【未合格体験記】iPadを使った勉強法 ~おとさん~

こんにちは、お薬ハックです。
今日はすごくエネルギッシュな体験記をおとさんから頂きました。残念ながら昨年度は未合格でしたが、この考え方や勉強法は多くの人(特に通勤が長いなど勉強時間の工夫が必要な人)の参考になること間違いなし! ITツールの活用についても、真似してみたい!と思う要素が一杯あります。

どうぞ、ご覧ください!

寄稿はここから

はじめまして、”おと”と申します。
昨年10月に道場のオフ会に参加させて頂き「合格するので合格体験記を書かせてください」と図々しく立候補したにも関わらず、見事に2次試験に落ちてしまいました(泣)。道場の方からの勧めもあり、僭越ながら”未”合格体験記を寄稿させて頂きます。

◆自己紹介&受験歴◆
L◯Cの通信で勉強している40才の会社員です。
私の受験歴は下記の通りです。
2012年
1次試験
情報と運営の科目合格

2013年
1次試験
経済 44点(4点の加点含む)
財務 68点
経営 60点
法務 69点
中小 76点
————
合計 317点(平均:63点)
2次試験 BCBC / C

2014年
1次試験 受験予定
2次試験 絶対合格!!

◆診断士を目指すきっかけ◆
①最初のきっかけ(2009~2010年)
2009年に与信(よしん)管理を担当する部署に異動となったのが最初のきっかけです。
この部署で働いていると、毎日、他社の決算書をみて財務分析をします。そのため、財務の観点から会社を見る力が日々鍛えられます。営業からこの部署へ異動になった頃は、損益計算書の読み方もわからず、先輩に聞いたり、自分で本を読んだりして、すこしずつ勉強をしていました。自分としては、意外と面白いぁなって印象でした。これが経営に関することに興味をもった第一歩です。

②ビジネススクールへ通う(2011~2012年)
上記のように財務のことを勉強していた時に、ビジネススクールに通い始めました。その期間中、マーケティングや経営戦略、ファイナンス、アカウンティングなど、経営に必要な基礎的な知識を体系的に勉強できました。この期間中は非常にエキサイティングな日々で、「会社経営って面白い」と本気で思っていました。

これは面白いのでもっと勉強したいとおもいましたが、大学院を卒業(=MBAを取得)するには、ざっと300万円が必要なことが分かり、財布と相談するまでもなく、あきらめました(泣)。

そんな中で、別名、日本版MBAとも呼ばれる中小企業診断士という資格があることを知り、その内容を見てみると、自分がビジネススクールで勉強したことの多くが試験科目とかぶっており、この資格を取る決意をしました。

2012年3月に診断士のセミナーに参加し、いろいろと経験者のアドバイスを聞いた結果、2012年に科目合格、2013年に1次と2次合格という目標を設定しました。

◆1次試験の勉強法(iPadを活用)◆
上記のように2012年3月から受験の決心をして、2013年8月の一次試験まで約1年半の間、一次試験の勉強をしました。自分の勉強方法について、これから一次試験合格を目指す方に少しでも参考になればとおもい、自分の勉強方法を書いてみます。

まずは、自分のSWOT分析をします。

—————————————
強み(S)
・財務分析は、ほぼ毎日仕事で使っているので得意分野。
・デジタル機器を使いこなすことが趣味。
弱み(W)
・経済学や運営管理は基礎知識ゼロ。
・財務・会計は得意科目でも、仕訳などの簿記の分野は苦手。
・アラフォーのオジサンなので、暗記力が格段に低下している。
機会(O)
・遠方から通勤しているため、通勤時間が、往復で約3.5時間かかる。
脅威(T)
・土日は、家族サービスがあり授業を受けることは不可能。
・家で勉強しても子供に邪魔されることが確実のため、自宅での勉強は想定外。
・診断士の教材は、範囲が広く持ち歩くと重たい。
—————————————

こんな状況であったので、通学は最初から諦めて、通信講座で3.5時間の通勤時間を有効活用するためにどうしたらいいかと考えました。
考えた結果、最終的に到達した勉強方法は、以下の通りです。

