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みなさん、おはようございます。なおさんです。

本日より「10代目高得点解答にみる2次試験合格のポイント!」と題しまして、平成30年度2次筆記試験の10代目の再現答案を分析して、2次試験の本質に迫っていきたいと思います。
どこかで見たことのあるようなタイトルだなぁと思われた道場通のあなた!

正解です。(^o^)/~

ご察し則り、9代目だいまつ兄さんのパクリ&アレンジ版でございます。私の中では、きゃっしいさんの「実況解説シリーズ」と合わせて「後世に残したい名作シリーズ」と(勝手に)位置付けております。

今回は、10代目の再現答案の中から再現度の高いもの(7人分)を選択し、開示得点と合わせて「診断協会が想定する答え」をあぶりだしていきます。
「再現答案」ですので、当たり前ですが「平成30年度の合格者が80分で書き上げたもの」になります。私もそうでしたが、受験校の練り上げられた模範解答を前に「どうやったらこういう解答が書けるのだろう???」と悩まれている方には「目指すべき等身大の解答例」として、これから2次試験の準備を始める方には「回り道をせずに済む合理的な目標」としてお伝えできればと思います。

この記事のために快く再現答案を提供してくれた10代目のみんなに感謝します。そして、これから書き始めるのでどうなるかわかりませんが、、、、切り捨て御免! (^^;

さて、平成30年度の事例Ⅳは、従来と少し傾向が変わって文章問題が多くなりました。また、第2問、第3問は問われ方が少し変わっていましたので、これに戸惑った受験生も多かったと思います。
(間違いなく私もその一人です。(^^;)

しかし、平成30年度のように計算式を書かせるということは「部分点を与えようとしている」ことに他なりませんので、最終的な答えが間違っていてもそれほど落ち込まなくて良いと思います。
尚、各設問の詳細な事例分析&解説につきましては、以下の記事も参考にしてください。
なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅳ

※本記事は、平成30年度の問題を事前に説いてから読んでいただけると効果的です。

さて、そろそろ始めていきましょうか。(^^)/


第1 問(配点24点)
(設問1)
D社と同業他社の財務諸表を用いて経営分析を行い、同業他社と比較してD 社が優れていると考えられる財務指標を1つ、D社の課題を示すと考えられる財務指標を2つ取り上げ、それぞれについて、名称を(a)欄に、その値を(b)欄に記入せよ。なお、優れていると考えられる指標を①の欄に、課題を示すと考えられる指標を②、③の欄に記入し、(b)欄の値については、小数点第3位を四捨五入し、単位をカッコ内に明記すること。
【出題の趣旨】
財務諸表の数値に基づき、財務状態の評価目的に適合する財務比率を求めることで、診断及び助言の基礎となる数値を算出する能力を問う問題である。

最初は鉄板の経営分析です。「優れている指標一つ、課題となる指標二つを選択して計算し、その説明を50字以内で説明する」というスタイルも例年通りでしたね。ここは配点も24点と高いので確実に得点したいところです。さて、10代目の結果です。

驚くべきことに全員完全正解です。(@o@)/
やはり、合格するには経営分析あたりで躓いていてはいけないということでしょうかね。まだ時間がありますので、皆さんもキッチリ仕上げておくようにしてください。

第1 問(配点24点)
(設問2)
D社の財政状態および経営成績について、同業他社と比較してD社が優れている点とD社の課題を50字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
適切な財務比率に基づき、同業他社と比較することで、財政状態及び経営成績を把握し評価する能力を問う問題である。

こちらも例年通りの同業他社比較です。設問1が正解であれば解答要素は問題ありませんが、50文字という短い文章に押し込むのに苦労しますね。しかも設問で「優れている点と課題を述べよ」と問われていますので、「優れている点は~、課題は~。」と書ければ非常にわかりやすい解答になります。では10代目の再現答案です。

ぐっち(59点):
優れている点は内部留保が多く安全性が高い、課題は資産の効率が悪く販管費が大きく収益性と効率性が低い。

解答パターンを実直に使っていますが、文字数制限のため少し読みにくい文章になってしまっているのが残念です。何れにせよ「安全性が高い」「収益性と効率性が低い」が必須要素ですので、これが抜けなければ問題ありません。

kskn(74点):
安全性は高く優れているが、外部委託が多く、また複数の拠点を持つことから効率性や収益性の低さが課題。

こちらは事例Ⅳ最高得点のksknの再現答案です。見事な編集能力で読みやすい解答に仕上げています。
他の10代目も3つの必須要素を盛り込みながら文章を構成できていますので、やはり経営分析は確実に解答できるようになることが「合格への第一歩」だと思われます。

第2問(配点31点)
(設問1)
今年度の財務諸表をもとに①加重平均資本コスト(WACC)と、②吸収合併により増加した資産に対して要求されるキャッシュフロー(単位:百万円)を求め、その値を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。
【出題の趣旨】
財務諸表等の数値から加重平均資本コストを求め、吸収合併で取得した資産に対する要求キャッシュフローを算出する能力を問う問題である。

(設問2)
吸収合併により増加したキャッシュフロー(単位:百万円)を求め、その値を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。
また、吸収合併によるインテリアのトータルサポート事業のサービス拡充が企業価値の向上につながったかについて、(設問1)で求めた値も用いて理由を示して(c)欄に70字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
営業損益数値から増分キャッシュフローを求め、要求キャッシュフローとの関係に基づき、吸収合併を企業価値の視点から評価する能力を問う問題である。

(設問3)
(設問2)で求めたキャッシュフローが将来にわたって一定率で成長するものとする。その場合、キャッシュフローの現在価値合計が吸収合併により増加した資産の金額に一致するのは、キャッシュフローが毎年度何パーセント成長するときか。キャッシュフローの成長率を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。
【出題の趣旨】
加重平均資本コストと増分キャッシュフローに基づき、資産価値の維持に必要な成長率を求めることで、診断及び助言の基礎となる数値を算出する能力を問う問題である。

合併により増加した資産に対する要求キャッシュフローと、実際の営業成績から見たキャッシュフローを計算させその評価を記述させる問題です。
設問1-①が正解しないと設問1-②が正解できない、設問1-②と設問2-(a)が正解しないと設問2-(c)および設問3が正解できない、という多重構造になっていますので、いわゆる「難問」だと思います。計算過程を書かせるのは、部分点を与えるための「救済策」だと思われます。

ここでも10代目の成績を一覧表で見てみましょう。

下の2人はヤバいですね。(^^;
第2問で正解しておきたい問題は、「設問1-①:加重平均資本コスト3.30%」と「設問2:増加したキャッシュフロー3.8百万円」ですね。この2つの答えと式の両方が正解できれば合格ラインに大きく近付くと思います。上の一覧表ではmakino(60点)がモデルケースになりますね。

さて、設問2の文章問題です。

(設問2-c)
また、吸収合併によるインテリアのトータルサポート事業のサービス拡充が企業価値の向上につながったかについて、(設問1)で求めた値も用いて理由を示して(c)欄に70字以内で述べよ。
【出題の趣旨】
営業損益数値から増分キャッシュフローを求め、要求キャッシュフローとの関係に基づき、吸収合併を企業価値の視点から評価する能力を問う問題である。

設問要求に「企業価値の向上につながったか否か」「設問1で求めた値も示して理由を示して」とありますので、「要求CFの6.27百万円」と「実際に増加したCFの3.8百万円」の数字を文章として入れ込みながら解答する必要があります。完全解答出来ていたのはこの方お一人だけ。素晴らしいですね。

かわとも(72点):
吸収合併による増加資産に対する要求CFは6.27百万円だが、実際の増加CFは3.8百万円と少ない為、サービス拡充は企業価値向上につながらなかった。

ただ、この問題、冷静に考えると部分点は十分にとれるんですよね。
設問3で「実際のCFが一定率で成長した場合に要求CFに追いつくのには何%必要?」と問われていますので、計算しなくても実際CFの方が低いことがわかります。ですので、
「企業価値の向上につながっていない。理由は、実際の増加CFが吸収合併により増加した資産に対する要求CFよりも少ないため」という解答までは書けたはずです。
この「数字無し、企業価値向上につながっていない」という解答を書いていたのがksknです。さずが、抑えがきいています。

 

第3問(配点30点)
(設問1)
来年度は外注費が7%上昇すると予測される。また、営業所の開設により売上高が550百万円、固定費が34百万円増加すると予測される。その他の事項に関しては、今年度と同様であるとする。
予測される以下の数値を求め、その値を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。
①変動費率(小数点第3位を四捨五入すること)
②営業利益(百万円未満を四捨五入すること)
【出題の趣旨】
営業損益の内訳とその変動の予測に基づき、予測の営業損益を求めることで、診断及び助言の基礎となる数値を算出する能力を問う問題である。

出題の趣旨で「診断及び助言の基礎となる数値を算出する能力を問う」と書かれると心が痛いですが(^^;、ここは恥を忍んで10代目の一覧表です。

意外と正答率は高くありません。kskn、どいこうは安定の正解。かわともはやっちゃってますね。いよっち、makinoは第2問を取って第3問を落とす、ぐっちは逆に第2問の失点を挽回しています。

第3問(配点30点)
(設問2)
D社が新たに営業拠点を開設する際の固定資産への投資規模と費用構造の特徴について、60字以内で説明せよ。
【出題の趣旨】
サービス提供形態及び営業費用の内訳から、営業拠点の費用構造と開設投資の特徴について、分析する能力を問う問題である。

営業拠点の費用構造と開設投資の特徴について問われています。設問3の「営業拠点を増やし続けたらどうなる」につながる問題ですね。
営業拠点の費用構造については、外注を利用しているため「変動費が大きい」ことが特徴です。また、開設投資については貸借で拠点を開設しているために「固定資産への投資規模は小さい」ことが特徴です。この2つの要素を両方入れられれば良いですね。

kskn(74点):
売上増加に対する固定費増加は約6%と投資規模は小さい。費用構造は変動費、特に外注費の割合が大きい。

かわとも(72点):
固定資産への投資規模は少ない。費用構造は34百万円の増加と少ない固定費で営業拠点を開設でき、変動費率が高い。

さすが高得点のお二人さん、ベストアンサーですね。

気が付いたらここまで「いい人」風のコメントしかしてませんねぇ。では、ここで二人ほど軽く切り捨てておきます。(^^;

いよっち(65 点):
費用構造は外注費等の変動費の比率が高く、固定費の比率が低い特徴がある。固定資産への投資規模は1拠点あたり38百万円と適正水準である。

「費用構造」は「変動費の比率が高い」と押さえられていますが、「固定資産への投資規模」は「適正水準」と言い切っちゃってます。何をもって適正と判断したんでしょうかね。(^^;

ぐっち(59 点):
売上・有形固定資産より固定資産への投資は約30百万円。費用構造は変動費率が高いが販管費の固定費が大きく回収し営業利益向上。

ぐっちも「費用構造」は「変動費の比率が高い」と押さえられていますが、「固定資産への投資規模」は「約30百万円」と数字を書いてしまっています。設問では「特徴について説明せよ」となってますので、★設問要求に応えていない見本★です。
良い子は真似しちゃだめですよ。(^^)/

第3問(配点30点)
(設問3)
(設問2)の特徴を有する営業拠点の開設がD社の成長性に及ぼす当面の影響、および営業拠点のさらなる開設と成長性の将来的な見通しについて、60字以内で説明せよ。
【出題の趣旨】
営業拠点の新たな開設と成長性の関係について、売上高及び利益への短期的・長期的な影響の視点から分析する能力を問う問題である。

これは難問だと思います。出題の趣旨には「売上高及び利益への短期的・長期的な影響の視点から分析」とありますので、「短期的には~だが、長期的には~。」という2つの要素からなる解答が要求されています。
「解法実況&事例研究」の記事で書きましたが、「D社の営業利益率は1.20%と低いので、開設した営業所の営業利益率20.52%はD社の売上・利益の拡大に好影響」を与えます。こちらは短期的な影響の分析ですね。
長期的には、同様に売り上げは拡大していきますが、徐々にD社全体の営業利益率が高くなりますので「利益率の伸び」は逓減していきます。要するに20.52%に収斂していくということです。

かわとも(72点):
当面の影響は営業利益が113百万円増加する。今後は営業拠点の更なる開設により少ない投資で売上増加による成長が見込める。

いよっち(65点)
拠点開設により、売上増加による収益性向上等の好影響が期待でき、更なる開設により設備の効率性や長期安全性の向上が期待できる。

10代目の再現答案では、短期的な売上高と利益の向上に言及できているメンバーは多かったですが、長期的な利益率の伸びに言及できているメンバーはいませんでした。この問題は「短期的には売上・利益に好影響を与える」を正解して部分点が取れれば十分だと思います。いよっちの後半部分(長期的な影響)は事実として間違ってはいませんが、設問要求にある「成長性の将来的な見通し」ではありませんので点は入っていないと思われます。

第4問(配点15点)
D社が受注したサポート業務にあたる際に業務委託を行うことについて、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があるのはどのような場合か。また、それを防ぐにはどのような方策が考えられるか。70字以内で説明せよ。
【出題の趣旨】
業務委託によるサービス業務の遂行について、事業展開や業績の視点から課題を把握し、方策を提言する能力を問う問題である。

与件文には、5段落目に「協力個人事業主等の確保・育成および加盟物流業者との緊密な連携とサービス水準の把握・向上がビジネスを展開するうえで重要な要素になっている」という記述と、6段落目に「配送ネットワークの強化とともに、協力個人事業主等ならびに自社の支店・営業所の拡大が必要」とありますし、「昨今の人手不足の状況下で、優秀な人材の採用および社員の教育にも注力する方針」とありますので、「サービスレベル」と「人員の採用・教育」「自社の支店・営業所の拡大」が切り口として考えられると思われます。

■サービスレベルに着目

かわとも(72点)
①委託先のサービス水準が低い場合②顧客情報が流出する場合に悪影響の可能性がある。防止策は①研修や定期的見回りを実施し②秘密保持契約を結ぶ。

ぐっち(59点):
悪影響は、委託先との連携不足や委託先のサービス水準が低い時。防ぐ方策は、委託先と緊密な連携を行い、委託先にサービス向上の教育を実施する。

なおさん(53点):
業務委託する個人事業主や物流業者の顧客サービスレベルが低下した場合に受注減のリスクがあるので、品質レベルの高い委託先の選択と教育が必要である。

■人材不足に着目

いよっち(65点)
リスクは①人手不足で協力個人事業主が確保できない②加盟物流業者との連携ができない場合。方策は①協力者の確保・育成②システム共通化等の連携の強化。

makino(60点):
人手不足による人件費高騰と人材不足の悪影響がある。予防策は長期契約・人材育成・サポートを行いする事

■外注費の高止まり→自社体制の構築に着目

kskn(74点):
限界利益率が低いため、外注費の高騰により営業利益がマイナスになる可能性がある。それを防ぐため、自社内でも業務を遂行できる体制作りが必要となる。

どいこう(70点):
外注費が高止まりして貢献利益がマイナスとなる場合に悪影響がある。対策としては自社社員による業務範囲を広げることなどがある。

この問題はおそらく上記3つの切り口のどれが正解でどれが間違っているということはないと思いますので、みんなそれなりに得点していると思われます。


いかがでしたでしょうか。
次回は事例Ⅰについて分析を進めます。
以上、なおさんでした。(^^)/

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

1次試験から一週間弱が経ちましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
自己採点で1次試験突破を確認された方、おめでとうございます。ご自分を褒めてあげましたか?協力してくれた家族に感謝の気持ちを伝えましたか?いよいよ2次筆記試験に向けてラストスパートです。ギアを上げてアクセルを踏み込みましょう。
自己採点で少し点が足りなかった方、まだ望みはあります。昨年は経営法務で8点の得点加算がありました。なかなか気持ちの切り替えが難しいと思いますが、9月3日の合格発表までただ待っているだけではもったいないです。1次試験は合格したつもりで、2次試験の準備を始めてしまいましょう。

さて、今週末の10日(土)と11日(日)は、東京と大阪で一発合格道場の夏セミナーが開催されます。道場もここから一気に2次試験対策にアクセルを踏んでいきます。
私は東京と大阪の両方に登壇しますので、セミナーに参加者される方は会場でお会いしましょう。(^^)/

さて、本日は「あと5点延ばすための2次試験のポイント」と題しまして、各事例ごとに事例を読み解く視点や、解答構築の際のフレームワークをお伝えします。
今年の2月26日に「80分間の過ごし方」の記事の中で書きました「第三段階:多面的な解答で得点を積み上げる」が本日の記事になります。

既に一部は「解法実況&事例研究」シリーズの解説中にもちらほら出てきていますが、それらを体系的にまとめたものになります。
以下に書かれているポイントを常に意識しながら解答構成することで、各事例ごとに5ポイント程度の加点要素を作り出し、事例全体の底上げができればと思います。

それでは、なおさんの「あと5点延ばすための2次試験のポイント」いってみましょう。


事例Ⅰ~Ⅲ共通

「80分間のプロセスも馴染んできた」、「与件文から解答要素の抜き出しもできるようになってきた」、ここまで来たら合格はもう手の届くところまで来ています。
ここでは2次筆記試験事例Ⅰ~Ⅲに共通する解答作成ポイントについて解説していきたいと思います。

1.設問要求に沿って解答する

「設問要求に沿って解答する」というアドバイスを聞いたことがあると思います。ただ、実際には「設問要求に沿う」ことがなかなか難しいですよね。例えば平成30年度事例Ⅲの第5問で「C社が立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための今後の戦略について助言せよ」と問われたときに、漠然と「付加価値を高める戦略を答えるのだな」と考えただけでは不十分です。
設問でわざわざ「立地環境(O:Opportunity)」と「経営資源(S:Strong)」と異なる側面が書かれているのですから、「立地環境を生かした戦略をひとつと、経営資源を生かした戦略をひとつ、合わせて二つの解答要素で構成するのだな」と理解して解答することが「設問要求に沿う」ということです。
2次筆記試験は、日常生活ではありえないくらい「ロジカル」ですし、ロジックの構成密度は「予備校模試」とはレベルが違います。多くの方が2次筆記試験の勉強教材として「過去問」を上げるのは、本試験のレベルでロジックを練り上げられた教材が他には見当たらないからです。
設問文に「○○や△△」という並列表記が出てきたら、二つの要素が要求されていないか確認するようにしましょう。

2.回答内容は与件文を根拠とし、当たり前に考えられる内容を書く

二次試験は「設定された箱庭世界の中で行う推理ゲーム」のようなものだと思います。受験者の知識や経験が問われているのではなく、「仮想世界の中で、ルールに基づいて、設定された条件をクリアして、ゴールする」のです。与件文から証拠を探し出し、与えられたヒントに沿って展開を推測し、条件に従って解答を組み立てる。私は「これはゲームだ」と思うようになってから、与件文からの証拠の抜き出しに漏れがなくなり、得点が安定してきました。
診断士は、中小企業経営者の価値観の世界に入り込み、その世界の中で経営者に寄り添って問題を解決することが求められます。中小企業診断士の試験は将来の診断士を選抜するための試験なのですから、中小企業の限られた経営資源、条件、材料(=箱庭)の中で、社長が理解し、納得し、行動に移すことができる(突飛なアイデアではなく、一般人が理解できる)提案(=解答)を行わなければいけない(=合格しない)のは当然ですね。

3.因果は大切、ロジカルに書く

ロジカルシンキングは自分の考えを相手に分かりやすく伝えるビジネススキルとして、問題解決や情報整理など仕事のさまざまなシーンで活用されています。因果とは原因と結果のこと。「AだからB」という因果が、論理的で矛盾がないことで相手が理解し、納得することができます。
対応策を問われているということは、中小企業の社長さんに「どうしたらいいでしょう?」と聞かれているということですから、「〇〇が原因ですので、対応策は〇〇を行います。そうすると〇〇になって利益が増えますよ。」と答えてあげたいですよね。
2次筆記試験は、机上の「模擬診断」を通じて中小企業診断士として適性のある人を選抜する試験なのです。

例)
対応策は、購買業務を製造部に移管することである。

対応策は、業務量が多くて業務が滞ることもある設計要員から購買業務を製造部に移管し、設計要員の業務負荷を軽減することで本来の設計業務に関わる時間を確保することである。


事例Ⅰ

1.「強み」を聞かれたら

強みを聞かれたら、与件文のキーワードを散りばめながら、締めくくりは「〇〇が可能な営業力」、「〇〇〇をする△△技術力」でまとめます。事例Ⅰは「組織・人事」が問われていますので、経営資源としての組織力であることが明確になるようにします。

2.特徴を表す言葉は省略しない

特徴を表す言葉、特に形容詞は省略してはいけません。これは組織としての特徴を表しているからです。例)高品質な、創業以来、

3.人的資源管理のキーワード(さちのひもけぶかいねこ)

人的資源管理では、「さちのひもけぶかいねこ(幸の日も毛深い猫)」というキーワードで検討すると、抜け・モレが無く要素を洗い出すことができます。

サ(採用・配置):適材適所の配置、経験者中途採用、非正規社員の活用
チ(賃金・報酬):成果主義的な給与体系
ノ(能力開発):OJT、OFF-JT、外部研修
ヒ(評価):成果主義、公平・公正な評価、目標管理制度
モ(モチベーション):士気向上、モラール向上
ケ(権限移譲):~について権限移譲する、迅速な意思決定、後継者育成
ブ(部門):専門部署の設置
カイ(階層):フラット化、組織化
ネ(ネットワーク):外部連携、産官学連携
コ(コミュニケーション):会議体の設置、意思疎通の向上


事例Ⅱ

1.グラフや表の読み取り

グラフや表の読み取りが出されたら、「分析結果」を必ず解答に表現します。
・人口構成比の高い30~40台の子育て世代をターゲットにし(H.29)
・購入数量や消費量が減少傾向にある醤油の大容器アイテムはラインナップを整理し(H.28)

2.ターゲット(誰に)

事例Ⅱで「ターゲット(誰に)」を問われて解答を作るときは、「デモ・ジオ・サイコ」の切り口で考えてターゲット層を明確にします。

・近隣のオフィス街に通う(ジオ)日本酒好きな(サイコ)50代男性(デモ)
・マンションに住む(ジオ)子供の健康に敏感な(サイコ)30代子育て世代(デモ)

3.インターナルマーケティングのフレームワーク

①研修による能力開発、②表彰制度、③権限委譲によるモラール向上により、従業員満足度の向上→当事者意識の向上→顧客満足度の向上→固定客化

4.口コミ促進のフレームワーク

顧客関係性強化→顧客満足度の向上→口コミの発生を促進→新規顧客獲得

5.「売り上げ」

売り上げに関する問いには、売り上げを分解してそれぞれについて回答します。
  売上=客数(既存顧客、新規顧客)×客単価
※客数は「固定客(リピーター)の囲い込み」と「新規顧客の開拓」の2側面から検討します。

6.ブランドのメリット

①売上安定
リピーター、ファン(固定客)がつくため売り上げが安定します。
②広告宣伝費の削減
固定客がいるため、多大な広告宣伝費をかけなくても売れます。
③新商品開発しやすい
知名度があり、価値が浸透しているため、従来とは異なる商品でも同じブランドで販売すると売り上げを確保しやすいです。
④価格競争からの脱却
知名度が高いと指名買いが発生し、価格競争に巻き込まれにくいです。
⑤従業員の忠誠心・士気向上
従業員がブランドのある自社で働くことを誇りに思えるようになります。

7.サービスの特性

①無形性
サービスには形がない。
②非貯蓄性
サービスは保存できない。在庫を持つことができない。
③非均一性
サービスは提供する人のスキルによって質が変動する。
④生産と消費の同時性
サービスは生産と消費が同時に行われる。
⑤非可逆性
一度提供されたサービスは元に戻せない。
⑥需要の時期集中
需要が、季節や曜日、時間帯によって大きく異なり、繁忙と閑散の差がある。


事例Ⅲ

1.事例Ⅲのポイント

事例Ⅲでは、「生産管理」が論点として多く取り上げられています。生産管理とは、①需要予測、②生産計画、③生産統制(進捗管理、現品管理、余力管理)、④在庫管理で構成される一連の管理サイクルのことですが、事例企業は「生産計画」「生産統制」「在庫管理」に問題のあることが多いですね。大手メーカーでは、管理が仕組み化され、日々統制されているのでしょうが、人的資源に乏しい中小企業では現実でもさまざまな問題を抱えているところが多いように思います。
また、事例Ⅲでは、「〇〇はできていない」「〇〇が過大である」等、問題点や課題が明示されることが多いので「できていない→やる」「過大→適正化する」がひとつの解答パターンになります。

2.生産計画

生産計画の課題については、「全社的な計画を立てる」→「生産統制((進捗管理、現品管理、余力管理)を行う」→「効果」という流れが解答のパターンになります。計画がなかったり個別最適な計画だったりすると、A班では問題がないがB班では長時間残業が発生していたりして全社的な非効率や人件費の増大を発生させることになります。また、段取り替えの時間を短くしようとしてロットサイズが実需より大きく設定されると、在庫が過大になってしまいます。(H30の事例)
生産計画には、材料調達計画、生産数量計画、人員計画も含まれますので、ムリ・ムラ・ムダなく工場が円滑に稼働するような計画を立てることが必要になってきます。また、需要や受注の状況に応じて、適切なタイミングで生産計画を見直すことも大切ですね。

<着眼点>
・計画がない/個別最適な計画である→全体最適な計画を作る
・計画の作成/見直しタイミングがおかしい→適切なタイミングと頻度で計画を見直す

3.生産統制(進捗管理、現品管理、余力管理)

正しい生産計画を立てたら、予定通りに生産が進行するように生産統制を行います。日々進捗状況を確認し、材料不足や納期遅延が発生しないように、問題が小さいうちに適切に対処していきます。要員管理や余力管理も行い、残業発生によるコストアップも防止します。
また、作業のムダを点検し、手待ち・機械待ちが発生しないように作業手順も最適化していきます。(H30、マン-マシンチャート)

4.在庫管理

完成品在庫の量については、生産計画と密接に関係しますので「適切な生産計画」と「適切なロットサイズ」が重要です。
工程間の仕掛品在庫については、①工程間の作業時間にばらつきがある場合、②工程間に距離があり、仕掛品の移動が必要な場合に仕掛品在庫が増える可能性があります。

<着眼点>
・工程間の作業時間の違い→平準化して工程間のばらつきをなくす
・工程間に距離がある→工程の再配置を行って移動距離を減らす

5.生産性向上・生産効率向上

「作業標準がなくバラバラに作業している」「その日の作業内容が明示されていない」「置き場所が指定されておらず探すのに時間がかかる」など、作業効率や生産性に問題がある現場の場合には、「標準化→マニュアル化→教育(OJT)」や「情報をDB化→一元管理→共有化」することが鉄板の解決策になります。


事例Ⅳ

1.マーカーを使って設問要求を確認する

すぐに計算するのではなく、マーカーを引きながら設問要求と制約条件を確認することで事故を無くします。特に計算結果の表示桁数(小数第〇位で四捨五入するのか)に注意してください。これを間違うと計算プロセスが合っていても点になりません。

2.設問ごとの解答順を考える

基本的に事例Ⅳは計算させる問題が大半です。問題によって計算量、つまり必要な時間が異なりますので、「NPVに時間がかかりすぎて、最後の簡単な文章問題が書けなかった」というもったいないことにならないように、時間がかかり、かつ多くの受験生が部分回答しかできないような難問は後に回した方が良いと思います。要するに「取れる問題は早い時間帯に解いて確実に得点する」、「難問は最後に回し、仮に時間切れで半分しか解けなかったとしても他の受験生と大差ない」ということですね。時間がかかり、ミスをしやすく、正解率の低いNPVは最後に回すのがベターです。

3.経営分析

基本的には「収益性」「効率性」「安全性」からひとつずつ解答します。

<収益性> 売り上げから利益を生み出せているか
●売上高総利益率:売上総利益÷売上高×100(%)
※商品力、高付加価値、ブランド力、販売単価
●売上高営業利益率: 営業利益÷売上高×100(%)
※販管費が課題となるケースで指摘
●売上高経常利益率:経常利益÷売上高×100(%)
※通常は使用しない。「支払利息」は負債比率の問題。

<効率性> 資産を売り上げにつなげているか
●売上債権回転率:売上高÷売上債権(回)
※不良債権がある、回収が滞っている→引当金計上というようなケースで指摘。
●棚卸資産回転率:売上高÷棚卸資産(回)
※在庫、仕掛品、在庫管理、不良品
●有形固定資産回転率:売上高÷有形固定資産(回)
※建物、工場、土地、店舗、設備投資
※効率性においては、一般的に算出式の分母には「期中平均値」を用いますが、前期末の値が不明の場合には、両方とも当期末の値を用いて指標値を算出します。

<安全性> 支払い能力があるか、資金調達は安全か
●自己資本比率:自己資本÷総資本×100(%)
●負債比率:負債÷自己資本×100(%)
※借入金、設備投資、累積赤字、自己資本、内部留保
※自己資本比率と負債比率は、計算に用いる勘定科目が本質的に同一ですので、片方のみが正解となることは考えにくく、試験対策上はいずれか一方の経営指標を考慮すれば十分です。どちらを選択するかは「センスの問題」だと予備校の講師が教えてくれました。自己資金が潤沢→自己資本比率、借り入れが多い→負債比率、という感じですね。
●流動比率:流動資産÷流動負債×100(%)
※現金、売掛金、短期借入金
●当座比率:当座資産÷流動負債×100(%)
※在庫が多く、当座資産が少ないケースで指摘
●固定比率:固定資産÷自己資本×100(%)
※固定資産、長期借入金、自己資本
●長期固定適合率:固定資産÷(自己資本+固定負債)×100(%)
※固定資産、設備投資、有形固定資産、自己資本

4.経営指標と記述問題

経営分析の記述問題で書くべき要素は以下の通りです。
主語+原因+収益性・効率性・安全性が高い・低い(向上・低下)+ため・こと+である。
・問題点は、設備投資を借入金で行ったために長期借入金が増え、安全性が低下したことである。
・特徴は、高付加価値商品が顧客に好評で売上総利益が高く、収益性が高いことである。

5.フリーキャッシュフロ―

フリーキャッシュフロー(FCF)とは、営業活動によるキャッシュフローから、設備投資などの投資活動によるキャッシュフローを控除したもので、企業の設備投資が本業で獲得したキャッシュで賄われているかどうかを示すものです。
FCF=営業利益×(1-法人税率)+減価償却費-運転資金増減額-設備投資額

6.のれん

のれんは、無形固定資産に計上し、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却します。のれんの当期償却額は、販売費及び一般管理費の区分に表示します。なお、負ののれんが生じると見込まれる場合は、負ののれんが生じた事業年度の利益(特別利益)として処理します。

7.デリバティブ(ドル建ての輸出の場合)

ドル売りの為替予約
円高:為替予約の時点で為替を確定させるため、時価レートが契約レートよりも円高になった場合、為替差損を回避できるメリットがある。
円安:為替予約の時点で為替を確定させるため、時価レートが契約レートよりも円安になった場合、為替差益が享受できないデメリットがある。

ドルのプットオプションを購入
円高:時価レートが契約レートよりも円高になった場合、権利行使により為替差損を回避できるメリットがあるが、オプションプレミアムが必要となるデメリットがある。
円安:時価レートが契約レートよりも円安になった場合、権利放棄により為替差益が享受できるメリットがあるが、オプションプレミアムが必要となるデメリットがある。


いかがでしたでしょうか。

余談になりますが、私は昨年8月、9月、10月にそれぞれ3日ずつ有給休暇を取得しました。1日有給休暇を取得すると通勤時間も含めて「1日10時間」の学習時間が確保できますので、有給だけでトータル100時間近くの学習時間を積み増していたのですね。
お仕事の関係で有給休暇が取得しやすい方、そうでない方もいらっしゃると思いますが「最後の切り札」としてご参考になればと思います。
(残り半分の有給は、15日間の実務補習時に使わせてもらいました)

以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

まずは初日、お疲れさまでした。丸一日、4科目も集中するのは大変ですし、とても疲れたと思います。本日は、みなさんが読まれているタイミング別にメッセージを用意しました。

■これから2日目の試験を受けられる方

目の前の3科目に集中しましょう

2日目の試験は、法務、情報、中小と「暗記3兄弟」のラインナップになっています。ということは、試験開始までの1分、1秒まで点が伸びますので休憩時間をフル活用して、最後まで粘りましょう。

 

■試験の休憩時間にこの記事を読まれている方

大丈夫、その調子です

いつも通りに何げなくスマホの画面を開いたあなたは、いつも通り落ち着いてできていると思います。大丈夫です。
しかし、今はブログを読んでいる場合ではありません。(^^;
次の科目に集中し、試験開始の合図まで1マークを積み上げましょう。

 

■そして2日目の試験を終えられた方

2日間にわたる長丁場の1次試験、お疲れ様でした!

