事例Ⅳのために財務・会計を勉強し直す必要はないって話 by せーでんき
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会計士×診断士『せーでんき』です。
静電気の電圧はおよそ2,000〜3,000V程度と言われているのはご存知でしょうか。
普段使用している一般家庭用の電圧は100Vであり・・・
はい、今回もよろしくお願いします!
まずはお疲れ様でした!
まずは一次試験を受験されたみなさま、お疲れ様でした!
私も約1年前に受験しましたが、2日間で227問解くというのが何ともしんどかったのを覚えています…
改めてお疲れ様でした(個人的に一次試験はもうやりたくありません…)。
結果については、みなさまいろいろあると思いますが、個人的な意見として、
この時期は(メンタルとも相談しつつ)全受験生が二次試験の勉強をすればいいと思っています。
サトシも書いてくれていますが、この時期は周りも二次試験の内容ばかりになるんですよね。
仮に今回の結果が厳しかった方であっても、再度挑戦されるのであれば二次試験はどうせ通る道です。
先にラスボスを知るために費やした時間は、今後の一次試験への向き合い方も変えてくれます!
ということで、道場のセミナー&座談会のご案内です!
このブログで伝えたいこと
事例Ⅳが不安な方におくります!
財務・会計が苦手で事例Ⅳが不安という方、財務・会計は気にせず事例Ⅳの対策を進めてください!
一発合格道場15代目 せーでんき
はじめに
みなさま、一次試験の財務・会計は得意でしょうか?
全然あかーん!
割と余裕。
おそらく受験生によって財務・会計の好き嫌いはかなり分かれるかと思います。
そして、二次試験に進まれる方のうち、財務・会計が苦手な方が危惧する事例がありますよね・・・
そうです。
事例Ⅳ(財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例)ですね。
この事例Ⅳは、わざわざ「財務・会計」が中心と書いてくれています。
ですが、あえて言わせてください。
一次試験の「財務・会計の復習は一切不要である」と。
財務・会計の復習をするくらいであれば、事例Ⅳの問題集や過去問を解く方が圧倒的に試験突破の近道です。
ということで、その根拠について、簡単に述べていきたいと思います。
財務・会計の復習が不要である理由
さて、理由はものすごく単純でして、「出題範囲が限定されており、出題形式も概ね毎年同様だから」です!
これだけ言われても何とも言えないと思いますので、簡単に根拠を示しつつ、以下の2軸でご説明したいと思います。
- 出題範囲が限定されるから
- 過去の合格者も一次試験と二次試験の点数の相関が弱いから
出題範囲が限定されるから
まずは以下の表をご覧ください。
(1) 簿記の基礎 | (1) 簿記原理、会計帳簿、決算処理一巡(試算表・精算表の作成、決算仕訳、貸借対照表・損益計算書の作成)、その他 |
(2) 企業会計の基礎 | (2) 損益計算書(収益の会計、費用の会計)、貸借対照表(資産の会計、負債の会計、純資産の会計)、キャッシュ・フロー計算書、企業結合(合併・分割、連結決算)、会計ディスクロージャー、その他 |
(3) 税務会計の基礎 | (3) 益金と損金、課税所得と税額の計算、その他 |
(4) 原価計算 | (4) 原価概念、原価計算の種類と方法、原価情報の利用、その他 |
(5) 経営分析 | (5) 経営比率分析(収益性、安全性、生産性、成長性)、CVP分析、その他 |
(6) 利益と資金の管理 | (6) 利益計画(限界利益と貢献利益、プロダクト・ミックス)、予算・実績差異分析、資金繰りと資金計画、キャッシュ・フロー管理(フリー・キャッシュ・フロー、運転資金の管理、キャッシュ・フロー関連比率)、その他 |
(7) 資金調達と配当政策 | (7) 資金調達の形態(内部金融と外部金融、直接金融と間接金融、自己資本と他人資本、企業間信用、リース)、資本コスト(負債のコスト、自己資本のコスト、加重平均資本コスト)、ペイアウト政策(配当の種類、配当性向、配当政策の効果、自社株買い)、最適資本構成(財務レバレッジ、モジリアーニ・ミラー(MM)理論)、その他 |
