一次試験データ分析シリーズ~その3企業経営理論~
おはようございます。こばです。
このシリーズも3回目になります。今回は企業経営理論です。多くの人がまず初めに勉強する科目でしょうか。この経営は過去問を解いて『これは日本語なのか?』と感じる人が大勢いるのではないでしょうか。自分もそうでした。
スピ門から過去問に勉強を移行して驚愕く、このレベルの違いは何なんだ・・・
7代目のたきもも同じように感じたみたいですね。
この科目にどう取り組むべきか。
診断士になるのであれば、この科目を得意にしたいところですが、あまり高得点は望めない科目でもあるので悩ましい限りです。
それでは本題のデータ分析に入って行きたいと思います。
まずはこのデータ分析の意義の確認から。
このデータ分析の意義はどこが勝負の分かれ目になるかを把握し、重点的に対策を立てる論点を決めること。
データ分析に入る前に、科目設置の目的を確認しようと思います。
□ 企業経営理論 科目設置の目的□
・また、近年、技術 と経営の双方を理解し、高い技術力を経済的価値に転換する技術経営(MOT)の重要性が高まっており、こう した知識についても充分な理解が必要である。
・このため、経営戦略論、組織論、マーケティング論といった企 業経営に関する知識について判定する。
財務の視点以外からの経営分析が必要であると言っている。経営資源のカネ以外である、ヒト・モノ・情報について学習するのが企業経営理論。
その中で技術経営は重要な論点に位置づけられています。試験委員の先生は中小企業は下町ロケットのような町工場のイメージなんですかね。
次からはデータ分析に入っていきます。
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■データ分析■
まずは、科目合格率と平均点の推移を確認します。
(データ出典:中小企業診断協会・TAC )
年度別の難易度の変化も確認します。
(データ出典:TAC )
過去6年は平均点が50点台で推移しています。安定している半面、高得点も期待できないと言えるでしょう。
毎年、ABCランクがバランスよく出題されていることで、この安定した平均点に収まっています。
この傾向から企業経営理論は、大成功も大失敗もない科目と言えます。
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■分野別出題頻度・ランク分析■
次は、経営戦略・組織・人事労務・マーケティングに分けて分野別の難易度を確認します。
(データ出典:TAC )
経営戦略とマーケティングの出題が多く、また難易度も比較的低くなっています。
組織・人事労務は出題が少なく、難易度が高い。この傾向は過去から変わっていません。
特に、人事労務に関してはAランク問題が1つもない状況です。
この分野は社労士資格として単独で成立するほど奥が深くなていて、事前の対策が難しいです。
二次試験にも関係なく、出題されても4マーク約10点と割り切って捨てることも作戦の1つです。
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■ 論点別の詳細分析■
過去問を論点別難易度をまとめました。
経営戦略 | 組織・人事労務 | マーケティング |
・経営概論 ★成長戦略 ★★競争戦略 ★技術経営と外部連携 ・ガバナンス他 |
★組織構造論 ★組織行動論 ・人的資源管理 ・労働関連法規 |
・マーケティング概論と戦略 ★マーケティングリサーチ ★★4P戦略 ・関係性マーケティング |
(データ出典:TAC )
【経営戦略】
経営戦略の知識は二次試験の土台。
一次試験の問題を解きながら、きっちり基礎固めすること。ここがおぼつかないと与件文の理解・分析が厳しくなります。
最多出題が技術経営と外部連携。目的条文に掲載された論点だけあって一番多くなっています。
競争戦略が次に多い、成長戦略と合わせて、きっちり覚えて理解しましょう。
この競争戦略で重要な人物がポーター先生。
ポーター先生から試験合格への差別化戦略を学ぶ。さらに余力があれば、どう二次試験でどう活用するのか検討しておきましょう。経営はいろんな外国人の先生が登場するので、顔を見てイメージで覚えましょう。
また、平成26年の事例ⅡではPPMの知識が直接問われることもあるので、知識が曖昧だと厳しい結果になってしまうかもしれません。二次試験で5フォースに当てはめて状況を分析しなさいなどの知識問題が出題されてもおかしくはないのかなと思います。
【組織】
組織の論点としては組織構造論と組織行動論の2つ。
しかし、組織は難しい。
一次試験で正解できることも重要だが、正解できるだけでなく知識をきっちり理解する必要があります。
組織構造論は事例Ⅰで必須な知識です。
チャンドラー先生の『組織は戦略に従う』はニ次試験でも良く使います。
個人的に好きな先生はバーナード先生です。
共通目的・貢献意欲・コミュニケーションの経営組織の成立条件は深いですよね。
組織行動論のモチベーション理論は外人顔シリーズの見せ場。とにかく顔と名前とセットで覚える。
そして、Joan Woodwardの考えに想いを馳せましょう。
【マーケティング】
マーケティングはやっぱり4P戦略。製品・価格・チャネル・販促の4つが重要。
製品はさらにブランド等の細かい論点に分かれるため、深堀が必要です。
この知識は事例Ⅱのマーケティング戦略の切り口として活用します。
特に去年の平成27年の問題ではしつこく聞かれた論点です。
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■ 今年の試験の難易度など■
この科目は難化も易化もしないと思います。
例年と同じように50点後半の平均点に落ち着くことになるでしょう。
その安定した難しさをどう乗り越えるか。
その答えは過去問の中にあると思います。
この科目は単なる知識の暗記や理解だけでは得点しにくく、試験問題に応じた対策が必要になります。
・どの論点が問われているのか気づくセンス
・そのセンスを裏づけする知識
・どのようにひっかけてくると間違えるのかの作問者視点
これらの切り口で過去問分析してみてはどうでしょうか。
8月6日、知識から逃げなかったその先にあるものが何か自分で確かめてみましょう。
では、まとめ。
・ポーター先生から差別化戦略を学び試験に活用する。
・組織論は顔とセットでイメージで覚える。
・マーケティングは4P戦略。
・知識から逃げない。センスを知識で裏づけ。
byこば
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古い記事に失礼します。どの論点が問われているか気付くセンスが大事←共感いたします。それと、同じ論点が繰り返し問われていることに気付くセンスでしょうか。
匿名様
過去記事もお読み頂きありがとうございます。
どの論点が問われているかを気づくセンスは二次試験でも必要になります。
また、同じ論点が問われていることに気づくと、
診断士試験もそんなものかと思えてきます。
同じ論点=診断士に必要な知識です。