協会から解答が発表されるのは明日の10時ごろです。今日くらいは1次の振り返りも、2次の準備も忘れて、これまで頑張ってきた自分を褒めてあげましょう。

そして忘れてはいけないのが、みなさんの頑張りを支えてくれた家族や応援してくれた周囲の方々への感謝です。
自分へのご褒美も兼ねて、一緒に美味しいご飯を食べに行くのもいいですね。あと、感謝の気持ちは必ず「言葉にして」伝えましょうね。どんなに親しい間柄でもなかなか気持ちは伝わらないものです。少し照れくさいかもしれませんが「支えてくれてありがとう」「協力してくれてありがとう」「応援してくれてありがとう」と言葉に出して伝えましょう。

さて本日は、
道場OPEN DAY!!

道場のコメント欄に、ぜひ!みなさんの今の気持ちを書いてみてください!

・1次試験の感想
・2次試験への意気込み
・応援してくれた方々への感謝の気持ち
などなど。

1次試験を終えて、自分の中で一区切りをつけるためにも、コメント欄をご活用ください。

道場メンバーが、全力でアツいコメントを返したいと思います。

そして、同じ試験を戦い抜いた同志達のコメントも、ぜひ良い刺激にしてください。

みなさんからのコメントをお待ちしています。(^^)/

以上、なおさんでした。

 


 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

いよいよ1次試験まであと5日。準備が順調な人も、ちょっと遅れがちな人も、まだまだ大丈夫です。あと5日もあります。

本日は「阻害要因を排除して100%パフォーマンスを発揮する」と題しまして、みなさんの力を試験当日に100%発揮するポイントについてご紹介していきます。

普段の生活ではあまり気になりませんが、実は日常生活はいろいろな阻害要因にあふれています。また、常に100%のパフォーマンスを発揮できていることもまれでしょう。逆に言えば「試験当日に何の阻害要因もなく、持てる力を100%発揮できる」方がレアなのかもしれませんね。

ですので、一流のアスリートは食事や睡眠、トレーニング内容やトレーニング後のケアに気を使いますし、ここ一番の勝負どころで高い集中力を発揮するためのルーティーンを持っていたりします。我々もこの一週間で「色々なことに少し気を遣う」ことで阻害要因を減らして、当日100%に近いパフォーマンスを発揮できるようになりましょう。

1.緊張について考える

試験だけでなく、会社のプレゼン、面接、ひょっとするとカラオケを人前で歌うときでも緊張する方はいますよね。なぜ、人は緊張するのでしょうか。
動物は「襲われるかもしれない」という危険な状態に陥ると、身を硬くして防衛状態になり、逃げるか・戦うかを判断できるように体の機能を高めます。これが緊張状態です。つまり、緊張とは動物が持つ自己防衛本能なんですね。では、なぜ試験で緊張するのでしょうか。試験で緊張を感じる理由としては、
・準備が不足している
・完璧主義である
・体調が悪い
・忘れ物をした
・遅刻した
・心配性である
などが考えられます。また、普段以上によく見せたいという気持ちも緊張を高める要素の一つかもしれません。では、どうするか。こうして書き出してみるとわかりやすいですが、全部逆にすれば緊張の要素がなくなることがわかります。
・準備不足 → 十分に準備する
・完璧主義 → 6割で合格する試験
・体調が悪い → 体調管理する
・忘れ物 → 事前に準備しておく
・遅刻した → 早めに会場入りする
・心配性 → 心配しない
※心配性の方は、同じように自分が心配だと思う要素をすべて書き出してみて、全部逆にしてみましょう。

私は以前にバンドをやっていたのですが、最初の頃はステージ前に緊張しましたし、歌詞や曲の進行を忘れる夢を何度も見ました。また、社会人になってからも新製品企画会議でのプレゼンテーションでは、(社長から山のような質問があるので)随分と緊張したことを覚えています。

しかし、よくよく考えてみると「準備不足と緊張」や「良く見せようという気持ちと緊張」に相関関係があることに気づき、「とにかくできるだけの準備をする」「良く見せようと思わず、等身大で臨む」ことを意識した結果、試験でもプレゼンでも過度に緊張することはなくなりました。
やはり、十分に準備する、等身大で勝負する、予想外の事態を想定する、あたりが緊張緩和のポイントになると思います。

2.適度な緊張は集中力を高める

緊張は悪いことばかりではありません。人間は緊張を感じると神経伝達物質を分泌して集中力を高めることができますので、適度な緊張は普段以上のパフォーマンスが発揮できるいい状態なんです。よくアスリートが「いい緊張感の中で最高のプレーができた」とインタビューで答えているのを見たりします。緊張を感じたら「お、集中力が高まるいい状態になってきた」と考えれば良いと思います。

3.トレーニングは怠らない

緊張緩和にも必要ですが、やはり試験で合格するには十分な準備(学習)が必要です。個人的には、学習の成果は「時間×質」で決まると思っています。1次試験は絶対評価ですので、60点分の正解をマークできれば全員が合格できます。つまり、60点に必要な「時間×質」の「学習面積」を問われる試験ですので、最後の1秒まで「学習面積」を積み上げていきましょう。残り5日間ですので、もう新しいことには手を出さず、これまでやってきた中で少しあやふやになっている部分の復習をするのがおススメです。

4.試験当日は完璧主義を捨てる

学習においての完璧主義は悪くありませんが、試験当日は完璧主義を捨てて楽観主義で臨みましょう。60点取れば合格する試験に完璧主義で臨むのが「勘違いさん」であることはお分かりですよね。また3分の1の問題は間違ってもいいわけですし、合計点が420点を超えれば個々の科目は半分間違ってもいいんですよ。得意科目では頑張って稼ぎ(運営:87点)、苦手科目は半分合っていればいい(経営:50点)という試験なんです。
※得点はなおさんのH30年度1次試験の結果

5.試験会場の下見をする

試験会場まで足を運んだことのない方は、下見をしておくと良いでしょう。最近はスマホのナビも便利になりましたが、初めていく時には意外と目的地の近所で戸惑うこともあると思います。散歩がてら駅から会場までの道順や、途中にどんなお店があるのかを確認しておきましょう。

6.前日は早めに就寝する

スッキリ目覚められる就寝時間は人によっても違うと思いますが、会場到着時間から逆算して就寝時間を決めましょう。神経が高ぶった状態だとなかなか寝付けませんので、就寝前はリラックスできるように工夫します。ゆっくりお風呂に入る、ハーブティーを飲みながら音楽を聴く、おいしい肴でお酒を飲む、、、自分なりにリラックスして過ごせる工夫をしてみてください。尚、くれぐれもアルコールは控えめにしておきましょうね。

7.試験会場には時間に十分な余裕をもって到着する

関東にお住まいの方は、電車で会場に向かう方も多いですよね。もし、電車が遅延したらどうしますか?ギリギリの時間に教室に駆け込んで、まだ肩で息をしているのに試験が始まる、、、これでは持てる実力は発揮できませんね。東京にお住まいの方はお分かりだと思いますが、【電車は遅れるのが普通】だと思います。通勤時に乗り換えの新宿駅に着くと、ほぼ毎日どこかの路線の遅延を知らせる案内表示が出ています。ですので、当日の朝は時間に余裕をもって会場入りされることをお勧めします。
また、試験会場に着いたら、トイレの場所を確認しておきましょう。特に男性は休憩時間に長蛇の列ができますので、複数の場所を確認できるといいですね。

8.問題用紙が配られたら、目を閉じてゆっくり深呼吸する

問題用紙が配られてから、試験開始の合図があるまでのあのわずかな空白の時間も活用しましょう。目を閉じてゆっくり深呼吸すると緊張も和らぎますし、脳に十分に酸素を回してあげれば試験開始すぐ頭を働かせられるはずです。

9.わからない問題はみんなもわからない

試験中にできない問題を発見すると、急にメンタルをやられて他の問題までできなくなり総崩れする人がいます。そういう人は「わからない問題はみんなもわからない」と自分に言い聞かせましょう。どうも中小企業診断士試験の出題側は「100点を取らせたくない」らしく(※個人の感想です)、どの教科でも「いや、こんなことテキストにも書いてないでしょ」という問題が毎年数問は出題されます。いわゆる「E問題」ですね。
合否に関係ないE問題は、「問題に〇印をつけて、適当にウとかエとかマークして次に進む」で良いと思います。一通り解答が終わったら、余っている時間で〇印の問題を振り返って「明らかに×の選択肢だけ外して、残ったものの中から(再度適当に)ウとかエとかマークする」ことでちょっとだけ確率を上げるようにします。

10.食事は少量に分けて摂る

食後は血糖値が上がり、眠気に襲われます。眠気対策はksknの記事に詳しく書かれていますので、そちらを参考にしてください。また、試験で頭を使って脳に糖分が不足しても集中できなくなりますので、休憩の度に小分けした食事と糖分補給を行います。私は「おにぎり2個、カロリーメイト(予備)、CRUNKYチョコ、麦茶(カフェインが少ない)」を持参して、休憩時間ごとに「おにぎり1個とチョコ」を補充するようにしていました。あと糖分補給にはアメちゃんもいいですね。大阪にお住まいの方は前もっておばちゃんからもらっといてください。(^^;

11.休憩時間には外の空気を吸ってストレッチする

試験の合間の休憩時間は、ぜひ教室の外へ出て新鮮な空気を吸いに行きましょう。また、緊張するとどうしても首や肩まわりの筋肉がこわばって脳への血行が悪くなりますので、首や肩のストレッチを行って筋肉を十分にほぐして脳への酸素供給を確保します。

12.最後に

試験に向けて緊張したり不安を感じたりする最大の理由は、皆さんが今まで一生懸命頑張ってきたからだと思います。「今までの努力をしっかり発揮して、結果に繋げなければならない」、そう思えば思うほど緊張感や不安は高まってくるものです。ですがそれを過度に心配する必要はありません。「緊張や不安は努力の証」と認識し、これまでの努力に自信を持って試験に臨んでほしいと思います。
皆さんの合格を心から応援しています。

 

 

おまけの告知

さて、本日はおまけで告知をさせてください。私、電子書籍を出版しました。(^^)/

「中小企業診断士 第2次試験 解法実況&事例研究 平成30年度事例Ⅰ~Ⅳ」

この本には、これまで道場で書いてきました「80分間の過ごし方」「解法実況&事例研究Ⅰ~Ⅳ」に加えて、次回投稿予定の「あと5点伸ばすための2次試験のポイント事例Ⅰ~Ⅳ」が収録されています。

先日、電子書籍出版のセミナーを受講した際に「ひとつの区切りとしてまとめてみようかな」と思ったのがきっかけです。道場記事を読めばいらないという話もありますが (^^;、もし興味のある方がいらっしゃいましたら「なか見!検索」で冒頭部分だけでもご覧ください。

 

以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

1次試験まで残すところ18日。追い込みの高速ループは順調でしょうか。
ここまでくると過去問の〇印が残っている分野からもわかるように「この分野は大丈夫」、「この分野はもう少し頑張らないと」と科目内でも明暗が分かれてきていると思います。

TACの問題集をお使いの方は、巻末に「出題傾向分析表」というのがありますので、ここに残りの〇印をプロットすれば、課題分野が浮き彫りになってくると思います。たまにはちょっと立ち止り、自分の現在位置を俯瞰してみて、作戦を練り直すことも重要ですね。

さて、本日は「過去問ループ3周目、〇印の選択肢解説で直前ノートを作ろう」と題しまして、自分の課題分野を最後の1分まで悪あがきするための方法をご紹介します。

前回の記事「過去問と超高効率ループ学習法」でご紹介したループ学習を行っていると、
・1周目 ・・・ 得意な分野以外はまぁまぁ〇印が残る
・2周目 ・・・ 理解しやすい分野、覚えやすい分野の〇印が消える
・3周目 ・・・ 〇印は全体の3割程度まで減るが、不得手な分野があぶりだされてくる
・4周目 ・・・ まだ〇印が残っていると軽くへこむ
という感じで進行していくと思います。(あくまで個人の感想です)

本日の提案は、3周目(4周目でもいいですよ)が終わって残っている〇印は自分の課題分野になってきますので、過去問を高速ループするだけではなく、「直前ノート」を作ることで、すき間時間に解説の読み込みを行い、ループを多重構造にして知識の定着を図ろうという方法です。

さらに、「直前ノート」を科目別に再編集(ホチキス止め)することで、本番の試験科目間にある40分(昼は60分)の休憩時間の間にも読み込んで、最後の1分まで悪あがきをしましょう、という提案です。

具体的な手順は以下の通りです。

1)選択肢の解説を書き写す

〇印の残っている過去問を解いて、明確に正誤の判定ができなかった選択肢の解説を書き写します。この時、ノートではなく、レポート用紙やルーズリーフなど、あとで科目ごとにまとめられる媒体がおすすめです。

2)1科目終わったら小冊子にまとめる

1科目の周回(5年分の過去問)が終ったら、書き写した解説を小冊子にまとめます。

3)常に持ち歩いてひたすら読む

さすがにこの時期に分厚いテキストを持ち歩くのは非効率です。薄い小冊子であれば複数科目分を持ち歩くことも容易ですので、常に携行し、通勤時間やすき間時間を見つけて読み込むようにしましょう。特に不得意科目については、コピーを作成して家の中のいたるところに配備するのもありかもしれません。

4)試験当日も持参して休憩時間に読む

1次試験本番では、ひとつの科目が終了したら振り返っていても仕方ありません。休憩時間はトイレを済ませたら、次の科目に備えて時間いっぱいまで直前ノートを読み込みます。ひょっとすると最後に読んだ部分が出題されて、1問正解できるかもしれませんよ。1次試験の一日目には、二日目の科目の「直前ノート」を持っていくのも忘れてはいけません。一日目が終わった帰りの電車では、二日目の科目を読み込みます。

「二日目には何を持っていったらいいの?」

それはもちろん「応援してくれた家族への感謝の気持ち」です。二日目が終わったら、頑張った自分へのご褒美とこれまで応援してくれた家族への感謝の気持ちを兼ねて、一緒においしいご飯を食べに行きましょう。
(超おすすめします。(^^)/ )

さて、いかがでしたでしょうか。

「もう少し早く教えてくれよぉ」という声が聞こえてきそうですが、この時期まで温存していたわけではありませんのでご容赦ください。m(_ _)m

私は、テキスト、スピ問、過去問を一周目から「不明点の書き写し」を行いながら学習を進めて、独学で1次試験を一発攻略しましたが、振り返ってみると、一周目から書き起こしをするということは、その後覚えてしまいノートが不要になる部分まで書き起こすことになるので少し非効率かなと思います。
ですので「直前ノート」は、「3周目の周回で不明瞭だったものを書き出す」くらいが一番効率が良いのではないかと思います。

また、「今から7科目全部は大変」という方は、不得意科目だけでもノートを作成すれば良いと思います。前回も少し書きましたが、同じ時間を投入した場合、不得意科目の方が得点の伸びしろ分だけ効率的です。

残り18日、もう一段ギアを上げてアクセルを踏み込んでいきましょう。応援しています。

以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

7月になりましたね。1次試験まではちょうど一か月、いや今日を入れてあと31日と言った方が良いでしょう。
みなさん、順調に進んでいる方も、ちょっと遅れを感じている方も、いまひとつ自信が持てない方も、大丈夫です。
31日あれば結構なことができます。一段階、ギアを上げてアクセルを踏み込んでいきましょう。

2年前に私が1回目の1次試験を受験した時の話をします。
私の2017年の1次試験結果は、
経済(60)、法務(68)、情報(76)、中小(62)
でした。勉強を始めたのが2017年4月でしたので、「4か月で7科目は無理。今年は半分科目合格して2年計画にしよう」と考えました。
また、さらに4か月間の学習計画を、
・4月:情報(得意科目は早めにクリアして安心する)
・5月:法務(会社法と知財はそこそこ知ってる)
・6月:中小(知らないことばかり、暗記科目は直前期)
・7月:総合復習
と立てました。

気が付かれましたか?当初の学習計画には、経済が入っていませんね。

実は、6月末まで進んだ時点で、情報、法務、中小がわりといい感じに仕上がっていましたので、「予定通り3科目で行くか、欲をかいて経済を追加して2年目を2次関連の3科目のみにするか」で悩みまして、結論として「7月から経済の勉強を開始して4科目受験する」決断をしました。
それまで経済学は一切学んだことが無かったのですが、勉強を始めてみると“理系”の私と相性が合ったのか3週間で一通りの勉強が終わり、最後の一週間を総合復習の時間に充てて、1次試験を迎えることができました。
結果は前述のとおりです。
(「限界**」は、「なんだ微分じゃん」という感じですんなり理解できました。それにしてもスレスレでしたね。(^^; )

ね、今からでも1科目くらいならゼロから始めて科目合格まで持っていけるだけの時間があるのです。
ただ、漠然と過ごしていても効果は薄いので、本日は私から残り31日を最大限に活用するためのポイントと「ループ学習法」について解説したいと思います。

1.教材は過去問に絞る

教材は「過去問」だけに絞ります。ここまで勉強を進めてきた皆さんですから、既に理解している分野と、いまひとつ曖昧な分野が共存している状態かと思います。理解している分野のテキストを改めて読み返すのは時間のムダですので、テキストは教材として効率が悪すぎます。過去問を解きながら、過去問の解説では理解できないときにだけ開いて確認すれば十分でしょう。もう、本棚にしまっちゃいましょう。

スピ問も実際に出題される問題よりもやや易しく作られていますので、合格レベルに持っていこうとする現時点では少しもの足りません。まだ解いていない分野やクリアしていない問題が残っていると不安かもしれませんが、こちらも本棚にしまっちゃいましょう。

こうしてみなさんの手元には、受験する科目の「過去問」だけが残りましたね。これで準備はOKです。

2.各科目にかける時間を決める

残りの31日間を科目ごとに割り振ります。心配性の方は7科目全部を一通り当たっておかないと不安かもしれませんが、1次試験の得点を最大化するためには、科目ごとの進捗状況によって思い切って傾斜配分するのが良いと思います。
同じ時間をかけた場合でも、既に80点に達している科目の加点量と現在40点の科目の加点量は異なります。40点の科目が60点に達することは大いに期待できますが、80点の科目が100点になることはありません。
そもそも100点を目指す試験ではありませんしね。
出題傾向によるばらつきを考慮して「70点」を目標ラインとした場合、
・70点オーバーが見込める科目は、週末に半日振り返るだけにするなど思い切って極小化する。
・残りの科目は未達度合いに応じて重みづけをする。60点の科目はマイナス10点、50点の科目はマイナス20点なので、50点の科目に60点の科目の倍の日数を与える。
・31日間で3~4週できるように周期的に配置する。月初に学習して試験日まで放置することのないように。周期的に学習することで記憶定着を図る。

さて、これで過去問を周回する準備が整いました。それでは、いかに周回するかについて私の方法をご紹介します。

3.超高効率「ループ学習法」

この学習法は、私が学生時代から愛用している方法です。問題集を2周、3周と解いていくときに、この手順に従えば、理解できている項目はあっさりと、苦手な項目はとことんしつこくループ学習することができます。
それでは具体的に手順を解説していきましょう。

一周目:
まず、1周目は過去問を順番に解いていきます。そして不正解だった問題には、シャープペンで「〇印」をつけていきます。また、何となく正解だった、2つに絞り込んで当たった、という状況のものにも印をつけます。
診断士試験では、正解、不正解はもちろんですが、正解の選択肢が正しく選択でき、かつ不正解の選択肢も不正解であることが判断できていることが重要です。
ですので「全ての選択肢を正しく正誤判定し、正解した」もののみを「合格」とし、それ以外のものには「〇印(次回も解くマーク)」をつけていきます。時間があれば、正しく正誤判定できなかった選択肢の「解答・解説」を紙に書き写すのも良いと思います。

問題に〇印をつけた状態:

解答・解説を書き写したノート:

二周目:
二周目は、一周目で「〇印」が残っている問題だけを解いていきます。判定は一周目と同様に「全ての選択肢を正しく正誤判定し、正解した」もののみを「合格」とし、合格した問題は「〇印」を消しゴムで消してしまいます。
つまり「合格出来たらもうやらない」ということです。

時間があれば、正しく正誤判定できなかった選択肢の「解答・解説」を紙に書き写します。感覚的には、2周目で〇印が半分くらいに減っていきます。

三周目:
三周目も同様です。〇印が残っている問題を解く、選択肢を正しく正誤判定して正解したら〇印を消す、正しく正誤判定できなかった選択肢の「解答・解説」を紙に書き写す、と進めていきます。

ちょっと手間がかかるように思いますが、二周目、三周目と進むにつれて〇印の数は減っていきますので、どんどん周回スピードが上がっていきます。三周目あたりになると数時間で過去問が一周できる感じですね。
既にご理解いただいたと思いますが、この「ループ学習法」は、得意な項目はあっさりこなし、苦手な項目は高密度・高回転で勉強することができますので、この手順に沿って過去問を解くだけで、勝手に時間のバランス配分ができるというメリットがあります。

人によっては「正解したものにチェックマークを付ける」という逆のマーキングをする方もいらっしゃいますが、その方法だと周回数が進行した時に問題集が「ぐちゃぐちゃ」してきて、どれがもう1回やるべき問題かが一目でわからなくなるというデメリットがあります。上記の方法だと、周回を重ねると「残りの苦手分野が絞り込まれてあぶりだされる」「だんだん〇の数が減っていき、モチベーションが高まる」というメリットがありますのでおすすめです。

是非、「過去問に絞る」、「苦手分野/曖昧な分野の高速周回」で得点を積み増して、見事一次試験を突破されることをお祈りしています。

以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

本日は「平成29年度1次試験 経営情報システムを振り返る」と題しまして、私が科目合格した平成29年度の経営情報システムの試験をおさらいしてみます。
平成29年度は、科目受験者数13,725名、科目合格者数3,646名、科目合格率26.6%でした。平成30年度が22.9%(2,628/11,498)、平成28年度が8.5%(1,143/13,385)でしたので「大幅な難化の後の揺り戻しの年だった」という感じでしたね。(ラッキーでした。(^^)/ )

私の平成29年度試験の結果は「76点」でした。配点は各4点でしたので、「6問間違えた」ことになります。本日は、私が間違えた6問を振り返りつつ、読者のみなさんには「他山の石」としていただければと思います。
(この切り口、運営管理でもやりましたけど、「他山の石」シリーズとして使えそうですね。今更ですけど。)

それでは、なおさんの「他山の石」シリーズ、いってみましょう!


第5問
オペレーティングシステム(OS)は、制御プログラム、言語プロセッサおよびユーティリティ(サービスプログラムとも呼ばれる)で構成される。OSの基本機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア.言語プロセッサには、コンパイラ、インタプリタなどがある。コンパイラは、高水準言語で記述されたプログラムを機械語のオブジェクトプログラムに変換する言語プロセッサである。

イ.タスク管理とジョブ管理は、制御プログラムの基本機能である。タスク管理は、プログラムの実行単位を1つのタスクとして、その処理順序を監視・制御することであり、ジョブ管理は、タスクを細分化したジョブにCPUや主記憶などの資源をいかに割り付けるかを管理することである。

ウ.デバイスドライバは、入出力装置などを操作・管理するプログラムであり、制御プログラムの中に組み込まれている。従って、新しいデバイスドライバが必要になった場合、OSの再インストールが必要となる。

エ.ユーティリティは、制御プログラムおよび言語プロセッサを代替する機能を持ち、これによってOSは安定して稼働できるようになる。

オペレーティングシステム(OS)の基本機能に関する問題です。OSは、入出力機能やメモリ管理などの基本的な機能を提供し、アプリケーションソフトウエアを動かすための土台となるソフトウェアです。Windows、MacOS、iOS、Androidがこれに当たります。OSには、制御プログラム(いわゆるシステムプログラム)、言語プロセッサ、サービスプログラム(ユーティリティ)が含まれています。それでは選択肢を順に見てみましょう。

選択肢ア:
言語プロセッサは、低水準言語や高水準言語で記述されたプログラムを機械語に変換(翻訳)するソフトウェアです。言語プロセッサには、ソースプログラムを一括で変換するコンパイラと1行ずつ変換するインタプリタがあります。記述は問題なさそうです。

選択肢イ:
タスク管理とジョブ管理は、OSの主な機能の一つです。ジョブとは、コンピュータに渡す仕事の単位で、ユーザーから見た仕事の単位とも言えます。タスクは、コンピュータ内部での仕事の単位にまでジョブが細分化されたものをいいます。ジョブ=タスク①+タスク②+、、、という関係ですね。選択肢では、ジョブとタスクの記述が入れ替わっていますので、この選択肢は誤りです。

選択肢ウ:
前半の文は問題ありません。デバイスドライバは入出力装置などを操作・管理するプログラムで、マウスドライバ、ディスプレイドライバ、プリンタドライバなどが該当します。しかし、後半の「新しいデバイスドライバが必要になった場合、OSの再インストールが必要となる」は間違いですね。通常、新しいデバイスドライバを追加インストールするだけで使用できるようになります。また、Windowsではあらかじめ多くのデバイスドライバがプリインストールされており、マウスやディスプレイなどは、デバイスドライバの追加インストール無しで接続するだけで使えるものも多いですね。

選択肢エ:
ユーティリティは、OSの機能を補うために用意されている追加機能の様なソフトウェアで、ファイル圧縮ソフトやバックアップソフトが該当します。Windowsの場合は、ペイントやメモ帳もこのジャンルに入るかもしれません。したがって「制御プログラムおよび言語プロセッサを代替する」モノでもありませんし、「OSの安定稼働」とも完成ありませんので、この選択肢は誤りです。

以上より、正解の選択肢は「ア」となります。
BASIC(インタプリタ)やC言語(コンパイラ)を別途お金を出して買っていた経験がある私には、これらは「プログラム開発アプリケーション」という印象が強く、「ア」を正解として選択することができませんでした。当時はWindowsもない時代(MS-DOSというOSがあったことを知っていますか?)でしたので、古すぎる記憶は危険かもしれませんね。

第6問
業務処理には表計算ソフトウェアがよく利用されるが、プログラムを作成することによって、より効率的に業務を遂行できる場合がある。プログラム作成において変数を利用する際、データ型の定義が行われる。このデータ型の定義の仕方により、演算速度や演算誤差に影響を及ぼすことがある。このデータ型定義に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア.小数点付きデータについて、適切なデータ型を定義することによって、演算誤差を取り除くことができる。

イ.数値を格納する変数のデータ型を定義すれば、2進数による内部表現が区別され、演算の精度や速度にも影響が出る。

ウ.データ型を定義した変数を配列宣言して利用する場合、そのデータの格納領域は外部記憶装置に確保される。

エ.変数のデータ型を定義すれば、データ型ごとに変数名索引リストが作成されるので、演算速度の向上に役立つ。

プログラム作成時のデータ型に関する問題です。早速、選択肢を確認していきます。

選択肢ア:
小数点付きデータ同士の計算では、定義したデータ型(有効数字)を超える計算結果になることが良くあります。例えば、「***.*」と小数点以下第1位までの定義に対して、「10.0÷3.0」という計算を行った場合の「=3.3333333…」という結果がそうですね。この場合、計算結果は定義したデータ型(有効数字)に丸め込まれ「=3.3」となりますので、差分の「0.033333…」が誤差になります。したがって設問文にある「演算誤差を取り除く」ことはできませんので、この選択肢は誤りです。

選択肢イ:
ソフトウェアの画面上では10進数での表示や計算を行っている場合でも、コンピューターは「2進数(機械語)」しか理解できませんので、実際の計算は2進数で行われています。プログラムで変数のデータ型を定義すれば、2進数に変換する際のルールも変わりますので、演算の精度や速度にも影響を与えることになります。この選択肢の記述は問題ないように思います。

選択肢ウ:
変数を配列宣言するということは、メモリ上の連続した領域にずらりとデータを並べて管理するということです。ただし、配列を利用することと「データの格納領域が外部記憶装置に確保される」こととは何の関係もありませんので、この選択肢も誤りとなります。

