【合格体験記】還暦Takaさんの「効率重視」と「道場精読」による「完全独学」の合格ストーリー

こんにちは。初代メンバーのハカセです。

今回は、間もなく還暦を迎える Taka さんの合格体験談です。

「予備校講義も、市販テキストも、模試も、一切使わなかった・受けなかった」という、『完全独学』の Taka さんの挑戦。それでいて(いや、だからこそ)超効率的なその学習法から、学ぶことは多そうです。

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    寄稿はここから   

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(1) プロフィール

(2) 診断士に挑戦した理由・きっかけ

  1. 60歳定年後に、長年の夢であった独立起業をするため。(初期投資が不要で、会社生活で培った知識・ノウハウを生かせる経営コンサルタントは、起業するには最適な職業だと思います。)
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  2. ボケ防止のため。未だ「脳力」が衰えていないことを確認するため。

(3) 学習スタイル

私の学習スタイルは、「過去問重視」と「道場記事精読」による「効率的学習」を目指した「完全独学」です。

「効率的」とは、最低限の時間と費用で合格を目指すという意味です。

予備校、通信教育、模擬試験、市販テキスト等一切利用していませんし、勉強仲間もいませんでした。本当に『完全独学』です。

とはいえ、自分では、独学というよりは「一発合格道場塾の塾生」だったと勝手に思っています。

(4) 受験回数

自分では、ストレート合格を目指していましたが、一回目の二次試験では足をすくわれてしまいました。「一発合格道場塾の塾生」と言いながら、一発合格できず、塾生失格ですね。

(5) 受験記

(1)一次試験(2013年度)

2013年の1月に、そろそろ一次試験の勉強を開始しなくてはならないと思い始めたにもかかわらず、4月に「システム監査技術者試験」を受験することにしてしまいました。4月の受験後は放心状態となり、診断士の一次試験の勉強を開始したのは結局5月の連休の途中からでした。

過去のさまざまな国家資格取得時の経験から、国家試験は、過去の頻出問題を解ければ合格できるようになっていると私は信じています。特に一次試験は、正答が診断協会から発表され合格基準が明確なので、自分でどこまで学習し到達すれば合格するかが容易に掴めます。従って独学でも十分に合格できると思います。

私の場合は特に受験までの期間が短かったことから、テキストによるInput学習はせず過去問中心にOutput学習することにしました。まず「TAC一次試験過去問題集」の7冊セットをヤフーオークションで入手し、13週間で7科目にチャレンジしました。

学習期間と学習順を決めた理由は、下表のとおりです。

過去問を勉強するにあたり特に留意した点は次のとおりです。

 頻出テーマ、A・B・Cランク問題は、周辺知識まで含め、徹底的に理解する。
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 一度しか出題されていないテーマ、D・Eランク問題は深追いしない、もしくは捨てる。(経営情報システムの最後に出題される「統計学」は、私は捨てました。)

また、使用した教材とそのお勧め度を下表に記します。

(*)「経営法務」は購入した本の版が古く法改正前の問題が多かったこと、「中小企業経営」の特に白書の部分は過去問が役に立たないことが判明したため、スピード問題集を7月に急遽購入し数回転させました。私が購入した2冊のスピード問題集は良問揃いで、非常に効率よく学習できたと思いました。

(**)一発合格道場の記事は、「検索しつつ」かなり読み込みました。頻出問題・論点について非常に良質な記事が多いと感じ、しゃぶりつくしたと思っています

特に短期間での試験対策のための記憶方法(串刺し法語呂合わせ法など)も大変有効に活用させて頂きました。印象に残った「味はマックのハンバーグ」、「放水作業、講堂火事」、「毒虫多活性」、「ラブマシーン」などは散歩しながら口ずさんでおりました

上記の通り、難問は最初から捨て、頻出問題のみを確実に解けるようにすることにより70点を取得することは可能だと思われたため(実力で60点取れれば、5者択一の場合得点期待値は68点)、目標を7科目平均70点以上、全科目60点以上としたところ、運よく目標を達成し、合格することができました。

