【渾身】経営(二次にも一次にも使える組織論)

どうも、kskn(きしけん)です。

前回記事で募集した「診断士向けオンラインコミュニティ」、開始2週間でいきなり40名以上の方々が集まってくださいました!
正直、20人いけば上出来かなと思っていたので驚きです。ほんとに。
そして早速、参加メンバー主催でオンラインでの二次勉強会もスタートしました!
これをキッカケに、地方と都市の学習環境の格差が少しずつでも改善していってもらえたら嬉しいなぁと思います。
まだまだ募集はしておりますので、興味を持っていただけた方はぜひご参加ください!

申込みはコチラ

 

さて、最近はオンライン勉強会、タキプロ勉強会、そして先日の道場勉強会@大阪といろいろな二次試験対策勉強会に参加させていただく機会が多くありました。
いろいろな方の答案を見させていただいて、この時期なのによく出来た答案を書けている方もいて驚かされることも多いのですが、当然そうではない方もいます(そしてそれが普通です)。
そこで僕なりに答案をうまく書けていない人が抱えている課題を考えてみたのですが、大きく以下の3タイプに分類されるように感じました。

①与件文・設問文の読み込みが甘い(与件や設問の内容に沿えていない答案を書いている)
②日本語が変(答案の方向性としては間違えていないが、説明不十分・説明過剰・単純に読みづらいなど)
③知識が足りていない(用語や施策への理解が浅く、単語が独り歩きしている)

そしてさらに考えてみた結果、①と②はどの事例でもまんべんなく感じる反面、③は圧倒的に事例Ⅰ、その中でも特に組織論で多く見られるように思いました。
それならば!と、この【渾身】の機会を借りて「二次にも一次にも使える組織論」というテーマで2回に渡って組織論の解説をお送りしたいと思います。

 

さて、知識の説明に移る前にさらに前置きです。(前置きが長いなというツッコミは受付けません)

試験対策上、「用語」から「具体的な施策内容」を説明し、「その施策による効果」が説明できることは当然必要なことなのですが、二次試験のことを考えると「求められる効果」から「具体的な施策内容」をイメージし、(願わくば)「用語を述べられる」ようになることも必要ですので、そこまで深く理解することを心掛けてください。(これを記憶に定着させる具体的な方法も解説したいところですが、字数の関係でまた別の機会に)

 

組織構造の設計原理

組織構造の設計原理とは、組織のデザインを行う上で守ることが望ましいとされる原則のことで、具体的には下記の5つが挙げられます。

1.専門化の原則
2.権限責任一致の原則
3.統制範囲の原則
4.命令統一性の原則
5.例外の原則

これらは重要というよりもむしろ「最低限の知識のベースとして必要な内容」になるので、どの原則も必ずしっかりと理解してください。

1.専門化の原則(=分業化)

専門化の原則とは、組織で行われる業務を機能毎に分け、それぞれの機能を特定の担当者へ専門的に実行させるといったものです。

メリット
a.仕事を単純化できる
分業の度合いが高くなるほど仕事の内容がシンプルになり、熟練したスキルを持たない人々を仕事に参加させることが可能。

b.専門的なスキルを獲得することができる
限られた範囲の業務を繰り返させることで、専門的な熟練したスキルを習得させることが可能。

c.業務に関する規模の経済が働く
類似業務をまとめることで業務1単位の処理コストが低下する。

 

デメリット
a.仕事が単調化することによるモチベーションの低下

b.組織内の人の流動性が失われることによる変化への対応力の低下

c.部門間での利害の対立による組織内のコンフリクトの助長

d.部門横断的な知識を持つ人が少なく、全社的なマネジメント力がある人材が育ちにくい

e.各機能部門の利益責任の所在が不明確

 

基本的には専門化の原則に沿って組織デザインをする方が望ましいとされてはいますが、上記からも分かるように、分業化を進めることによるメリット・デメリットが存在しますから、二次試験では事例企業の状況に合わせて「分業化を進めるor分業の程度を緩める」を選択する必要があります。

・「非効率な現場を効率化したい」→分業化を推し進める
・「社員のモチベーションを高めたい」「外部環境変化への対応力を高めたい」→職務拡大を行い、分業の程度を緩める

 

2.権限責任一致の原則

これは職務と権限と責任が一致していなければならないというものですが、重要なポイントは「誰がどのレベルの権限を負うのか」というところです。組織の上層部に権限が集中する場合には集権的組織と言えますし、逆に組織の下層部(現場寄り)に権限がある場合は分権的組織と言えます。一次試験対策ではそれぞれを正しく理解する必要がありますが、二次試験では「集権的組織から分権的組織の移行」について問われるケースが多いです。

集権的組織(≒機能別組織)

メリット:意思決定者が大局的な決定をしやすい
デメリット:意思決定に時間がかかる、下層部が組織への参画意識が持ちづらい

分権的組織(≒事業部別組織)

メリット:より現場に近いところで意思決定できるため環境対応力が高い
デメリット:事業部ごとの利害を優先し、近視眼的になる危険性がある

これらはどちらが良い・悪いということはありませんが、近年は外部環境の変化が激しく、意思決定のスピードが求められるケースが多いため、下層部へ権限移譲を行って分権的組織へ移行していくという事例が多くなっているように思います。

 