選択肢エ:
変数のデータ型を定義しただけでは、変数名索引リストは作成されませんので、この選択肢は誤りです。

以上より、正解の選択肢は「イ」となります。しかし、この問題は選択肢のいずれの記述も難解な表現になっていますね。この問題は正解できなくても気にしなくて良いと思います。

第9問
業務処理のためには、多くの場合、データベース(DB)が利用される。DBをネットワーク環境下で利用する場合、さまざまな端末からトランザクション処理要求を受け付けるため、多くの負荷が集中することもある。このような状態の中でのDBの効率的な運用や障害対策などのための仕組みが用意されている。そのような仕組みに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア.DB運用中に表のデータ項目の追加・削除や新たな表追加が必要となり、DBの論理構造の再構築を行う場合は、SQL文のREBUILD命令において必要なパラメータを指示して実行する。

イ.DBの更新処理を行う場合は、ロックと呼ばれる排他制御が行われる。このロックをかける範囲をロック粒度と呼び、ロック粒度が大きいと排他制御のための処理のオーバヘッドが大きくなる。

ウ.DBの障害回復には、バックアップファイルを利用するロールフォワードとデータ更新状況を記録したものを利用するロールバックの仕組みがある。

エ.クライアント端末からWebサーバを経由してDBサーバに対して更新作業を行う際、まずDBサーバに対して更新作業が可能かどうかを問い合わせることを2相のコミットメントと呼ぶ。

選択肢ア:
REBUILD命令は、断片化したインデックスの再構築を行うためのコマンドです。表の論理構造の再構築を行うためのコマンドではありませんので、この選択肢は誤りです。

選択肢イ:
1回のロックでロックを掛ける範囲をロックの粒度(りゅうど)と呼び、具体的には、表単位、行単位という粒度があります。粒度が大きい(粗い)場合には、ロック回数が少なく、CPU負荷が少ないため一度に多くのデータを更新する場合に向きますので、選択肢イは誤りです。

選択肢ウ:
DBの障害回復方法には、①データベース更新前の状態を更新前ジャーナルから取得して、データベースをトランザクション開始直前の状態まで戻す「ロールバック」処理と、②定期的に保存してあるバックアップファイルで復元したのちに、バックアップ以降の更新後ジャーナルから更新情報を取得して、データベースを障害発生の直前の状態にまで復旧させる「ロールフォワード」という方法があります。選択肢の記載は問題なさそうですね。

選択肢エ:
物理的に分かれている複数のデータベースを、見かけ上ひとつのデータベースとして扱えるようにしたシステムを分散データベースシステムと呼びます。この様な分散データベースシステムでは、各サイトごとにトランザクション処理が行われているために、全体の同期をとらないとデータの整合性がとれなくなる恐れがあります。そのため、全サイトに対して「コミットできる?」という問い合わせを行い、その結果をみてコミット(もしくはコールバックを指示)することを「2相コミット」といいます。選択肢エでは、「全サイト」が「DBサーバ」となっていますので誤りですね。

以上より、正解の選択肢は「ウ」となります。こちらもSQLの詳しい知識(応用情報技術者試験レベル)が要求されていますので、できなくても気にしないようにしましょう。

第14問
ITの進化に伴い、大量かつ多様なデジタルデータを高速で処理し、分析結果を企業経営に生かせるようになってきた。そこには、日々の業務で発生するトランザクションデータ、eメールや交流サイトでやりとりされるWeb上のデータ、デジタル機器から発信されるIoT関連データなどが含まれる。これらのデジタルデータの処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア.センサーの小型化と低価格化が IoT の普及を促進している。センサーには、地磁気を測定するジャイロセンサー、加速度を測定する電子コンパスなどさまざまなものがあり、それらを組み合わせた新しいサービスが実現化されている

イ.大容量のデータ処理を高速化するため、ハードディスクの読み書きを避けてメモリ上で処理を完結する技術がある。これをストリームデータ処理という。

ウ.データベースに保管された大容量のデータを処理するために、サーバを増設して負荷を分散化させる方法を複合イベント処理という。

エ.日本語テキストの分析では、意味を持つ最小の言語単位にテキストを分け、品詞を判別することが必要になる。テキストのデータ分析に先立つこのような事前処理を形態素解析という。

デジタルデータの処理に関する問題です。早速、選択肢を見てみましょう。

選択肢ア:
前半の文章は問題ありません。後半はいろいろ無茶苦茶な記載になっていますので、多くの方が選択肢から除外できたと思います。「地磁気を測定する」センサーは、地磁気センサー、別名電子コンパスと言います。「ジャイロセンサー」とは傾きと速度から位置を割り出すセンサーです。以前は「地球ゴマ」のようなコマの回転の傾きから位置関係を計測する「回転式ジャイロセンサー」が主力でしたが、最近では地球の自転のコリオリ力を利用した「振動型ジャイロセンサー」が一般的で、カメラの手振れ補正装置やスマートフォンにも搭載され、歩く、走るなどの活動を計測するアプリに利用されています。加速度センサーは、文字通り物体の加速度(速度の変化)を検出するもので、自動車のエアバッグが衝撃を検知して作動するのも加速度センターの働きによるものです。

選択肢イ:
ストリームデータ処理は、ハードディスク上に保管されたデータではなく、SNSでの投稿やセンサーからの情報などをリアルタイムで処理する(不要なデータは保管せずにリアルタイムに破棄する)というものです。即応性が必要で、保存するには膨大で、仮に保存してもすぐに陳腐化してしまうデータに対して行われる処理ですね。ということで、選択肢イの記述は誤りです。

選択肢ウ:
複合イベント処理は、複数の情報からのデータを組み合わせ、示唆やパターンを得ようとするイベント処理です。単一イベントからは読み取れないパターンも、複数の情報(影響)を組み合わせることで特定のパターンを浮き彫りにすることを目的としています。前半の記述は、スケールアウトとロードバランサですかね。いずれにせよ、この選択肢は誤りです。

選択肢エ:
形態素解析とは、自然言語で書かれた文を言語上の最小単位である形態素に分け、それぞれの変化を割り出す分析法です。キーワードによる全文検索や日本語認識、テキストマイニングなどで使われる技術です。

以上より、正解の選択肢は「エ」となります。テキストに記載された情報だけでなく、日頃ニュース等で話題になる技術や用語にも興味を持つことが要求されていますね。

第18問
ソフトウェア開発の見積もり手法には、大きく分けて、類推法、パラメトリック法、ボトムアップ法がある。それらの手法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア.LOC法は、プログラムのステップ数に基づいて見積もりを行う手法であり、パラメトリック法に分類される。

イ.ファンクションポイントは、どの見積もり手法でも必要となる重要データである。

ウ.ボトムアップ法は、要件定義の段階で見積もる手法であり、以降の段階ではより詳細なパラメトリック法が用いられる。

エ.類推法は、過去の類似システムと比較して見積もる手法で、標準タスク法などがこれに該当する。

選択肢ア:
LOC(Line of Code)法は、プログラムの行数で開発規模を見積もる方法ですので、係数見積もり(Parametric estimating)に該当します。この記述は問題ないように思います。

選択肢イ:
ファンクションポイント法は、ソフトウェアが持つ機能(ファンクション)の数に基づいてシステムの開発規模を見積もる方法です。当然、類推法(過去の類似プロジェクトの実績から類推)ではファンクション数は加味しませんので、この選択肢は誤りです。

選択肢ウ:
ボトムアップ法は、WBS(Work Breakdown Structure)によってブレイクダウンされたタスク単位での見積もりを積み上げて合算したものです。各タスクが適切に細分化されたものになっていれば、最も信頼性の高い見積もり技法です。

選択肢エ:
前半の記述は問題ありません。一方、標準タスク法は、プロジェクト全体を細かな作業工程に分解したうえで、それぞれの作業工程の標準作業量を合算して全体の工数を推定していく方式になりますのでボトムアップ型の一種ですね。この選択肢は間違いですね。

以上より、正解の選択肢は「ア」になります。

第25問
アンケート調査では、どのようなデータを収集するか、あるいはどのような測定尺度を用いるかを定める必要がある。それらに関する以下の文章の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a.[A]で 測定されたデータは、身長や体重などのように値0が絶対的な意味を持つ。

b.[B]で測定されたデータは、値の大小関係と差の大きさに意味があり、値0は相対的な意味しか持たない。

c.特定の年あるいは期間に生まれた人の集団を[C]といい、人口の推移を分析する場合などに用いられる。

d.同一標本に対し継続的に繰り返し調査を行う場合、調査対象となった集団を[D]という。

解答群
ア.A:間隔尺度 B:比(比例)尺度 C:コーホート(cohort) D:パネル(panel)
イ.A:間隔尺度 B:比(比例)尺度 C:パネル(panel) D:コーホート(cohort)
ウ.A:比(比例)尺度 B:間隔尺度 C:コーホート(cohort) D:パネル(panel)
エ.A:比(比例)尺度 B:間隔尺度 C:パネル(panel) D:コーホート(cohort)

統計解析の問題ですが、出題されているキーワードの説明がテキストにありません。これは仕方ないですね。最後の「パネル」だけは知っていましたので、2択までは絞り込めたのですが、、、
さて解説です。

間隔尺度とは、数値の差が意味を持つ尺度(たとえば℃で表した温度)をいい、比例尺度とは絶対原点を持つ間隔尺度をいいます。したがって空欄[A]には「比例尺度」が、空欄[B]には「間隔尺度」が入ります。

コーホートとは、統計上の概念で「ある一定期間内に生まれた人の集団」を差し、人口統計などに用いられます。

同じ調査対象に対して、一定期間をおいて同じ質問を繰り返し行う調査方法をパネル調査といいます。これは時間的な変化によって、結果がどのように変化するかをみるための調査方法です。この調査対象に選ばれた人などのことをパネルといいます。


さて、いかがだったでしょうか。

久しぶりに経営情報システムを振り返ってみましたが、経営情報システムは得意な方とそうでない方の差が開く科目だなぁと思いました。
もちろんD問題、E問題についてはこだわっていても仕方ないんですが、応用情報技術者試験あたりから引用してくればいくらでも難問が作れそうな感じ、、、
ただ、情報システムがあまり得意ではない方でも、ABC問題を確実にマスターすることで十分合格点は超えていけると思いますのでご安心ください。
要するに「難問や細部にこだわらない」ことが効率的に勉強を進めるコツかもしれませんね。
以上、なおさんでした。

 

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一発合格道場 夏セミナー2019

東京:8月10日(土)

大阪:8月11日(日)

名古屋:8月24日(土)

時間・場所は後日告知いたします。
ぜひご予定ください!

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

一人2回で一区切りとなったはずの【渾身!論点シリーズ】ですが、ちょっと書き残した感がありますので勝手に追加しちゃいます。(^^;
本日の【渾身!論点シリーズ】では、経営情報システムについて書いてみます。要するに先週までに書きました【渾身】運営管理の情報版です。

本記事では「過去の分野別出題傾向を分析して、受験生の皆さんが躓きやすい分野や知識ベースを確立することで得点アップが見込める分野」について書いていきます。TACのABCD分類でいえば、
・A問題は、受験生の80%以上が正解できるので、たぶん大丈夫。
・B問題は、受験生の60%以上が正解できるので、なんとかなりそう。
・C問題は、差がつく部分。ここで60点が取れるか取れないかが決まる。
・D問題は、過半数の受験生が正解できない。深追いは禁物。
と考えられますので、C問題が頻出する論点について解説し、得点源にしてもらうことをテーマにしています。
TACの過去問題集の巻末には「出題傾向分析表」というページがありますので、このページにABCD分類を書き込み、さらにA問題は5点、B問題は4点、C問題は3点、D問題は2点、E問題は1点と重みづけを行い、各論点分野ごとの過去5年間の平均点を出してみました。
・出題頻度が高いと得点が高くなるので重要分野だと考えられる。
・A問題、B問題が多いと得点が高くなるので必ずマスターしておきたい分野だと考えられる。
・得点が低い分野は、出題頻度が低い、D問題、E問題が多いということなので、効率を考えて学習すべき分野だと考えられる。

分析に使用した出題傾向分析表はこちら(情報を受験したのが2017年でしたので、2017年度版で済みません)

それではここから分野別の出題傾向とワンポイントアドバイス、論点解説を書いていきたいと思います。
(TACのスピードテキストの目次に沿って、15分野に区分しています)
(総得点合計は81.0点でしたので、分野別得点に1.23を乗じていただくと1次試験での配点に近づきます)


1.ハードウェア

得点は15分野中で第7位の5.6点(配点換算で6.9点)です。
PCや周辺機器のハードウェアやアーキテクチャについて出題されます。「自作パソコン」を作れるような人には難しくない分野ですが、パソコンを道具としてしか使わない人には難しいでしょうね。特に最近はノートパソコンが主流になりましたので、グラフィックボードやサウンドボードを追加することもありませんし、外付けハードディスクよりもクラウドを利用しますよね。
パソコンのカタログを見て、「どのパソコンが性能が良いか」くらいが理解できれば良いのかもしれません。

2.ソフトウェア【重要】

得点は15分野中で第1位の10.6点(配点換算で13.0点)です。AB問題も比較的多く、お仕事でOfficeを利用したり写真や音楽データを利用していれば比較的得点しやすい分野かと思います。これまでの散発的な知識を体系化するつもりで、しっかり覚えてしまいましょう。

ソフトウェアの論点
・BIOS/OS/アプリケーションの階層構造
・OSの機能(タスク管理/入出力管理/ユーザー管理)
・アプリケーションソフトウェアの種類
(文書作成、表計算、プレゼンター、画像編集、動画編集など)
・ファイルの種類とデータ形式

3.データベース【重要】

得点は15分野中で第3位の7.6点(配点換算で9.3点)です。データベースの構造やSQLによる操作など馴染みが無くとっつきにくいかもしれません。
一方でビックデータやAIの活用が話題になっていたり、もう少し身近なところではレジデータを利用した顧客のFMS分析の際にもデータベースは避けて通れません。今後は中小企業でもデータの利活用が進んでいくと思われますので、この機会に基本的な部分は押さえておきましょう。
尚、出題は基本的な部分が多いので、比較的AB率が高かったりします。

4.ネットワーク

得点は15分野中で第9位の5.4点(配点換算で6.6点)です。インターネットが次章にありますので、ここはネットワークを構成する機器(ハードウェア)に関するセクションです。
従来は一般家庭でもADSLモデムにルーターやスイッチングハブを接続して、各部屋にLANケーブルを引いてネットワークを利用していましたが、、、無線LANが普及しちゃいましたしね。今後は重要度が下がっていく分野だと思いますので、効率的に進めれば良いと思います。

5.インターネットの概要

得点は15分野中で第6位の6.2点(配点換算で7.6点)です。
プロトコルのあたりはややこしいですが、今後IoTが進んでいくことを考えると「TCP/IP」「IPアドレス(IPV4、IPV6)」は押さえておきたいですし、将来診断士として自分のホームページを開設する場合には「DNS」「HTTP」「FTP」「CGI」「Cookie」の知識は必要になるでしょう。
電子メールはもちろん重要ですが、日頃から使っていますので大丈夫ですよね。

6.セキュリティ対策

個人的には重要な分野だと思うのですが、得点は15分野中で第10位の5.0点(配点換算で6.2点)と高くありません。
実務上で重要になるのは、「情報セキュリティの3要素(機密性、完全性、可用性)」「暗号化」「認証(ワンタイムパスワード、シングルサインオン、バイオメトリクス、SSL)」「アクセスコントロール(ファイアウォール、パケットフィルタリング、プロキシサーバ、URLフィルタリング)」「SSID」「WEP」「情報セキュリティポリシー」「リスク分析」「ネットワーク犯罪の代表的な手口」あたりでしょうか。
情報システム専任者がいないことの多い中小企業では、情報化に伴うリスクも多いと思いますので、セキュリティ対策については一通り頭に入れておきたいところです。意外と「ウィルス対策ソフトは入れていますか?定義ファイルは最新版ですか?」なんてところからのスタートかもしれませんよ。

7.システム構成技術

得点は15分野中で第7位の5.6点(配点換算で6.9点)です。
覚えておきたい論点は、「バッチ処理/リアルタイム処理」「集中処理/分散処理」「性能評価/信頼性評価」「フェイルセーフ」「フールプルーフ」「障害対策」「システムの2重化」あたりでしょうか。

8.プログラム言語

得点は15分野中で第11位の4.4点(配点換算で5.4点)です。
プログラム言語について詳しく覚える必要はないと思います。「コンピュータが理解できるのはマシン語(2進数)だけ」「指示命令を0と1で記述するのは大変なのでアセンブラ(低水準言語)が生まれた」「コンピューターの性能が上がっていろいろやらせたいけどアセンブラは大変→高水準言語(BASICとかCとか)ができた」「高水準言語をマシン語に翻訳する2つの方法は、まとめて一括変換(コンパイル)と1行ずつ変換(インタプリタ)がある」くらいで良いのではないかと思います。
それよりも今後の実務を考えると、「スクリプト言語(JavaScriptが代表)」「マークアップ言語(HTML、XML)」に力を入れた方が良いと思います。ただ、「各言語の特長」は頻繁に出題されていますので一応頭に入れておきましょう。

9.開発方法論【重要】

得点は15分野中で第2位の8.8点(配点換算で10.8点)の重要分野です。何故、ソフトウェアエンジニアではない中小企業診断士の試験で、ソフトウェアの開発方法論が2位の重要度なのか、、、これは、ITシステム導入時のトラブルや導入したはいいが思うような成果が上がらなかった、というケースが多いからだと思います。今後も業務のIT化やシステム導入は進んでいくと思いますし、中小企業の課題解決にITシステムが有効な場面も多くあるはずです。そのような場面で、適切なアドバイスを行い、プロジェクトをスムーズに進め、期待通りの成果を得るために必要なナビゲーターとしての知識が求められている、と理解してしっかり取り組みましょう。

【渾身!論点解説】IT導入の進め方(ソフトウェア開発方法論)
1.基本計画の策定
まずはITシステムを導入する目的、対象範囲、期待効果を明確にします。「RPA導入による週次売上報告書の自動作成」ですとか「顧客問い合わせDBの構築によるクレームの集計分析とFBよる苦情削減」といった感じですかね。
プロジェクトを推進する際には、計画や体制も重要ですが「明確な目標設定」「関係者が得られるメリットの明示」が何より重要になってきます。

2.現状の業務フロー・作業手順の確認(AsIs)
システム化の対象となる業務の現状確認を行います。(SEさんはAsIsと言ったりします)
担当者からのヒアリングが中心になりますが、どこから、どのような手順でデータを取得して、どのような帳票にまとめて、どこへアウトプットするのか。またタイミングは毎日なのか、週次なのか、月次なのか。実際の帳票サンプルなども入手しながら、現在の作業内容が把握できるようにします。
また、複数の作業者や複数の部署で同じような作業を行っている場合には、そちらからもヒアリングを行います。作業者や部署が異なると、別の担当者は改善を加えていて作業手順の一部が異なる場合がありますので、それらも確認して「ベストプラクティス(最善の手順)」を選びます。
ヒアリング時には、ユースケース図、コミュニケーション図などのツールを利用して視覚化すると、関係者の共通認識が図りやすいですね。

3.あるべき姿の構想(ToBe)
システムでできること、できないことを踏まえながら、対象となる業務のあるべき姿を構想します。その際は、現状の手順に固執することなく「要求を満たしたアウトプットを得るための最も効率の良い方法」を模索します。
SEさんはToBeと言いますが、前述のAsIsと1枚の紙に左右に並べて「AsIs(左)→ToBe(右)」という風にまとめていくと考えやすいと思います。また、システムを効果的に使用した「あるべき姿」を構想するためには、SEさんなどの協力も必要です。
加えて、現状の業務手順を変更することになりますので、社内の合意形成も重要になります。(何かを変えようとすると必ず抵抗勢力が出てくるのが普通です)関連部署の代表者で構成するプロジェクトを立ち上げて、ひとつひとつ確認していく方法がおススメです。さすがに複数部署の集まる会議では、明らかに個別最適な発言はなくなります。

4.システム要件定義
あるべき姿(ToBe)の合意形成ができたら、これをシステム設計に落としていきます。ワークフローの設計、ユーザーインターフェースの設計、データベースの設計、ネットワークの設計を行っています。また、画面遷移図も作成し、実際のユーザーがどのような画面を見ながら業務を進めていくかというユーザービリティの設計も行います。基本的にこのプロセスはSEさんが行いますが、業務を行う立場からユーザーインターフェースや入出力書式、データ仕様(数字か文字列か、桁数は何桁か)という情報提供や要求仕様は伝えていきます。

5.テスト
システムが構築出来たらテストを行い、要求仕様通りにシステムが動くかどうかを点検します。システム構築途中に一部の機能だけを確認することもあります。プロトタイプモデルの開発手法や一部の機能をカプセル化したいときにモジュールテストを行うことが多いですね。
テストの際には、できるだけデータのバリエーションを考えてテストを行なったり、場合によっては敢えてエラーとなるデータを与えたりして、不慣れな作業者がミスをした場合のフェールセーフやフールプルーフができているかも確認します。
また、実際に稼働が始まってからバグ(不具合)が発見されると、実際に損害につながったりシステム稼働中は修正を行なえないなどのケースがありますので、納期に追われることなく慎重にテストを行うことが重要ですし、場合によっては納期を延ばすことも必要です。

6.運用・保守
実際に運用を開始する前には、使用者に対して十分な説明とトレーニングを行うのが良いでしょう。操作マニュアルを作成する、ヘルプデスク(問い合わせ窓口)を設置する、など十分な準備を行なえば、スムーズに運用を開始することができます。

10.開発管理(プロジェクト管理)

得点は15分野中で第13位の2.4点(配点換算で3.0点)点です。テキストでは様々な開発管理技法が並んでいますが、一つ一つは結構深いので「どんなものがあるかカタログ的に覚える」程度で良いでしょう。DE問題も多いので深く入り込む必要はありません。
実務的に抑ええておいた方が良いと思われるのは、「PM-BOK(Project Management Body of Knowledge:標準的なPMのフレームワーク)」「BA-BOK(Business Analysis Body of Knowledge:ビジネス分析の基本、企業診断でも有効)」「WBS(Work Breakdown Structure:作業分解、日常業務でも使える)」「ガントチャート(運営管理でも出てきましたね)」「非機能要求グレード(要件定義時に何をシステム化するか、何をシステム化しないかを明確にする)」あたりでしょうか。

11.パッケージソフト

得点は15分野中で第15位の0点です。H24~28年で出題実績はありません。ERPパッケージがどういうものかを知っておくだけで良いでしょう。
以前は、基幹系システム、業務系システムを会社の業務に合わせてフルカスタムで(何億円もかけて)構築することがありましたが、「開発期間がかかる」「業務や組織の変更の都度、システム変更に手間と費用がかかる」等のデメリットが大きく、最近ではERPパッケージ+α(一部カスタムモジュール)という形で導入するケースが多いのではないでしょうか。
パッケージと言ってもどのモジュールをどのように組み合わせて導入するかは各社様々ですので、設問が作りにくいのでしょうね。
ERPパッケージ導入時の注意点としては、「自社の業務に合わせてパッケージをカスタマイズする」のではなく「パッケージに合わせて自社業務を見直す」ことです。カスタマイズすればするほど「旧来のフルカスタムシステム」に近付き、パッケージを利用するメリット(早い、安い、うまい)が失われていきます。また、何よりパッケージ化されている業務フローは多くの会社に共通のフロー(いわばデファクトスタンダード)ですので、カスタム化=異端化の恐れもあるのです。

12.経営情報管理【重要】

得点は15分野中で第5位の6.4点(配点換算で7.9点)の重要分野です。経営視点からITを考える分野ですので、中小企業診断士としては必須の分野とも言えます。
特に「内部統制」「ITアウトソーシング」「クラウドコンピューティング」「SNS(口コミ→新規顧客開拓)」「UX」「インターネット広告」「リモートアクセス(働き方改革と密接に関係)」「IOT(端末の低価格化が進み今後目が離せない分野)」は必須分野だと思います。

13.ガイドライン【重要】

得点は15分野中で第4位の7.4点(配点換算で9.1点)の重要分野です。IT化の進展と同時に懸念されているのが情報セキュリティの問題です。大企業では情報システム部などの専任チームがありますので問題ありませんが、専任者のいないことが多い中小企業に対しては情報化の推進と共にセキュリティリスクについてもアドバイスを行うことが求められています。「コンピューターウィルスへの対策」「ISMS」「ITSMS」「IT経営ロードマップ」「不正アクセス禁止法」に加えて「プライバシーマーク」あたりも見ておくとよいでしょう。

14.統計解析

得点は15分野中で第12位の3.4点(配点換算で4.2点)点です。最近では、AIやビックデータの話題と共に統計学がクローズアップされてきています。TACのテキストでは、いきなり「検定」と「多変量解析」について僅か数ページ書かれているだけです。本来であれば、「確率分布」「期待値」「分散/共分散」「標準偏差」「検定」「推定」「相関分析」「単回帰分析」「重回帰分析」と順番に学習していく必要がありますし、これだけで一冊のテキストができるだけの分量があります。AI、ビックデータ、統計学に興味のある方は、やさしい統計学の本を買ってきて読むのも良いですが、そうでない方は思い切ってスルーするのもありだと思います。

15.その他

得点は15分野中で第14位の2.2点(配点換算で2.7点)点です。TACの分析表では、データ構造やアルゴリズムが分類されていますが、テキストには独立した項目がありません。ですので特に個別対策はありません。


さて、いかがだったでしょうか。昨今は、働き方改革や労働生産性、労働人口の減少などを背景にITによる問題解決が話題になっています。AI、IoT、ビックデータ、RPA、リモートワーク、グループウェア等など。
中小企業ではまだまだOfficeソフト、会計ソフト、ホームページ、POSレジの導入すら十分でない状況も多いですが、逆に言えばITツールによって課題解決につながることも多いのだと思います。
受験勉強だけでなく、今後の診断士活動においても最新のITツールの動向は継続的にウォッチしていく必要はありますので、ニュースや特集などで話題になるツールや技術については興味を持っていただければと思います。(と、先日先輩診断士からハッパをかけられました。(^^; )
以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

本日は、前回に引き続き【渾身!論点シリーズ】運営管理(店舗・販売管理)をお届けします。

前回の「【渾身!論点シリーズ】運営管理(生産管理)」はこちら

【渾身!論点シリーズ】は、その名の通り10代目が渾身の力を込めて贈る記事シリーズです。道場では毎年GW後の時期に掲載している人気シリーズで、様々な論点について道場メンバーが少し掘り下げて解説します。タイトルの【渾身!論点シリーズ】が目印ですので、ぜひ先代の記事も含めて読んでみてください。

【渾身!論点シリーズ】運営管理(店舗・販売管理)につきましても前回同様、TACの過去問題集の巻末にある「出題傾向分析表」をベースに、ABCD分類を書き込み、さらにA問題は5点、B問題は4点、C問題は3点、D問題は2点、E問題は1点と重みづけを行い、各論点分野ごとの過去5年間の平均点を出してみました。
・出題頻度が高いと得点が高くなるので重要分野だと考えられる。
・A問題、B問題が多いと得点が高くなるので必ずマスターしておきたい分野だと考えられる。
・得点が低い分野は、出題頻度が低い、D問題、E問題が多いということなので、効率を考えて学習すべき分野だと考えられる。

分析に使用した出題傾向分析表はこちら(2017年度版で済みません)

それではここから分野別の出題傾向とワンポイントアドバイス、論点解説を書いていきたいと思います。
(TACのスピードテキストの目次に沿って、13分野に区分しています)
(総得点合計は68.0点でしたので、分野別得点に0.74を乗じていただくと1次試験での配点に近づきます)


1.店舗施設に関する法律知識

得点は13分野中で第5位の5.8点(配点換算で4.3点)ですので、毎年2問は出題されている分野です。C問題、D問題が多いですが、「大規模小売店舗立地法」、「都市計画法」、「中心市街地活性化法」のまちづくり3法は押さえておきたいですね。特に大規模小売店舗立地法については、過去の「小売店舗の保護」から「(郊外型の大型店が増えたことを受けて)周辺住環境の確保」へと時代によって法の目的が変わってきたことも踏まえて理解すると良いでしょう。

2.店舗立地と出店

得点は13分野中で第9位の2.2点(配点換算で1.6点)ですので、1問出題されるかどうか。過去の論点は「小売吸引力」、「消防法」、「買物弱者応援マニュアル」と散発的ですので、優先度を下げても良いと思います。

3.商業集積

得点は13分野中で第7位(同率)の2.8点(配点換算で2.1点)です。論点は、「ショッピングセンターの実態」、「商店街実態調査報告書」あたりです。D問題、E問題も多いので深入りは禁物ですが、「商店街実態調査報告書」については中小企業庁のホームページ(トップページ>商業・地域サポート>商業活性化)に掲載されていますので、一度は目を通しておいてもいいでしょう。
https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/index.html
※他にも「商店街インバウンド実態調査報告書」、「はばたく商店街30選」など興味深い調査報告もありますので、興味のある方はどうぞ。(試験とは直接的な関係は薄いですけれど)

4.店舗施設の機能

得点は13分野中で第11位(同率)の1.0点(配点換算で0.7点)です。H25~H29年で一度だけ「バックヤードの衛生管理(A問題)」が出題されただけですので、思い切ってスルーしましょう。

5.店舗設計

得点は13分野中で第6位と上位ですが、4.0点(配点換算で3.0点)と高くありません。しかし、普段の買い物で目にすることの多い「動線(動線長、ワンウェイコントロール)」、「商品陳列」、「フェイス管理」、「エンド陳列」など馴染みのある論点が多いので、A問題、B問題が多くなっています。特に難しく考えることはないと思います。

6.店舗の照明と色彩

得点は13分野中で第8位の2.8点(配点換算で2.1点)です。「色彩」、「照明」について2年に1回出題される頻度です。
H29年度の第30問(E問題)は難しかったようですが、他はA問題、B問題ですので、テキストを押さえておけば問題ないと思います。

7.マーチャンダイジング・商品管理・商品予算計画【重要】

得点は13分野中で第3位の8.4点(配点換算で6.2点)です。論点は、「商品予算計画」、「販売価格決定(値入率・粗利益率)」、「相乗積」、「商品回転率」あたりが中心ですが、A問題、B問題が多いのでテキストをしっかり学習すれば問題ないと思います。

8.商品計画

得点は13分野中で第11位(同率)の1.0点(配点換算で0.7点)です。H28年度に「商品分類」でA問題が出題されただけですので、軽く押さえておけば良いと思います。