(8) 実物投資 | (8) 貨幣の時間価値と割引キャッシュフロー(DCF)、投資評価基準(回収期間法、会計的投資利益率法、内部収益率(IRR)法、正味現在価値(NPV)法、収益性指数法)、不確実性下の投資決定、その他 |
(9) 証券投資 | (9) ポートフォリオ理論(ポートフォリオのリスクとリターン、効率的ポートフォリオ、最適ポートフォリオの選択)、資本市場理論(効率的市場仮説、資本資産評価モデル(CAPM)の理論、市場モデル)、その他 |
(10)企業価値 | (10)株主価値の算定(配当割引モデル、株価収益率、株価純資産倍率、株価キャッシュフロー倍率)、企業価値評価モデル(残余利益モデル、割引キャッシュフローモデル)、企業合併・買収における企業評価(収益還元方式、純資産方式、市場株価比較方式、乗数法(マルチプル法))、その他 |
(11)デリバティブとリスク管理 | (11)リスクの種類、オプション取引(コールオプション、プットオプション)、先物取引(先物為替予約、通貨先物取引)、スワップ(金利スワップ、通貨スワップ)、その他 |
(12)その他財務・会計に関する事項 | – |
何の表か分かりましたでしょうか。
そうですね、一次試験の出題内容ですね。
ということで、一次試験の財務・会計では、これらの範囲に対して対策をする必要があった訳です。
改めて見てみるとすごい膨大な範囲に感じますね・・・
では、事例Ⅳでは、どのような内容が出るかご存じでしょうか。
最初に宣伝した夏セミナーのスライドから事例Ⅳの出題内容を持ってきました。
このように事例Ⅳでは大問4つが主流であり、出題分野も概ね毎年同じ内容になっています。
だからと言って対策したら完璧に取れるかと言われたら全くそんなことありません…普通に難しいです。
ただ、対策すべき分野は一次試験と比較するとかなり少なくなっているのが分かるのではないでしょうか。
いったん記述問題は除外して考えますが、出題実績のある内容は以下のとおりです。(上の図でも色を塗っています。)
※ほぼ毎年出題、出題実績あり
- (2) 企業会計の基礎:キャッシュ・フロー計算書
- (5) 経営分析:経営比率分析(収益性、安全性、生産性、成長性)、CVP分析
- (6) 利益と資金の管理:利益計画(限界利益と貢献利益、プロダクト・ミックス)
- (8) 実物投資:貨幣の時間価値と割引キャッシュフロー(DCF)、正味現在価値(NPV)法
どうでしょうか。
一次試験と比較して範囲がすごく狭くなっているのが分かるかと思います。
よって、これらの範囲の対策をしっかりすることで、事例Ⅳは十分戦えるようになります。
なお、一次試験と二次試験の違いとして、やはり深さが挙げられると思います。
一次試験では、広く浅く知識を問う問題だったのに対し、事例Ⅳはむしろ幅を狭くして、代わりにかなり深くまで聞いてくるような内容となっています。
これもすぐに事例Ⅳ対策を始めるべき理由です。
では、実際にデータで見てみるとどうでしょうか。
先代も含めた過去の道場メンバーの財務・会計と事例Ⅳの得点の関係を調べてみました。
過去の合格者も一次試験と二次試験の点数の相関が弱いから
実際に先代も含めた道場メンバーの財務・会計と事例Ⅳの得点を集計して、その関係について調べました。
なお、一次試験や二次試験を複数回受験されている場合、二次試験合格年度に最も近い年の財務・会計、事例Ⅳを用いています。
では以下のグラフをご覧ください。
縦軸が事例Ⅳ、横軸が財務・会計となっています(数字はすべて道場のプロフィールの点数からとってきました。)。
そしてExcelさんに単回帰分析と決定係数(R2)、相関係数(R)を出していただきました。
これを見て分かるとおり、相関係数(R)は約0.18となっており、「相関なし」という結論が妥当であると言えそうです。
また、赤枠で囲っている箇所は財務・会計、事例Ⅳともに60点以上獲得しているエリアです。
見ていただいて分かるとおり、それなりの数になっていることが分かります。
