2次試験:事例を10年間解くより大事なこと

日時:2020年9月5日(土) 9:00~18:00

(18時以降、懇親会を予定)

場所:オンライン (zoom)

内容:1日で令和元年度の事例Ⅰ~事例Ⅳまでを扱う予定です

‐ 道場メンバーによるワンポイント講義

‐ グループに分かれてディスカッション

人数:12名程度

受付開始8月25日(火) 12:00~  ※先着順となります※満員御礼!

受付方法こくちーず

※タイムスケジュール等の詳細は、こくちーずにてご案内いたします

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twitterもよろしくお願いします。

おはようございます。さとまるです。

1次試験の結果が発表されましたね!令和2年度第1次試験の試験合格率は42.5%。科目合格などの話を別にして単純に読めば、

今年は合格者数5,005/受験者数11,785=42.5%
去年は合格者数4,444/受験者数14,691=30.2%

で、今年は受験者数が減った中で、合格者数が増えたということ。問題が昨年よりも極端に易化したという話はあまり聞かなかったので、恐らく受験者のレベルが高かったのだと思います。

受験された皆様、本当にお疲れ様でした!合格された方は、ここからが本番。ギアをトップに入れて進んでいきましょう。そして、残念な結果だった方。来年の試験は意外とすぐにやってきます。でも、今は勉強する気にならないというのなら、やっぱりこの資格が必要だ!と思うまで、ちょっと時間をおいてみることをオススメします。

さて今回は、昨日の3chの記事に引き続き、解いた過去問の事例数についてのお話です。昨日の記事にある通り、私は11代目で一番過去問を解いた事例数が多かったのですが、それが2次試験の余裕のある得点につながったかというと、残念ながら、そういうわけではなく。また、今ではそこまで過去問を解く必要はなかったのではという思いもありまして、今日の記事を書いてみたいと思います。

■10年間分解いてみた理由

最初に、過去10年間分の過去問を解こうと考えた理由は、

・予備校には通わず、独学なので、解く問題が過去問しかなかったから
・ある程度の事例数をこなせば、問題に慣れて解答できるようになるではないかと思ったから
・合格者が解いた過去問の平均が90問くらいだったから(去年の2次試験対策のセミナーに参加した際、同一事例の場合も解いた回数でカウントして、大体90問くらいは解いているという情報を得ました)

でした。特に2番目の「慣れ」への期待と、3番目の平均事例数から、本番の試験を体感して学ぼう!という思いがありました。

■10年間分解いてみてどうだったか

まずは解いてみてよかった点からです。

試験の傾向の変化を実感できた

毎年「傾向が変わった!!」と言われる2次試験ですが、10年通して解いてみると、毎年というより少し大きな単位で、傾向が変わっていることに気づきました。例えば、

・世相に合わせて、事例に取り上げられる企業が直面する課題が変化していること(海外進出から国内回帰(ex.インバウンドの活用)へ)。この辺りはさいちゃんの記事が参考になりそうです。
・設問の内容の変化(特に事例Ⅰでは、組織・人事よりも経営戦略を問う設問が多くなっていること。現場レベルよりも経営層レベルの視点が必要な設問が増える傾向にあること)
・与件文・解答欄の文字数の変化(より多い文字数の与件文を読んで、より少ない文字数で解答させる傾向にあること)

以上は、予備校などに通っていれば普通に得られた知識なのかもしれません。やはり中小企業が置かれた状況を踏まえつつ問題が作られているんだな、傾向も変わっているし、これは直近5年間に比重をおいた方が良さそうだと実感したのは収穫でしたが、限られた時間で合格を目指す身としては、少し時間がもったいなかった気がしています。

次に、よくなかった点を。

めちゃくちゃ時間がかかった

わかっていたことではありますが、1事例につき、約3時間(解くのに80分+見直しに90分)かかります。2回、3回と回数を重ねるにつれ、かかる時間は減るものの、次第に解けた事例の数=2次試験の勉強の進捗のように感じられ、解けた事例の数ばかり気にしてしまい、復習が疎かになっていった記憶があります。