「iPadを最大活用して、全てのテキストをiPadに入れ、質のいいインプットと効率的なアウトプットで通勤中の勉強だけで合格レベルに到達する」

診断士のテキストって重たいですよね、範囲が広くて覚えるのが大変ですよね、そもそも仕事が忙しくて勉強時間の確保ができないですよね。私もそんな状況でした、でもこの勉強方法にしたところ、これらの課題を解決できました。
細かく勉強方法を解説します。
まず、私の勉強に不可欠だった3種の神器は、これら↓です。
iPad
Evernote
Good reader
(上記の2つのソフトは、iOS6のときは、非常にいいソフトだったんですが、iOS7にバージョンアップしたとたん、重たくて落ちやすいソフトになってしまいました。残念です)

①全てのテキストをiPadに入れ〜(自炊)
T◯Cのテキストを上野のキンコーズにて1冊100円で裁断してもらい、会社の業務用コピー機のPDF機能を使ってすべてのテキストをPDF化して、iPadに全部入れました。iPadにいれたPDFは、Good readerというソフトを使って閲覧と書き込みをします。これにより、7科目分の重たいテキストを持ち歩く必要がなくなります。通勤中に勉強している私にとってすべてのテキストを常に身近にあることは大きなメリットでした。

②質のいいインプット〜(道場のブログを活用)
私は、企業経営の組織論が苦手でした。そんな悩める日々の時にこんなブログを発見しました。

企業経営理論: 組織論は「アウトプット」で!

まさに、当時の私の為に書いてくれたような内容であり、早速Evernoteにコピーして、何度も読み返して、組織論に対する考え方を改めさせてくれました。また、経営法務の必須論点である知財は、このブログが秀逸でした。

【法務】知財のキホンを再確認

道場の皆さまが書いていただいた受験生視点でのまとめをインプットに使うことによって、質の良いインプットになりました。
このようにEvernoteを活用すると自分で書くより格段まとまりの良いノートが瞬時に出来上がってしまいます

(iPadに入れるとこんな感じになります。)

③効率的なアウトプット~(iPadで通勤中にアウトプット)
1年目の科目合格の後2年目は、残りの5科目を合格するために、アウトプット重視の方針が必要と思っていました。テキストと同様に、問題集も全てPDF化して、iPadにいれて、Good readerで読み書きしました。このGood readerの良いところは、閲覧だけでなく、書き込みもできるところです。つまり普通の教材と同じように、書いたり消したりすることができます。

(Good readerで書くとこんな感じになります。)

 

⑤通勤中の勉強だけで合格レベルに到達
診断士の合格には約1,000時間の勉強時間が必要と言われています。私の場合、最初に設定した勉強期間は1年半なので、通勤時間をすべて勉強時間にあてることができれば、3.5時間×平日20日×18ヵ月=1,260時間になるので、理屈の上では、勉強時間は確保できる計算になります。実際、これと同程度の勉強方法時間を確保しました。

長くなりましたが、こんな感じで、1次試験の勉強をした結果、お陰様で1次試験を合格することができました。

 

◆2次試験の”未”合格勉強法◆
勉強方法の確立が不十分だった。
1次試験終了後、自己採点で経済が足切りギリギリだったものの、2次に行けそうだったので、2次試験対策を本格的に始めました。

2次試験も1次に引き続き通信だったのですが、9月の中旬までは、自分の勉強方法を確立することができず、時間だけが虚しく過ぎていきました。そのため、様々なセミナーに参加し合格者の勉強方法を聞いたり、勉強会に参加して受験生同士で悩みを話し合ったりして、どうにか合格への道筋を立てていました。

本試験当日は、自分なりに準備をしたつもりですが、結果として2次試験敗退しました(泣)。

◆本試験の振り返り◆
2次試験の評価が帰ってきて、出題の趣旨が発表され後、”未”合格だった勉強会仲間と再現答案の振り返りをしました。
振り返りの中で自分の欠点がいくつか明らかになりました。
①設問要求の読み間違い
基本中の基本ですが、いくつかの設問で設問要求の読み間違いがありました。たとえば、事例3の最後の問3で、新規”事業”について聞かれているのに、新”商品”について解答してしまいました。致命的な間違いです。これでは合格できません。
②設問間の一貫性
1つの問いに2つの設問がある場合、当然にこれらは関連しているから、同じ問いになっているにも関らず関連性を考慮しない解答になってしまった。