実際には今回のサンプルの対象となった先代のうち、概ね半分程度はどちらも60点以上という状況でした。
一方、どちらかが60点という方もそれなりにいらっしゃる通り、財務・会計の点数が高いからと言って、事例Ⅳが高いとは言えず、その反対で、財務・会計が苦手な方が事例Ⅳの点数が取れてないということもありません。
以上のように、先代の状況をみても、財務・会計が苦手な方であっても、事例Ⅳ対策をしっかりと行った結果、A判定(60点以上)を獲得できた方が一定数いらっしゃる状況です。
よって、財務・会計が苦手でも、財務・会計の復習はせずに事例Ⅳ対策に全力投球してください。
あと一点、疑問に思われるとすれば、財務・会計の点数が低かった方も、結局財務・会計を復習し直してから事例Ⅳに取り組んだのではないかという説は現時点の情報では否定できません。
ここは一蔵先生にお越しいただきましょう!
一蔵先生、よろしくお願いいたします。
Y★O★R★O★S★H★I★K★U!
一蔵先生は一次試験の財務・会計では56点ということであと一問60点に届かない状況でしたが、そこからどのようにして事例Ⅳの72点まで持って行ったのですか?
D★E★N★T★A★K★U!
「電卓」ですか・・・
ちなみに財務・会計の復習はした上で事例Ⅳ対策に入られたのでしょうか?
M★A★T★T★A★K★U!
「全く」が出ました!
やはり財務・会計の復習は不要ということですね。
K★E★T★T★Y★A★K★U!
ということで、財務・会計の復習は不要ということで「決着」しました。
以上現場からでした。
ということで、一蔵先生のお話もお伺いしてきましたが、やはり財務・会計の復習は不要という結論です。
そして、しっかりと対策を取れば十分に得点源にできるということが分かりました。
なお、細かいですが、今回の分析で注意点があるとすれば、サンプルが合格者のみのため、どうしてもサンプルは偏っている状況です。
ただ、少なくとも二次試験に進まれる受験生は財務・会計を突破されている(足切りにはなっていない)ということで、最低限の力はお持ちであると言えます。
ご自身の今の点数からどれくらいの得点をとられた方がいらっしゃるのかも見ていただいて、目安にしていただいてもいいかと思います。
以上です!
最後に
お疲れ様でした!
では毎度お約束の名言コーナーです。
私は失敗したことがない。ただ、うまくいかない1万通りの方法を発見しただけだ。
トーマス・エジソン
(I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.)
今回はエジソンです。
道場のトップページに名言が載っている(※)超有名人ですね。
とにかくエジソンは失敗に対する考え方が常人とは違っていて、
「失敗というものは存在しない」くらいの感覚でいるんですよね。
「失敗は成功の母」という名言も同様に有名ですが、「成功するまで挑戦し続ければそれまでのうまくいかなかった事柄はすべて成功までの過程に過ぎない」ということを様々な角度から名言として残してくれています。
道場のトップページの名言も同様にそういう趣旨であり、とにかく成功させるために挑戦し続ける大切さを説いていると思えば、感じるところがあるのではないでしょうか。
以上です。
みなさまも問題演習ではどんどん間違えていただき、解けるようになるまで繰り返してみてください!(特に事例Ⅳ!)
ありがとうございました!
(※)2024/8/12時点のトップページの内容から記載しています。
(「私たちの最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ。」)
明日はついに あのレジェンドの投稿が甦ります!
サトシ、誰が書いてくれるか教えて!
いやいや、まだ、そんなん。見てからよ。
☆☆☆☆☆
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こんばんは!
「不要」という言葉に釣られてフラフラやってきたにっくです。
その分過去問や問題集の復習を死ぬ気でやれと言うことですね!了解しました!