問題への慣れは生じたが、本来の実力アップにはつながらなかった

よく言われることですが、何度も事例を解いたので、事例のポイントや解答を覚えてしまうという悪い意味での「慣れ」が生じ、それで解けた気になってしまっていました。また、よく使われるキーワードやフレーズを覚え、それを当てはめるだけで「それっぽい」解答ができてしまうため、それでまた解けた気になってしまい、与件文の企業に向き合うことができていなかったと思います。

また、事例をどんどん解くと、事例ごとの会社像や設問のパターン、回答でよく使うキーワード、フレーズが自分の中に蓄積されていき、事例を一般化、抽象化して捉えるようになっていきます。例えば、事例Ⅲは生産管理がダメダメな会社で、できていないことを裏返すと良いとか。

ここで注意したいのは、本番は80分しかなく、まっさらな頭で一から解答する時間はないので、事例の一般化、抽象化をして準備をしておく必要はもちろんあるということです。でも、事例の一般化、抽象化に頼りすぎ、解答も一般的、抽象的なことしか書けないと、カワサン記事でいうどこの企業でも言える解答になってしまう。そうすると、結果的に与件文に寄り添わない解答になってしまい、点数が入らないのではないかと思います。

要は、事例の一般化、抽象化も大事だが、事例の企業の事情を斟酌した上で使うこと、与件文の解答への落とし込みを忘れてはいけないということです。なかなかちょうど良い塩梅を見つけるのは難しいですが。。

よく、2次試験で事例の解きすぎは禁物だとか、一度はスランプがくるもの、という話を聞きます。去年はなぜそうなるのかわからないまま、私の場合は9月末にやはりスランプが来ました。今考えると、スランプの原因は上のような部分にあったのではないかと思っています。

■では、どうすればよかったか。

特に(私もそうでしたし)初学者、独学で2次試験を受験する場合は尚更、目に見えやすい指標として事例数を設定し、事例を「こなす」ことに注意が向きがちです。しかし、時間帯効果を考えれば、必ずしも時間のない中で過去10年間分を解く必要はなく、直近5年間分をじっくり深掘りすれば十分で、そのエネルギーを別に使った方がよかったかもしれないと思っています。

例えば、本番のようにマス目を埋めて解答する段階までしっかり取り組むべき事例は過去5年間に絞り込み、それ以外の事例は設問の分析や骨子作成段階で止めておく、など。

また、2次試験の勉強法としては、過去問を解くことと合わせて、

・1次知識の再整理(2次試験で出される1次知識を再整理して、自分の言葉で書いて説明できるようにすることです。きゃっしいかわとも記事参照)
・ファイナルペーパーの活用(ハカセbutao、ぐっち記事(事例Ⅰ、ⅡⅢ、Ⅳ)参照)

と言った方法もあるかと思います。

ファイナルペーパーの活用は、ここでは自分で作るというよりも、合格者が作成したファイナルペーパーを見ながら、1次知識がどのようにまとめられているかを確認し、2次試験に合わせて1次知識を体系化していくイメージです。

去年、過去問相手に悪戦苦闘している中で、10代目ぐっちのファイナルペーパーを読んだ時、視界がスッキリ晴れたことを覚えています。過去問を解いたときには点で得られていた理解が、ファイナルペーパーを読むことで線で繋がり、事例ごとの全体像が見えてくる感覚が得られると思いますよ。

なお、ここで大事なのが、ファイナルペーパーに書いてあること(一般的、抽象的なこと)を解答欄に書き出すというよりも、与件文を使って具体化する意識で事例を解いてみること。

