2次筆記試験「独学」③日本語にこだわる【中小企業診断士試験】
日時:2020年9月5日(土) 9:00~18:00
(18時以降、懇親会を予定)
場所:オンライン (zoom)
内容:1日で令和元年度の事例Ⅰ~事例Ⅳまでを扱う予定です
‐ 道場メンバーによるワンポイント講義
‐ グループに分かれてディスカッション
人数:12名程度
受付開始:8月25日(火) 12:00~ ※先着順となります
受付方法:こくちーず
※タイムスケジュール等の詳細は、こくちーずにてご案内いたします
🥋 🥋 🥋 🥋 🥋 🥋 🥋 🥋 🥋 🥋 🥋 🥋
カワサンです。
ヘッダーにシレっと「オンライン合宿」のお知らせを載せておりますが…
少人数 かつ 終日 というスタイルで事例Ⅰ~Ⅳについて徹底討論。
試験本番を疑似体験できます。
朝まで○テレビも顔負けなロングランスタイル。
ということで少人数です。本気な方を、師範?がお待ちしております。
========================================
さて本題。
独学の方向けで3回特集しましたが今回で最後です。
①徹底的に情報収集し、活用する参考書やWebサイト(=先達)を複数選ぶ ←説明済
②複数の模範解答・再現答案と自分の答案を徹底的に比較分析 ←説明済
③日本語の表現や言葉づかいに徹底的にこだわる ←今回説明
1.言葉ひとつで意味が変わる
何を書いていいのか分からない、という悩みを持つ方は…
「ちゃんと相手に伝える」
という意識を念頭に置いてほしいです。
たしかに、採点は基準があって(きっと)、そこに引っかかれば点数が加わるのだと思います。
しかしそれは、キーワードでもない。例えば、
問「既存顧客との関係性はどうあるべきか」
答案A「顧客関係性を強める」
答案B「顧客関係性を築く」
これ、似ているようで意味ぜんぜん違います。
そして、Bは得点できません。
なぜか。「既存顧客」とありますが、
答案A:強める=すでにあるものを高めていく(1→2にするイメージ)
答案B:築く=新たに構築する(0→1にするイメージ)
という理解になり、Bは「問いに答えていない」というコトになります。
この「○○を~する」という文体は同じでも、言葉のチョイス一つで大変な「事故」になるかもしれません。
採点基準は良く分かりませんが、言葉ひとつで意味が変わることに気を付けて記述するよう心がけておきたいものです。
2.日本語がややこしければ、図化すればいい
これは、設問を見た時に「回答はこんな文章構成でいこう」と、いわゆる「金型」をすぐ思い浮かべる事が大切です。脳内にある金型倉庫から瞬時に「これだな」と引き出せるかどうか。
しかし、問題を解いてみて、どんな文章構成にすべきか考えが至らない方もいらっしゃると思います。
私も最初、解答と問題が結びつかずかなり悩みました。
でも、この原因は割とシンプルで「問題文を理解できていない」ということに尽きるのです。
与件文や問題文が理解できていない、そこなのです。
別に日本語力がダメとか、そういう訳ではありません。
2次筆記試験の与件文と問題文を理解する練習が足りないだけです。
私は設問が理解できず困ったときは、以下のような手順で設問を図化していました。
例えばこれ、読んでいるだけで脳内マグマが活性化してきます。
このアカウントを用いて、デザインを重視する既存顧客の客単価を高めるためには、個別にどのような情報発信を行うべきか。100字以内で助言せよ。
漫才だったら「…なげぇわ!」とツッコミが出てきそうな設問の長さ。184字あります。
何が言いたいのこれ?と思ったときは、日本語を文節単位程度にバラしましょう。
絡み合った糸を解きほぐすようなイメージで、バラします。
手順①「何を聞いているのか」を主語と述語で捉える
主語:B社が(※本文明記無し)
→2段落目「(B社が)このアカウントを用いて~」と主語が隠れた文章と理解できます
述語:どのような情報発信を行うべきか。
ですね。ほかはすべて修飾部分です。
といっても要らない飾りじゃないですからね。設問の修飾部分は大事なスパイス。
「制約条件」とか言われるヤツです。