3.統制範囲の原則

統制範囲とは「1人の上司が有効に指揮監督できる直接の部下の人数のこと」ですが、これを広げようと思うと統制の効率を高めることが必要となります。ここではこの統制の効率を「統制効率」と呼ぶことにします。
この統制効率を高めるほど統制範囲を広くすることが可能なわけですが、統制範囲を広げることが必ずしも正解かというとそうではありません。例えば創業間もない企業をイメージしていただきたいのですが、多くの場合、社長がプレーヤーを兼務していることが多く、現場の指揮統制も社長によって行われているケースが多いです。しかし徐々に企業規模が拡大し企業として更なるステップアップを目指すとき、社長は非定型的意思決定に集中するため統制範囲を狭め、より下層部へ権限委譲することはあるでしょう。
ですので、統制効率は高ければ高い方が望ましく、かつ統制効率を上げることで統制範囲を拡大することが可能、というところまでは紛れもない事実ですが、統制範囲を拡大すべきかどうかは事例企業の状況による、ということも同時に理解しておいた方が良いでしょう。

それを理解した上で統制効率を高めるにはどういう施策があるかというと、テキストでは例外事項への対応力を高める標準化を行うなどが書いてありますが、それと同時に管理者の統制能力を高める情報伝達経路を整備する(情報共有の仕組みを作る)なども統制の効率を高めるのに有効です。

 

4.命令統一性の原則

これは、部下は1人の上司からのみ命令を受けるようにしなければならないというものですが、大抵の場合はそうなるように組織デザインされているので問題がありません。これが問題となるのは「部門横断的に組織を編成」した場合です。この対応策としては、命令系統に優先順位を付けるなど、現場担当者が混乱しないような仕組みを作ることが重要です。

 

5.例外の原則

3.でも述べましたが、例外の原則とは本来より上位の役職になるほど非定型的意思決定(戦略的意思決定)に注力すべきであるというもので、それを実現するためにはより下層部へ権限委譲をしていくことが必要となります。
特に、「新しい事業を立ち上げる」「新たな戦略を模索する」といったことを目指していく状況では、なお一層、例外の原則の適用が求められます。

 

組織構造の一般形態

上で述べた5つの組織構造の設計原理を理解した上で、各組織構造の特徴を見ていきましょう。ここでも大事なことは、「その組織にすることでどういった効果が得られるか」と同時に「どういった効果を得たい時にその組織を採用するのか」です。
また、これらはあくまで組織構造の「一般形態」でしかないので、例外も当然にあります。が、そこは試験対策上あまり意識する必要はないと思います。

1.機能別組織

機能別組織とは人事、営業、研究などそれぞれの機能で単位化した組織で、最も専門化の原則や命令統一性の原則を適用しやすい組織構造です。
よってこの組織のメリットとデメリットは専門化の原則や命令統一性の原則のそれと同じと考えて良いです。
また、トップマネジメントは各部門を束ねる長として意思決定を行うので、集権的な組織であると言えます。

 

2.事業部制組織

事業部制組織とはそれぞれの事業を管理単位化した組織で、各事業部ごとに独立した権限を持ち、また独立した利益計画・予算計画などを持つことになるので分権的組織であると言えます。
また、機能別組織ほどではないものの、それぞれの事業部内で機能別に職務分担が行われるので専門化の原則や命令統一性の原則を適用しやすいです。

メリット
・各事業部ごとで管理を行うのでトップマネジメントは業務的管理を行う必要性が低く、戦略的意思決定に多くの時間を割ける
・現場に近いところへ権限委譲が行われているので、スピード感のある意思決定が可能である
・下位管理者のモチベーションが高まるとともに、管理者の能力を高め、次代の経営者の育成が可能となる

デメリット
・それぞれの事業部に各機能が存在する形になるので、機能のダブりが生じてコストがかさむ
・各事業部がそれぞれの利益達成にこだわり、近視眼的な意思決定をしやすい
・事業部間の連携が行われにくい

 

3.カンパニー制

カンパニー制は事業部制組織をさらに徹底したもので、各事業を「さも別会社のように」してしまう組織構造です。よって、メリット・デメリットは事業部制組織のそれをより色濃くしたものとなります。

 

4.マトリックス組織

マトリックス組織は機能と事業を横断的にデザインした組織で、組織の硬直化を克服するために採用されることがあります。よって、マトリックス組織は企業の初期に採用されるものではなく、ある程度成長し、組織として硬直化が見られた際に採用する組織です。
この組織を採用することで現場担当者は複数の製品に関わることになり、より多くの情報に触れることになるので環境変化には対応しやすい反面、高い情報処理能力が求められたり、命令系統のルール作りがキチンとできていない場合に命令統一性の原則に反してしまうといった部分もあるので注意が必要です。
また、このマトリックス組織をもう少し簡素で一時的にしたものがプロジェクトチームで、「事業に横串を刺すような組織」という説明があった場合にはこれらがイメージできると良いでしょう。

 

今日はここまでです。いかがでしたでしょうか?

始めにも書いた通り「二次にも一次にも使える組織論」ということで、キチンと事例企業を思い浮かべながら組織論を深く理解していただけると嬉しいです!

ではでは、引続き勉強頑張ってください!

(=゚ω゚)ノホナ、マタ!!


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