9.商品調達・取引条件

得点は13分野中で第12位の0.8点(配点換算で0.6点)です。H28年度に「委託仕入れと消化仕入れ」でB問題が出題されただけですのでスルーしても良いですが、取引条件はシンプルですので覚えてしまいましょう。

【渾身!論点解説】仕入れの形態3種

①買取仕入
仕入先から商品を買い取る仕入形態です。販売側は在庫管理や売れ残りのリスクを負うというデメリットがありますが、一般的に仕入条件が良くなる(値段を安く仕入れることができる)メリットがあります。

②委託仕入
販売側が仕入先から商品を預かって「販売委託される」仕入形態です。売れるまでの在庫は仕入先に所有権がありますので、販売側は売れ残りのリスクがありませんが、商品の保管責任を負うことになります。

③売上仕入(消化仕入)
商品が売れた時点で初めて仕入れを行うという仕入形態です。ちょっと違和感がありますが、従来百貨店で多く見られた仕入形態です。ですので、百貨店の店頭にある商品の所有権、保管責任、販売価格決定権が取引先にあり、百貨店側は通常、在庫リスクも、保管責任も負担しないことになります。だから百貨店では値引きをしないのですね。事実上は「場所貸し」みたいな感じですが、百貨店側はリスク負担が無い代わりに、売りたい商品を品ぞろえできない、自由な売り場づくりができないなどのデメリットがあり、一部では「売上仕入(消化仕入)」から「買取仕入」に移行する動きもあったりします。

10.価格設定と販売促進

得点は13分野中で第4位の6.4点(配点換算で4.7点)です。毎年1~2問出題されますが、A問題・B問題が多いので、テキストを押さえておけば良いでしょう。H29年度には景品表示法(D問題)について問われましたが、頻出ではありませんので効率的に進めましょう。

11.物流機能

得点は13分野中で第13位の0.2点(配点換算で0.1点)です。H28年度に、物流センター(DCとTCの違い)、クロスドッキング、商品包装、物流機能について問われましたが頻出分野ではありません。ただ、次の「物流戦略」が超頻出分野ですし、その基礎となる分野ですので基本はしっかり押さえておきましょう。つまり、「11.物流機能」は基礎分野なので直接問われることは少なく、応用分野である「12.物流戦略」として出題される、ということになります。

12.物流戦略【重要】

得点は13分野中で第2位の15.0点(配点換算で11.1点)の重要分野です。物流センター、在庫管理(ABC)、ピッキング、輸送手段、など出題は多岐にわたります。A問題、B問題も多いですが、共同配送、チェーン小売りの物流、静脈物流など踏み込んだ分野でC問題、D問題も出題されています。注力して学習するとともに、「人手不足によるヤマトの運送費値上げ」など流通業界の話題に興味を持っておくのも良いと思います。

【渾身!論点解説】流通センターのメリット

1) 取引総数単純化の原理
メーカー(生産者)と店舗の間の物流を考えてみましょう。3社のメーカーと5店舗の小売店舗を考えた場合、3×5=15通りの物流が発生します。メーカーと店舗の間に流通センターが存在する場合は、メーカーと流通センター間で3つ、流通センターと店舗間で5つの合計8通りの物流になり、取引数が削減されます。これを「取引総数単純化の原理」といいます。メーカーでは、まとまった数を流通センターに一括納品すれば済みますので物流コストを抑えることができます。また、販売側から見ると「小口配送なら個別に物流費がかかるけど、一括納品なら物流は何分の一かで済むでしょ。その分安くしてくれない?」とメーカーに対して交渉することができるようになります。

2) 集中貯蔵の原理(不確実性プールの原理)
通常販売店では、不確実な販売に対して「欠品による売り損じ」を避けるために在庫を保有します。この在庫はわずかな量であっても各店舗ごとに持つ量を合算すると相当な量になります。また、多くの店舗は賃貸料を払って店舗運営していると思いますが、在庫のためのスペース(倉庫)は利益を生みませんので、店舗在庫は極力抑えてその分のスペースを売り場にしたいですよね。そこで大手チェーンストアでは自社で流通センターを持ち、店舗の在庫を共有することで在庫自体を圧縮していきます。また、POS(販売時点情報管理システム)を利用して、「A店舗で〇〇が3点売れたから、明日〇〇を出荷して補充しよう」という仕組みを構築して「店舗の発注業務そのものを無くす」例もあります。小売店舗の人手不足が話題になって久しいですが、最小の人員で店舗運営を行うために「接客・販売を主体業務ととらえ、主体業務以外の作業を極力減らす」ことで店舗の販売効率や人員の生産性を最大化する工夫をしています。この点は工場と一緒ですね。

13.販売流通情報システムの概要【重要】

得点は13分野中で第1位の17.6点(配点換算で13.0点)の重要分野です。TACのテキストでは第4章・第5章、本記事の区分では「11.物流機能」、「12.物流戦略」、「13.販売流通情報システムの概要」の合計で(得点換算で)24.7点となり、店舗・販売管理のほぼ半分に該当します。いわゆるサプライチェーン・マネジメントが超重要分野であると言えますね。
「13.販売流通情報システムの概要」では、POS、JANコード、FRID、EDI等を活用して、企業がいかに効率的なサプライチェーンを築き、「欲しいものを、欲しい時に、欲しい分量だけ」仕入れることによって、売り逃し、売れ残り、在庫過多を防ぐことがテーマになっています。

【渾身!論点解説】POSシステムの活用段階

POSシステムは、販売時点情報管理を意味します。POSシステムを利用することで小売業では単品別の詳細な販売情報を得ることができます。POSシステムの活用段階としては、以下の3段階があるといわれています。

【第1段階】レジ機能
レジでは、商品のバーコードをPOSレジのスキャナで読み取るだけになりますので、商品や値段をレジに打つ時間が削減できます。これはお客さんにとってもレジ待ちの時間が減って、スムーズに買い物ができますのでうれしいですね。また、レジ操作が単純化されますので、新人でも短時間の指導でレジが打てるようになります。

【第2段階】商品管理
どの商品がいくつ売れたかというデータが蓄積されますので、商品発注や在庫管理、売れ筋商品や死筋商品の確認ができるようになります。

【第3段階】応用分析・販売戦略
時間帯別、商品カテゴリー別の詳細な分析を行い、販売戦略に活用していくレベルです。何と何が同時購買されるかといったバスケット分析もその一つです。また、会員カードと連携させれば、FSP(Frequent Shoppers Program)やCRM(Customer Relationship Management)、One to Oneマーケティングへの応用も広がります。


さて、いかがだったでしょうか。店舗・販売管理については、普段から店頭で目にするものも多いと思いますので馴染みやすいと思います。また「販売流通情報システム」については、H29年度の「コンバージョンレート」などECを含めた最新情報が盛り込まれる可能性がありますので、日頃からTVニュースや新聞記事などにも興味を持って接していければ良いと思います。
以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

今週から始まりました【渾身!論点シリーズ】ですが、その名の通り10代目が渾身の力を込めて贈る記事シリーズです。道場では毎年GW後の時期に掲載している人気シリーズで、様々な論点について道場メンバーが少し掘り下げて解説します。タイトルの【渾身】が目印ですので、ぜひ先代の記事も含めて読んでみてください。

さて、なおさんの【渾身!論点シリーズ】では、運営管理の「過去の分野別出題傾向を分析して、受験生の皆さんが躓きやすい分野や知識ベースを確立することで得点アップが見込める分野」について書いてみます。ABCD分類でいえば、
・A問題は、受験生の80%以上が正解できるので、たぶん大丈夫。
・B問題は、受験生の60%以上が正解できるので、なんとかなりそう。
・C問題は、差がつく部分。ここで60点が取れるか取れないかが決まる。
・D問題は、過半数の受験生が正解できない。深追いは禁物。
と考えられますので、C問題が頻出する論点について解説し、得点源にしてもらうことをテーマにしています。

TACの過去問題集の巻末には「出題傾向分析表」というページがありますので、このページにABCD分類を書き込み、さらにA問題は5点、B問題は4点、C問題は3点、D問題は2点、E問題は1点と重みづけを行い、各論点分野ごとの過去5年間の平均点を出してみました。
・出題頻度が高いと得点が高くなるので重要分野だと考えられる。
・A問題、B問題が多いと得点が高くなるので必ずマスターしておきたい分野だと考えられる。
・得点が低い分野は、出題頻度が低い、D問題、E問題が多いということなので、効率を考えて学習すべき分野だと考えられる。

分析に使用した出題傾向分析表はこちら(2018年度版で済みません)

それではここから分野別の出題傾向とワンポイントアドバイス、論点解説を書いていきたいと思います。
(TACのスピードテキストの目次に沿って、13分野に区分しています)
(総得点合計は81.6点でしたので、分野別得点に0.61を乗じていただくと1次試験での配点に近づきます)


1.生産管理の基礎【重要】

得点は13分野中で第4位の10.8点(配点換算で6.6点)ですし、基礎となる論点ですので重要分野です。
受注生産と見込み生産、個別生産と連続生産・ロット生産、直行率、歩留まり等、生産管理の基礎的な内容が問われているために正解率は比較的高めです。(A問題、B問題が多い)
まれにH29年度第15問の様に、ECRSと言いつつも「ABC分析」、「連合作業分析」、「事務工程分析」、「流動数分析」の知識が問われる問題も出てきますが、あまり細部にこだわりすぎる必要はありません。テキストの内容をしっかし習得しておきましょう。

【渾身!論点解説】ECRS(改善の4原則)

ECRSとは、工程、作業、動作の業務改善を行う上での順番と視点を示すものです。(在庫量など作業ではないものには適用できません)ECRSの順で業務改善を行うと、改善の効果が大きく不要なトラブルも抑えられるといわれています。ECRSはそれぞれの視点の頭文字をとったもので、詳細は以下の通りです。
・E(Eliminate) ・・・ 無くせないか
・C(Combine) ・・・ 一緒にできないか
・R(Rearrange) ・・・ 順序の変更、交換はできないか
・S(Simplify) ・・・ 単純化できないか

【渾身!論点解説】5S

「工場の基本は5Sだ」とか「まずは5Sを徹底しないと」という言葉はよく聞きますが、本当の意味で「5S」を理解して実践できている工場はそれほど多くないのではないのかな、と思います。それほど「5S」は奥が深いものなんです。
トヨタの5S(トヨタでは4S+躾)セミナーを受講した後に、「まずは2Sからできるようにならないと」と感じたことを覚えています。トヨタでは、4Sは単なる美化運動ではなく全ての改善の基礎となる「型」であり、4Sの徹底により①異常(ムダ)がわかる、②仕事をしやすくする、③人・モノにけがをさせない、ことを実現するとしています。

整理:必要なものは何かを定義し、必要なものと不要なものとに区分する
このステップでは「捨てる判断基準を作り、不要なものを捨てる」ことにより、置く場所や探す時間のムダを排除していきます。一般的な生活で例えれば、「今シーズン着なかった洋服は捨てる」、「1年間読まなかった本は売る」、「引っ越し後1年間開けなかった段ボール箱は中を見ずに捨てる」といった感じですね。

整頓:整理した必要なものが、使いやすい形に置かれている
不用品を手間暇かけて整頓しても意味がありませんので、このステップでは「整理」ができていることが前提となります。
整頓では、モノに応じて保管場所、保管量、保管方法を決めていきます。また、異常が見えやすい工夫や使った後に戻しやすい工夫をすることも大切です。例えば、冷蔵庫の中にちょうど6本分のスペースをビール置き場と定めれば、飲み過ぎた場合には空っぽになりますし、買い過ぎた場合には置くことができませんので、「異常がすぐに発見できる」のです。

清掃:身の回りをきれいにすることで、人と設備の能力を十分発揮できるようにする
ポイントは、①一度大掃除をして汚したくない意識を作る、②汚れの根源を断つ、③定期清掃のルールを決めて習慣にする、です。習慣とは恐ろしいもので、人間は慣れるとそれが無い場合に不安や気持ち悪さを感じるようになります。朝食後に歯を磨かないと気持ち悪いですよね。この習性を利用して、習慣になるまで続けることがポイントですね。

清潔:整理・整頓・清掃の状態を維持する
整理・整頓・清掃(3S)の状態を維持するには、①要らないものを置かない、乱さない、汚さない、②定位置、定量を確認する、ことです。工場では「4Sパトロール」といった点検活動や、「トップ(社長)による巡回」によって4Sの維持に努めているところも多いと思います。

躾:決められたことをいつも正しく守る習慣づけ
4S+1S(躾)=5Sで、乱れない・汚れない・戻らない「心技体が整った強い現場」が実現できます。全員参加の改善活動を通じたチームワークやコミュニケーションで「躾」を養い、強い現場を養っていきます。

2.工場の設備配置

得点は13分野中で第10位の3.0点(配点換算で1.8点)です。毎年1問は問われる頻度ですが、問われない年(H28)やE問題化する年(H29)もあります。P-Q分析からフローショップレイアウト、ジョブショップレイアウトくらいは抑えるとしても、SLPの詳細な手順については効率を考えて取り組むのが良いと思われます。

【渾身!論点解説】工場の設備配置

固定式レイアウト
船や家など生産対象は定位置にあり、そこに生産設備や工具を移動させて作業を行うレイアウトです。設計や工程の変更に対応しやすい、製品の移動は最小限であるというメリットの反面、作業者や機械工具の移動が多くなるデメリットがあります。

機能別レイアウト(ジョブショップ型)
同じ種類の機械や設備を一か所に集めて配置するレイアウトです。多種少量生産に適しており、設備の稼働率を上げやすい、作業者への技術指導が容易であるというメリットの反面、製品や部品の移動経路が複雑になりやすいというデメリットがあります。

製品別レイアウト(フローショップ型)
材料から完成までの工程の順に生産設備を直線的に配置するレイアウトです。少品種大量生産に適しており、一人一人の作業が単純化する、機械の専用化が可能、工程管理・進捗管理が容易、仕掛在庫が減少する、生産期間を短縮しやすいというメリットがある反面で、一部の機械が故障するとライン全体を停止しなければならない、熟練作業者の養成が難しいというデメリットがあります。

セル生産レイアウト
異なる機械や工程によるグループを構成して工程を編成する場合の生産方式です。グループ化して生産することにより部品の運搬の手間や間接作業を減らし、生産リードタイムの短縮と仕掛品在庫の削減を実現します。
セル生産でよく使用されるU字ラインでは、一人で複数の作業工程をこなすことから、作業の所要時間や作業者による作業速度の違いによる工程間の待ち時間が発生せず、適切な作業の割り当てを行いやすくなります。さらに作業者はUの字の内側に置かれるため、背後の工程へもわずかな移動で対応でき、作業効率が良くなります。また、工場のスペースも少なくて済むメリットもあります。作業者は複数の作業工程を受け持つことになるため、作業者の多能工化が必要になります。

3.生産方式【重要】

得点は13分野中で第5位の9.0点(配点換算で5.5点)です。複数の設問で選択肢に登場する分野ですので、系統立てて理解しておく必要がある重要分野だと思います。

【渾身!論点解説】受注生産と見込み生産(注文と生産のタイミングによる分類)

1) 受注生産
顧客の注文を受けてから、(設計)、製造、出荷を進める生産形態です。設計から行う製品の場合は、受注時のコストや納期の見積りの正確さと生産リードタイムの短縮、および受注の平準化が重要なポイントとなります。

2) 見込み生産
市場の需要を見越して企画・設計した製品を、受注の前に生産を行い、在庫を保有して顧客の注文に応じて販売する生産形態です。皆さんが普段お店で目にする商品はこちらの生産形態のものが多いと思います。顧客ニーズを的確にとらえた製品企画、製品の差別化による市場での他社優位性の確保、需要予測の正確さ、柔軟な生産体制が重要になってきます。

【渾身!論点解説】個別生産、ロット生産、連続生産(仕事の流し方による分類)

1) 個別生産
「注文に応じて、その都度1回限りの生産を行う形態」と定義されています。注文住宅の様に、個別注文ごとに設計を行って生産を行います。コストや納期を正確に見積もることができないと受注できなかったり、逆にコストが見積価格をオーバーして赤字になることもあります。製品の設計は注文ごとに異なっていても、使用する部品モジュールを共通化することによって設計期間の短縮やコストダウンを実現していく例があります。

2) ロット生産(断続生産)
「品種ごとに生産量をまとめて複数の製品を交互に生産する形態」と定義されています。車、家電などで多く見られる生産形態で、個別生産と連続生産の中間的な生産形態になります。生産量の単位(何個ずつ生産するか)をロットサイズといい、ロットサイズを決める手続きのことをロットサイジングといいます。生産する製品の切り替えのたびに段取り替えが発生するので、ロットサイズの決定は段取り替えも含めた生産効率を考慮した上で行う必要があります。
ロット生産を進化させたものに「混流生産」というものもあります。混流生産は、作業基準書の電子化や必要な部品の自動供給システムなどの支援の下に、一つのラインで異なる製品を段取り替え無しで生産していくものです。以前に工場見学をさせていただいたHONDAの鈴鹿工場では混流生産が行われていましたね。

3) 連続生産
「同一の製品を一定期間続けて生産する形態」と定義されています。同一の製品を大量に連続して生産するのに適した生産形態で、代表的な例として、清涼飲料や日用雑貨品、加工食品などの大量生産があります。

【渾身!論点解説】多品種少量生産、少品種大量生産(製品種類の数と生産量による分類)

1) 多種少量生産
多くの品種を少量ずつ生産する形態です。部品の共通化、標準化やグループテクノロジーの適用などにより、製品の多様性を吸収して生産効率を上げていきます。また汎用的な設備を利用することで、多様な製品や部品に対応できるようにして設備投資効率や設備稼働効率を上げていきます。

2) 少種大量生産
少ない種類の製品を大量に生産する形態です。ライン生産とも呼ばれ、連続生産に適した生産方式です。大量の製品需要が期待できる場合には、徹底して合理化をはかった専用ラインを用いて連続生産します。

4.製品の開発・設計とVE

得点は13分野中で第9位の3.2点(配点換算で2.0点)です。VE(Value Engineering)が頻出ですが、その問われ方によってB問題からE問題まで変動します。

【渾身!論点解説】VE

VE(Value Engineering)とは、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握し、システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法と定義されています。(日本バリューエンジニアリング協会)
従来のコストダウンは主に、与えられた設計仕様と材料に関して、材料の節約や作業時間の短縮、労力の節減を図る方法で行われてきましたが、この方法ではコスト改善のレベルにとどまり、おのずと限界がありました。
そこで、設計仕様から見直しを行い、材料を安価なものに変更したり、形状を加工や組み立てのしやすいものに変更するといった発想にしたものがVEと呼ばれます。
「公益社団法人 日本バリュー・エンジニアリング協会」のホームページでは、クリアホルダーやコードレスアイロンなどの身近な例をあげながらVEについて解説していますので参考にしてみてください。

公益社団法人 日本バリュー・エンジニアリング協会
https://www.sjve.org/vecan/ve

5.生産技術

得点は13分野中で第11位の2.2点(配点換算で1.3点)です。H25年の「バイオテクノロジー」は変化球としても、機械設備に関する知識が問われます。「汎用機」、「専用機」、「NC(Numerical control:数値制御)工作機械」、「MC(Machining center:マシニングセンタ)」、「FMS(Flexible Manufacturing System)」、「トランスファーマシン」あたりの用語は押さえておきましょう。

6.生産計画と生産統制【重要】

得点は13分野中で第3位の11.0点(配点換算で6.7点)です。毎年複数の設問で問われる頻出分野ですし、2次試験にも通じる重要分野です。ただし、A問題、B問題の出題頻度が高いので「基本的な知識」をしっかり押さえておけば大丈夫です。①需要予測、②生産計画、③生産統制(進捗管理、現品管理、余力管理)、④在庫管理については、実際の生産の流れに従って時系列で学習していくと良いでしょう。

【渾身!論点解説】生産計画と生産統制

①需要予測
見込み生産を行う工場では生産量を、小売業では仕入量や販売量の予測を立てますね。製品のライフサイクルによるトレンド(認知度が上がってきた新製品、モデルチェンジが近く陳腐化してきた旧製品)、ブームなどの販売動向のトレンドがありますので、毎月同じ数で生産・仕入を行っていたのでは在庫切れによる販売機会の損失や過剰在庫を招きかねません。ですので企業はいろいろな情報を元にして需要予測を行うわけです。
移動平均法(加重移動平均法)は、直近の販売トレンドを予測値に含めようとする手法です。ただし、この方法では上昇トレンドにある製品の場合、直近の実績値を超える数字を予測値にすることができないという制限があります。実績平均なので当然なのですが、100→200→300と販売が伸びている場合、イメージ的には「400」としたい雰囲気ですが、過去平均なのでどれだけ加重調整を行っても300を超える数字を入れられません。「売上が安定している定番商品向け」かもしれませんね。

指数平滑法は、次回の予測値に「今回の予実差(=トレンド)の何割かを反映させよう」という考え方です。式は「次回の予測値=今回の予測値+α×今回の予実差」ですが、そもそも「次回の予測値」を導き出すものではありません。何らかの方法で導き出された予測値に直近のトレンドのエッセンスを振りかけるための方法だと理解できれば良いと思います。

線形計画法は、上記の二つの目的である「できるだけ正確な予測をしたい」というためのものではなく、「制約条件を満たした上で成果を最大(もしくは最小)にする組み合わせ」を見つけることを目的としたものです。線形計画法では制約条件が1次式で与えられますので、グラフに直線を書いて最適解を求めます。

②生産計画
生産計画は、大日程計画(半期の予算や設備投資なども勘案して月別の計画を策定)>中日程計画(人員配置なども勘案し、数か月分の部門別生産計画を策定)>小日程計画(日々の作業計画を策定、1か月分)の順で策定されます。
開発案件などのプロジェクトの日程は、ガントチャートやアローダイヤグラムによって作成されます。住宅建築(基礎工事→足場→柱→屋根→外壁→ドア・窓→内装)等の様に、タスクが複線化せず順番に進んでいくプロジェクトではガントチャートが多く使われます。一方で電気機器などの開発では、機構設計、基板設計、ソフトウェア開発、取扱説明書などが同時並行に行われますので、ガントチャートでは管理しきれません。このようなプロジェクトの場合は、アローダイヤグラムが向いていると思います。(私も長年、電子機器の開発プロジェクトでアローダイヤグラムを使っていました)

③生産統制(進捗管理、現品管理、余力管理)
生産活動の目的は「適正な量を、適正な時期に、最適なコストで生産」し、顧客に届けることで企業利益を最大化することです。ですので、生産資源の4M(人、設備・機会、材料、作業方法)を日々マネジメントすることが重要です。2次筆記試験の事例企業には、頻繁に生産統制のいずれかに課題のある企業が登場します。工場長になったつもりで生産統制(進捗管理、現品管理、余力管理)を学習することで、2次筆記試験の事例企業の課題も適切に整えてあげることができるようになると思います。

④在庫管理
テキストでは「流動数分析」にしか触れられていませんが、後述の「8.在庫管理・購買管理」で合わせて説明します。

7.資材管理

得点は13分野中で第12位(同率)の1.4点(配点換算で0.9点)です。過去の出題は、「店舗の在庫管理(A問題)」、「ストラクチャ型部品表(D問題)」だけですので、効率を考えて軽く抑える程度で構わないと思います。

8.在庫管理・購買管理【重要】

得点は13分野中で第2位の11.6点(配点換算で7.1点)です。毎年3問は出題される重要分野です。
在庫管理は企業にとって大きなテーマです。欠品による販売機会損失は避けたい一方で、在庫によるコストも抑えたい、という相反する課題の間で常に葛藤しているのではないでしょうか。
工場内では仕掛在庫の削減を目的として「トヨタ生産方式(かんばん)」や「U字ライン」、「セル生産」が考えられてきましたし、流通・小売りでは「ABC分析」や「先入れ先出し」などもテーマになってきます。生産管理分野ではありませんが、ECサイトの「ドロップ・シッピング」(販売店が在庫を持たずに注文をメーカーに転送(ドロップ)し、メーカーからユーザー宅へ直送(シップ)する)なども在庫を持たずに販売する知恵ですね。

資材購買も同様の悩みを抱えています。一度に大量に買えば安くしてもらえるけど置き場所が必要だし、必要な分だけ発注すれば割高になるし、急なオーダーに応えられない、、、そのような状況の中で「分納制度」(大量に注文してディスカウントを引き出すが、納品は定期的に必要な分だけ行ってもらう)や、「長期契約方式」(こちらも分納制度の仲間)などの工夫がされています。

9.IE(Industrial Engineering)【重要】

得点は13分野中で第1位の13.6点(配点換算で8.3点)です。毎年4問は出題される重要分野ですが、テキストのページ数も多く、作業分析や図記号など普段の生活ではなじみのない項目が多いために苦手とする方も多いのではないでしょうか。
ただ、標準作業時間の設定は事例Ⅳの予実管理にも関連してきますので、「なぜ標準時間を決めるのか→生産統制(予実管理・作業改善)を行うため」、「標準時間の決め方→実作業時間+レイティング+余裕時間」、「予実管理」と実際の生産統制をイメージしながら学習すると良いでしょう。

【渾身!論点解説】IE(作業分析)

1) 工程分析
工程分析は、「工程の順番は適切か(単純工程分析)」、「工程間に無駄な滞留はないか」、「各工程の配置は適切か(流れ線図、加工経路分析、フロムツーチャート)」、「作業者に無駄な動きはないか(作業者工程分析)」、「モノの置き方や運び方(=マテハン)は適切で無駄な動きがないか(運搬工程分析)」を分析し、ECRSの原則に従って改善を行い、工場の生産性を上げようとするものです。要するに工程のレイアウトや順序、運搬作業の設計が適切になされているかというハード面の分析ですね。

2) 動作研究
動作研究は、作業者の行う作業・動作に無駄な動きや無理な動きは無いかを点検し、作業者の安全を確保し、負担を軽減し、作業効率をアップすることで快適な環境と生産効率を両立しようという利用面(ソフト面)での分析です。H30年の2次筆記試験では「連合作業分析」が出題されましたね。

3) 稼働分析・時間研究
稼働分析は、作業者や機械設備の稼働率を把握する方法です。一日8時間、480分の就業時間には、朝礼・終礼(職場余裕)、終業時の清掃(作業余裕)、休憩時間(人的余裕)などがありますし、実際には、作業ロットの前後には準備段取り作業や機械待ちなどもありますので、どれだけ多くの時間を主体作業に振り向けて稼働率を上げるかが課題となります。

時間研究は、生産統制(予実管理・作業改善)を行う基準となる「標準時間」を決めるための具体的な手順になります。「実際に計測する(ストップウォッチ法)」、「実績資料法」、「経験見積法」、「PTS法」などの方法があります。

10.品質管理

得点は13分野中で第6位(同率)の4.8点(配点換算で2.9点)です。私の専門分野ですが、出題率はそれほど高くありません。TQM、HACCP、QC7つ道具あたりが出題されていますが、例年C問題、D問題が多く、効率的な学習を検討したいところです。この分野は書き出すと止まらなそうな気がしますので、また別の機会にでも。

11.設備管理

得点は13分野中で第6位(同率)の4.8点(配点換算で2.9点)です。「保全活動」、「設備総合効率」、「MTBF/MTTR」あたりが論点ですが、出題頻度はそれほど高くありません。難問は出題しにくい分野だと思いますので、テキストの基本的な部分が抑えられれば良いでしょう。

12.廃棄物等の管理

得点は13分野中で第12位(同率)の1.4点(配点換算で0.9点)です。過去の出題は、「LCA(ライフサイクルアセスメント)」、「資源有効利用促進法」あたりですがH28年、H29年は出題されていませんので、効率を考えて軽く抑える程度で構わないと思います。

13.生産情報システム

得点は13分野中で第6位(同率)の4.8点(配点換算で2.9点)です。生産情報システムといっても範囲は広く、設計段階で使用するCAD/CAM/CAE、生産段階で使用するPOP(Point of Production)、FMS、産業用ロボット、さらには3Dプリンターまであります。少し前まではバーコードリーダーを活用したシステムが多かったのですが、最近ではiPADを利用した生産管理ツールも増えています。C問題、D問題も多く出題されますので、テキストの基本的な部分が抑えられれば良いでしょう。


さて、いかがだったでしょうか。
次回は運営管理の後半部分「店舗・販売管理」について【渾身!論点解説】していきたいと思います。
以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

平成30年度の2次試験対策コンテンツ「なおさんの解法実況&事例研究」が一通り書き終わりましたので、今日は平成30年1次試験の「運営管理」を振り返ってみたいと思います。

これまでの過去記事はこちら:
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅳ」
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅲ」
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅱ」
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅰ」
「80分間の過ごし方」
「バックキャスティング思考法」

こうしてみるとかなり「ガチ」ですね。(^^;

私は学生の頃から「モノづくり」が大好きで、大学も工学部に進学しました。大学卒業後は、電子機器製造メーカーに就職し、企画、開発、製造、品質保証、コールセンター、修理サービスと製品のライフサイクル全般に関わって仕事をしていましたので、運営管理は得意科目なんです。
そんな私の平成30年度1次試験での「運営管理」の点数は87点でした。本日は、そのH30年度試験の結果を振り返ってみたいと思います。(^^)/


1.ABCD分析をしてみた

ここでいう「ABCD問題」とは、受験校(T〇C)の過去問題集等で公表されている問題毎の正答率のことを指します。
ABCDE問題の具体的な定義は以下の通りです。

A問題: 正答率80%以上
B問題: 正答率60%以上80%未満
C問題: 正答率40%以上60%未満
D問題: 正答率20%以上40%未満
E問題: 正答率20%未満

私のH30年度の解答ですが、ABCD別の正答率をみると以下の様な結果になりました。
A問題(6問14点): 100.0%(14点)
B問題(16問39点): 100.0%(39点)
C問題(15問33点): 72.7%(24点、4問ミス)
D問題(7問14点): 71.4%(10点、2問ミス)

多くの受験生が正解するであろうAB問題は100%と確実に解答できています。これだけで53点になりますので、残りのCD問題22問中4問正解できれば60点を超えてくる計算です。
尚、平成30年度は全44問(設問としては40問)中、ABC問題だけで37問84.1%、配点で86点にもなりますので、やはりDE問題(過半数の受験生が正解できない難問)は「できなくても気にしない」で良さそうです。
ABC問題重視については、9代目だいまつさんの記事「1次試験分析結果から見えた!~DE問題はやっぱり後回し!」に詳しく書かれていますので、そちらも参考にしてください。

