2次試験はパターン別で解く! ~事例Ⅲ 経営戦略問題+α編~

こんにちは。アヤカです。
1次試験までもうすぐですね。
がんばりすぎは禁物です。当日に最高のパフォーマンスを出せるように、調整を始めてくださいね。
contents
前回までのおさらい
前回までに
・2次試験勉強で1か月迷走した怖い話、事例Ⅰ~Ⅲのおすすめ書籍
・事例Ⅰ~Ⅲのおすすめ勉強方法、アヤカが思う二次試験のポイント2つ(①80分で解答を仕上げること、②問題のパターンを把握して対策しておくこと)
をご紹介しました。
今回は、「アヤカが思うポイント2つ」のうちの、「②問題のパターンを把握して対策しておくこと」について、私が実際に勉強して分類したパターンとそのパターンの問題を解くときに使っていたキーワードやテンプレートを紹介します。
自分でまとめた方が理解は進むと思うのですが、私がまとめたものをベースにご自身で改良される方が効率的と思うので、参考になれば幸いです。
注意点としては、問題によっては、制約条件が付いていたり、聞かれ方が異なっていて、テンプレートのまま使えないことがあるので、与件文に合わせて「使えるようにする」訓練も必要です。
さて、今回は事例Ⅲの経営戦略編です。
事例Ⅲの経営戦略問題
過去6年で6回出題
・令和2年度第4問
・令和元年度第4問
・平成30年度第5問
・平成29年度第4問
・平成28年度第4問
・平成27年度第4問
経営戦略問題に関する問題は、過去6年で6回(毎年)出題されています。頻出ですね!
テンプレートで解く!
私はこの問題にはテンプレートを作っていました。
テンプレート:
「機会(ターゲット市場の伸び)に対して、強み(C社のコア技術など)を活かし、弱みへの対策(提案型営業や納期遵守など)を行い、C社のあるべき姿(差別化して利益増加、X社依存からの脱却など)にする。」
与件文に機会についての記述がないことも多いので、与件文に機会の記述があり、文字数に余裕がある場合には、機会について書きます。
強みと弱みの内容は、前回の記事を参考に与件文から探します。
第1問等で強みや弱みを答えている場合はその内容を書くと良いです。採点時に第1問と第4問の整合性まで見ていないと思いますが、第1問等で答えた強みや弱みをテンプレートに当てはめてみておかしな文章になった場合、第1問等でイケてない解答をしている可能性があります。
私は第1問から解く派でしたが、人によっては第4問を解いてから第1問等の強みや弱みの問題の解答を記入する人もいるようです。
C社のあるべき姿は、前々回の記事を参考にC社に合わせて書きます。大体は「差別化して売上増加」と書くことが多い気がしています。
なお、診断士試験の世界では、「何かに依存していない状態」が「あるべき姿」の一つとされていると考えています。もし与件文に「X社に依存」と書かれていたら、X社依存から脱却する方向も正解の一つになっている可能性が高いです。
機会、強み、弱み、C社のあるべき姿の各分量としては、
機会:強み:弱み:C社へのあるべき姿=1:4:2:3くらいをイメージしていました。
もちろんC社に合わせて調整はしますが、強みの記載多めで書くといいと思います。
中小企業は資金が少ないし、体力もあまりないので、まずは今あるもので何とかしないといけないのです。
ちなみに、このテンプレートは助言問題の解答をイメージしています。
助言問題の解答は、一般的に施策と効果を書きます。
「機会に対して、強みを活かし、弱みへの対策を行い」が施策で、「C社のあるべき姿にする。」が効果に当たります。
参考までに、『ふぞろい』の解答キーワードを集計してみました。
rがついているところは、解答ランキングにランクインしていた項目です。
施策等 | 効果 | |||||
機会を生かす |
強みの活用、訴求、強化 |
弱みへの対策 |
高付加価値化、差別化 |
受注や売上の拡大 |
X社依存からの脱却 |
|
令和2年度第4問 |
r | r | r | r | ||
令和元年度第4問 | r | r | r | r | r | |
平成30年度第5問 | r | r | r | |||
平成29年度第4問 | r | r | r | r | ||
平成28年度第4問 | r | r | r |
r |
||
平成27年度第4問 | r | r | r | r | ||
平成26年度第5問 | r | r | r | r | r |
結構テンプレートに合っていると思いませんか。
こう見るとなんだか書けるような気がしませんか。
ただし、①「強み」「弱み」「C社のあるべき姿」をその年のC社に合わせて書くことと、②その年の設問に合わせてテンプレートをカスタマイズする必要があることには、ご注意くださいね。
おまけ:既存顧客からの受注増加や新規受注のメリットデメリット
分類できなかったイレギュラー問題の一つです。
過去6年で3回出題
・令和元年度第2問(新規受注の生産面の効果とリスク)
・平成27年第1問 設問2(新規受注のメリット)
・平成26年第3問 設問1(C社がX社の唯一の国内調達先になるメリット)