ありがとうございます!
にっく
にっくさん
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りです!
何も気にせずに問題集や過去問に取り組んでください。
応援しています!
いつも楽しく拝見させていただいております。
気の早い話かとは思いますが、中小企業診断士に無事合格できたら
次は公認会計士にチャレンジしたいと考えています。
そこで公認会計士の資格をお持ちのせーでんきさんにお聞きしたいのですが
中小企業診断士試験に合格する力があるとすれば、
公認会計士に必要な勉強時間、仮に3000時間として、
そのうち何時間分は圧縮できそうでしょうか?
せーでんきさんの肌感覚でかまいませんのでご意見聞かせていただければと思います。
また本記事に関連なく恐縮です。
りょうさん
コメントいただきありがとうございます!
少しお返事長くなりますが、ご了承ください・・・
まずは、合格後に会計士試験にもチャレンジしたいとのことで、素晴らしい心意気だと思います!
その上で忌憚なくお返事いたしますと、仮に会計士試験が3,000時間かかるとすれば、200時間程度削減できればいいかなというのが正直な感覚です。
(想定されているよりも少ないかもしれず恐れ入ります。)
下で講義回数の参考をあげていますが、診断士試験の財務・会計で講義回数を比較すると会計士試験の9%程度であり、他の重複のない科目もあることを鑑みるとこのくらいが無難かなと感じています。
実際に診断士試験の試験科目で重複がある科目は、財務・会計、企業経営理論、経営法務です(二次試験は直接的な関係はなく、記述問題に対して強くなる等があります。)。
財務・会計に相当する部分の講義回数を診断士試験と会計士試験で比較すると以下のようになります(どちらもTACさんのカリキュラムより抜粋してみました。若干の違いはあるかもしれませんがご了承ください。)。
財務会計論:76回(計算+理論)
管理会計論:29回
経営学:17回
(経営学のうち、半分は企業経営理論の内容のため合計では半分でカウント)
ただ、私自身、診断士試験の後に会計士試験に挑戦するのを否定するつもりはなく、以下3点から、むしろ診断士試験を受けた方が享受できるメリットもあるのではないかと感じています。
→企業活動はこういうものという理解があるため、会計処理において何がしたいかの理解が進み、各論点に対してどうしてそうなるのかが素早く理解できる可能性があります(もちろん全ての論点という訳にはいきませんが。)。
→会計士試験は診断士試験以上に合格までに時間がかかる試験です。これまでに実績がない状態での挑戦となると、途中で折れてしまう可能性が比較的高いと考えられます。その点、一度診断士試験に合格した実績を持っているため、継続のモチベーションも保つことができる可能性は高くなるといえます。
→これは、実は15代目メンバーにも言っているのですが、診断士試験に合格できる実力があれば、能力的には会計士試験には十分に合格可能です。ただし、勉強に十分な時間が割ける場合に限られますのでご注意ください。今の会計士試験は努力すれば十分に合格可能な試験になっていると感じています。
また、5代目のbutaoさんが会計士試験に合格された際の内容等をブログにしてくださっていますので参考にされてください!
長くなりましたが、以上です。
診断士試験も会計士試験も大変とは思いますが、応援しています!
こんなにも丁寧な回答感謝痛み入ります!
たしかにせーでんきさんの仰る通り、削減できる勉強時間は想像より短いものでした。改めて公認会計士の広く深く、3大国家資格に数えられるだけあると実感いたします。一方、時間換算できないシナジーやモチベーションの維持など、診断士を経由しての挑戦に対するポテンシャルの高さも伺いしることができました。添付していただいた記事も参考にさせていただいて、まずは目の前の2次試験に集中したいと思います。ありがとうございました!
りょうさん
こちらこそご丁寧にありがとうございます!
削減できる勉強時間についてはあくまで私の主観的な意見ですので、参考程度に考えていただければ幸いです。
おっしゃっていただいている通り、まずは2次試験に集中されてください!
応援しています!