2.どんな問題を間違ったのか確認してみる

実は私「1次試験は合格したからいいや」と思い、何をどう間違ったのかの振り返りをしていませんでした。(2次試験対策に集中していた、ともいう)せっかくの機会ですので、ここで間違った問題について振り返ってみたいと思います。

第14問 JISで定義される現品管理の活動として、最も不適切なものはどれか。(C問題、配点2点)

ア.受け入れ外注品の品質と数量の把握
イ.仕掛品の適正な保管位置や保管方法の設定
ウ.製品の適正な運搬荷姿や運搬方法の検討
エ.利用資材の発注方式の見直し

現品管理の具体的な事例が問われています。
現品管理(=現物管理)とは「どこに、何が、何個あるか、整理整頓してちゃんと把握しましょう」ということですね。JISでは「資材、仕掛品、製品などの物について、運搬・移動や停滞・保管の状況を管理する活動」とあります。
現品管理は、計画通りに生産活動を行うために必要な「生産統制」の一つであり、生産統制には①進捗管理(計画通りに進行しているか)、②現品管理(物の位置と数量は適切か)、③余力管理(人と機械の稼働状況は適切か、無理してないか、遊んでないか)の3つがあります。工場では、日々①~③の生産統制を行ないながら、約束した納期に間に合うように生産を行っています。

さて、選択肢の方を見てみましょう。

「ア.受け入れ外注品の品質と数量の把握」ですが、外注品の数量を把握していますし、品質を把握するのは「その部品が使用できる(良品)か否か」を確認しているので、現品管理の活動として適切だと思われます。

「イ.仕掛品の適正な保管位置や保管方法の設定」ですが、仕掛品というのは「作りかけの製品」のことです。仕掛品の保管位置や保管方法を適切に設定することは現品管理として大切なことです。これがいい加減だと、気が付いたら無くなっていたり、汚破損によって使えなくなったりして、予定していた数量の製品が作れない、なんてことになってしまいます。ですので、この選択肢も現品管理として適切ですね。

「ウ.製品の適正な運搬荷姿や運搬方法の検討」はどうでしょうか。現品管理の対象は、部品や工場内の仕掛品だけでなくて完成した製品にまで及びます。これは、梱包方法や運送方法が適切でないために輸送時に破損したりして、お客様の所に届いたら壊れて使えなかった、ということのないようにしましょうという考えに基づいています。要するに、ちゃんとお届けするところまでが責任範囲ですよ、ということですね。ですので、これも現品管理の記述として適切です。

「エ.利用資材の発注方式の見直し」です。残り一つですのでこれが正解(=現品管理として適切でない)の筈ですが、念のため確認します。
資材(部品や材料など)の「発注方式の見直し」というのは①定量発注方式(在庫が発注点まで減少したら定められた定量を発注する。ダブルビン方式を含む)、②定期発注方式(定めた期間ごとに発注する、発注量は在庫数との兼ね合いで変動する)のいずれの方法で購買するかを再検討する、ということです。要するに「物の買い方」の話であって、現品管理が対象とする「現物」は関係ありませんので、この選択肢が不適切な表現です。

従って正解は「エ」ですね。

尚、学習の際には「エで正解だった」、「ウで不正解だった」で終わらせるのではなく、上記の様に各選択肢の正誤が判定できる状態にまで学習することで、確実に実力をつけていくことが出来ます。

この問題は「C問題」に分類されていますが、生産計画、生産統制は2次試験でもよく問われる論点ですし、実際の生産現場でも重要な管理項目になります。診断士になって工場に関わる仕事をする時を想定して、ここはしっかり押さえておきたいところですね。(あれ?なんで間違えてんだろう、、、(^^; )

第15問 新製品を組み立てるための標準時間をPTS(Predetermined Time Standard)法を利用して算定することにした。標準時間を設定するための準備に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。(C問題、配点2点)

a.PTS法で算定された標準時間を組立作業を行う作業者の習熟度に応じて調整するために、作業者の組立職場での就業年数を調査した。
b.設備による加工時間を別途付与するために、設備で試加工を実施して加工時間を計測した。
c.標準時間を見積もるための基礎資料を整備するために、既存製品の組立作業に対して時間分析を実施した。
d.試作品を組み立てるための模擬ラインを敷設して、製品組立の標準作業を決定した。

〔解答群〕
ア.aとb
イ.aとd
ウ.bとc
エ.bとd

「PTS法」とは、IE(Industrial Engineering)手法の一つで、作業に含まれる人間の動作要素についてあらかじめ「(要素)標準時間」を定めておき、その組み合わせによって「作業の標準時間」を設定する方法です。標準時間は、一定の作業方法、設備および環境のもとで、必要な熟練度をもっている作業者が一定の品質の作業を完成させるために、普通の速度で作業を行うのに必要な時間をいいます。PTS法には多くの手法がありますが、その中でも代表的なのがWF法(Work Factor analysis)とMTM法(Method Time Measurement)です。
WF法では、①身体の各部位(指、手、前腕、腕、胴、脚、足)②運動距離、③重量または抵抗、④人為的な調節(停止、注意、方向の調節、方向の変更)の4つの要因を元に、あらかじめ定められた動作時間標準表から標準時間をピックアップしていくことで全体の標準作業時間を決定します。
MTM法では、WF法の4つの要因をさらに、①手をのばす、②運ぶ、③まわす、④押す、⑤つかむ、⑥定置する、⑦放す、⑧引き離す、⑨目の移動、⑩目の焦点合わせ、の10個の基本動作に区分して分析を進めていきます。

う~ん、、、この問題、C問題ですが結構ディープな感じがします。私もメーカーに勤めていましたが、工程管理には携わっていませんでしたので、実際にPTS法を行って標準時間を設定したことはありません。
テキストでは結構なページ数を割いて説明していますが、標準時間、IE手法(①時間分析、②PTS法)の概念的な部分の理解にとどめておいた方が効率的かもしれませんね。

では、選択肢を見てみましょう。

「a.PTS法で算定された標準時間を組立作業を行う作業者の習熟度に応じて調整するために、作業者の組立職場での就業年数を調査した。」についてです。PTS法では、動作要素の標準時間はあらかじめレイティングされていますので、作業者の習熟度に応じて調整する必要がありません。また、就業年数と習熟度は必ずしもイコールではないと思いますので、この選択肢は誤りですね。この時点で「a」が含まれる選択肢「アとイ」が除外されます。

※この時点で解答は「ウ.bとc」、「エ.bとd」に絞られているわけですから、両方に含まれる「b」は当然正しい記述であり、本番の試験では検討の余地はありません。つまり、「c」か「d」の正誤判定ができれば、正解が導けますのでどちらかの正誤判定ができれば良いわけです。この様な解答選択肢が用意されている問題は「2つが正誤判定できれば正解が導ける」ので、選択肢4つ全てを検討する必要はありませんし、「2つだけ正誤判定」することで解答時間の短縮も実現できますね。(学習時には、4つの選択肢すべてに正誤判定できるまで学習する必要があります)

では、選択肢「c」を見てみます。「c.標準時間を見積もるための基礎資料を整備するために、既存製品の組立作業に対して時間分析を実施した。」ですが、これはPTS法ではなく、時間分析による標準時間の設定を行う方法の記述ですので誤りです。
「時間分析」の代表的な手法に「ストップウォッチ法」(直接時間分析法)がありますが、これは実際の作業時間を「ストップウォッチ」を使って計測する手法です。時間分析では、計測した「正味時間」に作業者の熟練度や環境によるばらつきを考慮した「レイティング」を行い、さらに「余裕時間」を加えて標準時間とします

これで選択肢「c」の含まれる「ウ.bとc」が誤りとなりますので、正解は「エ.bとd」となります。(1次試験の時点では知識が曖昧だったのかもしれません、、、(^^; )

第20問 生産現場で行われる改善に関する記述として、最も適切なものはどれか。(C問題、配点3点)

ア.あい路工程での出来高を向上させる目的で、その直前工程の処理能力を高めた。
イ.生産ラインの編成効率を高める目的で、生産ラインのU字化を検討した。
ウ.同一製品を継続生産する職場での進度管理の手間を省く目的で、製番管理を導入した。
エ.入社直後のパート従業員を短期間で組立職場に配置できるようにする目的で、1人生産方式を導入した。

生産現場で行われる改善に関する設問です。工場ではいろいろな改善活動を行いながら生産効率や品質を高めるための努力が継続的に行われています。「改善」と言っても対象とするものは様々ですし、本設問でも「出来高向上」、「編成効率向上」、「進捗管理の効率化」、「教育期間の短縮」と対象が分かれています。工場内の業務に関する総合的な知識が必要となりますので、確かに「C問題(正答率40~60%)」であるのもうなずけます。

では、選択肢を見てみましょう。

「ア.あい路工程での出来高を向上させる目的で、その直前工程の処理能力を高めた。」ですが、いきなりブチかましてくれてます。「あい路(隘路)工程」って何でしょうね、私もわかりませんでした。調べたところ、「狭くて通行の困難な道。物事を進める上で妨げとなるものや条件。ネック。」とありました。なんだ「ボトルネック工程」か、、、そう書いて欲しかったですが、これはあえてボトルネックではなく「あいろ」と書いていますね。意地悪です。(^^;
ということで選択肢は「ボトルネック工程の出来高を向上させる目的で、その直前工程の処理能力を高めた」になります。こう書いてもらえれば誤りだということがすぐにわかりますね。出来高を規定してしまうからボトルネック工程なわけで、ボトルネックの処理能力を高めないと出来高は向上しません。直前工程の処理能力を高めたら、ボトルネック工程の前に仕掛品を積み上げるだけで何の効果もありません。

「イ.生産ラインの編成効率を高める目的で、生産ラインのU字化を検討した。」これは問題なさそうな記述になっています。
生産ラインの編成効率は、ラインの「総作業時間」を「工程数×標準サイクルタイム」で割って求めます。現実にはラインの各工程の作業時間は全く同じにはできませんので、標準サイクルタイムは一番遅い工程に合わせて設定されます。従って、それよりも早い工程は標準サイクルタイムとの差だけ「手待ち」が発生することになり、この差が編成効率を下げる要因になります。仮に各工程の作業時間が全く同じだとすると、編成効率は1(100%)になりますので、どれだけ各工程の作業時間を均一にするかが編成効率を高めるポイントになります。
通常のストレートラインでは、各工程の作業量の調整は前後の工程との間でしか行えませんが、U字ラインの場合、背後の工程との作業量調整も行えますので、調整の自由度が大きくなり編成効率を高めるのに有利に働きます。

「ウ.同一製品を継続生産する職場での進度管理の手間を省く目的で、製番管理を導入した。」ですが、「製番管理」は個別生産や小ロット生産に向いた生産管理方法ですので、継続生産には向きません。
製番管理は、JISによると「製造指令書を発行するときに、その製品に関するすべての加工と組立の指示書を準備し、同一の製造番号をそれぞれにつけて管理をおこなう方式。」とあり、実際には個別生産や小ロットの製造番号ごとに原材料や部品の調達がおこなわれ、どの原材料や部品がどの製造番号に対応しているかが明確になっています。これにより仕様の異なる製品であっても製品ごとに現物管理や原価管理が行えるわけです。

最後の「エ.入社直後のパート従業員を短期間で組立職場に配置できるようにする目的で、1人生産方式を導入した。」ですが、「1人生産方式」は複数工程を行うスキルを持った多能工が行うものです。入社直後のパート従業員をいきなり「1人生産方式」に配置するなんて「いじめ」ですよね。すぐに辞めちゃうんじゃないでしょうか。(^^;

ということで、正解は「イ.生産ラインの編成効率を高める目的で、生産ラインのU字化を検討した。」になります。(「あい路工程」に惑わされてアにしちゃいました、、、(^^; )

第22問 中小企業庁『平成27年度商店街実態調査報告書』で用いられている商店街のタイ プに関する説明として、最も適切なものはどれか。(D問題、配点2点)

ア.近隣型商店街:最寄り品と買回り品の店舗が混在する商店街で、地域型商店街よりやや広い範囲であることから、徒歩、自転車、バス等で来街する商店街
イ.広域型商店街:百貨店・量販店を含む大型店があり、買回り品よりも最寄り品の店舗が多い商店街
ウ.地域型商店街:最寄り品中心の商店街で、徒歩または自転車等により買い物を行う商店街
エ.超広域型商店街:百貨店・量販店を含む大型店があり、有名専門店、高級専門 店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街

受験生のほとんどが読んでいないであろう『商店街実態調査報告書』からの出題です。さすがD問題、これは出来なくても気にすることはないでしょう。商店街タイプに関しては後述しておきますが、ここではロジックだけで正解にたどり着けないか検証してみます。

まず、4つの商店街のタイプを「近場・商圏狭い」→「遠い・商圏広い」の順に並べてみます。「近隣型<地域型<広域型<超広域型」の順で商圏が広くなりますね。ここまでは日本語の問題なので大丈夫だと思います。
次はこの「サイズ順」に並べた商店街の記述を比較してみます。
記述では、「近隣型:徒歩、自転車、バス等で来街」、「地域型:徒歩または自転車等により買い物を行う商店街」となっており、サイズと移動手段が逆になっていることがわかります。つまり、「近隣型」と「地域型」の記述が逆になっていますので、この二つの選択肢「ア」、「ウ」は適切でないことがわかります。

次に「イ.広域型」と「エ.超広域型」です。前半の記述「百貨店・量販店を含む大型店があり」は共通ですので、後半部分を比べてみます。
「広域型:買回り品よりも最寄り品の店舗が多い商店街」、「超広域型:有名専門店、高級専門 店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街」を並べてみると「エ.超広域型」の方は問題がなさそうな記述になっています。
一方で「広域型:買回り品よりも最寄り品の店舗が多い商店街」ですが、「買回り品よりも最寄り品の店舗が多い」というところが不自然です。

「最寄り品」というのは購入頻度が高く、メーカーやブランドに対するこだわりの薄い商品で、主に食品や日用雑貨品のことを言います。レタス1個をわざわざ遠方まで買いに行く人はほとんどいませんので、当然購入するのは近場の商店街になりますね。
「買回り品」とは、衣服や家電、趣味の用品など、価格や品質を比較して購入する商品のことを言います。これらは専門店で購入することが多く、消費者が複数の店舗を「買い回る」ためにこのように呼ばれています。好みの店は人それぞれですし、品揃えの多い店舗にわざわざ出かけることもありますので、商圏は最寄り品よりも広くなります。

ここで選択肢「イ.広域型商店街:百貨店・量販店を含む大型店があり、買回り品よりも最寄り品の店舗が多い商店街」に戻ります。正しい地域型商店街の説明は「最寄り品と買回り品の店舗が混在する商店街」となりますので、4つの商店街の記述を整理すると以下のようになります。
近隣型:最寄り品中心の商店街
地域型:最寄り品と買回り品の店舗が混在する商店街
広域型:買回り品よりも最寄り品 の店舗が多い商店街
超広域型:有名専門店、高級専門店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街

やはり「広域型:買回り品よりも最寄り品 の店舗が多い」という記載は変ですし、これは「最寄り品」と「買回り品」が入れ替わっているのではないか、と推測します。順番を入れ替えてみると、
近隣型:最寄り品中心の商店街
地域型:最寄り品と買回り品の店舗が混在する商店街
広域型:最寄り品よりも買回り品の店舗が多い商店街
超広域型:有名専門店、高級専門 店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街

となりすっきりします。従って「エ.超広域型商店街:百貨店・量販店を含む大型店があり、有名専門店、高級専門店を中心に構成され、遠距離からも来街する商店街」が適切だと判断します。
ま、このようなロジック展開を試験時間内で行うのは難しいので、やはり「D問題は気にしない」のが良いですね。

商店街の定義:

近隣型 最寄品中心の商店街で地元主婦が日用品を徒歩又は自転車などで買い物を行う商店街。
地域型 最寄品及び買回り品が混在する商店街で、近隣型商店街よりもやや広い範囲であることから、徒歩、自転車、バス等で来街する商店街。
広域型 百貨店、量販店を含む大型店があり、最寄品より買回り品が多い商店街。
超広域型 百貨店、量販店、を含む大型店があり、有名専門店、高級専門店を中心に構成され、遠距離から来街する商店街。

 

第33問 物流におけるユニットロードおよびその搬送機器に関する記述として、最も適切なものはどれか。(C問題、配点2点)

ア.一貫パレチゼーションとは、発地から着地までの間、保管用のパレットから輸送用のパレットへの積み替えを繰り返しながら、パレットに荷を積載し続けて物流を行うことである。
イ.平パレットは、主にプラスチックまたは鋼材で作られており、木製のパレットはほとんど使用されていない。
ウ.平パレットは、ワンウェイパレットとして利用されることが一般的である。
エ.ロールボックスパレットは、フォークリフトなどを用いずに人力だけでも荷役することができる。

物流における「ユニットロードシステム」に関する出題です。
ユニットロードシステムとは、さまざまな荷姿の包装貨物を個別に扱うのではなく、パレットやコンテナなどの単位にユニット化することによって、物流機器を利用して荷扱いし、輸送、保管などを効率化する仕組みをいいます。

それでは選択肢を順番に見ていきましょう。「ア.一貫パレチゼーションとは、発地から着地までの間、保管用のパレットから輸送用のパレットへの積み替えを繰り返しながら、パレットに荷を積載し続けて物流を行うことである。」についてです。
「一貫パレチゼーション」とは、作業効率の向上のため、パレット積みのまま発送から到着の荷卸しまで一貫して輸送する方式をいいます。積卸しはフォークリフトによって行われます。積み替えの省力化の効果が著しく、コンテナやトラック、貨車の回転率が高くなり、また荷傷みが少ないなど多くの利点があります。
従って、選択肢にある「保管用のパレットから輸送用のパレットへの積み替えを繰り返しながら」という記述が誤りです。この記述を除くと「一貫パレチゼーションとは、発地から着地までの間、パレットに荷を積載し続けて物流を行うことである。」と正しい記述になります。

「イ.平パレットは、主にプラスチックまたは鋼材で作られており、木製のパレットはほとんど使用されていない。」についてです。
平パレットは、上部に構造物を持たない板状のパレットのことを指します。パレットの主な素材は、木材、金属、プラスチック、紙(段ボール)と様々ですが、世界中で最も多く利用されている素材が木材です。木材の利点として、他の素材と比較し価格が安く、比較的積荷がすべらない、補修が簡単であることがあげられます。従って、選択肢にある「木製のパレットはほとんど使用されていない」という記述が誤りです。

「ウ.平パレットは、ワンウェイパレットとして利用されることが一般的である。」についてです。
「ワンウェイパレット」とは、発地から着地までの片道のみで、回収しない前提で製造・利用されるパレットのことを指します。使い捨てパレットとも呼ばれます。輸出の場合はプラスチック製のワンウェイパレットが使用されることもありますが、レンタルパレットという仕組みもあり、一般的には繰り返し利用されることも多いです。
従って、選択肢にある「ワンウェイパレットとして利用されることが一般的」という記述が誤りです。

最後の「エ.ロールボックスパレットは、フォークリフトなどを用いずに人力だけでも荷役することができる。」についてみてみましょう。
「ボックスパレット」は、上部構造物として少なくとも3面の垂直側板(網目、格子状などを含む)をもつパレットのことをいい、「ロールボックスパレット」は車輪付きのボックスパレットのことです。カゴ台車、カゴ車とも呼ばれ、金属製のゲージに、キャスターが付いたものをスーパーやコンビニで見かけることが多いですね。ロールボックスパレット(カゴ台車)は、店舗への納品時など、複数の異なる商品を一か所に届ける際に利用されることが多く、トラックからロールボックスパレット(カゴ台車)ごと下して、そのまま店舗の倉庫に納品したりします。底部にキャスターがついていますので、選択肢にある「フォークリフトなどを用いずに人力だけでも荷役する(運ぶ)ことができる。」という記述も適切ですね。

従って、選択肢「エ」が正解になります。尚、上記解説の一部は、「一般社団法人 日本パレット協会」のホームページから引用しています。わかりやすく解説されていますので参考にしてみてください。
一般社団法人 日本パレット協会

第39問 マーケットバスケット分析は、頻繁に購入される商品の組み合わせ(相関ルール)を見つけ、併買を促すためのヒントを見つけ出すのに活用される方法の1つである。この相関ルールの評価に関する下記の設問に答えよ。
(設問1) ※正解だったので省略します。
(設問2) 商品Xと商品Yの相関ルールを評価するとき、商品Xの購買が、どの程度、商品Yの購買を増大させているかを示すリフト値を計算する式を次に示す。

以下の①~④のうち、式の空欄AとBに入る語句として、最も適切なものの組 み合わせを下記の解答群から選べ。(D問題、配点2点)

①全顧客数、②商品Xを購入した顧客数、③商品Yを購入した顧客数、④商品XとYを購入した顧客数

〔解答群〕
ア.A:① B:②
イ.A:① B:④
ウ.A:② B:②
エ.A:② B:③
オ.A:③ B:④

「マーケットバスケット分析」とはデータマイニングの手法の一つで、POSデータやECサイトの購買データを分析して、「一緒に買われる商品」の組み合わせを発見する探索的データ分析のことです。大手ECサイトで「この商品を買った人は、こんな商品にも興味を持ってます」的に表示されるアレですね。

「リフト値」は、バスケット分析における重要な指標の一つであり、ある商品Xの購買が他の商品Yの購買とどの程度相関しているかをみる指標です。リフトは英語で持ち上げるという意味ですから、商品Xの購買が商品Yの購買をどれだけ持ち上げているかを示しています。
例えば、全てのお客さんの中で商品Yを購入した人が5%だった時に、商品Xを購入した人を分母にしてみたら25%だった、となるとかなりの相関があるわけです。

すべての購買履歴の中で商品Xと商品Yの両方が買われている割合を「支持度」といいます。式で表すと「支持度=商品XとYを購入した顧客数÷全顧客数」ですね。
商品Xを買った人の中で、さらに商品Yを購入する確率を「確信度」といいます。式で表すと「確信度=商品XとYを購入した顧客数÷商品Xを購入した顧客数」になります。(ここまでが設問1で問われています)

「リフト値」は、「商品Xが買われたときに商品Yも買われる確率」が「全体で商品Yが買われる確率」の何倍あるか(どれだけリフトされているか)を見る指標です。

従って、分子の空欄Aには「②商品Xを購入した顧客数」が、分母の空欄Bには「③商品Yを購入した顧客数」が入りますので、正解は「エ.A:② B:③」となります。


いかがでしたでしょうか。運営管理は大きく「工場管理」と「物流・販売管理」に分かれます。後半の「物流・販売管理」は、リテールマーケティング(販売士)検定試験と重なる分野が多いので、そちらのテキスト(2級)も参考になるかもしれません。私は会社で取得を強くすすめられていましたので、販売士2級を取得したことがプラスに働きましたが、「運営管理の勉強のために販売士資格を取得する」のはちょっと効率が悪いと思います。あくまで参考程度にテキストをパラパラ、、で十分だと思います。
以上、なおさんでした。(^^)/

 

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✿:❀道場 春セミナーレポート✿:❀

東京セミナー(平日夜版) 申し込み終了
4月18日(木) @港区勤労福祉会館
受付開始:18:30 セミナー開始:19:00 懇親会:21:15頃

東京セミナー レポートはこちらから
4月6日(土) @港区勤労福祉会館

大阪セミナー レポートはこちらから
4月14日(日)@生涯学習センター梅田

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

「なおさんの解法実況&事例研究」もいよいよ最終回、事例Ⅳでございます。本日も「80分間の過ごし方」に従って、私がどのように平成30年度の2次試験を解答したかを実況解説形式で書きたいと思います。

「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅲ」はこちら
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅱ」はこちら
「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅰ」はこちら
「80分間の過ごし方」はこちら
「バックキャスティング思考法」はこちら

冒頭にお伝えしておきたいのですが、私自身、事例Ⅳの解答プロセスは、他の事例Ⅰ~Ⅲと少し異なります。どこが違うかといいますと、

  • 設問要求の確認は、設問ジャンル(NPVかCFかCVPか)を確認するだけでシンプルに済ませる。
  • 鉄板の経営分析は最初にやる。
  • 最後の文章題はできそうなら2番目にやる。
  • 他は難易度によって解答する順番を変更する。(大抵NPVは最後に回す)

になります。

平成30年度の事例Ⅳは傾向が変わって文章問題が増えましたが、基本的に事例Ⅳは計算させる問題が大半です。問題によって計算量、つまり必要な時間が異なりますので、「NPVに時間がかかりすぎて、最後の簡単な文章問題が書けなかった」というもったいないことにならないように、時間がかかり、かつ多くの受験生が部分回答しかできないような難問は後に回した方が良いと考えるからです。要するに「取れる問題は早い時間帯に解いて確実に得点する」「難問は最後に回し、仮に時間切れで半分しか解けなかったとしても他の受験生と大差ない」ということですね。

また、本記事の事例Ⅳ実況解説では読みやすさを考えて構成を事例Ⅰ~Ⅲまでとは少し変更しています。また、再現答案を掲載していないものもあります。これは私の誤解答が皆さんに変な誤解を与えないようにという点と読みやすさに配慮したからです。結果として、記事構成は各設問ごとに「設問→設問要求の確認→解答要素の確認→再現答案→振り返り」の順で記載しています。

さて、私の平成30年度事例Ⅳの得点開示結果は「53点」でした。ですので、私の解答よりあと3カ所くらい正解できると合格レベルになる、と到達点の目安にしていただければ幸いです。

本記事は、「80分間の過ごし方」を先に読んでいただけると効果的です。
また、平成30年度の試験問題を一度ご自身で解いた後に記事を読んでいただくとより効果的と思われます。

それでは「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅳ」いってみましょう。(^^)/


1.試験開始~3分:諸手続き<作業>

「80分間の過ごし方」の手順に従って、受験番号記入、メモ用紙作成(表紙を二つに破る)を行います。事例Ⅳでは与件文が短い(平成30年度は1ページで6段落)ので、段落への番号振りは行いません。

2.試験開始後3分~4分頃:与件文の冒頭確認<作業>

次に与件文の冒頭を確認して事例企業の概要を把握します。「D社は従業員55名、年商15億円の倉庫・輸送および不動産関連のサービス業。」くらいが把握できれば十分です。

D 社は資本金5,000 万円、従業員55 名、売上高約15 億円の倉庫・輸送および不動産関連のサービス業を営んでおり、ハウスメーカーおよび不動産流通会社、ならびに不動産管理会社およびマンスリーマンション運営会社のサポートを事業内容としている。同社は、顧客企業から受けた要望に応えるための現場における工夫をブラッシュアップし、全社的に共有して一つ一つ事業化を図ってきた。

 

3.試験開始後4分~8分頃:設問タイプを確認して解答順を決定する<作業>

■第1問(配点24点)

(設問1)
D 社と同業他社の財務諸表を用いて経営分析を行い、同業他社と比較してD 社が優れていると考えられる財務指標を1つ、D 社の課題を示すと考えられる財務指標を2つ取り上げ、それぞれについて、名称を(a)欄に、その値を(b)欄に記入せよ。なお、優れていると考えられる指標を①の欄に、課題を示すと考えられる指標を②、③の欄に記入し、(b)欄の値については、小数点第3位を四捨五入し、単位をカッコ内に明記すること。
(設問2)
D 社の財政状態および経営成績について、同業他社と比較してD 社が優れている点とD 社の課題を50 字以内で述べよ。

鉄板の経営分析です。「優れている指標一つ、課題となる指標二つを選択して計算し、その説明を50字以内で説明する」というスタイルも例年通りでした。ここは確実に得点したいですし配点も24点と高いので、最初に回答することにします。

■第2問(配点31点)

(設問1)
今年度の財務諸表をもとに①加重平均資本コスト(WACC)と、②吸収合併により増加した資産に対して要求されるキャッシュフロー(単位:百万円)を求め、その値を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。
(設問2)
吸収合併により増加したキャッシュフロー(単位:百万円)を求め、その値を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。
また、吸収合併によるインテリアのトータルサポート事業のサービス拡充が企業価値の向上につながったかについて、(設問1)で求めた値も用いて理由を示して(c)欄に70字以内で述べよ。
(設問3)
(設問2)で求めたキャッシュフローが将来にわたって一定率で成長するものとする。その場合、キャッシュフローの現在価値合計が吸収合併により増加した資産の金額に一致するのは、キャッシュフローが毎年度何パーセント成長するときか。キャッシュフローの成長率を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。

合併により増加した資産に対する要求キャッシュフローと、実際の営業成績から見たキャッシュフローを計算させその評価を記述させる問題です。
設問1-①が正解しないと設問1-②が正解できない、設問1-②と設問2-(a)が正解しないと設問2-(c)および設問3が正解できない、という多重構造になっていますので、いわゆる「難問」だと思います。計算過程を書かせるのは、部分点を与えるための「救済策」だと思われます。

第3問(配点30点)

(設問1)
来年度は外注費が7%上昇すると予測される。また、営業所の開設により売上高が550百万円、固定費が34百万円増加すると予測される。その他の事項に関しては、今年度と同様であるとする。
予測される以下の数値を求め、その値を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。
① 変動費率(小数点第3位を四捨五入すること)
② 営業利益(百万円未満を四捨五入すること)
(設問2)
D 社が新たに営業拠点を開設する際の固定資産への投資規模と費用構造の特徴について、60字以内で説明せよ。
(設問3)
(設問2)の特徴を有する営業拠点の開設がD社の成長性に及ぼす当面の影響、および営業拠点のさらなる開設と成長性の将来的な見通しについて、60字以内で説明せよ。

設問1は、来年度予測からの変動費率および営業利益を計算させる問題です。設問2は、営業所の開設に対する費用構造を説明させる問題です。
設問3は、営業拠点の開設が成長性に及ぼす当面、および将来的な見通しについての記述です。設問3は難しそうですが、あまりこだわりすぎずに設問2までが解ければ良い、と考えます。第2問よりは少し易しいかな、と思います。

第4問(配点15点)

第4問(配点15点)
D 社が受注したサポート業務にあたる際に業務委託を行うことについて、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があるのはどのような場合か。また、それを防ぐにはどのような方策が考えられるか。70 字以内で説明せよ。

他社への業務委託を行う際のリスクと対策について問われています。一般的な知識に加えて、与件文に関連する記述があれば解答は難しくないと思われましたので、第1問に続いて2番目に解くことにします。