他にも色々と欠点がありましたが、結局のところ自分には国語力がないんじゃないかという結論に達しています。今は過去問を振り返りながら、国語力をアップするために、写経や要約を並行して続けています。

◆合格にむけてのロードマップ◆
①国語力の強化(1〜10月)
国語力を強化するために、写経や要約を習慣化する。
②財務強化(1〜10月)
診断士の合格後、将来的に税理士とのダブルライセンスを考えているため、税理士の試験科目である簿記と財務の勉強を始める。
③2次過去問分析(1〜4月)
この時期はあえて受験校には通わず、じっくり過去問分析を繰り返す。
④1次+2次対策(5〜8月)
免除ではあるが、基礎知識の充実のために1次試験も受験するつもりなので、2次対策と並行して1次の対策を本格化させる。
⑤2次対策(8〜10月)
自分の弱点である国語力を改善させ、安定して合格答案が書けるようになる。

このロードマップに従い、来年の今頃には、”未”合格ではなく、合格体験記を書いている自分をイメージしながら、残りの10ヶ月を過ごしたいとおもいます。

長文にも関わらず、最後まで読んで頂きありがとうございました。

投稿ここまで

いかがでしたでしょうか。
僕がこの体験記を読んで特に感じたことは2つ。「行間からにじみ出る熱いモチベーション」と「通勤3時間半を脅威(T)でなく機会(O)と捉える逆転の発想力」です。前者は僕も負けないぞ!という気持ちですが、後者がスゴイ! この逆転の発想はぜひ真似して身に付けたいと思いました。

そしてこれだけ自己分析をして、対策を立て、力強く学習を進めている方でも涙を飲む二次試験という魔物の理不尽さも感じずにはいられません。しかし、来年の目標を体験記を通して宣言する程の強いモチベーションを持つ方なら必ず結果が追いかけてくると信じています。

考えて学習したからといって合格するとは限らない理不尽さがありますが、合格する人は必ず考えて学習している・・・というのが中小企業診断士二次試験だと僕は考えています。おとさん、熱く素晴らしい体験記をありがとうございました。

Follow me!

【未合格体験記】iPadを使った勉強法 ~おとさん~”へ4件のコメント

  1. お薬ハック より:

    たなち様
    いつもご愛読ありがとうございます。
    本文にも書きましたが、強いモチベーションは極めて大切な要素だと思います。たなち様の「楽しく続けられている」の一言が何よりの力ですので、今年のご活躍をお祈りしています。

  2. お薬ハック より:

    おと様

    寄稿ありがとうございました。
    こちらこそ、ファイナルペーパーを参考にして下さって光栄です。今年の成功を道場メンバー一同、応援しています。

  3. たなち より:

    道場執筆陣の皆さま、いつもとても参考になる情報をありがとうございます。一流の人達の過ごし方を真似しようと自然とモチベーションアップになってます。
    おと様、私もアラフォー41才の銀行員です。昨年初挑戦し、417点であえなく不合格。経済、運営が残りました。
    経済は調整後も足切り(^_^;)むしろ晴れ晴れした気持ちで仕切り直し中です。
    私は地方在住(高松市)で月〜金は単身赴任だった為、通学は頭になく、一昨年の8月からユーキャンで勉強を開始しました。12月末が受講期限だったので、二次用教材も一通り終わらせました。
    久しぶりに受験生となりましたが、勉強は楽しく続けられていますよ。
    斉藤孝さんの暗記力とゆう本の中にゲーテの「尽きない資本」とゆう言葉がありました。尽きない資本とはとことん勉強して身につけた、いつでも取り出せる知識だと解釈しました。
    未合格はざんねんですが、より大きな尽きない資本を身につける期間と思ってお互い頑張りましょう(^_^)
    試験は60点で合格ですが、対お客様には最大限100点で応えなければいけませんしね。

  4. おと より:

    お薬ハック様

    私の”未”合格体験記の投稿ありがとうござました。

    お薬ハック様に投稿して頂けるなんて非常に光栄です。

    実は、2次試験の私のファイナルペーパーは、お薬ハック様がこちらブログで作ったものを会場に持参しました。

    http://ameblo.jp/okusurieigyo/entry-11590865397.html

    今年は「必ず結果が追いかけてくると信じて」合格しますので、その際は、合格体験記を寄稿させてください。

    おと

お薬ハック へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です