【運営管理】データで見る運営管理

「成功者はその対価をすでに払った人で、失敗した人はその対価を後から払う人」

 

 

最近読んだ著書で心に残った言葉。この著書で「成功」とは「何かを成し遂げること」であり、「対価」とは「苦しみや絶望に打ち勝つこと」を指している。
こと診断士試験に限って言えば「成功」と「合格」はほぼ同義であり、その「対価」には時間労力、あるいは周囲(家族・恋人・同僚など)に対する犠牲も含まれるだろう。先でも後でも、どのみち払うのなら先に払っちゃおうぜ

 

みなさん、こんにちはうちあーのです。

怒涛の7週間から始まった直前期。今こそしまずに対価の払うべき時です。苦しさを感じている方もいらっしゃるかと思いますが、がんばりましょうね!
その「怒7」も3週間目。企業経営理論、財務・会計に続き、今週は運営管理に入ります。

・運営管理だけを
・みっちり集中して
・完成答練というゴールを目指して
・自分で自分を追い込んで

取り組むことにより、得点獲得能力を高めていきましょう

初日の今日は例によって過去問データの分析を行い、その結果から「いかに運営管理で得点獲得能力を高めるか」、そのヒントを探っていきたいと思います。

 

◆データで見る運営管理◆
まず、TACデータリサーチをもとに過去5年間の本試験を科目別に難易度順に並べてみました。青いセルは平均点60点以上、赤いセルは平均点60点未満を表しています。(表をクリックすると拡大できます。後出のグラフも同じ)

~運営管理は安定的な貯金科目~

1週目で見た企業経営理論が中位安定(5年連続4位)に対して、運営管理は難易度の低い方から数えて2位か3位をキープ。しかもH23を除くと青いセル、つまり貯金科目となっています。H23の平均点は58.8点となり60点を割ってしまいましたが、それでも他の科目と比べて得点をしやすい科目と言えます。ご参考までに、過去7年間の運営管理の平均点と科目合格率の推移もまとめておきます。(科目合格率の算出に合格者は含まれず。H17年度は科目合格制度なし)

<ここでの気付き>
同じ論点が手を変え品を変え出題される運営管理は、過去の傾向が踏襲されれば貯金可能性の高い科目この怒7ではテキストレベルの基本論点をしっかり理解し、基本知識を覚えこむことが重要。

例えば、次の質問に自分の言葉で説明ができるか、チェックしてみてください。

・PQCDSMEとは?
・受注生産と見込生産、個別生産・ロット生産・連続生産の特徴は?
・需要予測にはどのようなものがあるか?
・発注方式にはどのようなものがあるか?そのメリット・デメリットは?
・IEの体系はどのようなものか?
・QC7つ道具とは?新QC7つ道具とは?
・売り場レイアウトはどのような点を考慮すべきか?
・GMROIとは?交差比率とは?
・カテゴリーマネジメントとは?
・一括物流とは?
・バーコードにはどのうようなものがあるか?
・POSのハード面およびソフト面のメリットは?

いずれも基本かつ頻出論点ですが、いざ説明せよと言われると結構難しいですよね。逆にサラッと説明できたものはかなり理解と知識が定着していて、貯金の源泉になるはずです。

では、お次に運営管理の年別難易度を分析。(元データはTAC過去問題集の正答率)

~半分以上はABランク~

H18以降は、ABランクが50%強~70%弱で推移しています。つまり60%以上の受験生が正解するレベルの問題を確実に獲っていくだけでほぼ合格ラインを確保できてしまう美味しい科目ということが言えます。さらにAB+Cランクで見ると軒並み80%前後まで到達しています。これは過去6年間は運営管理が紛れもない貯金科目であったことを証明しています。
ただし、H17はABランクがわずか約30%、AB+Cランクが60%弱と診断士1次試験史上でも有数の高難易度でした。よってH24に運営管理が爆弾科目に豹変する可能性は否定できず、油断の余地はありません。
また、直近3年間に絞って見ると企業経営理論、財務・会計と全く同様、ABランクが漸減傾向にあることが分かります。

<ここでの気付き>
運営管理は基本的に貯金科目ではあるものの、年々貯金しにくくなってきている。過去に爆弾科目となった実績があり、その後低難易度が続いているため、今年爆弾となる可能性は想定しておくべき。

続いて、カテゴリー別難易度(過去7年分の集計)を分析。

~店舗の方が比較的獲りやすい~

ABランクで見ると生産が50%強に対して、店舗は約60%と店舗の方が獲りやすくなっています。一方、AB+Cランクまで見ると生産・店舗ともに約80%とほぼ同等の難易度になります。

同じグラフをH23単年バージョンで見ると、

~生産と店舗の難易度に大差は無い~

店舗のABランクが約55%となっており、上記の過去7年分の集計約60%から5ポイント程度抑えられた結果、ABランクおよびAB+Cランクとも生産とほとんど変わらない難易度でした。

<ここでの気付き>
店舗が獲りやすいことには変わらないが、以前ほどの差は無くなってきている。「獲れるとこから獲る」の鉄則に従えば、「運営管理は店舗から解く」が正解。
ただし、H23ではカテゴリー別難易度の調整があったことから「生産にも獲り易い問題が同じくらいある」という意識を持つことも大事。

 