4.試験開始後8分~80分:解答順に従って解答する<思考>

前のステップで決定した解答順(設問1→設問4→設問3→設問2)に従って解答を進めていきます。また、実際の解答順は皆さんの得手・不得手によって変わると思います。いずれにしても「確実に得点できそうな問題から解いていく」ことをお勧めします。本記事の解説は、第1問から順番に記載しています。

■第1問(配点24点)

(設問1)
D社と同業他社の財務諸表を用いて経営分析を行い、同業他社と比較してD社が優れていると考えられる財務指標を1つ、D社の課題を示すと考えられる財務指標を2つ取り上げ、それぞれについて、名称を(a)欄に、その値を(b)欄に記入せよ。なお、優れていると考えられる指標を①の欄に、課題を示すと考えられる指標を②、③の欄に記入し、(b)欄の値については、小数点第3位を四捨五入し、単位をカッコ内に明記すること。
(設問2)
D社の財政状態および経営成績について、同業他社と比較してD社が優れている点とD社の課題を50字以内で述べよ。

【設問要求の確認】
経営分析の問題です。設問要求は「優れている財務諸表を1つ、課題を示すと考えられる指標を2つ」です。「名称を(a)欄」、「値を(b)欄」、「優れている指標は①」、「値は小数点第3位を四捨五入」、「単位をカッコ内に明記」という制約条件も確認します。
設問2は、取り上げた財務諸表について文章で解説します。「〇〇〇(理由)のため△△△(財務諸表項目)が多く/少なく、収益性・効率性・安全性が高い/低い」というフレームを基本形とします。

【解答要素の確認】
まずは与件文に関連するキーワードがないか探します。2段落目に「新たなビジネスモデルで採算の改善を図るために」とありますので、収益性になにか課題があるかもしれません。3段落目には「大型品を一度一か所に集め、一括配送する」とありますので、何らかの物流センター(有形固定資産)を保有していることがうかがえます。また、6段落目には「同社の事業は労働集約的」であり「優秀な人材の採用および社員の教育にも注力」とありますので、販管費にも注意したいところです。

また、財務諸表を検討する際には、最初に「売上高を比較」します。D社の売上高は、同業他社の0.828倍になっていますので、同業他社の各数値に0.828を乗じた結果の数値とD社の数値の大小を比較するだけで簡単に優劣が判定できるので、解答時間を節約することができます。

  • 売上原価 :同業他社1,635×0.828=1,354>D社1,140 他社より原価率が低い
  • 売上総利益:同業他社180×0.828=149.04<D社363 他社よりかなり良い

といった具合です。

尚、選択する経営指標は、企業を多面的に評価するために基本的に、収益性から一つ、効率性から一つ、安全性から一つの3つを選択します。収益性ばかり見ても仕方ないですもんね。

設問と財務諸表を確認後の問題用紙。(クリックで拡大します)

【再現答案】

(設問1)

(a) (b)
自己資本比率 35.59( % )
売上高営業利益率 1.20( % )
有形固定資産回転率 17.08( 回 )

(設問2)
純資産が多く安全性が高いが、労働集約的な事業で販管費が高く収益性が低く、有形固定資産が多く効率性が低い。(50文字)

【振り返り】
売上高総利益率は圧倒的に高いですが、販管費も同様に高く、営業利益率では同業他社に逆転されています。これは労働集約的な事業であることと、協力個人事業主や物流業者に委託している事業構造が影響していると思います。

【改善答案】
「同業他社と比較してD社が優れている点とD社の課題を述べよ」という題意により寄り添った解答とするなら、以下のような表現の方が適切かもしれません。

(設問2)
優位点は自己資本が多く安全性が高い点。課題は販管費が多く低い収益性と有形固定資産が多く効率性が低い点。(50文字)

第2問(配点31点)

D 社は今年度の初めにF 社を吸収合併し、インテリアのトータルサポート事業のサービスを拡充した。今年度の実績から、この吸収合併の効果を評価することになった。以下の設問に答えよ。なお、利益に対する税率は30 %である。
(設問1 )
吸収合併によってD 社が取得したF 社の資産及び負債は次のとおりであった。

今年度の財務諸表をもとに①加重平均資本コスト(WACC)と、②吸収合併により増加した資産に対して要求されるキャッシュフロー(単位:百万円)を求め、その値を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。なお、株主資本に対する資本コストは8 %、負債に対する資本コストは1 %とする。また、(a)欄の値については小数点第3 位を四捨五入すること。

【設問要求の確認】
設問要求は、①「加重平均資本コスト」を求めよ。②「増加した資産に対して要求されるキャッシュフロー」を求めよ、です。

【解答要素の確認】
加重平均資本コストは、株主資本コスト8%と負債コスト1%が与えられていますので、D社の貸借対照表から負債324(百万円)、純資産179(百万円)を用いて算出します。
キャッシュフローの方は、企業価値の計算式を用います。「(CF)÷(資本コスト)=(企業価値)」の計算式から、「CF=(企業価値=増加した資産)×(資本コスト=WACC)」となります。

【再現答案】

(a) (b)
3.30% WACC = 1 x 324/503 x (1-0.3) + 8 x 179/503 = 3.2978
1.72百万円 CF = (190 – 138) x WACC = 52 x 0.033 = 1.716

【振り返り】
本番では、① は正解しましたが、②は「増加した資産」のところに「取得した資産と負債の差額(190 – 138) 」を持ってきてしまい間違えてしまいました。
設問文にも「吸収合併により増加した資産に対して要求されるキャッシュフロー」とありますので、取得した資産合計190(百万円)を持ってきて、
CF=取得資産:190×WACC:0.033=6.27(百万円)
とするのが正解だと思います。
※計算式は合っていましたので部分点はもらえていると思います。

第2問(設問2)

インテリアのトータルサポート事業のうち、吸収合併により拡充されたサービスの営業損益に関する現金収支と非資金費用は次のとおりであった。

企業価値の増減を示すために、吸収合併により増加したキャッシュフロー(単位:百万円)を求め、その値を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。(a)欄の値については小数点第3 位を四捨五入すること。また、吸収合併によるインテリアのトータルサポート事業のサービス拡充が企業価値の向上につながったかについて、(設問1 )で求めた値も用いて理由を示して(c)欄に70 字以内で述べよ。なお、運転資本の増減は考慮しない。

【設問要求の確認】
設問要求は、「吸収合併により増加したキャッシュフロー」を求め、吸収合併が企業価値の向上につながったか(設問1で計算した「吸収合併により増加した資産に対して要求されるキャッシュフロー」を上回っているか)を判断して記述せよ、です。また、「設問1で求めた値も用いて理由を示し」とありますので、「要求キャッシュフロー6.27百万円より多い/少ないから」と解答する必要があります。

【再現答案】

(設問2)
(a) 3.2 百万円
(b) CF = (400 – 395) x (1 – 0.3) – 1 x 0.3 = 3.5 – 0.3= 3.2
(c) サポート事業のサービス拡充は企業価値の向上につながった。理由は吸収合併により増加したCFが増加した資産に要求されえるCFよりも多いからである。

【振り返り】
非資金費用のタックスシールドを引いちゃってますね。非資金費用は、減価償却費同様に具体的な支出を伴わない費用項目ですので、プラスのタックスシールドが発生します。正解は以下の通りです。
CF=(400-395)×(1-0.3)+1×0.3=3.8(百万円)
=(400-395-1)×(1-0.3)+1=3.8(百万円)※式の別解

(c)は、設問1のCFもミスしてしまったので正解が出るはずもありませんが、要求CFが6.27で実際のCFが3.8ですので、企業価値の向上につながっていません。だから、設問3(じゃぁどれだけ成長したらペイするの?)に繋がるというストーリーになっています。このストーリーが読めれば部分点狙いは可能でしたね。
(本番では、あれ?タックスシールドは足して3.8になるんじゃないのかな?と思って再確認をしている途中で時間となりました。残念。orz)

【改善答案】

(a) 3.8 百万円 (b)CF=(400-395)×(1-0.3)+1×0.3=3.8(百万円)
(c) 企業価値向上につながっていない。理由は吸収合併により増加したCF3.8百万円が、増加資産に要求されえるCF6.27百万円より小さいからである。

第2問(設問3)

(設問2 )で求めたキャッシュフローが将来にわたって一定率で成長するものとする。その場合、キャッシュフローの現在価値合計が吸収合併により増加した資産の金額に一致するのは、キャッシュフローが毎年度何パーセント成長するときか。キャッシュフローの成長率を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。なお、(a)欄の成長率については小数点第3 位を四捨五入すること。

【設問要求の確認】
前述の通り、「じゃぁどれだけ成長したらペイするの?」という設問です。計算して回答できることはもちろんですが、このような設問の流れからストーリーを類推できると、解答の範囲を絞れますので、もし途中で計算ミスをしたとしても気づくのが早くなると思います。

【解答要素の確認】
企業価値の一定成長モデルから成長率を算出します。一定成長する場合の計算に使うCFは「1年後のCF(CF①)」であることに注意します。

【再現答案】

(a) △2.85 %
(b) 3.2 ÷ (WACC – g) = 52 → g = 0.033 – 3.2 ÷ 52 = -0.0285

【振り返り】
色々な数字がずれていますので、正解が出るわけありません。また、「1年後のCF」という部分も抜けています

【改善答案】

(a)1.27 %
(b)CF:3.8×(1+g)÷(WACC:0.033-g)=190
3.8+3.8g=190×(0.033-g)
193.8g=6.27-3.8=2.47 → g=0.012745 ⇒ 1.27%

第3問(配点30点)

D 社は営業拠点として、地方別に計3 カ所の支店または営業所を中核となる大都市に開設している。広域にビジネスを展開している多くの顧客企業による業務委託の要望に応えるために、D 社はこれまで営業拠点がない地方に営業所を1 カ所新たに開設する予定である。
今年度の売上原価と販売費及び一般管理費の内訳は次のとおりである。以下の設問に答えよ。

(設問1 )
来年度は外注費が7 %上昇すると予測される。また、営業所の開設により売上高が550 百万円、固定費が34 百万円増加すると予測される。その他の事項に関しては、今年度と同様であるとする。
予測される以下の数値を求め、その値を(a)欄に、計算過程を(b)欄に記入せよ。
① 変動費率(小数点第3 位を四捨五入すること)
② 営業利益(百万円未満を四捨五入すること)

【設問要求の確認】
設問1の設問要求は「①変動比率の計算」、「②営業利益の計算」です。その計算過程を踏まえて、設問2では営業所開設の際の「固定資産への投資規模」と「費用構造の特徴(良い点、悪い点)」について問われています。

【設問要求】
設問要求は「予想される来年度の①変動比率、②営業利益を求めよ」です。売上原価と販管費が固変分離されていますので、この表を元に来年度の予測を行い、数字を求めていきます。

【解答要素】
来年度の条件は、「外注費が7%上昇」、「売上高が550百万円増加」、「固定費が34百万円増加」です。このうち外注費はすべて変動費になりますので、来年度は「売り上げがどのようになろうが、外注費(変動費)が7%増加する」ことになります。他の売上高、固定費の増加は変動比率に影響を与えませんので、売り上げが今年度と同じであると仮定して(=今年度の売上高を使って)変動比率を計算します。
変動比率 =変動費(782×1.07+232+33)÷1503×100
=1101.74÷1503×100
=73.3027…
営業利益は、来年度の売上高から変動費と固定費を引いたものになりますので、
営業利益 =限界利益―固定費
=売上高(1503+550)×(1―0.7330)―固定費(438+34)
=548.151―472
=76.151

【改善答案】

(a) (b)
73.30% 変動比率=変動費(782×1.07+232+33)÷1503×100
=1101.74÷1503×100 =73.3027…
76.15 百万円 営業利益=限界利益 – 固定費
=売上高(1503+550)×(1 – 0.7330)- 固定費(438+34)
= 548.151―472 = 76.151

第3問(設問2)

D 社が新たに営業拠点を開設する際の固定資産への投資規模と費用構造の特徴について、60 字以内で説明せよ。

【設問要求】
設問要求は、「固定資産への投資規模」と「費用構造の特徴」について説明せよ、です。まず、固定資産への投資規模ですが、「営業所の開設により売上高が550 百万円、固定費が34 百万円増加すると予測される」とあります。売上増分が550百万円に対して固定費増分は34百万円とわずか6.18%ですので、「固定資産への投資規模は小さい」と言い切ってよいかと思います。
次に費用構造です。変動比率は73.3%でしたから、売上高の増分についてみると、売上高:550百万円、変動費:403.14百万円、限界利益:146.85百万円、限界利益率:26.7%、固定費:34百万円、損益分岐点:127.34百万円、損益分岐点比率:23.15%、営業利益:112.85百万円、営業利益率:20.52%、営業レバレッジ:1.30
となっています。上記から費用構造の特徴としては、「変動比率が73.3%と高い」、「固定費が34百万円と小さい」、よって「損益分岐点比率が23.15%と小さい」という特徴があると思います。

【再現答案】

営業拠点開設の際に固定資産を取得せず貸借で行っているため投資規模は小さく固定費負担も小さいため利益が出やすい構造である。(60文字)

【振り返り】
80分間では「固定資産への投資規模が小さい」ところまでしか分析できませんでした。

【改善答案】

投資規模は小さい。費用構造は、固定費率が6%と小さく、変動費率が73%と大きい構造で約20%の高い営業利益率が期待できる。(60文字)

第3問(設問3)

(設問2 )の特徴を有する営業拠点の開設がD 社の成長性に及ぼす当面の影響、および営業拠点のさらなる開設と成長性の将来的な見通しについて、60 字以内で説明せよ。

【設問要求】
設問要求は、「D社の成長性に及ぼす当面の影響」、「さらなる開設と成長性の将来的な見通し」について説明せよとあります。損益計算書より、D社の営業利益率は1.20%と低かったので、設問2で開設した営業所の営業利益率20.52%はD社の成長性(売上・利益の拡大)に好影響を与えるはずです。
「さらなる開設と成長性の将来的な見通し」については、営業所を2店目、3店目と解説していった場合にどうか、ということですので、営業所開設にかかる条件は同じとして計算してみます。
今年度:売上高:1,503、変動費:1,047、固定費:438、営業利益:18
来年度:売上高:2,053、変動費:1,505、固定費:472、営業利益:76(+58)
2店目:売上高:2,603、変動費:1,908、固定費:506、営業利益:189(+113)
3店目:売上高:3,153、変動費:2,311、固定費:540、営業利益:302(+113)
このように営業所を追加するたびに「売上高550百万円、営業利益113百万円(営業利益率20.52%)」が加算されていきますので順調に売上は拡大していきますが、「定額成長」になっていますので、「成長率」で考えると、全体の営業利益率が「増分の営業利益率20.52%」に近づくにつれて遁減していくことがわかります。

【再現答案】

あまりにも意味不明なため割愛させていただきます。_O_

【振り返り】
80分間では分析が全くできず、設問文から類推して書いていますが、まったく点数が入っていないと思われます。

【改善答案】

営業拠点の開設は当面D社の売上及び営業利益率の改善に好影響を与えるが、さらなる拠点開設に従って利益の増加率は遁減していく。(60文字)

第4問(配点15点)

D 社が受注したサポート業務にあたる際に業務委託を行うことについて、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があるのはどのような場合か。また、それを防ぐにはどのような方策が考えられるか。70 字以内で説明せよ。

【設問要求】
「業務委託を行うことが、事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性(リスク)」と「その予防策」について説明せよ、とあります。「〇〇〇の場合にリスクがあるので、△△△を行う」というフレームになるかと思いました。

【解答要素】
5段落で、個人事業主や配送ネットワークに加盟する物流業者に業務委託を行っている様子が記述されています。段落の後半には「協力個人事業主等の確保・育成および加盟物流業者との緊密な連携とサービス水準の把握・向上がビジネスを展開するうえで重要な要素になっている」という記述がありますので、この部分が骨子になると思います。
また、6段落には「顧客企業からの要望に十分対応するために配送ネットワークの強化とともに、協力個人事業主等ならびに自社の支店・営業所の拡大が必要」とありますし、「昨今の人手不足の状況下で、優秀な人材の採用および社員の教育にも注力する方針」とあります。

【再現答案】

業務委託する個人事業主や物流業者の顧客サービスレベルが低下した場合に受注減のリスクがあるので、品質レベルの高い委託先の選択と教育が必要である。(70文字)

【振り返り】
「サービスレベルの低下」には言及できていますが、人手不足の状況下で必要な人員が確保できないというリスクに触れられていません。

【改善答案】

悪影響のリスクは①個人事業主や物流業者が十分に確保できないこと②委託先のサービス水準が低いこと。方策は、委託先の確保・育成体制の強化である。(70文字)

解答作成後のその他の問題用紙(クリックで拡大します)

 

いかがでしたでしょうか。少しだけでも2次試験の思考プロセスが臨場感をもって伝えられていたら幸いです。以上、なおさんでした。

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

「なおさんの解法実況&事例研究」も、いよいよ事例Ⅲまでやってまいりました。本日も「80分間の過ごし方」に従って、私がどのように平成30年度の2次試験を解答したかを実況解説形式で書きたいと思います。

(「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅱ」はこちら
(「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅰ」はこちら
(「80分間の過ごし方」はこちら
(「バックキャスティング思考法」はこちら

※冒頭の解説は、事例Ⅰ、事例Ⅱの記事と重複しますが、この記事から読み始めた方のために残しております。

この原稿の本文は「2018年10月の2次試験直後に書いた再現答案をベースに、2018年の11月初旬に口述試験対策用として書き直した資料」をベースにしています。(口述試験の日まで通勤電車の中で毎日読んでました)

タイミング的に11月初旬は2次筆記試験の発表前ですが、2次筆記試験の合格発表が12月7日、2次口述試験が12月16日に予定されていましたので、2次筆記試験の結果を見てから準備するのが不安だったことと、怒涛の2次試験対策が終わってポッカリとやることがなくなり「2次筆記試験ロス」(毎週楽しみにしていたアニメが最終回になってしまった)みたいになっていましたので、「まぁ、ぼーっとしてても仕方ないので、2次筆記試験の振り返りと口述試験対策を兼ねて書いてみよう」と思ったのがきっかけでした。

賢明なる道場読者の皆様はもうすでにお分かりですね。本記事は偉大なる先代9代目きゃっしいさんのパクリです。(きっぱり)「お世話になった偉大なる記事は後世に引き継がせてもらおう」という完全に個人的な思い込みから、自信をもって堂々とパクらせて頂きたいと思います。(^^)9

記事の構成は「解法実況+再現答案」、「さらなる事例研究+改善答案」という順でお届けします。
平成30年度事例Ⅲの私の得点開示結果は「69点」でした。ですので、80分間で解答に至るプロセスのトレースと「再現答案」レベルの解答が書ければ「合格レベル+α」という目安になると思われます。一つ二つ小さな論点を盛り込めなくても合格点くらいだと判断できます。また、その後の見直し(事例研究)後に書いた「改善答案」レベルの解答が書ければそれ以上の得点が期待できる、という風に到達点の目安として活用していただければ幸いです。

尚、ブログでの読みやすさを考えて、再現答案以後は「第1問の再現答案→事例研究→改善解答」、「第2問の再現答案→事例研究→改善解答」、、の順で構成しています。

試験本番80分間の手順については「80分間の過ごし方」を先に読んでいただけると効果的です。
また、平成30年度の試験問題を一度ご自身で解いた後に記事を読んでいただくとより効果的かと思われます。

それでは「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅲ」いってみましょう。(^^)/


1.試験開始~3分:諸手続き<作業>

「80分間の過ごし方」の手順に従って、受験番号記入、メモ用紙作成(表紙を二つに破る)を行います。続いて、各段落に①、②、③、、、と段落番号を振りながら「〇〇ページちょっと、15段落。在庫推移のグラフ(生産管理)とマン・マシンチャート(工程管理)かあ。」と思いつつ、淡々と「作業」を進めます

2.試験開始後3分~4分頃:与件文の冒頭確認<作業>

次に与件文の冒頭を確認して事例企業の概要を把握します。「C社は従業員60名、年商9億円のプラスチック成型を行う企業。総務部と製造部しかないのは、自社製品の開発(開発部)や一般への販売(営業部)を行っていないB to Bのビジネスかな。」くらいが把握できれば十分です。

C 社は、1974 年の創業以来、大手電気・電子部品メーカー数社を顧客(以下「顧客企業」という)に、電気・電子部品のプラスチック射出成形加工を営む中小企業である。従業員数60 名、年商約9 億円、会社組織は総務部、製造部で構成されている。

3.試験開始後4分~10分頃:設問要求を確認する<作業>

H30年は設問が5つで各20点なので、15点×4問+5点×1問で65点で大丈夫。落ち着いて、落ち着いて。

■第1 問(配点20点)

顧客企業の生産工場の海外移転などの経営環境にあっても、C 社の業績は維持されてきた。その理由を80 字以内で述べよ。

【設問要求の確認】
設問は「C社の業績が維持されてきた理由」を述べよ、とありますので、「理由は①~、②~である。」というフレームで解答しようと思います。また、「顧客企業の生産工場の海外移転などの経営環境にあっても」という制約条件がありますので、4段落にある「1990年代後半から顧客企業の生産工場の海外移転に伴い量産品の国内生産は減少し、主要顧客企業からの受注量の減少が続いた」中で、C社が業績維持のために取り組んだことが解答要素となると思います。

■第2問(配点20点)

C 社の成形加工課の成形加工にかかわる作業内容(図2 )を分析し、作業方法に関する問題点とその改善策を120 字以内で述べよ。

【設問要求の確認】
設問は「作業内容(図2)を分析し、問題点と改善策を述べよ」ですので、「問題点は①~、②~である。改善策は①~、②~である。」というフレームで解答しようと思います。また、制約条件は、「作業方法に関する」ものに限られますので、題意を外さない(作業方法以外の問題点を指摘しない)ように注意します。

■第3問(配点20点)

C 社の生産計画策定方法と製品在庫数量の推移(図1 )を分析して、C 社の生産計画上の問題点とその改善策を120 字以内で述べよ。

【設問要求の確認】
設問は「生産計画上の問題点と改善策を述べよ」とありますので、設問2と同じく「問題点は①~、②~である。改善策は①~、②~である。」というフレームで解答しようと思います。また、制約条件は、「生産計画策定方法(与件文9段落)と製品在庫数量の推移(図1)を分析して」、生産計画上の問題点」ですので、題意を外さない(生産計画以外の問題点を指摘しない)ように注意します。

■第4問(配点20点)

C 社が検討している生産管理のコンピュータ化を進めるために、事前に整備しておくべき内容を120 字以内で述べよ。

【設問要求の確認】
設問は「事前に整備しておく内容を述べよ」とありますので、生産管理のコンピュータ-化の前に行っておくべき課題を与件文から探します。

■第5問(配点20点)

わが国中小製造業の経営が厳しさを増す中で、C 社が立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための今後の戦略について、中小企業診断士として120 字以内で助言せよ。

【設問要求の確認】
設問要求は「今後の戦略について助言せよ」です。「中小企業診断士として」というのは、「中小企業診断士として勉強してきたことを踏まえて」という意味だと受験校の講師の方がおっしゃっていましたので、一次知識も踏まえて解答を作成します。また、「立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための戦略」を問われていますので、「立地環境を生かした高付加価値戦略」、「経営資源を生かした高付加価値戦略」の2つの側面から回答を構成したいと思います。

設問要求確認後の問題用紙(クリックで拡大します)

4.試験開始後10分~40分頃:解答要素の確認と解答骨子の組み立て<思考>

■第1 問(配点20点)

5段落目に「顧客企業の動向に対応した方策」として、C社のアクションが具体的に書かれています。「金型設計と金型製作部門を新設し、製品図面によって注文を受け、金型の設計・製作から成形加工まで対応できる体制を社内に構築」、「プラスチック成形や金型製作にかかる技能士などの資格取得者を養成し、さらにOJTによってスキルアップを図るなどの加工技術力の強化を推進」した結果、「材料歩留まり向上や成形速度の改善など、顧客企業の成形加工品のコスト低減のノウハウを蓄積」できたことで、顧客企業の支持が得られたことが考えられます。
また、6段落目には同様の経営難に遭遇した工業団地の中小企業と「工業団地組合が中心となり、技術交流会の定期開催、共同受注や共同開発などお互いに助け合い、経営難を乗り越えてきた」とありますので、この部分も解答要素になると思われます。以上を80字の制限の中に編集していきます。

■第2問(配点20点)

図2(マン・マシンチャート)を確認して問題点を探します。まず、(わざわざ拡大表示してある)段取り作業の内訳ですが、トータル40分の段取り作業の中で、「製品Aの金型を置き場へ移動(戻す):5分」、「製品Bの金型を置き場から移動(探して持ってくる):11分」、「製品Bの材料を置き場から移動(持ってくる):8分」と、この作業者は合計24分も工場内をうろうろしていることになります。マン・マシンチャートを見ても「機械待ち」の時間が長いので、この時間を利用して金型や材料を準備したり戻したりしておけば、段取り作業は40分→16分に短縮できます。金型や材料の移動を段取り時間外に行うこと、つまり「外段取り化」が有効であることがわかります。
次にマン・マシンチャートを確認します。作業者についてみますと、午前中に130分、午後に120分の「機械待ち」が発生しており、なんと一日の半分は稼働している機械の作業が終わるのを待っています。機械の方を見てみますと、朝・夕の作業待ちは避けられないものの、昼休みの時間に作業待ちが重なっているのは、なんとももったいない気がします。ですので、問題点は「機械待ち、作業待ちの時間が長いこと(稼働率が低いこと)」であり、作業順番を何とか工夫して「待ち時間を削減して稼働率を上げる」ことが実現できればと考えます。

■第3問(配点20点)

9段落を確認すると、「X社からは毎週末金曜日に翌週の確定納品計画が指示される」とあり、C社では「X社の確定納品計画に基づき、それにその他の顧客企業の受注分を加え、毎週金曜日に翌週の生産計画を確定する」とあります。タイミングについては問題がなさそうな記述になっています。
続いて、「生産ロットサイズは長時間を要するプラスチック射出成型機の段取り時間を考慮して決定」、「生産効率を上げるために生産ロットサイズは受注量よりも大きく計画され、製品在庫が過大である」とあります。段取り替え時間を短くするために生産ロットサイズを受注量より大きくし、在庫が残っていく構造になっています。生産ロットサイズの決定方法には「製品在庫が過大になる」問題があることが明示されています。
製品Aは、毎日600個前後の納品(出荷)、ロットサイズは約3,000、週1回の生産となっています。
図1も確認してみます。1週間分3,000個をまとめて生産していますので、生産のあった日には3,000個の在庫が積み増されます。ここで在庫量(山の高さ)を低くするためには、生産量(ロットサイズ)を小さくする方法が考えられます。例えば、ロットサイズを2,000個にすれば全てのグラフのピークが1,000個分抑えられますので「生産ロットサイズが大きいために製品在庫が過大になっている」ことがわかります。
また、生産間隔はどうでしょうか。グラフからは「基本的に4営業日おきに生産を行い、在庫が過大になると(第2週に5,000個を超えると)次回生産日を調整して在庫の削減を図っている」様子がうかがえます。
ロットサイズが3,000個で毎日600個納品するのですから、4営業日ごとに生産していたら600個ずつ在庫が増えていく計算です。仮にロットサイズが3,000個のままでも5営業日ごとに(毎週1回曜日を決めて)生産を行えば、在庫量の変化は一定になりますし、ロットサイズを1,800にするなら3日おきに生産すれば安定します。従って、「ロットサイズに合わせて一定の生産間隔にする」ことも課題となりそうです。

■第4問(配点20点)

14段落に「現在、生産管理のコンピューター化を進めようとしているが、生産現場で効率的に運用するためには、成形加工課の作業者が効率よく金型、材料などを使用できるようにする必要があり、そのためにデータベース化などの社内標準を検討中である」とあります。従って、目的は「成形加工課の作業者が効率よく金型、材料などを使用できるようにする」ことであり、そのために何らかの情報を「データベース化、社内標準化」したいのだと思われます。この状況は12段落に詳しく書かれています。
12段落には、「金型は顧客からの支給品もまだあり、C社内で統一した識別コードがなく、また置き場も混乱している」、「使用材料は、仕入れ先から材料倉庫に納品されるが、その都度納品位置が変わり探すことになる」とありますので、これらの材料を編集していきます。

■第5問(配点20点)

最初に目につくのは8段落にある「インサート成形技術」でしょう。インサート成形技術は、まだ「古くから取引のある顧客企業の1社からの受注に成功」した段階ですが、「顧客企業の工程数の短縮や納期の短縮、そしてコスト削減も図られる」技術ですので、高付加価値での受注が可能であり、今後さらに多くの企業への導入が見込まれます。こちらはC社の経営資源(技術資産)に関する戦略になります。
次に立地環境ですが、C社が立地する工業団地は、3段落目に「金属プレス加工、プラスチック加工、コネクター加工、プリント基板製作などの電気・電子部品に関連する中小企業が多く立地」していますし、6段落目には、大手企業の海外進出に伴う経営難に遭遇した際には「工業団地組合が中心となり、技術交流会の定期開催、共同受注や共同開発の実施などお互いに助け合い、経営難を乗り越えてきた」とありますので、この工業団地組合活動は今後も引き続き高付加価値化戦略に生かしていけると思われます。

解答要素確認後の問題用紙(クリックで拡大します)

解答骨子のメモ(クリックで拡大します)

 

5.再現答案&事例研究

■第1 問(配点20点)

理由は①金型の設計・製作から成形加工までの社内体制を構築したこと②資格取得やOJTで加工技術力を強化して蓄積したノウハウを活用し顧客のコストダウンを実現したこと。(80文字)

【事例研究】
私の回答には「工業団地組合活動」の部分に触れられていませんので、若干の減点になるかと思います。  3つの要素を入れ込むとこんな感じになると思います。

【改善答案】

理由は①金型の設計・製作から成形加工までの体制構築②資格取得やOJTで強化した加工技術とコスト削減ノウハウ蓄積③工業団地組合の互助活動により顧客の支持を得たこと。(80文字)

■第2問(配点20点)

問題点は①段取り作業40分の内、金型・材料の移動が24分と多いこと②一日の中で機械待ち、作業待ちが長いこと。改善策は①金型・材料の移動を外段取り化すること②午前の作業を製品A→B、午後の作業を製品C→Dと行い成型機の稼働率を上げることである。(120文字)

