、頼れるテキストが過去問の解説文のみ(に絞っていた)のため、結局最後まで中途半端な対策になってしまった感が否めませんでした。

 

経済学はH24年こそ少し易化したと言われていますが、苦手な人にはとにかく苦手な科目です。仮にグラフを頭に入れて理解していても、本試験では何等かひねって出題をしてくるので、本試験で混乱をする人が多くないはず ただ、図やグラフで表されない文章題の問題の中には知ってさえいれば「瞬殺」できる問題があるのも確か。経済学の試験は、財務会計と似たところがあり、「瞬殺問題」=知っていれば即解決の問題と、「長考問題」=手を動かして計算が必要な問題が混在しており、タイムマネジメントがきわめて重要です。また、”テキスト範囲外へは手を広げずに、パッパッと拾える問題は1問でも拾いたい”ところです。

 

 

そんな経済学の試験で出題が今後もありえそうな「行動経済学」に今回は注目してみようと思います。

ちなみに過去には

H15年 サンクコスト

H22年 プロスペクト理論・双曲割引

が出題されていますね。ただ、注目したいのはこのH22の第21問の問題文です。

 

「行動経済学は、ノーベル経済学賞受賞者を出すなど、最近注目されている分野である。」

わざわざこんなことを言うのも、「今後も出しますよ」という布石に他ならない・・・と思えますよね

 

 

-読むだけで頭に入れてしまおう行動経済学の主要論点-

ウィキペディアには、「行動経済学行動とは、典型的な経済学のように経済人を前提とするのではなく、実際の人間による実験やその観察を重視し、人間がどのように選択・行動し、その結果どうなるかを究明することを目的とした経済学の一分野である。」とあります。

つまり、より現実の人間に近いモデルを採用して経済学を考えるということですね。

 

■サンクコスト
埋没費用といわれますが、平たく表現すると「もったいない」という思ってしまう人間の行動傾向です。「ある事業を継続するか撤退するか迷った際、続けても利益が望めないとわかっても、これまでかけてきた投資や努力を考えると引き返すことができず、結局継続することになった。」こんなケースのことを指します。事業以外にも、よくあるのが「恋愛」だったり、「投資」だったりしますね。「もう別れた方がいいと思っているのに、過去に優しかった相手の残像をイメージしてしまい、別れるに別れられない」「もう投資した株が塩漬けになってしまい、損切りができない・・・」みたいな。

ちなみにこのサンクコストは「コンコルドの誤謬」としても有名です。

※ちなみに、「誤謬」という言葉で関連すると、「ギャンブラーの誤謬」という言葉もあります。よく色んな所で解説されていますが、コインを投げて、表、表、表と3回続いたら、次こそは裏が出るだろうと考えてしまう心理傾向のことを言います。実際は何回表が連続して出ようとも、次に表が出る確率は1/2ですよねつまり、この心理傾向は、母数が小さいと理論上の確率からかけ離れた極端な結果が出ることは発生することを示しています(少数の法則)。 ※逆に関連して大数の法則は、母数が大きくなると理論上だけでなく、統計上も平均値に近付くことを指します。全盛期のイチローでたとえると、仮にシーズンの4月は2割くらいの打率しか残せてなくても、シーズン後半には3割3分以上の打率を確実に残してきます。つまり、母数が増えると、統計値は平均に近づくということです。

 

※また、経済学では「合成の誤謬」という言葉も出てきますが、これは論点が違いますので、ご注意を。 貯蓄のパラドックス(個人が貯蓄を増やす→消費が減少→企業の売上減少→労働者の所得が減少→世の中全体の貯蓄が減少)などに代表される、ミクロとマクロの行動の結果に齟齬が生じることを指します。

 

■アンカリング
何か基準を設けることで、適切な意思決定を行おうとすることを指します。よくある事例としては、企業の買収価格において最初に根拠を伴って提示された額だったり、民事訴訟における原告側の賠償提示額だったりします。それが、妥当性に欠けているとしても、最初に提示された金額をベースに交渉がスタートしてしまったりする傾向にあり、心理戦の常套手段ともいえるかもしれません。

 

■双曲割引
将来将来よりも今日が大切という心理傾向を指し、将来志向ではなく、現状志向で近視眼的な心理傾向を指します。例えば、「夏休みの宿題は最後までやらない(=今はとりあえず遊びたい)」「将来ローンの負担はあるけど、とりあえず今は買い物がしたい」という人は、目先の利得にとらわれ、将来の利得を過度に低く評価してしまっていると言えるでしょう。これは、人間の心の弱さではなく、動物の基本的性質と考えられているらしいです。つまり、みんなこんな傾向はもっているんですね。

 

■フレーミング効果
同じ意味を持つ選択肢であってもフレーミング(枠組み)でどのような選択をするかは変わるということです。例えば、1日1万車が通行しており、年間365件の事故が起こっている高速道路の一角で、「速度注意!この先事故確率o.01%の下り坂」と書かれるより、「速度注意!この先1日で1人が事故を起こしている下り坂」と書かれた方がずっと恐ろしく感じませんか?

 

■コントラスト効果

対比効果とも言われます。これはシンプルに、「○○と××」選ぶんだったらどっちがいい? というものですね。
例えば、 バッドシチュエーションで「裁判で争うのと、示談金で和解するのはどっちがいい?」と迫って示談させる手法だったり、「松・竹・梅」の3つの価格を用意しておいて、利益率の高い竹を買わせるといった手法ですね。

 

さて、論点は異なりますが、消費行動に関連してH22の19問で、消費の外部性として「ウェブレン効果」「スノッブ効果」「バンドワゴン効果」なども出題されているので、過去問はチェックしておいてくださいね。

 

■プロスペクト理論
この理論は(主に)「損失回避性」と「感応度逓減性」の2つから構成されています。1つ目が損失回避性で、同じ規模の利益と損失を比較すると、損失の方が大きく見えるという心理傾向があり、損失は利得よりも2.25倍重く受け止められるとされています。例えば、①表ならば20000円もらえ、裏ならば10000円損するコイントスと、②当たれば10000円もらえ、裏ならば0円のコイントス あなたならどちらのコイントスに参加しますか?この場合、①に参加する人はかなり少なくなります。同じ期待値(5000円)なのに変ですよね。損失が発生することを嫌がる人間の傾向が反映されています。

 

また、感応度逓減性は、好きな人とのデートは最初の頃はドキドキして楽しいですが、うまく行って付き合ってしまうと当初のような楽しさや心のトキメキが少なくなっていくことなどでも表現されます。例えば、始めて平社員から係長に昇進して給料が50万円上がった時の喜びと、部長代理から部長に昇進して給料が50万円増えた時の喜びは、全者の方が大きいということ。元金額が大きくなればなるほど、感応度が逓減していくということです。

 

 

さて、いくつか紹介してきましたが、かなり省略や表現を簡素化させて頂いている部分はご勘弁ください。

これ以外にも色々な理論がありますが、もし興味があっても診断士試験に受かるまでは、チラッと見ておく程度で十分と思います。こういった「主要論点ではないんだけど、頭に入れておきたい論点」というのは経済学に限らず、他にもたくさんあります。

今度も、B~C論点あたりをパッパッと覚えれるような記事を検討してみたいと思いますが、あくまで手を広げすぎないように、テキストにかじりついて勉強を進められることをお勧めします。

 

 

それでは、今日も1日コツコツと。

マイスターでした。

 

 

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