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(2)二次試験(2013年度)

二次試験に関し全く知識がなかったため、道場のセミナーに参加して情報を仕入れました。「出題者の意図を当てる」というのは、なかなか難しそうで、今まで受験した国家試験の中でも特殊な試験だとの印象を受けました。

これは、正解や採点基準が発表されないため、どのレベルまで解答できれば合格できるのかを把握しにくいこと、解答のお作法のような様々な暗黙知があるらしいこと(事例Ⅰは組織・人事的な観点から解答しないと点がもらえないことなど)、のためです。

過去問題集を解き始めたところ、模範解答と一致させるのはほぼ不可能だと思われ、特に事例ⅠからⅢは安定して高得点を取るのは困難だと思われました。一方、事例Ⅳは計算問題が比較的多く、模範解答の客観度は高いと感じました。そこで私が取った作戦を以下に示します。

事例Ⅰ~Ⅲは55点以上とれればよしとし、事例Ⅳは70点以上(目標は85点)の高得点を狙う。(配分例:事例Ⅰ:55点、事例Ⅱ:60点、事例Ⅲ:55点、事例Ⅳ:70点以上→平均60点以上)

参考までに、使用教材は下表のとおりです。

(*)一発合格道場からは、「二次試験とはどのような試験か」、「事例ごとの約束事等の受験・解答ノウハウ」を学びました。

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2013年度の試験当日は、事例ⅠからⅢまでは、解答文字数が比較的少なかったこともあり、時間が余るほどで、予想よりも順調に進みました。自分では大外ししていないという自信もあり、事例Ⅲを終わった時点で、目標通り55点以上は取れ、合格も近いとの実感を得ていました。

いよいよ最後の事例Ⅳが始まり、問題を読むうちに、「200%定率法(何これ、聞いたことがない!)」とか、「品質関連リスク(事例Ⅳの問題とは思えない。しかも配点が30点もあるのに答が全く浮かばない!)」とか、見たことがない問題が多く、頭の中が真っ白になりました。

これが噂の「魔物」だと思いました(参考記事→ こちらこちら)。が、「もしかすると予備校では皆習っているもので、知らないのは自分だけかもしれない、これでは70点どころか、50点も危ない」とも思い始め、とにかく解答用紙を埋めることに専念しました。

家に帰った後、全員が正解できる最も簡単な問題、つまり絶対落としてはいけない問題を間違えていたことを発見・・・(償却年数は5年なのに、何故か10年と思い込んでしまっていた)。これで20点ほど失ったような気がしました

この記事を読んでいたのにもかかわらず、考えてもわからない問題の答えを埋めるのに最後まで無駄に時間を浪費したような気がします・・・。

検算に時間を使うべきでした・・・。この時は「うちあーのさん、折角の記事を役立たせることができずごめんなさい。次回は必ず検算します。」と固く誓いました

後悔先に立たず、70~85点を狙っていた事例Ⅳが40~50点では合格できるわけもなく、結果は予想通り不合格でした

ただし、後日郵送されてきた評価結果は (BABA)であり、作戦通りの結果は得られました(事例Ⅳは自己採点で40~50点だと思いましたが何故かA評価)。

獲得点数は、事例Ⅰ55点、事例Ⅱ60点、事例Ⅲ55点、事例Ⅳ60点に近いと思われ、もし事例Ⅳのケアレスミスが無ければ合格していた確率は高かったものと思いました。つまり、事例Ⅳを得点源とする戦略は、私にとっては有効であると確認できました。

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 (3)二次試験(2014年度)

次年度は、65歳までは会社に残れることが決まったこともあり、2014年8月になっても再受験の決心がつかずにおりましたが、妻の「受けなかったら、折角合格した一次試験が無駄になるじゃない。受けたら?」の一言に背中を押され、老体に鞭を打って、再度挑戦することにしました。

