得意科目・不得意科目
こんにちは。らいじんです。
震災から一週間以上が過ぎました。業務に忙殺されていた私にとっては、あっという間の一週間でしたが、被災地で過ごされている方々にとっては、とてつもなく長く辛い日々であったことでしょう。
この間、社会に対する企業の役割であるとか、個人がすべきこと、できること、本当にいろいろなことを考えさせられました。大きな被害を受けていない首都圏でのPanic Buyingが足かせになり、被災地への物流が思うようにできない歯痒さ、苛立ち。誰もが体験したことのない未曾有の危機に精一杯の努力で対応している者への、まるで災害が他人事のような批判。故意かどうかは別として多くの人がバラマキに加わったチェーンメールなど、うんざりさせられるようなことも多かったですが、そんな中、「今、自分ができることをやろう
」と小さな努力を実行している人が多くいることは、嬉しいニュース
でした。私もくれよんを見習わなくちゃ。
診断士の学習を進めている方々の中にも、既に何かを実行されているかたもいらっしゃるかもしれませんが、是非、みなさんには
中小企業診断士として中小企業を支援し
日本の復興に貢献する
そんな志をもって、精一杯目の前の学習に励んでいただけたら嬉しく思います。私も今できることを頑張ります。
得意科目と不得意科目
さて、今日の話題は以前少し触れたことがあった「得意と不得意」について。ここの記事で私の得意・不得意の定義は若干他の人と異なっていると書いたが、その点について解説。
まずは、試験概要のおさらいから。言うまでもなく診断士試験の大きな特徴は、「平均6割以上かつ1科目も4割以下がないこと」という合格基準。
ここでパッと思いつく戦略は、①全科目6割を狙いに行く、②苦手な科目は4割を狙い、得点がとれそうな科目でカバーする、という2つ。でも今の段階から②の戦略で進めている人がいるとしたらかなり危険な道のりを選択していることを自覚した方がいい。もし友人にそんな人がいたら、「今はまだあきらめる段階じゃないよ」と優しく努力を促してあげるか、「今からそんなことを言っているくらいなら、あきらめた方がいいよ」と厳しく激励してあげるかするのが友情。
今から4割(足きり)を意識するリスク
何故②の戦略が、危険な道なのか。その理由は、いろいろとあるけれど、その一つとして挙げておきたいのが試験年度による難易度の大幅な変化。ここでJCも指摘しているように、H22年度の経済が極めて難しかったことは、すでに耳タコだろうが、H21年度の中小や情報だってかなりのもの。これら科目を4割目標としていたら、かなり厳しい状況に陥ったことは想像に難くないが、得点源科目としていたとしても多分パニック
。なにせ得点を稼ぐプランが破綻する可能性が高いから。
多くの方が経験的に理解できることだろうが、本試験で実力を100%発揮することは難しい。その原因のほとんどは、あせりや過度な意気込みといったメンタルな部分による。試験の難易度はコントロールできないのに、予め自分の描いたストーリー通りに試験が進むなんて思う方がナンセンス。できるだけ予期せぬ事態にも平然と対応できる準備をすることが合格への近道
。
だから現時点では、どの科目も大体6割程度とれる実力をつけておいて、試験の難易度によって多少の出来不出来があってもあわてない体制が、目指すべき姿。
得意・不得意=難易度変化に対する影響度合い
と、長い前置きをした上で、私の得意・不得意のお話。得意・不得意科目については、ざっくりメンバー紹介にも書いたのだけれど、全教科についての得意・不得意分布を書くと以下の通り。
1次
①経営、②運営、③中小、④情報、⑤法務、⑥経済、⑦財務
2次
①事例 I、②事例 III、③事例 II、④事例 IV
で、実際の1次本試験の結果を点数順に並べると以下の通り。
①運営、②法務、③中小、④財務、⑤経営、⑥経済、⑦情報
うん、全然得意・不得意の順番になってない。当然。だって私の1次科目における得意・不得意の判断基準は、問題の難易度変化に対しての影響がどれだけ小さいかということだから。
具体的には、例えば企業経営理論。最も得意な科目。答練から本番まで含め、1度も得点が7科目中最高だったことはないが、60点を下回ったこともない。ほとんど60~75点の間。でもそれで十分。難易度がどうであろうと診断士試験レベルであれば、高得点は望めない(望まない)ものの、安定して60点はとれる。この試験後に「できた!」という感覚がなくても全然焦らない。「ま、いつも通り6割ちょっとくらいね」程度で平常心を保てる。これも大きい。
