【2012年目標】橋げたの作り方

こんにちはJCです。
先日この記事にコメントを頂いたジュノ様から、これから診断士の学習を始める方にとっての素晴らしいご質問を頂きました。まだ本格的な講義が始まっていない方もいらっしゃると思いますが、とても参考になるのではないかと思いましたので、ジュノ様にご了解を頂いた上で今日のエントリーにさせてもらうこととしました。

こんにちは、ジュノです。今日は今後の勉強方法についてご相談させて下さい。
   
〇1つ目は、企業経営の勉強の仕方です。
今週末からTACの授業が始まります。
今後の勉強の流れとしては、
WEB受講で予習→授業受講→まとめる→
トレーニング→スピ問→過去問を繰り返すイメージでおります。
企業経営の場合、なかなか点数に結びつきにくい科目で過去問重視だということを伺っております。過去問は「10年分」は分析しておいた方がよいものなのでしょうか。
  
〇2つ目は、スピ-ド問題集についてです。
いろんな方にお伺いしましたが、
「スピ問は必ず全科目やったほうがいい」・「苦手な科目だけでいい」・「過去問だけでいい」と、それぞれに意見が違います。実際はどうなのでしょうか。科目によっても違うのでしょうか。
  
〇最後は、経済学のテキストについてです。
TACの経済学のテキストよりも、石川秀樹先生の「経済学入門塾ミクロ・マクロ」の2冊、上級編2冊(計4冊)を中心に勉強した方がいいという噂を聞きました。
一発道場でご紹介がありましたので、読んでみようと購入予定ではあります。噂はあくまでも噂、だと思うのですがそのようなことを聞くと、TACのテキストだけを信じて頑張ろうと思っていただけに、すこし動揺しました。

そうですよね。僕も勉強するのなんて大学受験以来でした。何をどれだけどのように勉強してゆくのか、最初はわからず、トライ&エラーのようにいろんなことを試しながら徐々に自分のペースを作っていったように思います。それに僕の場合は47歳の頃にTACに通い始めたんですが、当然ながら周囲を見渡すとひとまわりふた回り若い人がほとんどで、1年以上も続けられるかなぁ…と最初は不安でした。当たり前ですが、知り合いは一人もいませんし。診断士を勉強するひとって、そういうふうに一人で決断してひとりで飛び込んで勉強を始めるひとって少なくないですよね、年齢はともかくとして。
ある程度の社会人生活を経験してなんとなく、今のままの自分じゃいけないんじゃないか?と疑問を感じて、よしやってみるかと一歩踏み出す方々ですよね。7科目をざざっと眺めてみて、なんだか役に立ちそう!とわくわくする気持ちと不安な気持ちをないまぜにしながら、踏み出したんだと思うんです。

◆予習がとっても大事です◆
頂いたジュノさんのご質問をみて、まず最初に素晴らしい!と感じたことはきちんと「予習」を学習のサイクルに入れていることです。「TACの講義は予習を前提としていません」というのがTACのうたい文句です。言いかえると予習しなくてもわかる講義をしますと宣言しているわけですが、そういう状況で更にきちんと予習をしてから講義を受けたら、自分に対する効果は倍増、いや無限大増!だと思いませんか。
まず、予習をして内容を自分なりに理解してから講義に臨む。そうすると、講師の先生の説明はするすると理解できる、もしくは自分の理解が違っていたことで「あぁ。そうなんだ」とより鮮明な記憶に残る。予習をしてから講義を受けることは本当に大事だと思いますし、ストレートで合格している人たちで、何も準備をせずに講義に臨んでいたという人はすごく少ないように感じます。