ですから「【●●●な】情報発信を行う」という文体に答案の大枠がまとまれば良いと考えられます。
※【】に具体的なワードを盛り込む
手順②修飾語を拾う
金型が出来たので、事例Ⅱの「DNDK=誰に・何を・どのように・効果」も浮かべて…
設問1でSWOTしていれば強みSを機会Oに投入する王道戦略も…と行きたい所ですが、
まず問題文をしっかり理解してから、教科書知識を刷り込みましょう。
材料の下ごしらえが終っていないのに調味料を混ぜるようなもの。
それでは美味しい料理になりません。
問題文に戻りましょう。次は修飾語を拾います。以下の青い部分です。
「既存顧客の客単価を高めるためには」「個別に」という一言が係っています。
ですから、答案イメージとしては「既存顧客の客単価を高めるために、【個別に●●●な】情報発信を行う」となります。かなりオウム返しな答案スタイルですね。
※「既存顧客の客単価を高める」は効果に繋がる一言なので、答案の一番最後に持ってくるのが王道。ですが、冒頭に効果から説明しても助言としては成り立つので、どちらでもよいと考えられます。
手順③修飾語の修飾語(=副詞)を拾う
オレンジ部分です。
ここはまさに「スパイス」要素であり、外すと点数に響きそうな「こだわりポイント」がモリモリです。
「デザイン重視の」既存顧客なので、顧客には「デザイン重視」の情報発信ということになりますし、発信方法も「このアカウントを用いて」とあるので1段落目の情報からインスタント・メッセンジャーを使うのが王道路線と考えられます。
このように、設問を紐解くと回答に盛り込む要素もつながってくるので文節くらいのレベルで整理するのはとても大切です。
手順④文節ごとにまとめて図化する
ここまでくると、本文に書き込んでいたらややこしいので、こんなイメージで図にします。
そして、上記イメージ図に基づいて、答案要旨を作成するわけですが、ここまで来れば「どのように」以外は設問からほぼ引用して文章構成出来そうだという考えに至ります。
3.知識も大事だが、まず問題にしっかり向き合う
テクニックや知識ばかりに目が行って、本当に大切なことまで至っていない/認識できていない事は、日々の生活でもよくあります。
上司から仕事で指摘されたり、役所の手続きで抜け漏れがあって不備になったり…
私は仕事で採用面接をやることがありますが、志望理由を尋ねると
「それ、どこの企業でも同じこと言えるじゃん」と思ってしまう時があります。
それは、どこでもいえるという意味ではとても素晴らしい。
中小企業診断士で言う所の、1次試験の知識みたいなもんで、基本がしっかりできている。
しかし、採用する側は「どこかの会社に行きたい人」なんて採りたくないですよね。
どんなに素晴らしいことを言っていても「なぜ弊社が第1希望なのか」という理由が足りていない。
2次筆記試験も同じです。「どの事例でもいえるコト」だけでは点数になりません。
「どの事例でもいえること」に加えて「この事例企業だから言えるコト」を盛り込む必要があります。
そして「この事例企業だから言えるコト」は与件文と設問のみから導かれます。
だからこそ「問題文にしっかり向き合う」ことを大切にしてほしいと思うのです。
では、また!
☆☆☆☆☆☆☆
いいね!と思っていただけたら
にほんブログ村
↑ぜひ、クリック(投票)お願いします!↑
このやり方、いいですね。細かいところに気付きやすいようになっていますし、素晴らしいです。参考にさせてもらいますし、いい刺激をいただきました。ありがとうございます。
僕は設問内容を図解するようにしています。意識しないといけないフレーズには印をつけています。また、因果関係は矢印で結んでいます。そしてこの図解に与件文の内容を肉付けし、解答作成に至っています。
多分、ここにある内容と同じように細かいところに気付きやすいやり方になっていますし、今回提示していただいたこのやり方を入れてみたいと思います。
サトシ様
コメントありがとうございます。恐縮です。
設問内容の図解は私もやっていました。事例Ⅰの1段落目は企業組織、事例Ⅲの製造工程は必ず図表にしておりました。
活用してレベルアップ頂ければ幸甚に存じます。今後も当ブログをよろしくお願いいたします。