◆解答プロセスのルール化◆

・いきなり問題を解き始めない。
・まずは全体を俯瞰して大枠把握を行う。
・難易度に応じて解答順、タイムマネジメントを決定する。

えっ、2次試験の話?いや、あくまでも1次試験の話です。
私以外にも道場で何度も書かれている通り、「獲れるところから獲る」は自分の持てる力を無駄なく効率的に点数に繋げるための有効手段
一番もったいないのは、難しい問題に時間をかけ過ぎて、ABランクの問題を時間切れで解けない、あるいは焦ってケアレスミスをしてしまう、ということです。
そうならないために、私は試験開始後まず全問をざーっと通して眺め、問題の横に「◎、○、△、×、?」をつけていきました。

:時間をかけずに正答できそうな問題
:多少時間をかければ正答できそうな問題
:時間はかかりそう and/or 難しそうな問題
×:明らかに時間がかかる and/or 難しい問題
:瞬発的に難易度判定しにくい問題

難易度判定は、

・問題文や選択肢の記述量
・問題形式(穴埋め、計算問題など)
・使われている用語になじみのあるか否か

などを基準として、60分問題(25問前後)であれば2~3分90分問題(43問前後)であれば3~4分を目安に行います。

難易度判定が終わると、実際に解答に着手するのですが、手順としては下記のイメージです。

1. まず真っ先に◎、その次に○を解答する。
2. ◎や○を解答中、想定通りに解答できなければ、○→△などと修正。
3. 残された問題数と時間を勘案しながら、?の難易度を再判定する。
4. 上記3.及び△の解答順を決定する。
5. 最後に×を解く。

始めのうちは「?」が多いと思いますが、答練や模試などで今から練習すれば本番までには精度が上がってきますので試してみてください。

 

◆おまけ◆
基本かつ頻出論点の一つで、上記でも取り上げたIEの体系について。

これ、漢字4文字ばっかりで覚えづらいですよね。覚え方としては、右側の頭文字(工、動、稼、時)を取って、「こうどうかじ」→「講堂火事」

安田講堂を想起した語呂合わせでした。

=====

お後がよろしいようで。
それでは、今日はここまで。

 

 

Ciao!
By うちあーの

 

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【運営管理】データで見る運営管理”へ6件のコメント

  1. ごもやま より:

    こんばんは。
    現在、運営管理を勉強中ですが、講義の印象よりも運営管理の重要性を説かれた記事も多く、勉強になります。
    実は、基本頻出論点に弱い部分があるためか、答練は2科目とも思ったほどの点とならず、結局、盲目的にトレーニングと過去問を解いていたかなという反省があります。テキストの目次のポイントや自分が書き込んだ講義のメモや参照ページなど、あらためて読み直しましたが、やってよかったです。
    「放水作業 講堂火事」サイコーです!これはピシッと写真つきで憶えました!!年明けの運営管理こそ、高得点を目指します。ありがとうございました。

    1. うちあーの より:

      ごもやま様
      コメントありがとうございます。他の科目もそうですが、運営管理は特に基本頻出論点を確実におさえることが重要です。記事中にもある通り、ABランク(60%以上の受験生が正解する問題)を取りこぼしなく獲っていけば自ずと合格点に近づきます。時間は十分ありますのでじっくりと橋げたを築いてください。
      「放水作業 講堂火事」、記憶の一助になれば嬉しいです。語呂合わせでIEの体系図をいつでも引き出せるようにしつつ、工程分析や動作研究などの内容についての理解を肉付けしていけば得点獲得能力も増していくことと思います。
      がんばってください!

  2. 猪鹿 より:

    うちあーのさん、こんばんは。
    もやもやセミナーに参加させていただいた
    猪鹿です。
    先日はありがとうございました。

    「講堂火事」とは、すばらしい語呂合わせで、安田講堂の写真とともに、もう一生忘れそうにありません。

    そして、写真の放水車を見て気付いたのですが、
    「放水作業 講堂火事」と付け足せば、
    方法研究と作業測定も併せて記憶できます。
    「方法」の「法」のへんは、水を表すさんずいです。

    今後も役に立つ語呂合わせをご紹介いただけるのを楽しみにしております。

    1. うちあーの より:

      猪鹿様

      こんにちは、うちあーのです。コメントありがとうございます。
      また先日はもやもや発散セミナーにご参加頂きましてありがとうございました!

      「放水作業 講堂火事」サイコーです \(^^)/
      実は受験生時代に「方法研究」と「作業測定」を含めた語呂合わせを考えていたのですがよいアイディアが浮かばずに今に至っていました。これでIE体系のパズルのピースが揃った気分で、私も一生忘れそうにないです。ありがとうございます!!!
      これからも折に触れて語呂合わせをご披露したいと思いますので、猪鹿さんに膨らませて頂けたら楽しいと思います(笑)。

  3. まな より:

    うちあーのさん、お疲れさまです。

    企業経営理論、運営管理とも残している科目で、
    データ分析と対策が大変参考になりました。

    「講堂火事」、笑いました。(しかもズバリな写真付き)
    さすが、語呂合わせの名人。もう忘れない(笑)

    1. うちあーの より:

      まなさん、

      コメントありがとうございます!
      「講堂火事」気に入ってくれて嬉しいです。もう忘れない、IEに関する問題が出た瞬間にあの写真を思い浮かべて「ファイヤー!」って感じですね(笑)。
      まずはIEの体系を大局的に引っ張り出し、そこから問われているレベル(深さ、細かさ)に応じて対応できるようにしておけば完璧ですね。を~さんの記事にあるように専門用語の正確性も加わるとさらに得点獲得能力アップにつながります。
      絶対合格!待っていますよ!

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