コンカフェの経営診断をやってみたい。後編 ~コンカフェよ、永遠に。~byまさき

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前回までのあらすじ

コロナ禍を乗り越え、客足がようやく戻ってきた「ときめきツインテール・レボリューション」。しかし、通帳の残高はなぜか氷河期。。。
我々は外部環境分析(PEST分析・5フォース分析)を行い、コンカフェ業界が競合乱立、採用難、コスト高という血で血を洗うレッドオーシャンと化していることを確認した。 そんな過酷な戦場の中で、「売上はあるのに金がない」という状況に悩むtomiを助けるべく、まさきが立ち上がった・・・

これは単なるブログ記事ではない。生き残りをかけた、血と汗とツインテールの記録である――

ツインテール派のまさきです。
今回もコ〇ンくんのような名推理でtomiのコンカフェを救います。

※今回も登場するコンカフェはフィクションです。
実在の人物・団体とは一切関係ありません。tomiはイクメンです。

Information

今回の記事は前編と後編の2部構成です。後編は需要があったら書きます。書かないかもしれません。

なぜ、客足はもどっているのに債務超過なのか?

そうだ、まさき! ひらめいた!!!

お!!何が閃いたの!!

起死回生でさ、『店内でマグロの解体ショー』とかやるのはどうかな!?
ほら、ツインテールの子が日本刀でマグロを捌くの! ギャップ萌えすごくない!?

……(生臭そうだな)

ときめきツインテールレボリューションに再び復活する日は来るのだろうか・・・

内部環境分析~問題点を特定する~

内部環境分析の流れはいろいろなやり方がありますが、
今回は前回のブログで見えた問題点をロジックツリーで掘り下げるやり方でやろうと思います。
(実務補習などでは、インタビュー→SWOT分析→課題の特定の順番が一般的かと思います。)

お店の問題点

  • ①客数は戻ってきているのに、売上は2019年水準ではない
    →売上は客数×客単価。客単価が低いのかもしれない。もしかすると、ターゲットにすべき顧客を見直すべきなのではないか。
  • ②売上は回復傾向だが、全然お金が残らない
    原価管理に問題があるのかも。原価率か人件費率のどちらかを改善する余地があるのかも。
  • ジェンス君の試算だと、営業利益も赤字で、債務超過も引き起こしている
    (債務超過なので、お店の資産を全部売り払っても借金を返しきれない)

これらの問題は身体で例えると熱があるのと同じで、ただの症状にすぎません。
病原菌を特定するためにロジックツリーで課題を特定します。

①問題点:客数は戻ってきているのに、売上は2019年水準ではない

→売上=客数×客単価なので、これを元に原因を探っていきます。

【分岐左】客数はどうか?

  • 仮説: そもそも人が来ていないから、売上が低下している。
  • tomiの証言: 「いや、戻ってるんだよ。土日は満席になることもあるし」
  • 判定: シロ。(ここが主犯ではない)

【分岐右】客単価はどうか?

  • 仮説: 人はいるが、金を使っていない。
  • tomiの証言: 「……言われてみれば、昔みたいにドンペリ入れたり、1万円のタペストリーを注文する客が減った気がする。みんなオムライス食べて、水飲んで帰るというか……」
  • 判定: クロ(濃厚)
仮説tomiの証言判定
【客数】そもそも人が来ていない?「戻ってるんだよ。土日は満席になることもあるし」シロ(主犯ではない)
【客単価】人はいるが、金を使っていない?「昔みたいにドンペリ入れたり、1万円のタペストリーを注文する客が減った気がする」クロ(濃厚)

つまり、ときめきツインテールレボリューションでは

  • 客数→(厳密に検証できていないが)2019年と比べてあまり変化ない
  • メニューの単価→物価高に合わせて上げている。もしかしたら物価高を吸収できていないかもしれないが、今回は考慮しない。

☆2019年と現在でお客さんが使うお金が下がっているかもしれない!
→「ひとり当たりの注文数が減った」か「高いメニューが売れなくなった」のどちらかが原因かも。

(ちょっと考えれば当たり前だけど、)客単価の減少が原因になっているんじゃない?
「ひとり当たりの注文数が減った」とか「高いメニューが売れなくなった」とか

……たしかに、「熱狂的なファン」(いわゆる「太客」)が減ったと思う。
昔はツインテールに命を懸けた紳士(オタク)たちが集っていたけど、
今はなんかこう、普通のカフェだと思って来るライトな人が多いんだよね

以前は、チェキや2ショット写メなどの体験型コンテンツが売れていたんだよね。
それらは原価がほとんどかからないから、すごく利益につながったんだよね。

tomi。それは本当にヤバいと思うよ

参考情報

【この現象を2次試験の試験問題風にすると・・・】

設問:ときめきツインテールレボリューションでは2019年と比較して客足は戻っているが売上は回復していない理由を利用顧客の特徴を踏まえて100字以内で述べよ。

なんか、ありそう・・・

誰でも良いはなくても困らない

なぜ熱狂的なファン(=太客)が消え、ライト層(=細客)ばかりになったのか。。。

その答えを掘り下げる過程で、tomiが驚くべき言い訳を口にした。

いやさ、まさき。このご時世で『ツインテール専門店』って無理があると思うんだよ。
これからは、いろいろな髪型の女性がいるコンカフェを目指すべきだと思うんだよね。

は? 店名『ときめきツインテール』だろ?ふざけんな。ツインテールこそ正義であり、希望であり、神である。
だいたい清楚系ってなんだ?裏では散々遊びまくっているのに黒髪ロングで大人しそうにしていたら清楚なのか?高めのツインテールは元気っ子、低めのツインテールこそが清楚だろうが。なめんな。

