法務は基軸とストーリーで戦う
あれあれ、今週は法務Weekだったはずなのに、Wackyのエントリーだけでいつの間にやら私の番ですね。 こんにちは。らいじんです。
さて、Wackyも書いていましたが、法務を苦手というか嫌いな人って多いのかな。あの優秀なWackyでも苦しんでいた末、修行として乗り切ったようだからね。ただ彼の成績を見る限り、私の基準では、そんなに苦手科目でもないじゃない・・と思ってしまうけど、それは求めるレベルの違いかな。
法務は難関科目か?
確かに近年、法務の難易度は安定的に高いし、ケース問題なんかが増えてきて、絶対的に読むボリュームも増大してるし、それに暗記だし。特にオヤジ道場入門予定の皆様には過酷な科目?
でも、ホントにそうだろうか。私は少なくとも情報なんかの方がよっぽど、とっつきにくいと思う。40過ぎたオヤジなら、これまで経験的に従わなければならない商売のルールについて、(意識的に考えていたかは別にして)それなりに触れてきたわけで、親しみやすいと思うんだけどな。
さて、以前書いたとおり私も法務は、あまり得意じゃない(らいじん基準で3番目に不得意科目)けど、実は科目としては好き。だって所詮、人が活動するためのルールを人が理詰めで考えて作っているわけだから、万人が納得できるもののはずで、理解しやすいでしょ。ただ、考えが古いから想像力が要るけどね。
それに、商標とか著作権とか、普段耳にするけど良く知らないことを学ぶときって、なんか頭の中のモヤモヤが晴れていく感じがして気持ちイイ。
ちなみに、以下が昨年の私の成績。数字だけみると公開模試だけが異常値で、大得意科目みたいに見えるけど、安定している感は無かったのね。でも、難関科目だとは思わなかったな。
暗記3兄弟と呼ばれるけれど
ここで質問。法務は暗記科目でしょうか?
ひねくれモノのらいじんが聞くのだから答えはNoだろうと想像した方、なかなか鋭い。でもハズレ。
そりゃやっぱり基本的には暗記科目ですよ。覚えなきゃいけないことが多いですから。ただ、特に近年は覚えるだけでなく、どんな場面でどのように使うかが問われる傾向にあるから、単純な暗記科目ではなく、少々厄介になってる。
でも、これは少しでも使える知識を養成しようという協会の心遣い。
診断士にとっては、法律を正確に記憶しておくことよりも、その法律は「誰が」「どういった場面で」「どのように」必要となるかを知ることが大切であると考えれば、診断士の養成課程である1次試験の出題も、それを要求するのは自然な流れ。
実際、私自身法務の学習をして約1年になるが、この間実務においてピンとくる場面が多くあった。
全ての機会で実際に実務に役に立つわけではないけれど、
考えに広がりがでてきた
ことを実感できた。この学習の成果を実感できる瞬間の嬉しさや楽しさは格別ね。
暗記は基軸づくりで
さて、いつもの通り前置きが長くなってしまったけど、ここから法務の攻略法。もちろん、まずは暗記です。
道場の読者であれば、流石に気合一発根性二発で暗記を片付けようとなんて思ってないはず。もうあまりにも引用が多いから、既読の方もおおいと思うがハカセの串刺し暗記術は暗記対策のポイントを押さえた逸品。少し私なりにスパイスを加えると、串刺しでまとめて覚えるときに、まず一つ、基軸になる内容を、その設定された背景を理解しながら覚え、他のものを、比較によって覚えていく。
こうすれば覚えやすいと同時に、そもそも覚える量が激減する。下の5x5のマトリックスで示されることを全て覚えようとするのでなく、まず1列覚え、他列については違うところを覚える。右の表でいえば覚える量は12/25になる計算。
それから、違いを暗記するときには、何故違うのか、その結果どうなるのかを考えながら進めることを忘れずに。これ大事。
暗記の定着については、ここですでに書いているので、読んでくださいな。
ケース問題はストーリーで解釈して
ハカセの串刺し暗記術にもストーリーで覚えることが触れられているが、この効能はケース問題にも当てはまる。ストーリーで覚えるときに大事なことは、その法律や機関設計などの決めごとが何を解決するために作られたか、誰にとって重要かを考えながら覚えていくということ。こうすることでケース問題への対応能力が増していく。
私は暇さえあればDLしたTACの法務授業の音声を繰り返し聞いていたが、その授業の素晴らしかったことは、ある決めごとができた背景やその影響などの周辺知識について、面白おかしく解説してくれていた点。これによって、覚えづらい法律などを、単純な記憶だけでなく理解できたので、応用力を試されるケース問題にも対応できた。
この記事を書くにあたり、昨年の法務の授業を全て聞き直して、この点は再確認。
最後に問題集の使い方
知識を暗記しても点数につなげることが難しいのが法務高難易度の要因。ただ覚える段階からこまめにスピ問などを解いていくことで、効率的に暗記が進むということは事実だから、暗記に苦戦しているという方は、お試しあれ。
ただ、過去問のケース問題はある程度完成させてから、「初見の問題を、自分でロジックを組み立てながらじっくりと考えてこたえる」練習をするためにとっておく方が、有効につかえると私は思います。
では、今日はこれまで。
by らいじん
NANAさん
コメントありがとうございます。ご指摘のとおり、不利益(不具合)について考えることも、とても大事な視点ですね。
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合格という大きな目標を前にする受験生の立場になれば、結果が大事であり、最終的な知識の正確な暗記に意識が行ってしまうのは仕方がないことです。
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しかしながら、診断士試験が社会人生活の単なる一通過点でしかないとを考えれば、受験勉強の目的は、知識を「得ること」ではなく「使えるようになること」だと思います。その視点に立てば、知識暗記の前には、その背景などを考えるプロセスが必須であると私は考えます。
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試験合格にも役立って、その後も使える知恵として残る。そんな学習効果がでるような環境づくりのお手伝いになればなぁと思っている次第です。
by らいじん
らいじんさん、一発合格道場の皆さん、こんにちは。NANAです。以前、記事紹介でご縁を頂いてから、ほぼ毎日楽しく記事を拝見させて頂いています。
今回の「基軸とストーリーで戦う」という記事に、深く共感しました。法律は「誰が」「どういった場面で」「どのように」必要となるかという視点、本当にその通りだと思います(実務上も大切な視点ですね)。私は加えて、この法律が無いとどのような不利益(不具合)があるかを理解するようにしています。
暗記科目をただ「暗記です」と言うのは簡単なのですが、その暗記を確実に定着させる意味で、「基軸とストーリー」という視点は大切(特に私は暗記が苦手だったので・・・)ですし、それを語れる道場の皆さんは受験されている方にとって大変心強い味方だなって思いました。
中小経営・政策など他の科目の「基軸とストーリー」も楽しみにしていますね。道場の皆さんのまずますのご活躍をお祈りしています!