◆復習は記憶の新しいうちに◆
「授業受講⇒まとめる」この作業もとっても大事です。授業を受けたら、その記憶の鮮明なうちにまとめを行う。これはサブノートでもいいし、チャートでもいいし、自分なりのアイデアで自分として振り返りやすい資料を作ってみることです。テキストや問題集に書き込みを行うでもいいと思います。大事なことは目で見て、頭で考えて、手を動かして、時には口も動かして、何かに残すという作業を行うことで、よりしっかりとした記憶の定着を行うものなのではないかと思っています。それから、何らかの記録に残すという作業を今の段階からやっておくと、直前期にはアウトプットに集中できるので、とても有利になります。本試験の休憩時間は30分。トイレもいかなきゃいけないし、試験監督は15分前くらいから試験の注意事項のアナウンスを始めるし、10分前くらいには筆記用具以外片づけろという指示も出ます。この時にちょっとぺらぺらめくって試験前最後の記憶を呼び起こすための自分なりのツールを作る時間は、おそらく直前期にはもうありません。作っていたら、重要なアウトプットの時間がそがれます。だから今、その準備を進めておくことはとっても有効であろうかと思うのです。

◆橋げたの作り方 JCの場合◆
僕の場合はWEBフォローの申込をしなかったことは今でも失敗だったかも、と思っています。申込時点ではPCも古いし、申し込むと講義をさぼっちゃうかもと思って申し込まなかったんですが、予習にも使えるんだよね。申し込めばよかった…。今頃言っても遅いけど。
で、WEBフォローのない僕の勉強の進め方は↓こんな感じ。

通勤電車でテキストをマークしながら、読みこんで理解を進める。
進めるだけどんどん進んでしまう。
で、講義のある日の朝の通勤電車では講義の範囲のみ読み返して、記憶を新たにして講義に臨む。
企業経営理論が終わったら財務・運営とどんどん先取りしてゆきました。
テキストが広げられない混雑の場合はトレーニングに切り替えて練習する。
講義を受けたら、帰りの電車の中でテキストの重要事項をマークしておいて、帰宅後まとめの資料をその日のうちに作成する。(これは上述の部分です。)

講義が半分くらい終わったところ(この段階でテキストは自分なりに読み終えてるスピード感)で過去問にトライ。
答練の前には過去問はやり終えて、トレーニングも何周か回して、
スピ問もよどみなく答えがでてくるという万全の準備で答練を受けました。
これはとても大事です

本番と同様の準備をして本番と同じ気持ちで答練を受けることを繰り返すとものすごく力がつきます。
僕らが「橋げた」と繰り返し言っていることはそういうことなんです。
 
過去問は10年は不要で、過去問集にある5年程度で十分かと思います。
あまり遡ると傾向も大きく違っていたりするので。
企業経営理論は得点に結びつきにくいというのは誤解です。
きっちり理解をして、正確な記憶にとどめることができたら逆に安定して得点できる科目になってゆくと思います。

◆スピード問題集の使い方◆
必ずしも全部やらなきゃいけないわけではないと思いますね。僕の場合にはBookoffで安く売っていた1-2年前のスピ問を買ってきてやってたのですが、全部持っていたわけではなく、経済と財務と企業経営理論だけでした。その後中小は過去問が半分使えない(白書の部分は毎年変わるから)ことで新品を買い、次いでになんとなく情報も買いました。やってみると使える!ということで最終的に運営と法務も買い増して、直前期には繰り返しやりましたね。なお、自分への反省をこめてですが、テキストや問題集を古本屋で買うのはあんまりお勧めしません。法改正があったりすると正解がちがってたりしますので。

講義についてゆくのがやっと、というレベルだったらスピ問まで回らないかな?と思いますし、スピ問だけを何周もまわしたとしても全然だめだとも思いますが、テキストもやり、トレーニングもやり、過去問もやっちゃったけど、もっと確実に合格点を取りたいという時にはとてもよい参考書です。解説もしっかりしていますしね。
でも優先順位としてはテキスト>過去問>スピ問という順番になるだろうなと思います。僕の周囲でも1次試験をなんなく突破している人たちはやはりスピ問までくまなくやっている人が多いのも事実です。1次を余裕で突破する力がついてくると2次試験の準備にも気が配れますし、何より1次試験が単なる中間目標でしかないという気持ちになるので、1次試験終了後燃え尽きちゃったりせずに、すぐに2次へのロケットスタートが切れるということもとても大きな意味があるんじゃないかなと思います。