イレギュラー問題とした割には、過去6年で3回も出題されています。分類の見直しが必要かもしれません。。。笑
頻出キーワード
こちらでも『ふぞろい』の解答キーワードで集計してみました。
rがついているところは、解答ランキングにランクインしていた項目です。
メリット(効果) | ||||||
ノウハウの獲得、 技術力の向上 |
稼働率の向上 | 顧客との関係性強化、顧客からの情報量の増加 | 売上増加 | 実績の獲得による新規受注の容易化 | リスクの分散 | |
令和元年度第2問 | r | r | ||||
平成27年第1問 設問2 | r | r | r | r | r | |
平成26年第3問 設問1 | r | r | r | r |
デメリット(リスク) | ||||
加工能力不足、 | 現場の混乱 | 納期遅延 | X社依存度UP | |
令和元年度第2問 | r | r | r | r |
平成27年第1問 設問2 | ※デメリットは聞かれていないので、記入なし | |||
平成26年第3問 設問1 |
*ノウハウの獲得、技術力の向上
受注増加や新規受注があり、生産していくうちに技術が上がるということを言いたいワードです。
*稼働率の向上、加工能力不足
稼働率の向上は、受注前の工場の稼働率が低い場合にメリットとして使うワードです。稼働率を上げることでコスト削減につながるので、稼働率が低い場合はうれしい事柄です。
加工能力不足は、受注前の工場の稼働率が高い場合にデメリットとして使うワードです。この場合は生産性を上げたり、人手を増やしたり、工場を建設して対応します。
*現場の混乱
新規受注は今までと同じように生産できない場合(新体制、新工場など)の場合、デメリットとして現場の混乱が予想されます。
*顧客との関係性強化、顧客からの情報(受注情報、市場情報、ニーズ)量の増加
受注を得ることで顧客との関係性が深まります。顧客と仲良くなると、発注量を早く詳しく教えてくれたりして、生産計画が立てやすくなります。さらにC社がOEMでなくて、開発を行う場合、開発を行うために顧客のニーズを教えてもらうことができるので、先立った製品開発を行うことができます。
*リスクの分散、リスクの上昇(X社依存度UP)
これまでと異なる顧客に販売する場合はリスクを分散することができ、メリットとなります。C社のあるべき姿の一つです。
ただし、既存顧客からの受注が増加した場合、その既存顧客への依存度が上がるのでリスクが上昇し、デメリットとなります。
*(OEMの場合)自社ブランドの知名度や価値を高められない
6年以上前の過去問にはOEMの問題がいくつか出ていたので、参考までに書いておきました。
先日スーパーのプライベートブランドのカマンベールチーズを買ったら、製造元は北海道のお土産で有名なチーズの企業でした。北海道大好き人間としては、OEM生産を受託して、稼働率を上げないときついのかなと少し心配になりました。
これらは私がよく見ると思ったキーワードです。
引き出しに入れておくといいと思います。
ただし、これらのワードを各年のC社に合わせて使い分けないと大事故につながるので、要注意です。
なお、与件文中にここに書いてあるキーワードと同じような意味の言葉が出できた場合は与件文中の言葉をそのまま使った方がいいと思います。
事例Ⅲの経営戦略問題 まとめ
テンプレート:
「機会(ターゲット市場の伸び)に対して、強み(C社のコア技術など)を活かし、弱みへの対策(提案型営業や納期遵守など)を行い、C社のあるべき姿(差別化して利益増加、X社依存からの脱却など)にする。」
を、与件文と問題文に合わせてカスタマイズして解答すべし!
明日は、と~しです。
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アヤカさん、事例Ⅲの記事をありがとうございます。
経営戦略問題についての「効果」にあたる部分については、製品の高付加価値化や売上の増大は選択肢として持っていたのですが、依存からの脱却も一つの方向性にできるのですね、全然知りませんでした……。
また、今回二つの論点の中で過去のデータから出題の傾向と解答の方向性、二つのデータが分かりやすくまとめられていたので、とても読みやすく非常に参考になりました。
事例Ⅲはなかなか現場のイメージができなかったのでちょっと苦手意識がありましたが、アヤカさんの記事のおかげで少しずつ苦手意識が改善したように思えます。
ただ、まずは4日後の一次試験に全力を注ぎます。
ここまでくれば勉強はいつも通りにしつつ、体調管理を最優先に行います!
ロムさん
今回もコメントありがとうございます!
ロムさんの引き出しに入るものがあったようで良かったです!!!
依存からの脱却(リスク分散)はたまに事例Ⅰでも出てきたりしますので、要チェックですよ〜!
事例Ⅲシリーズはまだまだ続きます!次回以降もどうぞよろしくお願いします!
あっという間に1次試験ですね。
ここまでずっとがんばってきたのだし、絶対大丈夫です!!
応援しています!!!!
アヤカ