ファイナルペーパーは試験前に読むもの、というイメージが強いですが、過去問の理解の一助としても利用できますので、ぜひ今のうちから読んでみることをオススメします。

そして、1ヶ月遅れでやってきた、

私は去年、

ふぞろいな合格答案 10年データブック
・直近2年間のふぞろいな合格答案(ふぞろい11ふぞろい12

を購入して勉強していました。10年データブックは、『ふぞろいな合格答案』の2008年~2017年版の答案分析データと模範解答(ベスト答案)や、どんな設問が出たか、よく使われるキーワードのまとめも載っているので、ざっくり傾向を振り返りたい方にオススメです。

また、「ふぞろい」は答案分析データ(キーワードと得点)もさることながら、答案分析データの後についている解答のポイント(先生と生徒の会話部分)が非常に有用だと思っています。それは、ベストな解き方だけでなく、受験生が陥りがちな失敗や、その失敗を回避する方法、判断に迷う点などが細かく書かれており、受験生の思考プロセスを辿ることができるからです。

なお、この解答のポイント(先生と生徒の会話部分)は10年データブックには掲載されておらず、ふぞろい11、12の方に載っていますので、ご注意くださいね。

今日の記事を書きながら、「◯の屍を越えてゆけ」というゲームの名前を思い出しました。どうか二の轍を踏まないように、先達の失敗はひょいっと飛び越えていきましょう!

以上、さとまるでした。


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2次試験:事例を10年間解くより大事なこと”へ2件のコメント

  1. のきあ より:

    さとまるさん

    本日2次試験の案内が届き、本当に2次があるんだなぁという実感が湧いてきました。

    昨日、短期目標としていた事例5年分+敗因分析を終え、次になにをやろうか思案していた最中だったので、私のために書いてくれたのかもしれないという錯覚に陥りました笑

    5年分解こうと思ったのは、さとまるさんも書かれていましたが、受験初年度ということでとにかく本番形式で解いて学ぼう!と思った次第です。
    確かに複数年解く過程で、設問要求からどんなことを書けばいいのかと予想ができるようになり、少しですが成長は感じられつつありました。が、しかし、今回の記事を拝見し、小手先だけのテクニックに傾倒しつつあると、ハッと気づかされました。
    そこで、これまでに解いた20事例分の自分の回答を改めてもう一度見て、与件企業に寄り添えていたかという視点で見返してみようと思いました。
    そのうえで、自分自身のクセや留意点を抽出してファイナルペーパーとして残せればと思います。
    その後もう一周するか、さらに過去問の年度を遡るか考えようと思います。

    1点、過去問を使っての時間管理の練習について伺いたく。
    過去問を周回する場合においても時間管理の練習をすることは可能でしょうか?
    さとまるさんがどのように過去問の2周目に取り組まれていたのか伺えれば幸いです。
    目下、80分間の時間管理が私の課題で毎回1ー2問は解答骨子が書けないまま直書きしている状態なので、ご意見を今後の学習の参考にさせていただければと思います。

    長々とすみませんが、最後に、今回の記事大変刺激になりました。ありがとうございます。

    1. さとまる より:

      のきあさま

      コメントどうもありがとうございます。さとまるです。
      私の失敗、ぜひお役立てくださいね。

      さて過去問と時間管理ですが、一周目は全く80分以内に解くことはできませんでした。まずは自分にあった方法の模索に注力し、時間は測りつつも横においておいた感じです。
      そして、一周目終了後のタイミングで模試を受けて、時間管理の大切さを痛感し、二週目くらいから意識し始めた記憶があります。
      やり方はというと。平日はなかなか80分まとまった時間はとれなかったので、設問分析何分、解答書くのに何分と、解答の行程ごとに自分としてベストな時間を決めて、その時間でその工程が終わるか試すという方法をとっていました。
      なお、80分通して終わるかは9月の中旬以降の土日に試して、調整しました。

      80分通した練習がベストですが、80分取れなくても、行程ごとに分けることで時間を管理しつつ解答の練習はできますので、ご参考まで。また何かありましたらどうぞ^^

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