【事例研究】
実際の試験では、改善策の②は「パズルになるな」と思いましたので、改善策の①までを書いた段階で別の設問に進み、最後に余った時間で「パズルを解く」ようにしました。しかし、なかなか名案が思い当たらず、製品の加工時間の長さに着目して上記の様な回答にしましたが、上記案では実際には昼休みの待ち時間は40分削減できますが、それが夕方の待ち時間にシフトするだけになっていますので、効果がありません。
色々な方の回答を聞いている中で一番有効だと感じたのは、「朝の段取りを成形機2→1の順で行い、製品Cの加工が終了する11:20から製品Dの段取り作業を行う。製品Dの段取り作業は40分なので、段取りが終了して製品Dの加工が始まったときに昼休みになる。また製品Aの加工開始が30分遅くなるので、成形機1の昼休みの作業待ちは40分→10分に短縮される」というものでした。素晴らしいですね。

【改善答案】

問題点は①段取り作業で金型・材料の移動時間が多いこと②一日の中で機械待ち、作業待ちが長いこと。改善策は①金型・材料の移動を外段取り化すること②朝の作業順を成形機2→1とし、製品Dの段取りを昼休み前に行い成型機の稼働率を上げることである。(118文字)

■第3問(配点20点)

問題点は①生産間隔がバラバラで在庫があるのに生産し最大在庫量が多いこと②ロットサイズが5日分と大きいことである。改善策は①ロットサイズに合わせて生産間隔を一定にし最大在庫量を一定にすること②ロットサイズを小さくし在庫量を削減することである。(120文字)

【事例研究】
日本語がこなれていませんが、問題点と解決策のポイントは抑えられていると思います。

【改善答案】
ありません。

■第4問(配点20点)

成型加工課の作業者が効率よく金型・材料を使用できるように事前に①顧客支給品も含め全ての金型に社内統一した識別コードを付け置き場も定めること②仕入先に材料倉庫内の納入位置を指定すること。以上の情報を社内標準としてDBで一元化・共有化すること。

【事例研究】
目的+施策+社内標準化・DB化・一元化・共有化まで記述できましたので良い回答と思います。

【改善答案】
ありません。

■第5問(配点20点)

今後は①顧客企業の工程数削減や納期短縮、コスト削減を実現する高度なインサート成型技術で金属加工品を成型加工で組み込んで納品する②電気・電子部品に関連する企業が多い工業団地の立地を活かし、団地内で部品をユニット化することで付加価値を高める。

【事例研究】
要素はうまく盛り込めていると思います。「部品のユニット化」が思いつかなかった場合でも、インサート成形の説明に「金属部品を組み込んで成形加工を行う」とありますので、後半部分は「インサート成形に使用する金属部品を団地内の企業から調達するなど、工業団地内企業との連携により高付加価値化を推進する」という表現でも問題ないと思われます。

【改善答案】
ありません。

6.その他資料

■事業の変遷

1974年 創業。大手電機・電子部品メーカー数社を顧客に、電気・電子部品のプラスチック射出成形加工を営む。従業員60名、年商約9億円。
顧客企業から金型の支給を受けて成形加工を行っていた。
1980年 住工混在地域→同様の立地環境にあった他の中小企業と共に高度化資金を活用して工業団地に移転。
工業団地には電気・電子部品に関連する中小企業が多く立地
1990年代後半 顧客企業の生産工場の海外移転に伴い量産品の国内生産は減少し、主要顧客企業からの受注量の減少が続く。
方策として、金型設計と金型製作部門を新設し、製品図面によって注文を受け、金型の設計・製作から成形加工まで対応できる体制を社内に構築。
プラスチック成形や金型製作にかかる技能士などの資格取得者を養成し、OJTによってスキルアップを図り、加工技術の強化を推進。
2000年ごろ 工業団地組合が中心となり、技術交流会の定期開催、共同受注や共同開発の実施など、団地内でお互いに助け合い、経営難を乗り越えてきた。
C社はこの工業団地組合活動のリーダー的存在。
近年 国内需要分の家電製品の生産が国内に戻る傾向があり、以前の国内生産品が戻り始め、どうにか安定した受注量を確保できるようになったが、顧客企業からの1回の発注量が以前よりも少なく、受注量全体としては以前と同じレベルにまでは戻らず。
最近 インサート成形技術を習得し、古くから取引のある顧客企業の1社からの受注に成功。顧客企業の工程数短縮、納期短縮、コスト削減を実現可能に。

■SWOT分析

S:
・金型の設計・製作から成形加工まで対応できる体制を社内に構築
・資格取得者を養成し、OJTによりスキルアップを図り加工技術力を強化
・材料歩留まりの向上や、成形速度の改善など、顧客企業の成形加工品のコスト低減のノウハウを蓄積
・インサート成形技術の習得
W:
・プラスチック射出成型機の段取り時間が長い
・生産ロットサイズは受注量よりも大きく計画
・製品在庫が過大
・製品A以外の小ロット品は在庫管理に苦慮
・金型は統一した識別コードがなく置き場も混乱
・使用材料は仕入れ先の納品位置が都度変わる
O:
・電気・電子部品に関連する中小企業が多く立地する工業団地に立地
T:
・大手電気・電子部品メーカーの生産拠点の海外移転
・国内生産品は戻る傾向も、1回の発注量少ない

 

いかがでしたでしょうか。少しだけでも2次試験の思考プロセスが臨場感をもって伝えられていたら幸いです。では、次回は事例Ⅳを実況してみたいと思います。以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

前回の「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅰ」に続きまして、今回は「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅱ」と題して、私がどのように平成30年度の2次試験を解答したかを実況解説形式で書きたいと思います。

(前回の記事「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅰ」はこちら
(前々回の記事「80分間の過ごし方」はこちら
(初回の記事「バックキャスティング思考法」はこちら
(合格体験記はこちら

※冒頭の解説は、一部前回の記事と重複しますが、この記事から読み始めた方のために残しております。

この原稿の本文は「2018年10月の2次試験直後に書いた再現答案をベースに、2018年の11月初旬に口述試験対策用として書き直した資料」をベースにしています。(口述試験の日まで通勤電車の中で毎日読んでました)

タイミング的に11月初旬は2次筆記試験の発表前ですが、2次筆記試験の合格発表が12月7日、2次口述試験が12月16日に予定されていましたので、2次筆記試験の結果を見てから準備するのが不安だったことと、怒涛の2次試験対策が終わってポッカリとやることがなくなり「2次筆記試験ロス」(毎日会っていた恋人が遠くへ行ってしまった)みたいになっていましたので、「まぁ、ぼーっとしてても仕方ないので、2次筆記試験の振り返りと口述試験対策を兼ねて書いてみよう」と思ったのがきっかけでした。

賢明なる道場読者の皆様はもうすでにお分かりですね。本記事は偉大なる先代9代目きゃっしいさんのパクリです。(きっぱり)「お世話になった偉大なる記事は後世に引き継がせてもらおう」という完全に個人的な思い込みから、自信をもって堂々とパクらせて頂きたいと思います。(^^)9

記事の構成は「解法実況+再現答案」、「さらなる事例研究+改善答案」という順でお届けします。
平成30年度事例Ⅱの私の得点開示結果は「64点」でした。ですので、80分間で解答に至るプロセスのトレースと「再現答案」レベルの解答が書ければ「合格レベル」という目安になると思われます。また、その後の見直し(事例研究)後に書いた「改善答案」レベルの解答が書ければそれ以上の得点が期待できる、という風に到達点の目安として活用していただければ幸いです。

尚、ブログでの読みやすさを考えて、再現答案以後は「第1問の再現答案→事例研究→改善解答」、「第2問の再現答案→事例研究→改善解答」、、の順で構成しています。

試験本番80分間の手順については「80分間の過ごし方」を先に読んでいただけると効果的です。
また、平成30年度の試験問題を一度ご自身で解いた後に記事を読んでいただくとより効果的かと思われます。

それでは「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅱ」いってみましょう。(^^)/


1.試験開始~3分:諸手続き<作業>

「80分間の過ごし方」の手順に従って、受験番号記入メモ用紙作成(表紙を二つに破る)を行います。続いて、各段落に①、②、③、、、と段落番号を振りながら「3ページ、9段落。最近頻出のグラフが出てきたぞ。インバウンド客数の推移か、インバウンド客がターゲット候補だね。」と思いつつ、淡々と「作業」を進めます

2.試験開始後3分~4分頃:与件文の冒頭確認<作業>

次に与件文の冒頭を確認して事例企業の概要を把握します。「B社は150年の歴史を持つ老舗旅館。30歳代後半の若い社長が承継したばかりで、従業員7名、15室の小規模旅館。」くらいが把握できれば十分です。

B 社は、X 市市街地中心部にある老舗日本旅館である。明治初期に創業し、約150年の歴史をもつ。2 年前、父親である社長が急死し、民間企業に勤めていた30 歳代後半の長男が急きょ事業を承継することになり、8 代目社長に就任した。資本金は500 万円、従業員は家族従業員3 名、パート従業員4 名である。このうち1 名は、つい最近雇用した英語に堪能な従業員である。客室は全15 室で、最大収容人員は50名、1 人1 泊朝食付き7,500 円を基本プランとする。裏手には大型バス1 台、乗用車6 台分の駐車場がある。

3.試験開始後4分~10分頃:設問要求を確認する<作業>

H30年は設問が4つで各25点。大きく外すと致命傷になるので、設問要求を正確に把握して忠実な解答を心がけよう、と思います。

■第1問(配点25点)

B 社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150 字以内で述べよ。

【設問要求の確認】
設問は「B社の現状を述べよ」、制約条件は「3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から」になります。与件文からB社の現状の記述を抜き出し、3Cのそれぞれについて分類し、解答すればよいのかなと思いました。また、制限文字数が150文字ですので、3Cそれぞれ50文字ずつを目安にします

■第2問(配点25点)

B 社は今後、新規宿泊客を増加させたいと考えている。そこで、B 社のホームページや旅行サイトにB 社の建物の外観や館内設備に関する情報を掲載したが、反応がいまひとつであった。B 社はどのような自社情報を新たに掲載することによって、閲覧者の好意的な反応を獲得できるか。今後のメインターゲット層を明確にして、100字以内で述べよ。

【設問要求の確認】
設問は「どのような自社情報を新たに掲載することによって、閲覧者の好意的な反応を獲得できるか」を述べよ、とあります。また、制約条件は、「自社情報」、「(目的)新規宿泊客を増加させたい」、「今後のメインターゲット層を明確にして」ですので、「〇〇〇をメインターゲットにし、①~、②~といった自社情報を掲載する。」というフレームを使い、①自社に関する情報(祭りなど自社以外の情報ではない)、②新規顧客獲得に関する情報、③掲載場所は自社ホームページや旅行サイト、というルールの中で情報を探します。また、これまでも「建物の外観や館内設備」は掲載していましたので、これら以外の情報という制約もあります。

■第3問(配点25点)

B 社は、宿泊客のインターネット上での好意的なクチコミをより多く誘発するために、おもてなしの一環として、従業員と宿泊客との交流を促進したいと考えている。B 社は、従業員を通じてどのような交流を行うべきか、100 字以内で述べよ。

【設問要求の確認】
設問は「従業員を通じてどのような交流を行うべきか」を述べよ、とあります。また、制約条件は、「(目的)宿泊客のインターネット上での好意的な口コミをより多く誘発するため」、「おもてなしの一環として(無償サービス)」、「(対象)従業員と宿泊客との交流を促進」になります。
「口コミの誘発」については、一次知識の「顧客関係性の強化→顧客満足度の向上→口コミの発生を促進」というフレームワークを意識しながら、「従業員と顧客の交流を通じて、宿泊客の満足度を向上させる施策」を考えることになります。

■第4問(配点25点)

B 社は、X 市の夜の活気を取り込んで、B 社への宿泊需要を生み出したいと考えている。B 社はどのような施策を行うべきか、100 字以内で述べよ。

【設問要求の確認】
設問は「宿泊需要を生み出すための施策」を述べよ、です。また、制約条件は「X市の夜の活気を取り込んで」とありますので、夜間人口の増加(5段落)に関連した施策を考える必要があります。

設問要求確認後の問題用紙(クリックで拡大します)

 

4.試験開始後10分~40分頃:解答要素の確認と解答骨子の組み立て<思考>

■第1 問(配点25点)

競合については8段落に「B社から距離の離れた駅前にはチェーン系ビジネスホテルが2軒ほどあるが、X氏市街地中心部にはB社以外に宿泊施設がない」(競合はない)という記述が1行半(約60文字)で記載されていますので、これをほぼそのまま抜き出せばよいと思います。顧客についても7段落に「現在、宿泊客は昔なじみのビジネス客8割、インバウンド客2割りであるが、なじみ客らは高齢化が進み、減少傾向にある」という記載を抜き出せばよいでしょう。
自社については関連する記載がかなり多いので、どこを持ってくるかで悩むところですが、「約150年の歴史ある老舗日本旅館」でありながら高級路線に行かず、「ビジネス客の支援を柱とし、高級な夕食や大浴場を省くことで安価な宿泊代金を実現してリピーターを獲得している」ことが最大の特徴だと思いますので、そこを骨子にしてまとめていきます。

■第2問(配点25点)

メインターゲット層は、6段落にある「ここ数年で急増する和の風情を求めるインバウンド客」で問題ないと思います。掲載する情報は、2段落を中心に「和の風情がある苔むした庭園」、「館内の廊下や共用スペースには、歴代の社長たちが支援してきた芸術家による美術品が随所に配置」され「文化の香りに満ちた雰囲気」を醸し出しています。また、「海外でも名の知られた作家や芸術家による美術品」も重要な要素でしょう。さらに「器にこだわり日本の朝を感じられる献立の朝食」もありだと思います。

■第3問(配点25点)

施策に関する具体的な記述はありませんので、「B社が利用可能な資源」の中から「従業員と顧客とが交流」できそうな資源をピックアップします。6段落目には「歴史ある街並みに加え、こうした食べ物などは写真映えし、SNS投稿に向く」とヒントがありますので、この部分を中心に組み立てればよいと思います。また、6段落目の最後には「そのため、ここ数年は和の風情を求めるインバウンド客が急増している」とあり、メインターゲットは「インバウンド客」となりますので、「最近雇用した英語に堪能な従業員」の出番です。

■第4問(配点25点)

施策に関する具体的な記述はありません。5段落では、夜間の滞在人口が増加傾向となった背景として、「X市の名刹と商業地域が高視聴率の連続ドラマの舞台となったこと」、「名刹は通年で夜間ライトアップ」、「地域ボランティアによる観光案内や町の清掃活動」とありますので、連続ドラマのファンによる聖地巡礼と地域が「美しい街並みと活気の維持に熱心なこと」が夜間の滞在人口を押し上げています。
一方で、6段落目の冒頭には「X市は大都市圏とも近く、電車で2時間程度の日帰りできる距離」にありますので、多くの観光客が「日帰り」で訪れている可能性があります。ですので、この日帰り観光客に泊まってもらうための施策が打ち出せれば、「夜の活気を取り込む」ことができると考えます。また、このような「与件文からの抜き出し」で対応できない設問に対しては、可能性のあるものを多く記載しようと考えていましたので、「施策は①~、②~、③~、である。」というスタイルで解答します。

解答要素確認後の問題用紙(クリックで拡大します)

解答骨子のメモ(クリックで拡大します)

 

5.再現答案&事例研究

■第1 問(配点25点)

現状は①距離の離れた駅前にはチェーン系ビジネスホテルが2軒あるがX市市街地中心部にはB社以外に宿泊施設がない状況下で②長期滞在する固定客を安い宿泊料で支援してきた歴史ある老舗日本旅館であり③顧客の大半を占める昔なじみのビジネス客は高齢化で減少傾向にあり、インバウンド客は十分に取り込めていない状況。(149文字)

【事例研究】
「顧客面は~、競合面は~、自社面は~」というスタイルの方がわかりやすいですが、文字数を稼ぐために①②③で分けました。内容的にもきれいに分離してありますので、この部分の失点はないかと思います。インバウンド客については「対応不十分」というニュアンスも入っていますので、大きな失点はなかったかと思います。

【改善答案】
ありません。

■第2問(配点25点)

X市を観光で訪れる和の風情を求めるインバウンド客をターゲットにし、海外でも名の知られた作家の美術品が配置された館内の廊下や共用スペース、苔むした庭園を掲載し、文化の香りに満ちた和の雰囲気を訴求する。(99文字)

【事例研究】
ターゲットは、「X市を観光で訪れる(ジオ)和の風情を求める(サイコ)インバウンド客(デモ)」としました。最後は閲覧者(ターゲット層)の求める「和の雰囲気を訴求する」で締めくくりたかったので、文字数の関係で朝食を省きましたが、入れるとすればこんな感じでしょうか。

【改善答案】

X市を観光で訪れる和の風情を求めるインバウンド客をターゲットにし、海外でも名の知られた作家の美術品、器にこだわった日本の朝を感じる朝食、苔むした庭園を掲載し、文化の香りに満ちた和の雰囲気を訴求する。(99文字)

 

■第3問(配点25点)

英語に堪能な従業員を活用し、ホームページに英語等も可能なSNSを設置し①古き良き時代の日本を感じさせるX市の歴史ある街並み②地元の老舗商店の和菓子などを投稿し、宿泊客は感想を投稿、顧客関係性を強化する。(100文字)

【事例研究】
全然イケてませんね。80分間では要件を満たすおもてなしが思い浮かびませんでした。「英語に堪能な従業員」、「SNS」、「歴史ある街並み」、「老舗商店の和菓子」、「顧客関係の強化」とキーワードを並べただけで、「従業員のおもてなしによる顧客との交流を通じて、宿泊客の満足度を向上させる施策」にはなっていません。おそらくほとんど点は入っていないと思われます

【改善答案】

英語に堪能な従業員を活用して商業地域へのガイドツアーを行う。歴史ある街並み、スイーツの食べ歩き、老舗商店の和菓子を楽しみ、顧客満足向上によるSNSでの好意的な口コミを誘発し、新規顧客の獲得につなげる。(100文字)

■第4問(配点25点)

施策は①連続ドラマの舞台となった名刹と商業地域の観光マップの作成と配布②地元の割烹料理店と協業し夕食の提供③遅い時間のチェックインの対応④予約のない客への対応⑤館内大広間でのバー営業である。(95文字)

【事例研究】
思いついたものを全て記載していますが、いまひとつパっとしませんね。特に②はイマイチだったと思います。事例Ⅲでは「できていない→する」というパターンがあるので、このような反応をしてしまいましたが、「創業以来、夕食は提供していない」(2段落)のは、「執筆や創作のために長期滞在する作家や芸術家を支援」(創作活動の場を安価に提供)するためですので、夕食を提供するために宿代が上がるのでは本末転倒です。また、4段落には、商業地域には「さまざまなタイプの飲食店」、「銭湯」がありますので、夕食や大浴場を希望される宿泊客にはマップなどを作成して紹介すればよいのだと思います。
「連続ドラマの聖地巡礼にくる日帰り客を宿泊させるための施策」という観点からみると、①をもう少し踏み込んで「1泊2日で回る聖地巡礼ツアー」の様なツアー提案を行う、というものいいですね。裏手には大型バス1台が停められる駐車場がありますので、旅行会社とコラボしてパックツアーの実施までつなげても良いかもしれません。このような感じでしょうかね。

【改善答案】

施策は、連続ドラマの舞台となった名刹と商業地域を1泊2日で回る「聖地巡礼ツアー」を旅行会社と協働で企画・実施する。これにより大都市圏から日帰りでX市を訪れる観光客に対して宿泊需要を喚起する。(95文字)

6.その他資料

■SWOT分析

S:
・明治初期に創業し、約150年の歴史
・最近雇用した英語に堪能な従業員
・和の風情がある苔むした庭園
・館内の廊下や共用スペースに歴代の社長たちが支援してきた芸術家たちによる美術品が随所に配置され、文化の香りに満ちた雰囲気
・海外でも名の知られた作家や芸術家の美術品
・空港、大都市から2時間のX市市街地中央に立地
・外国語で予約が受け付けられるホームページ
・館内Wi-Fi
・モバイル決済(予定)
・器にこだわり、日本の朝が感じられる献立の朝食
W:
・拡大する観光需要を享受できていない
・民間企業に勤めていた30代後半の社長が急遽2年前に事業を承継(経験・ノウハウ少ない)
・夕食は提供していない
・宿泊棟は築45年で、客室にはずっと手を加えていない
・大浴場がなく、各部屋に洋式トイレとバスを設置
・固定客がいたため、大したプロモーション活動を行ってきていない
O:
・400年以上続く地域の祭りの見物客は近年、年々増加
・X市の名刹と商業地域が高視聴率ドラマの舞台となり一躍脚光を浴びる
・地域がエリア一帯の美しい街並みと活気の維持に熱心
・夜間の滞在人口は増加傾向
・古き良き時代の日本を感じさせるX市の街のたたずまいは観光地として人気
・和の風情を求めるインバウンド客
T:
・なじみ客の高齢化が進み減少傾向

■B社が利用可能な資源

※会社の変遷に関する記述がほとんどありませんので代わりにまとめてみました。

<内部資源>

・英語に堪能な従業員
・従業員教育による外国語対応
・大型バスが停められる裏手の駐車場
・館内の大広間
・和の風情がある苔むした庭園
・廊下や共用スペースの随所に配置された美術品と文化の香りに満ちた雰囲気
・X市の城址、名刹・古刹、商業地域に徒歩圏内の立地
・空港や大都市圏から2時間ほどの立地
・無料Wi-Fi
・外国語で宿泊予約可能なホームぺージ
・モバイル決済(予定)
・器にこだわり日本の朝を感じられる献立の朝食

<外部資源>

・400年以上続く地域の祭り
・祭りの展示施設での山車引き体験
・様々なタイプの飲食店と銭湯
・地元の割烹料理店の仕出し(夕食)
・地元の篤志家が建設した美術館
・連続ドラマの舞台としての注目
・名刹の通年ライトアップ
・地域ボランティアによる観光案内
・増加する夜間の滞在人口
・インスタ映えする歴史ある街並み
・インスタ映えするスイーツや伝統を思わせる和菓子
・急増する和の風情を求めるインバウンド客

 


いかがでしたでしょうか。少しでも2次試験の思考プロセスが臨場感をもって伝えられていたら幸いです。では、次回は事例Ⅲを実況してみたいと思います。以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

前回は「【いまやっておきたいこと】2次試験対策への着手と80分間の過ごし方 」をテーマに書かせていただきました。
(前回の記事「80分間の過ごし方」はこちら
(初回の記事「バックキャスティング思考法」はこちら
(合格体験記はこちら

今回は「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅰ」と題しまして、前回書いた「80分間の過ごし方」に従って、私がどのように平成30年度の2次試験を解答したかを実況解説形式で書きたいと思います。

実はこの原稿の本文は「2018年10月の2次試験直後に書いた再現答案をベースに、2018年の11月初旬に口述試験対策用として書き直した資料」をベースにしています。(口述試験の日まで通勤電車の中で毎日読んでました)
タイミング的に11月初旬は2次筆記試験の発表前ですが、2次筆記試験の合格発表が12月7日、2次口述試験が12月16日に予定されていましたので、2次筆記試験の結果を見てから準備するのが不安だったことと、怒涛の2次試験対策が終わってポッカリとやることがなくなり「2次筆記試験ロス」(あしたのジョー的には灰になったともいう)みたいになっていましたので、「まぁ、ぼーっとしてても仕方ないので、2次筆記試験の振り返りと口述試験対策を兼ねて書いてみよう」と思ったのがきっかけでした。

賢明なる道場読者の皆様はもうすでにお分かりですね。本記事は偉大なる先代9代目きゃっしいさんのパクリです。(きっぱり)「お世話になった偉大なる記事は後世に引き継がせてもらおう」という完全に個人的な思い込みから、自信をもって堂々とパクらせて頂きたいと思います。(^^)9

本日より事例Ⅰ、事例Ⅱ、事例Ⅲ、と順にアップしていきます。記事は、「解法実況+再現答案」、「さらなる事例研究+改善答案」という構成でお届けします。
平成30年度事例Ⅰの私の得点開示結果は「63点」でした。ですので、80分間で解答に至るプロセスのトレースと「再現答案」レベルの解答が書ければ「合格レベル」という目安になると思われます。また、その後の見直し(事例研究)後に書いた「改善答案」レベルの解答が書ければそれ以上の得点が期待できる、という風に到達点の目安として活用していただければ幸いです。

尚、ブログでの読みやすさを考えて、再現答案以後は「第1問の再現答案→事例研究→改善解答」、「第2問の再現答案→事例研究→改善解答」、、の順で構成しています。

試験本番80分間の手順については「80分間の過ごし方」を先に読んでいただけると効果的です。
また、平成30年度の試験問題を一度ご自身で解いた後に記事を読んでいただくとより効果的かと思われます。

それでは「なおさんの解法実況&事例研究:平成30年度事例Ⅰ」いってみましょう。(^^)/


1.試験開始~3分:諸手続き<作業>

「80分間の過ごし方」の手順に従って、受験番号記入メモ用紙作成(表紙を二つに破る)を行います。続いて、各段落に①、②、③、、、と段落番号を振りながら「2ページちょっと、11段落かぁ。事例Ⅰは与件文が短いとヒントが減るからなぁ」と思いつつ、淡々と「作業」を進めます。

2.試験開始後3分~4分頃:与件文の冒頭確認<作業>

次に与件文の冒頭を確認して事例企業の概要を把握します。「A社は研究開発に特化した中小企業。複写機関連製品+色々という商品構成である」くらいが把握できれば十分です。

A 社は、資本金2,500 万円、売上約12 億円のエレクトロニクス・メーカーである。役員5 名を除く従業員数は約50 名で、そのほとんどが正規社員である。代表取締役は、1970 年代後半に同社を立ち上げたA 社長である。現在のA 社は電子機器開発に特化し、基本的に生産を他社に委託し、販売も信頼できる複数のパートナー企業に委託している、研究開発中心の企業である。この10 年間は売上のおよそ6 割を、複写機の再生品や複合機内部の部品、複写機用トナーなどの消耗品が占めている。そして、残りの4 割を、同社が受託し独自で開発している食用肉のトレーサビリティー装置、業務用LED 照明、追尾型太陽光発電システムなど、電子機器の部品から完成品に至る多様で幅広い製品が占めている。

 

3.試験開始後4分~10分頃:設問要求を確認する<作業>

■第1問(配点20 点)

研究開発型企業であるA 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から100 字以内で答えよ。

【設問要求の確認】
研究開発型企業であるA社が「相対的に規模の小さな市場」をターゲットにする理由を問われていますので、解答は「理由は、①~、②~である。」というスタイルにします。また「競争戦略の視点から」という制約条件がついていますので、ポーターの競争戦略論にある、
・差別化戦略 ・・・ 独自性により競争企業に対する優位性を価格以外の点で築く
・コストリーダーシップ戦略 ・・・ 同種の製品を競合企業よりも低いコストで生産する
・集中戦略 ・・・ 市場を細分化し、特定市場で差別化面、コスト面で優位に立つ
の中から適切なキーワードを盛り込みます。「規模の小さな市場」をターゲットにしていますので「集中戦略」は候補になりますが、A社は生産を他社に委託して研究開発に特化した企業ですので「差別化集中戦略」が濃厚かなぁと考えます。

■第2問(配点40 点)

A 社の事業展開について、以下の設問に答えよ。
(設問1 )
A 社は創業以来、最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった。A 社の人員構成から考えて、その理由を100 字以内で答えよ。

【設問要求の確認】
「最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった」理由を問われていますので、解答は「理由は、①~、②~である。」というスタイルにします。また、「人員構成から考えて」という制約条件がついていますので、A社の人員構成の特徴を記述するようにします。

■第2問(設問2)

A 社長は経営危機に直面した時に、それまでとは異なる考え方に立って、複写機関連製品事業に着手した。それ以前に同社が開発してきた製品の事業特性と、複写機関連製品の事業特性には、どのような違いがあるか。100 字以内で答えよ。

【設問要求の確認】
「経営危機に直面する以前にA社が開発してきた製品の事業特性」と「複写機関連製品の事業特性」の違いを問われています。「それまでとは異なる考え方に立って」とありますので、経営戦略面に関わる事業特性の違いがあるのではないか、と思いました。

■第3問(配点20 点)

A 社の組織改編にはどのような目的があったか。100 字以内で答えよ。

【設問要求の確認】
「組織改編の目的」を問われていますので、「目的は①~、②~である」のスタイルで書こうと思いました。また、組織改編による「効果」も加えられたら良いと思いました。

■第4問(配点20 点)

A 社が、社員のチャレンジ精神や独創性を維持していくために、金銭的・物理的インセンティブの提供以外に、どのようなことに取り組むべきか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ。

【設問要求の確認】
「社員のチャレンジ精神や独創性を維持していく」ための「助言」が問われています。また「金銭的・物理的インセンティブの提供以外」という制約条件がついていますので、成果重視の給与体系や物理的な報償以外の取り組むべき施策を解答する必要があります。また、「助言」ですので具体的な「施策」だけでなく、強みを生かす注意点や効果についても言及できると良いと思います。「中小企業診断士として」というのは、「中小企業診断士として勉強してきたことを踏まえて」という意味だと受験校の講師の方がおっしゃっていましたので、一次知識も踏まえて解答を作成します。

設問要求確認後の問題用紙(クリックで拡大します)

4.試験開始後10分~40分頃:解答要素の確認と解答骨子の組み立て<思考>

■第1問(配点20 点)

9段落目に、「絶えず新しい技術を取り込みながら製品領域の拡大を志向してきた」と、A社の戦略(意思)が読み取れる文がありますので、これを骨子にしたいと思いました。また、6段落目に「情報通信技術の急速な進歩に伴って事務機器市場が大きく変化」することを「予測していた」とありますし、11段落には「時流を先読みし先進的な事業展開を進める」とありますので、「時流を先読みして」研究技術力を発揮して他社に先駆けることを意識していることがうかがえます。その様な先進的なニーズやマーケットは、成熟市場の様に規模が大きくないと思われますので、必然的に規模の小さな市場になりますし、市場が成長した暁には「先行者利益」が得られるのではと思いました。これらの要素をまとめていきます。

■第2問(配点40 点)