不合格の直接的原因は、「魔物に遭遇→頭の中が真っ白→ケアレスミス」でしたが、そもそも魔物に遭遇して平常心を失うのは、事前の準備不足(学習量不足)により自信を持って試験に臨めなかったことだと考えました。また、一次試験が短期で合格できたため、二次試験も簡単に合格できると過信してしまい、勉強量が不足していたものと思いました(事例ⅠからⅢはもちろんのこと、高得点を狙う事例Ⅳに関しても、数年分の過去問を解いたくらいでした)。

そこで、独学スタイル事例Ⅳで高得点を狙う方針は変更せず、事例トレーニングの回数を増やすこと、TAC以外の問題集にも取り組み、解答アプローチを広げてみました。また、事例Ⅳでは、公認会計士試験問題が載っている高レベルの問題集にも取り組みました。(下表参照)

(*)事例Ⅳで高得点を狙うには、必須の問題集であると思います。(2013年度に出題された難問の品質関連リスクも載っております。)

さて、受験当日、前年と同様事例Ⅰ~Ⅲまでは、特に外すことなく解答できたと思えました。事例Ⅳが始まり、魔物を楽しみに待っていたのですが残念ながら?現れませんでした。

また、試験終了10分前には、検算や見直しをじっくり行いました。2013年度と比較し2014年度の問題はかなり易しく、少し拍子抜けでしたが、今回は目標通り事例Ⅳで高得点が獲得できたのではないかと思っています。この結果、事例Ⅳが二次試験合格の鍵だと確信しました。

財務(事例IV)は、一度理論を理解できれば短時間の勉強で高得点が狙えて効率的です。(ただし計算間違いをしないよう、それなりの訓練は必要ですが。)

 事前の準備をしっかり行い、試験当日に自信を持って臨める状態にすることが、魔物に会わないコツ、もしくは魔物に出会っても動じなくなるコツ、だと思います。

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(7) 最後に

「一次試験は頻出過去問のアウトプットを重視」し、「二次試験は事例Ⅳを重視」する方法は、万人にお勧めするものではありませんが、私にとっては効果的でした。

また、予備校、通信教育、模擬試験を一度も利用しなかったことはもちろん、勉強仲間もいない「完全独学」で合格できたのは、「一発合格道場」の講師の皆様からいろいろ教えて頂いたからだと思っております。(つまり、「完全独学」ではありませんね。)

「一発合格道場」の記事は、貴重な知識、ノウハウの宝庫だと思います。当ブログに出会えなかったら、合否の結果は違っていたかもしれません。本当にどうもありがとうございました。また、これから受験される方(特に独学の方)は、当ブログの精読をお勧めいたします。

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     寄稿はここまで   

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takaさんの合格体験談、いかがだったでしょうか。

takaさんは、こちらのコメントで、「模試すら受けていない完全独学」とお伺いして興味を持ち、合格体験談の執筆を当方からお願いしたものです。期待にたがわず、内容の濃い体験談をお寄せいただき、本当にありがたく思っております。

予備校の講義はもちろん、市販の一次試験テキストも使わずに、(特に1次試験は5月勉強開始にもかかわらず)、合格した taka さんの完全独学での合格。執筆陣が読んでも「これ以上の効率的な勉強方法はないだろうな」と感嘆するばかりです。

とはいえ。

Takaさんが完全独学で合格できたのは、各種の国家試験で「効率的に合格するコツ」ごご存じだった点と、ご自身が企業経営にも携わっていらっしゃるとのことで「実務に長けていた」点は見逃せません。還暦間近というと、記憶力に Disadvantage があるように感じるのが一般的(失礼!)ですが、逆にTakaさんのこれまでの人生経験が Advantage として存分に活用できたということではないでしょうか。

よって、「完全独学」は Takaさんだからこそできた側面があり、誰にでも可能とは言えませんが、しかし、そのエッセンスは学ぶべき点が多い のではないかと思います。

そのエッセンスは、下記に集約されると思います。

 一次試験は頻出テーマに特化したアウトプット中心の学習
 二次試験は事例IVに注力
 道場を「しゃぶりつくす」ように精読

Takaさん、本当にありがとうございました。同じ業界に身を置くものとして、どこかでお会いできる日を楽しみにしております。

by ハカセ

 

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