◆経済のテキスト◆
2012年版の経済のテキストはまだ出来上がってないのではないかと思いますが、経済のテキストを最初に見るときには確かに誰もが戸惑いがちです。

僕の予習スタイルは↑に書いた通り、マーカー片手に電車の中でテキストを熟読するところから各科目スタートしていたんですが、経済ではつまづきました。これはテキストのレベルが低いのではなく、講義をするための手元資料の形式になっているからなんだろうと思います。他のテキストはテキストだけ読んでいてもスラスラ理解してゆけるのに、経済だけは講義とテキストがセットでなければ有効に働かないシステムとなっているような気がします。
テキストだけ読んでもさっぱりわからなかったので、石川秀樹さんの入門塾ミクロ・マクロは予習としてやりました。日経文庫のミクロ経済学入門というのも読んだりしました。
そういう予習をした上で講義を受けると、あんなにわかりにくいと思っていた経済学が、なんだそういうことなのかと理解できるようになりましたし、予習の段階でも腹に入っていなかったギッフェン財なんて講義を聞いて目からうろこが落ちるかと思うように腹落ちしました。
そういう意味ではTACのテキストそのものというよりも、TACを信じて突き進むことはなんら問題ないのでご心配はいらないと思います。

ところで、石川秀樹さんの本もとても良いのですが、必ずしも診断士試験にターゲットを絞っているわけでもないので、テキストや講義を放置してそちらを中心にというやり方は賛成できません。テキスト・講義がわかりにくいときの副読本的に使われるのがよいだろうと思っています。
また経済学に限らずですが、講義で理解しにくかった場合には重複受講でほかの教室を訪ねてみたり、Webフォローで再確認したりすることもとても有効だろうと思います。僕自身当初申し込んでいたクラスから1か月ほどで別のクラスに鞍替えしました。自分にとって最良の場所・方法・先生を見つければよいと思います。ひとそれぞれで先生との相性等もありますから、噂や他人の感想ではなく、一度実際に見てみることが大事かなと思います。

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ジュノさんに頂いた質問は、これから勉強を始める方にとっては共通の悩みではないでしょうか。

大事なことは苦手な科目を作らないということではないかと考えています。

もちろん1次は40点をきらずに合計420点とればよい試験なので、最終的な戦略として財務のへこみを法務・情報・中小で埋めるということもありだとは思います。でもそれは来年の7月くらいに考えればよいことです。

今はまだまだたっぷりと時間のある2012年目標の皆さんですから、すべての科目を深く理解して、どの科目でも上位を狙うという姿勢をもってほしいと思います。それだけ深く勉強することが1次試験だけじゃなくて、2次試験、ひいては診断士になった後からもちゃんと役に立つからなんです。

また、1次試験は毎年科目間の難易度が変わります。H21は中小と情報が難しかったし、H22は経済が極端な地雷でした。今年は中小と経済が難しかったようですね。それ以前はずっと財務会計が高い難度を示していました。ここ数年は財務がそれほど難易度が高くない傾向があります。でも、どの科目もそうなんですが、出題者からすると難しくするのはとても簡単なこと。だから、A科目は40点でもB科目とC科目で挽回するからという我々の作戦は往々にして裏切られます。だから、どんなに傾向が変わっても対応できる対策として、苦手な科目を作らないということはとっても重要なんです。

これから1年以上にわたる長い長い勉強期間がそろそろ始まろうとしています。
ぜひ、皆さんがモチベーションを落とすことなく、この1年を有意義に走りきってくださいね。
それから、もしも、心が折れそうになったら、いつでも道場に遊びに来てください。

これからもよろしくお願いいたします。

by JC

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