7段落目に、「約50名の社員のうち、技術者が9割近くを占めている」、「創業以来変わることなく社員の大半は技術者」という記載があり、その結果(効果)として「売上が数十倍になった今日に至っても従業員数は倍増程度にとどまっている」という記載があります。また、1段落目には、「電子機器開発に特化し、基本的に生産を他社に委託し、販売も信頼できる複数のパートナー企業に委託している」とありますので、A社は意図的に生産、販売を外部委託し、研究開発に特化している様子がうかがえます。ということは、営業職、事務職、管理業務(人事・経理・総務)を6人程度で行っているのですね。
また、設問には「あまり力点をおいてこなかった」とありますので、多少は最終消費者向けの製品開発を行ったことがありそうです。ということは、「意識的に(大手と競合しそうな)最終消費者向けを避けてきた」ということではなく、別のこと(第1問の「時代を先読みした先進性・技術」)を重視してきたのだろうと考えました。

■第2問(設問2)

4段落目に、「開発した製品を販売した時点で取引が完了する売切り型の事業」とありますので、経営危機以前の事業特性はこれで決まりだと思います。一方で、複写機関連製品については1段落目に「複写機の再生品(古い複写機の消耗した部品を取り換えてリサイクル品として再生販売する)」、「複写機用トナーなどの消耗品」とありますので、新品を販売後も顧客との継続的な取引がある事業特性だな、と思いました。
加えて、4段落目に「継続的に安定した収入源としてA社の事業の柱となる製品を生み出すことがかなわなかった」とありますので、A社長は「継続的に安定した収入源を得て、経営を安定させたかった」のだろうと推察しました。

■第3問(配点20 点)

8段落目に該当要素が多く記載されています。以前の組織は「電子回路技術部門(基板設計技術)」、「精密機械技術部門(メカ設計技術)」、「ソフトウェア技術部門(ソフトウェア設計技術)」と技術要素別の組織になっています。このような技術要素別の組織は、要素技術のノウハウ共有やOJTの促進により技術の高度化が期待できますので、一つの製品事業(複写機関連事業)に経営資源を集中的に投下するのに適した組織構造だと思われます。
一方で、組織改編後の組織は、「製品開発部門(環境エネルギー事業開発G、法人向け精密機械開発G、LED照明関連製品G)」、「品質管理部門」、「生産技術部門」と大きくは機能別に分けられています。また、製品開発部門をみると、各開発グループに「電子回路技術者」、「精密機械技術者」、「ソフトウェア技術者」をほぼ同数配置したとあり、製品開発部門の中は事業部組織的な構造になっており、ほかのグループに依存せず「各製品開発グループ内で製品開発が完結できる体制」になっていると思います。また、組織改編を行ったタイミングは、「複写機関連製品事業が先細り傾向になった頃」とありますので、複写機関連製品事業の次の事業の柱となる製品の開発を推進したかったのだと考えました。
さらに、「各部門を統括する部門長を役員が兼任」とありますので、ここでは事業部制のメリットとしての「権限委譲による迅速な意思決定」や「次代の経営者の育成」を期待しているのだと思いました。要素は多くちりばめられていますが、目的そのものを記述した文章はありませんので、以上を踏まえて解答を構成していきます。

■第4問(配点20 点)

与件文中には、抜き出せる要素がありません。解答が割れる設問だと思いますので、1次知識をベースに、設問の制約条件を守りながら、「社員のチャレンジ精神や独創性を維持していく」ための施策をできるだけ多く列挙します。

解答要素確認後の問題用紙(クリックで拡大します)

解答骨子のメモ(クリックで拡大します)

5.再現答案&事例研究

■第1問(配点20 点)

時流を先読みし絶えず新しい技術を取り込みながら他社と差別化し、製品領域の拡大を行うために、まだ市場規模の小さい段階の市場に参入して、市場が成長した段階で先行者利益を得るためである。(90文字)

【事例研究】
2次筆記試験で最初の1問目ということで緊張していたのでしょうか、「理由は、①~、②~である。」というスタイルを完全に忘れています。また「差別化集中戦略」はどこに行ったのでしょうね。(^^;
随分とトレーニングを重ねたつもりでしたが、こういうことがあるから2次筆記試験は怖いですね。皆様はくれぐれも慌てないようにお願いします。さて、解説です。

規模の小さな市場(ニッチ市場)では、大手が必要とする売上規模が得られないために、中小企業にとっては大手との直接競争が発生しにくいマーケットである、という一般論(一次知識)は頭をよぎりましたが、A社の戦略である「時代を先読みした先進性=ニーズや規模は必然的に小さい」というところを優先した解答にしています。「大手との競合を避け、」を加えた方が良かったと思いますし、フレームの活用や競争戦略の部分が弱かったと思います。

【改善答案】

理由は、規模の小さな市場をメインターゲットとして差別化集中戦略をとることで①大手との直接競合を避けるため②時流を先読みし絶えず新しい技術を取り込みながら他社と差別化して製品領域の拡大を行うためである。(100文字)

■第2問(配点40 点)

創業以来社員の大半が技術者であり、電子機器開発に特化し、生産を他社に委託し、販売も信頼できるパートナー企業に委託することで、売上が増えても従業員数を増やさずにすみ、マーケティング要員も不要なためである。(100文字)

【事例研究】
解答の軸としては、「最終消費者向けの製品開発には市場ニーズの吸い上げが重要であり、A社は創業以来従業員の大半が技術者であり、マーケティングを行うだけの営業体制がなかったため(できなかった)」という方向性もあると思いますが、「できなかった」というニュアンスよりは、「意識的に選択しなかった」というニュアンスの方が合っているのかな、と思います。書き直すとすれば、次のような感じですね。お、こっちの方がいいな。

【改善答案】

市場ニーズの吸い上げが重要な最終消費者向けの製品開発よりも時代を先読みした先進性や新技術を活かした製品開発を重視し、生産・販売を他社に委託することで経営資源・人員を研究・開発に集中的に投下してきたため。(100文字)

 

■第2問(設問2)

事業特性の違いは、以前は開発した製品を販売した時点で取引が完了する売切り型の事業であったのに対し、複写機関連製品事業は①複写機の再生②トナーなどの消耗品など継続的な取引が収入源になり経営が安定すること。(100文字)

【事例研究】
「経営の安定」まで加えられましたので、十分な解答が書けたと思います。

■第3問(配点20 点)

目的は、複写機関連製品事業が先細り傾向になる中で他分野の製品開発を推進するため①部門長を役員に任じ権限委譲による迅速な意思決定②専門技術者を各グループに同数配することによるグループ間競争を促すこと。(99文字)

【事例研究】
前半は悪くないなぁと思うのですが、後半②のグループ間競争はどうもしっくりきません。解答時のメモには、他に「技術的シナジー効果を得る」、「社長引退後も安定的に事業が行える組織体制とするため」との記載があり、どちらも編集時に除外したのですが、第6段落には「後進に事業を委ねる条件が整うまで自らが先頭に立って、新規事業や製品の開発にチャレンジし続けているのである」という記述がありますので、やはり「後継者育成」はA社にとっては重要度が高そうです。(技術的シナジー効果は、以前の組織体制の方が得やすいので、除外したのは正解だと思います)

ここで、A社長の年齢について考えてみます。2段落目で「大手コンデンサーメーカーの技術者として経験を積んだ後」に故郷へ戻ってA社を創業しています。22歳で大学を卒業して「技術者として経験を積んだ」状態になるのに何年かかるかは業界により異なると思いますが、ここでは「10年程度」経験を積んだとすると、A社を創業した時点で社長は32~35歳ということになります。1段落目にA社の創業は「1970年代後半」とありますので、今からおよそ40年前。ということは、現在75歳くらいの社長が「時代を先読みした先進的な事業展開」(11段落)の陣頭指揮をとっているということになります。やはり、多くの中小企業でそうであるように、A社にとっても「事業承継」は大きな課題の一つだと思われます。

【改善答案】

目的は①複写機関連製品事業が先細りになる中、製品グループ毎に各要素技術者を配して製品開発を完結・推進すること②部門長を役員に任じ、権限委譲による迅速な意思決定と次代経営者としての育成を行うことである。(100文字)

 

■第4問(配点20 点)

施策は①グループ間異動により新しい製品分野にチャレンジする機会を与える②新しい技術を学ぶため大学院修士・博士課程への通学制度の設立③現業以外の技術研究・製品開発を行う「自由研究タイム」の設置である。(99文字)

【事例研究】
3つの施策を盛り込んでみましたが、全くズレてはいないと思いますのでこんなところかと思います。1次知識をベースにしたオープンクエスチョンでは満点を狙うことは難しいので、「半分得点する」くらいの気軽な感じで良いのかなと思っています。解答作成時に文字数の関係で没ネタにしたのには、「技術研修の実施と技術資格の取得推奨」というのがあります。

6.その他資料

■A社の事業変遷

1960~1970年代後半 大手コンデンサーメーカーの技術者として経験を積むA社長(大卒~35歳?)
1970年代後半 農業を主産業とする故郷でA社創業。
近隣の国内大手電子メーカー向け特注電子機器事業。
主力取引先以外との共同プロジェクトで高精度の製品開発に取り組むが、売り上げは2割にとどまる。
1990年代初頭 バブル崩壊。売り上げが大幅に落ち込み経営が足もとから揺らぐ。
ニッチ市場向けに自社技術を応用した製品開発を行うが、継続的に安定した収入源となる事業の柱にはならず。
2000年ごろ 製品開発に対する考え方を一変し、複写機関連製品事業に取り組む。
事務機器市場の変化の先読みと回復基調の景気を追い風に業績伸長。
2008年9月 リーマン・ショック。急速な市場の縮小、同業者の多くが撤退、シェア拡大するが売り上げ拡大は期待できず。
社内の組織を改編。環境エネルギー事業、法人顧客向けの精密機械、LED照明関連製品の開発を推進。
現在(2018年) 環境エネルギー事業、法人顧客向けの精密機械、LED照明関連製品が売上の4割を占めるまでに成長。

 

■SWOT分析

S:
・電子機器開発に特化した研究開発型企業
・コアテクノロジーのセンサー技術が評価
・主力取引先以外のメーカーとの共同開発プロジェクトへの参画を通じた高精度の製品開発(ネットワークと開発経験、技術)
・情報通信技術の急速な進歩による事務機器市場の変化を予測(先見性)
・実力主義が文化として根付く、福利厚生施策が充実、家族主義的要素→低い離職率
W:
・高齢の社長(75歳前後?)
・後進に事業を委ねる条件が整っていない
O:
・主力取引先以外のメーカーとの共同プロジェクト(1980年代頃)
・情報通信技術の急速な進歩による事務機器市場の変化(2000年頃)
T:
・バブル崩壊(1991年3月~1993年10月)
・リーマンショック(2008年)

 


 

いかがでしたでしょうか。少しだけでも2次試験の思考プロセスが臨場感をもって伝えられていたら幸いです。では、次回は事例Ⅱを実況してみたいと思います。以上、なおさんでした。

 

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みなさん、おはようございます。なおさんです。

前回は「バックキャスティング思考法」をテーマに書かせていただきました。
(前回の記事はこちら
(合格体験記はこちら

今回は、【今やっておきたいこと】と題して「2次試験対策への着手と80分間の過ごし方」について書きたいと思います。

———————————————————————————————

前回のおさらいになりますが、バックキャスティング(Backcasting)思考法とは、「未来」を起点として、そこから逆算して「現在」を考える思考法です。最初に未来像である「ありたい姿」を明確に描いて、そこに至るまでのプロセスを具体的に埋めていきましょう、というお話でしたね。

さて、1次試験はマークシート方式ですし正解も発表されますので、バックキャスティングに必要な「明確な“ありたい姿”」が描きやすいと思います。経営法務は足切り回避の50点、得意な運営管理は70点、中小は60点という感じですね。

一方で、2次試験では正解が発表されませんし、解答要素も複数ありそうです。つまり、唯一絶対の「模範解答」がありませんので、「明確な“ありたい姿”」が描きにくいのです。「じゃぁどうやってバックキャスティングするんだ?」という声が聞こえてきそうですが、確かに1次試験の様に「輪郭がシャープで鮮明なありたい姿」を描くことは難しいですが、「輪郭はややピンボケだが、誰だか判別できるくらいの姿」は十分に描けると思っています。

また、これは私の実感ですが、2次試験対策を進めるにつれて「徐々に輪郭がはっきりして、姿かたちが見えてくる」ように思います。輪郭が見えてくる度に「目標と現実の差を捉えて細かい単位でバックキャスティングする」イメージですね。

それでは、2次試験対策をどのように進めていくかについて順を追って書いていきます。

—————————————–
第一段階:まずは敵を知る(王道)
—————————————–
「彼(敵)を知り己を知れば百戦殆うからず」とは中国の兵法書「孫子」の一説ですが、向かう相手の実情と自分自身の実力を正しく知ることがまずは大前提になります。紀元前500年ごろから現在まで語り継がれているのですから間違いないですね。

では、2次試験をどうやって知るか、、、ご察しの通り「過去問を解いてみる」です。(単純明快)

※平成29年度の参考例としては、一発合格道場の9代目だいまつさんの永久保存版シリーズがおススメです。
事例Ⅰ:【永久保存版】平成29年度2次試験事例Ⅰ超高得点解答にみる2次試験合格のポイント!

事例Ⅱ:【永久保存版】平成29年度2次試験事例Ⅱ超高得点解答にみる2次試験合格のポイント!

事例Ⅲ:【永久保存版】平成29年度2次試験事例Ⅲ超高得点解答にみる2次試験合格のポイント!

私は、昨年2018年の3月末に2次試験を解いてみたところ、「なんじゃこりゃ?」「どうやって回答に至るのかプロセスがイメージできない??」「独学では攻略が難しいのではないか???」と感じましたので、あわてて資格の学校TACの通学講座「2次演習本科B」に申し込みを行いました。
中小企業診断協会(J-SMECA)のホームページでは、平成30年度~平成19年度までの過去問(PDF)がダウンロードできますので、利用してみてください。

また、資格の学校TACでは、毎年4月末頃に「2次実力チェック模試」を実施しています。
2次筆記試験は、一日で事例Ⅰ~Ⅳの試験(80分×4)を行うという体力的にもタフな試験です。本番当日の進行をリアルに知ることができますし、ペース配分、休憩時間の使い方、栄養補給の方法とタイミングがシミュレーションできる絶好の機会ですので、是非、受験してみてはいかがでしょうか。

私は昨年「まずは2次試験を知る」ことを目的に受験しました。2次試験の準備は全くしていませんでしたが、財務・会計だけはやらないと点が取れないと思いましたので、「集中特訓 財務・会計 計算問題集(TAC出版)」を購入して2018年4月の一か月間にそれだけを勉強して受験しました。(その時は、事例Ⅰ~Ⅲは国語の試験みたいなものなので、何とかなるだろうを甘い考えを持っていました。)
結果は、事例Ⅰ:29点、事例Ⅱ:58点、事例Ⅲ:25点:事例Ⅳ:51点、合計:163点という散々たる結果でした。orz

まぁ、結果的にその後のTAC通学講座「演習本科B」を一日も休むことなく、かなり集中して受講することに繋がりましたので良かった、ということにします。

—————————————–
第二段階:解答プロセスを固める
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実際に過去問を解いてみると、80分間にすべての回答を終えるのはなかなか難しい、というのが多くの方の感想ではないでしょうか。80分間という限られた時間の中で、①約3~5ページの与件文を読んで理解し、②設問で問われたことを正確に理解して、与件文から解答要素を見つけ、③解答を採点者に伝わりやすいわかりやすい表現で文章構成し、④手書きで解答用紙に記入し、⑤(できれば)見直しを行いミスを修正する、ところまで行わなければいけません。

この一連の作業を漫然と行っていると、馴染みのない業界や難解な表現に出会ったときに与件文を読むのに時間がかかり時間が足りなくなる、というリスクも出てきます。このような事態(内容によって出来不出来に波がある状態)を回避して安定的に得点し、一年に一回しか行われない試験での「バクチ的要素」を消して一発合格を果たすためには、

80分の行動を「作業」と「思考」に分け、「作業」を徹底的に合理化・単純化し、「思考」に多くの時間をかけて解答の精度向上・内容充実を図る

ことが必要だと思います。

これを実現するために私が行っていた手順「80分間の過ごし方」を以下にご紹介します。

【ステップ①:試験開始~3分】<作業>
・解答用紙に受験番号を記入します。(超重要)
これは重要です。受験番号の記載がないと0点です。試験時間の最後には時間に追われることもありますので、最初に受験番号を記入することは必須です。

・問題冊子の表紙を破り、解答組み立て用のメモを作ります。
TACに通いだした頃、演習の最初で「ビリビリ」音がするのは何だろう?と思ってました。初めの頃は問題冊子の余白にメモしていたのですが、この方法だとメモが数ページに分散してしまいます。問題冊子の一番外側の紙(印刷業界でいう表1~4)には問題や設問の記載がありませんので、最初にホチキス部分で真っ二つに破ってメモ用紙を2枚準備します。この方法だとメモが一か所に集中しますので、最後はメモだけを見て解答を記入していけますので効率が良いと思います。
(表紙を二つに破った問題用紙 – クリックで拡大します)

・段落に番号を振ります。
TACでは80分の試験の後にグループディスカッションや解説があるのですが、この際に段落番号で該当箇所を示していましたので最初に段落番号を記入していました。私の解答プロセスでは段落番号を使用しませんので本番では不要な作業ですが、段落がいくつあるかがわかりますし段落間の区切りも明確になりますので、本番でもそのまま行っていました。

【ステップ②:~8分】与件文の最初の3行を読む+設問解釈<作業>
最初に与件文(問題文)の最初の3行だけを読み、業界・業種、会社規模、会社概要だけを頭に入れます。それだけ行ったら、続きの与件文は読まずに設問文へ移ります。
設問解釈では、何を聞かれているのか、制約条件は何か、関連する1次知識は何か、を意識して「設問要求」を解釈します。重要なポイントにはラインを引いたり、マルで囲ったり、1次知識で思いついたものを設問文に書き込んでいきます。また、私は「理由を述べよ」と聞かれたら「理由は①~、②~である。」、「強みは何か」と聞かれたら「強みは、①~、②~である。」とオウム返しに解答しようと思っていましたので、設問文の横に「理由は①~、②~である。」と記入していました。
この「オウム返し」ですが、採点者に「ちゃんと聞かれたことに答えているな」という印象を与えやすい点と、解答中に論点がズレていくことを防ぐ効果がありますのでお勧めです。
(設問文とメモ、平成30年事例Ⅲ – クリックで拡大します)

【ステップ③:~20分】黄色マーカーを片手に与件文を読む<作業>
黄色のマーカーを手に与件文を読んでいきます。この時に「なんとなく重要そうだなぁ」と思った部分はマーカーで塗りつぶしていきます。厳密でなく、あくまで印象で、なんとなくです。(大丈夫、大丈夫)
一通り与件文を読み終わると、与件文の半分以上が黄色いマーカーで塗られた状態になりますが、それで良いのです。次のステップ「解答要素を探す」の時は「黄色い部分だけを読む」ことで要素抽出ができますので、白い部分(マーカーのない部分)を読む時間を削減(効率化)できる効果があります。ですので、ちょっと迷ったら黄色く塗っちゃってください。考えちゃダメです。あくまで「作業」ですから。

また並行して、段落ごとに何の話をしているか(要約)を表すキーワードを段落の左側に書いていきます。「プロフ(プロフィール)」「金型内製化」「工業団地組合」「インサート成形」といった具合です。

さらに読みながら「強み」「弱み」「機会」「脅威」を見つけたら(〇の中に)S、W、O、Tというマークを付けていきます。最初のころはメモ用紙にSWOT分析を4象限で区切った表にまとめていましたが、事例を数多くやる中で「表にまとめるほどのSWOT分析は必要ない」と思いましたので、表の作成を止めて本文中にマークだけを残す方法に変えました。(作業時間節約:ECRS)
(与件文と黄色マーカー、平成30年事例Ⅲ – クリックで拡大します)

【ステップ④:~40分】解答要素の抽出と解答の組み立て<思考>
ここは時間をかけたいステップです。設問文に戻り、設問要求に従って与件文から解答要素となる部分にマーカーでアンダーラインを引いてきます。マーカーは5色以上を用意し、設問1は赤、設問2は青、設問3はオレンジ、設問4はピンク、設問5は緑と決めておきます。
(私の例はゴレンジャー順です。(^^;)

また、数か所にアンダーラインを引く場合は、マーカーでアンダーラインの横に①、②、③と番号をつけていきます。この方法だと、各設問で与件のどの部分を根拠としたのがわかりやすい設問間の重複が一目でわかる、(黄色マーカーの部分で)アンダーラインの全くない部分に見落とした要素が無いかの点検がしやすい、というメリットがあります。
私はこの方法を採用してから、要素の抜き出しモレがなくなり、得点が安定してきました。
(解答要素の抽出、平成30年事例Ⅲ – クリックで拡大します)

解答要素の抜き出しができたら、用意したメモに解答骨子を準備していきます。メモには設問ごとに決めたパターン「理由は~である。」を書いた後に、マーカーの該当部分の番号だけを記入していきます。この方法には、書き写す文字数が極端に少なくできる(時間短縮)再現答案作成時の再現率が飛躍的に高まる、というメリットがあります。
(解答骨子のメモ、平成30年事例Ⅲ – クリックで拡大します)

【ステップ⑤:~80分】解答用紙への記入<作業>
解答メモが完成したら解答用紙へ記入していきます。私は「残り時間が半分になったら書き出す」というのをルールとしていました。明確な解答が用意できない問題があると時間をかけてしまいがちですが、その為に他の問題が犠牲になるのはもったいないです。最悪、その問題を捨ててでも他の問題で得点していく方が得策だと思います。
例えば設問が5つあった場合、単純に考えて各20点です。記述式ですので20点満点は出ないとしても、4問で15点ずつ得点できれば15×4=60点取れます。悩んでいる問題も該当箇所くらいは特定できていますので、キーワードを詰め込んで5点もらえれば65点になります。
2次試験では、毎年少し変わった切り口(平成30年度だと事例Ⅳの第2問、第3問)が出てきますので、5問あったら一つくらいは「やっちまう」ことを想定内として、「15/20点×4+5点=65点」くらいに考えておいた方が落ち着いて対応できるように思います。

<プロセス確立のための教材>
第二段階の解答プロセス確立には、ある程度のトレーニング(=実際に事例を解く)が必要になると思います。この際に役に立つ教材をご紹介します。

・ふぞろいな合格答案 10年データブック(同友館)
平成19年~平成28年版の答案分析データと模範解答が一冊にまとまっています。過去問はサイトからダウンロードできますが正解が発表されませんので、自己採点には必須だと思います。

・集中特訓 診断士第2次試験(TAC)
TAC模試等から抜粋した2次試験問題を4回分(全16事例)収録しています。プロセスのトレーニングであれば過去問でなくても可能ですので、「過去問はとっておきたい」と思う方(1年前の私です)にお勧めです。

きゃっしいの解法実況@事例Ⅱ&5分でできる!1次と2次をつなぐトレーニング方法
えらそうに書いてきましたが、実はこのマーカーを使う方法、9代目きゃっしいのこの記事からパクりました。f(^^; この記事を読む8月23日までマーカーは使っていませんでしたが、この記事を読んだその日にフリクション・マーカーを6色購入し、9月1日に受験したTACの「2次公開模試」でいきなり実践投入しました。安定するまでに3週間ほどかかりましたが、この決断は一つの転機だったと思います。
おかげで解答プロセスが5分ほど短縮でき、思考や見直しに使う時間が確保できました。きゃっしい、ありがとう!

・30日でマスターする中小企業診断士第2次試験解き方の手順(中央経済社)
10月頭に購入しましたが、この本の著者も同じようにマーカーを使用しています。その他にも解答の切り口など得点を積み上げるためのTipsが書かれていますので「第三段階」の参考としても良いと思います。

—————————————–
第三段階:多面的な解答で得点を積み上げる
—————————————–
かなりの長文になりましたので、この部分は皆さんが解答プロセスを確立させた頃に書きたいと考えています。

さて、いかがだったでしょうか。
私は昨年、「第一段階:まずは敵を知る」→「第二段階:解答プロセスを固める」→「第三段階:多面的な解答で得点を積み上げる」という方法で、1回の受験で2次試験に合格することができました。もちろん、スィ~、スィ~とできたわけではなく、第二段階は5月から8月(※)、第三段階は9月と10月と常にもがき苦しみながら、様々な書籍やブログ記事を頼りに前へ進んできました。
※ 8月の1次試験終了までは、2次試験の勉強は毎週日曜日にTACで演習を2事例分行う+毎週土曜日に過去問を1事例解くのみでした。
※ 毎週土曜日の1事例は、その月の事例を決めて縦解きしていました。3月は事例Ⅰを4年分、4月は事例Ⅱを4年分、という感じです。月単位で各事例の傾向が理解していけますので、最初は縦解きをお勧めします。

皆さんは私と同じ紆余曲折を繰り返す必要はありませんので、私の記事で参考になる部分があれば道場セオリーの「パクってカスタマイズ」し、効率よく一発合格を目指してほしいと思います。

以上、なおさんでした。

 

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皆様、初めまして。

10代目を務めさせていただきます「なおさん」と申します。
昨年一発合格道場に支えられて合格することができましたので、今度は道場への感謝を込めまして、10代目として少しでも皆様のお役に立つ記事が書けるよう頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

まずは最初に私「なおさん」の自己紹介をさせていただきたいと思います。(合格体験記はこちら

私は、神奈川県在住、勤務先は都内の小売業(SPA)、妻一人、大学生の娘一人をもつ50代男性です。
中小企業診断士を目指したのが2017年の4月でしたので、当初から2年で合格しようという作戦で、

1次試験:2回(独学、500時間)
2017年:経済(60)、法務(68)、情報(76)、中小(62)
2018年:財務(68)、経営(50)、運営(87)、合計471点

2次試験:1回(TAC通学、500時間)
事例Ⅰ(63)、事例Ⅱ(64)、事例Ⅲ(69)、事例Ⅳ(53)、合計249点

で合格することができました。そう、2次試験と関連の薄い科目を1年目に片付け、2年目は残り3科目と2次試験に集中するという作戦でした。

1次試験は比較的時間をかけられましたので、TAC3部作(スピードテキスト、スピード問題集、過去問題集)を使って独学で進めましたが、2次試験はTACの「2次演習本科」(5月~9月)に通ったものの、最後までモヤモヤ感が拭えずに2次試験直前まで苦労しましたので、その経験を踏まえた情報を皆様にお伝えできればと考えています。

また、前職では電子機器メーカーで、開発、製造、品質保証、コールセンター、修理サービスと製品のライフサイクル全般にかかわる仕事をしてきましたので、運営管理を中心としたモノづくりのトピックなども書いていければと思います。

それでは自己紹介はこれくらいにして、初回の記事は「バックキャスティング思考法」をテーマに書かせていただきたいと思います。

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バックキャスティング(Backcasting)思考法とは「未来」を起点として、そこから逆算して「現在」を考える思考法です。逆の言葉で「フォアキャスティング」というのがありますが、こちらは「今」を起点として現状のシーズ(=種)を活かし、カイゼンを積み上げていく思考法になります。

例えば、「新しいパソコンが欲しいなぁ」と思ったときに「今日から500円玉貯金をしよう」と考えるのがフォアキャスティング思考です。一日の終わりに財布の中に500円玉があったら貯金、を日々繰り返していくことでお金を貯めていきます。ただ、この思考法だと「どんなパソコンが欲しいのか」「それはいくらするのか」「いつになったら買えるのか」がさっぱりわかりません。
診断士試験でいえば、「自己啓発も兼ねて少しずつ、確実に知識を身につけていこう。知識が身についた分だけ、自分が成長して仕事も充実していくはずだ。」というイメージでしょうか。この考え方も否定はしませんが、残念ながらいつ診断士になれるかはわかりませんよね。むしろこのケースでは、過酷な2次試験の受験は必要ないのかもしれません。

一方でバックキャスティング思考では、最初に明確な未来を描いて、そこに至るまでのプロセスを具体的に埋めていきます。パソコンの話でいえば、「今年の年末に10万円のVAIOを買う」と目標を設定します。(別にMac Book Airでもいいですよ)
今は2月ですから毎月均等割りだと月々9,091円をパソコン積み立てしていく必要があります。飲み会を1回減らして4,000円、昼食を750円の定食から500円の牛丼に変更して250円×20日=5,000円といった感じです。そして毎月進捗を確認し、ちょっと足りなかったら一時的に牛丼をおにぎり2個に変更したりして調整していきます。

診断士試験でいえば、今年1次試験を受験される方は試験日の8月第1週までおよそ24週間ですので、7科目受験するのであれば1科目に3週間+3週です。そこで、「得意な情報は2週間で終えよう」「苦手な財務・会計には4週間かけよう」「中小は本番直前2週間で一気に記憶しよう」「余りの3週間は総合復習と何かあった時の予備にしよう」と具体的で達成可能な調整を行って24週間の過ごし方を決めていきます。(運営管理-生産管理でいう大日程計画ですね)
次に「1科目3週間」の中身も、「1-2週目はテキストとスピ問を2回転、3週目は過去問を3回転」という感じで決めます。(中日程計画)で、次はテキストのページ数や過去問の問題数を勘案して「行きの通勤電車でテキストの2章。昼休みにスピ問5問。帰りの電車でテキストの3章。夕食前にスピ問5問。夕食後就寝前に過去問10問。」といった形で一日の学習計画を決め、それを意地でもやり抜いていきます。(小日程計画)あとは日々、進捗管理とズレの修正を行っていくだけです。

ここで重要なのは「定めた勉強時間ではなく、結果・成果こだわる」ことです。もちろん、目安となる勉強時間やスタイルはペースを維持していくのに重要ですが、進捗に遅れが発生したら「睡眠時間を削ってでも意地で追いつく・取り返す」気概がズレを最小にとどめ、最終的な目標達成のためには重要になると思います。仕事が遅れたら残業してカバーするのと同じです。

あと、週次の中日程計画には「バッファを兼ねたリフレッシュ・タイム」を入れておくのが良いですね。私は毎週土曜日に、普段から楽しみにしているバドミントンの練習に欠かさず行ってました。ですので、土曜日は疲れて早く寝てしまうのですが、その分日曜日は寝坊することなく早朝からスタートして8~10時間勉強していました。

このバックキャスティング思考法、ビジネスの世界でもとっても有効な思考方法です。いろいろと書籍も出版されていますので興味のある方は参考にしていただきつつ、是非仕事のできるビジネスマンに、そして一発合格につなげていって欲しいと思います。

皆様のご健闘をお祈りしています。

明日は、ワクワクの大好きな四国のダンディーなキャリアコンサルタント「ブブ」さんです。

以上、なおさんでした。

 

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