ちなみに企業経営理論は、学習内容自体は特に社会人にとっては身近な話題であり理解しやすいはず。自分では理解しているつもりなのに点数が伸びない人がいるとしたら、それは問題文や選択肢の表現に慣れていないから。点数へとつなげる練習は、まさにGW後からの課題だから、多くの人はこの科目を得意科目にできる可能性が十分にある。
逆に本番では得意の企業経営理論よりも点数が取れた財務であるが、難易度のちょっとした変化によって点数が大きく変化した。さらに1次試験では、ほぼ唯一時間が足りなくなる可能性のある科目。どこかで計算ミスなどにより「ハマって」しまうと絶望的な点数になる可能性がある。この不確実性を解消できないまま本試験を迎えたので、私にとっては不得意科目というわけ。
この定義は2次にもそのまま当てはまる。ただ2次の場合は相対評価なので、上級生の平均点に対して自分の成績がどの程度安定しているかが、得意・不得意の判断基準。私の場合総じて事例I~IIIについてはほぼ確実に平均以上で、毎回どれか1つや2つが突き抜ける感じだったが、事例IVについては1次の財務会計同様に不安定さを克服できなかった。経営分析だけは安定した状態にできたので、本試験では経営分析の配点が高くなることを祈ったが、そもそも配点などという不確実な部分に期待すること自体、ダメな証拠だね。
最後の最後にポイント
ここまで読んできて、「で、結局どういう対策をすればいいんだ!」という意見が出てきそう。
現時点でのその答えは、
①苦手(得点が取れない)科目があってもあきらめず、頻出論点から優先順位をつけて理解に努める
② にして得意科目であっても9割は狙わない
という2点。もちろん、余裕があるなら1次試験で高得点を狙うことは否定しないけど、個人的にはその時間があるのであれば2次対策に振り向けてもよいのかなと思うな。
ちなみに、あくまで参考だけど私が1次試験当日の「あるべき姿」として想定していたのは、
淡々と問題を処理して足きりなしに450点をとってくる
そんな姿でした。
では、今日はこれまで。
by らいじん
さよならいおんさん
こんにちは、コメントありがとうございます。
まず、最初にお伝えしたいことは、まとまった時間がとれるGWですが、あまりスケジュールを詰め込みすぎることは避けた方が良いです。記憶を甦らせる作業はGW後の2回転でやるから大丈夫です。
GWにやるべき科目の優先順位としては、①2次に関連する苦手科目、②理解が必要とされる苦手科目、③暗記が中心となる苦手科目、④得意科目、が良いと思いますが、せいぜい②まで出来れば十分ですよ。
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苦手科目について私が行ったやり方は、科目をテーマごとに細分化して、理解できるテーマを一つ一つ増やしていくこと。具体的には、財務を例にとると、頻出のテーマ(例えば損益分岐点、割引現在価値、WACC、オプションなど)を一つ一つ集中的に復習しました。演習とテキストでの復習を繰り返すことで、理解できる範囲を少しずつ広げていく方針です。ぬり絵をやってるような感じですね。理解できた範囲を塗りつぶしていって、財務というキャンパスの6割以上に色を付けられるように・・といった感じです。
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得意科目については、ざっとテキストの目次や体系図を見て、覚えていることを紙に書きだしてみて(びっくりするくらい、かなり書けませんでしたが・・)抜けている点を再度読み返した程度でした。
時間に余裕があれば頻出論点だけ、スピ問や過去問をやっても良いかもしれませんが、それでも暗記系科目の復習はGWには必要ないと思います。
by らいじん
はじめまして、渋谷で体験談を聞かせていただいたものです。非常に参考になりました。
これからインプット講義も終わり、直前期にはいるに当たり、各科目の記憶の想起作業について質問させていただきたくコメントしました。
今までは各科目一ヶ月程かけてゆっくりと学んできましたが、ゴールデンウィークでそれを一通り蘇らせなければならないと思っております。
ただ、終わった科目の復習など、ほとんどやっていないに等しいなかで、何から始めていいモノかと方にくれております。得意科目、苦手科目やり方は異なると思いますが、どのようにやられたかお教えいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。