【渾身】財務(キャッシュフロー計算書)
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はじめに
みなさん、こんにちは。10代目のぐっちです。過去の記事はこちら、合格体験記はこちら。
さて、毎度二次向けの記事が中心の私ですが、今回は「渾身!論点シリーズ」ということで、一次試験対策の記事を書かせていただきたいと思います。先日の記事でちこまる(仮)も呟いていましたが、私も一次試験に関しては2017年に受験して以降、遠ざかってしまっているため、正直記憶が薄いのですが、久しぶりに一次のテキストを引っ張り出して思い出しながら書いております(言い訳っぽい・・・)。
ということで、今回の論点ですが、二次試験でも出題されることのある、財務・会計の「キャッシュフロー計算書」についてお話ししたいと思います。
キャッシュフロー計算書について
キャッシュフロー計算書とは、一定期間における現金及び現金同等物(キャッシュ)の増減を表すものです。貸借対照表は一定時点の財政状態を、損益計算書は一定期間の経営成績を表す財務諸表ですが、キャッシュフロー計算書は企業のキャッシュの流れを把握するのに役立つ財務諸表であり、いわゆる黒字倒産(利益は出ているのにキャッシュが不足)を防ぐためにも有用なものとなります。なお、キャッシュフロー計算書は以下の3つに区分されることとなります。
・営業活動によるキャッシュフロー(営業CF):本業で稼いだキャッシュ
・投資活動によるキャッシュフロー(投資CF):投資活動に使った/投資活動で得られたキャッシュ
・財務活動によるキャッシュフロー(財務CF):資金の借入れ/返済等によるキャッシュ
直接法と間接法
キャッシュフロー計算書の作成方法には、直接法と間接法があります。直接法では営業収入から仕入れ・人件費・その他営業の支出を差し引き、間接法では利益から非資金費用や資産・負債の増減を調整することで営業CFを計算します。直接法と間接法の違いは、 営業CFの小計の計算方法であり(もちろん金額は同じになります)、投資CFと財務CFは同じとなります。試験で問われることが多い間接法の営業CFについて少し解説したいと思います。
※代表的な項目に絞って記載しています
(1)間接法のスタート地点。P/Lの数値を持ってくる。
(2)非資金費用であり、費用として計上されているがキャッシュは留保されているので+となる。
(3)上記同様、引当金として計上されているがキャッシュは留保されているので+となる。
(4)営業外損益と特別損益を逆算して営業利益へと修正するので、P/Lの項目と逆の符号で調整する。
(5)資産・負債の増減を調整する。運転資本が増える=その分だけキャッシュが-、となる。
基本的な考え方として、実際にキャッシュが出ていくのか否か、ということを考えるとわかりやすいかと思います。
問題演習①
ということで、基本的な内容についてお伝えしましたが、実際の過去問を使いながら、問題演習にて確認をしてみたいと思います。以下は、平成24年の財務・会計の過去問となります。TACデータリサーチによる正答率はCランク(正答率40%以上60%未満)の問題です。
問われているのは支払利息勘定ですので、着目するのは「支払利息」となります。この問題のポイントとしては、①「支払利息」と②「利息の支払額」の違いが理解できているか、ということだけです。
①はP/Lにおける支払利息の数値(符号は逆)、②はP/Lの支払利息に未払利息や前払利息を調整した額(要は実際に支払った額)、を示しています。ですので、支払利息勘定について、「損益」の部分に①を入れ、「当座預金」の部分に②を入れます。結果として支払利息勘定は以下の通りとなり、解答は「イ」の300千円となります。
問題演習②
さて、ではこの過去問を使って、追加問題を出したいと思います。受取利息勘定と受取配当金勘定が以下の通りであった時、空欄Bの金額を求めてください。
受取利息と受取配当金に分かれているため少し複雑になっていますが、基本的には先ほどの問題と同様の考え方で解くことができます。ポイントは、③=受取利息勘定の損益+受取配当金勘定の損益、④=受取利息勘定の当座預金+受取配当金勘定の現金、ということだけです。
よって、計算としては以下の通りとなります。
受取配当金の損益=現金=1,400千円
受取利息の損益=2,600-1,,400=1,200千円
B=1,000+1,800-1,200=1,600千円
以上、ぐっちでした!
Shinshinさん、コメントありがとうございます。TACの公開模試でCF計算書が出ましたか。渾身シリーズのテーマ決めは悩みましたが、記事の内容がお役に立てたようで良かったです。
Shinshinさんの合格を心より応援しております。今後とも道場ブログをよろしくお願いいたします。
2019年TAC公開模試にCF計算書が出ました。
問題は支払利息だったのですが、
受取利息の場合は、どうなるのか?と
考えていて、この記事にたどり着きました。
よく理解できました。ありがとうございました。