う、うん。

でもさ。道場メンバーだってさ、 ストレートが好きな人もいれば、 お団子が好きな人ももいるんだよ。
ショートヘアが好きな人も。今の時代、多様性だよダイバーシティ! 実はおれも最近はポニーテール派になってきているんだよ

※フィクションだらけの本記事ですが、上記発言のみ、完全なるノンフィクションでございます。

前回5Forbe分析を通じて見てきた「採用難」を言い訳に、tomiは「ツインテール縛り」を勝手に解禁し、猫耳やポニーテール、果ては「髪があればOK」レベルまで採用基準を緩めていたのでした。

tomi、いいか、「ボブも好き、お団子も好き、ストレートも捨てがたい」。
その『全方位モテ』を狙った結果どうなった?「ツインテールの聖地」という尖った強みが消滅し、
ただの「コスプレ風の喫茶店」になっているじゃないか。これじゃ、コアなファン(太客)は離れていくよ…

tomiは『ロングテール戦略』と『ポニーテール』を混同しているようです。

Amazonみたいに何でも揃える戦略もありますが、あれはAmazonだからできることです。
逆にAmazonって何屋さん?って聞かれたら答えにくいと思います。
どちらにせよ、「ときめきツインテール・レボリューション」のような小規模なお店で同じ戦略を取るのは得策ではありません。

ラーメン二郎が『あっさり塩味』や『サラダボウル』を出し始めたらどうなる? ジロリアンは来なくなるだろうし、健康志向のOLはそもそも二郎に来ない。
今のお店はまさにこれ。誰にでも好かれようとして、誰にも刺さらない店になった。 だから、金払いのいいコアファンが絶滅したんだよ

そうです。

飲食店支援で1つの切り口になるのがこの考え方で、誰でもターゲットにするお店は、無くても困らないお店ということです。

結論:「ツインテール縛り」の緩みが招いた悲劇

この仮説を、経営学用語で「コンセプトの希釈化(Brand Dilution)」と呼びます。要するに「軸ブレ」です。

熱狂的なファン(太客)が離れた結果、高単価な「体験型コンテンツ」(チェキ、オリジナルカクテルなど)が売れなくなり、客単価が低下した。これが問題点①の真の病原菌でした。

キッチンは戦場、メニューは定食屋

②売上は回復傾向だが、全然お金が残らない
→原価管理に問題があるのかも。原価率か人件費率のどちらかを改善する余地があるのかも。

もう1つの問題点である②についても深掘りして課題を特定しましょう。

まず、利益はシンプルに考えれば売上-原価で導かれます。
そして、先ほど客単価減少によって売上が減少していることがわかりました。

ここでは、原価も上がっているため利益が残っていないのではないかという仮説の元、深掘りしてみたいと思います。

ジェンスくんが算出したtomiの店のFL比率(材料費+人件費)を見て、まさきは卒倒しそうになりました。

FL比率:80.7% (※適正値は60%以下。80%超えは、もはやボランティア活動、もといチャリティイベントです)

FL比率

  • FL比率:80.7%
  • 原価率:32.7%
  • 人件費率:48.0%

なんでこんなに原価率が高いんだ(32.7%)?
コンカフェなんてドリンクとチェキがメインなんだから、原価率10%台でも不思議じゃないよ…

一縷の望みをかけて厨房に踏み込みました。そして、第二の病原菌を発見したのです。

そこは、夢の国「ツインテールの園」ではなく、炭水化物の見本市だった。

棚を埋め尽くすパスタ、うどん、そば、大量の米、冷凍カツ、ハンバーグ、ナポリタンソース……。

ここって、定食屋だっけ?
なんで蕎麦まであるの??

いやぁ、オムライスが売れたから、カツ丼も出してみたら意外と好評でさ。ついでに蕎麦もあったら嬉しいかなって……

tomi、目を覚ませ。「めったに出ない蕎麦」のために、常にめんつゆと麺を在庫して、期限が来たら捨てている。 これが廃棄ロスだ。
カツ丼目当ての客は、『かつや』に行けばいいんだ。
わざわざコンカフェに来て、魔法をかけられたいわけじゃないだろ。
君はメニューを増やすことで、『何の店かわからない状態』を作り出し、在庫管理の手間を増やし、自らの首を絞めている!

ツインテールから軸がブレただけでなく、メニューまでブレていました。結果、

  • メニュー数が増えすぎて原価率が爆発(32.7%)
  • 使われない食材の廃棄ロスが増加
  • 「何の店かわからない」というコンセプトの更なる希釈化

これが問題点②の真の病原菌、「定食屋化問題」です。

結論:コンセプトとメニューの「選択と集中」が必要不可欠!

(本当は、人件費もテコ入れしないといけないけど、それはまた別のお話で)

解決策 ~ネオ・ツインテール計画~

原因が特定できれば、解決策は自然と決まります。

tomiは「ロングテール戦略」と「ポニーテール」を混同していましたが、小規模な中小企業が取るべきは、「誰にでも好かれる」戦略ではありません。

tomi、やることは決まった。「選択と集中」だ

中小企業が取るべき戦略は、ほぼ100%、差別化集中戦略です。我々は、この二つの病原菌を同時に叩き潰す「ネオ・ツインテール計画」を発動します!

【施策の方向性:ツインテール原理主義への回帰】

課題解決策(アクション)期待される効果
コンセプトブレブレ問題採用基準を戻す。
「ツインテール以外は入店禁止」
「ツインテールの聖地」としてのブランド再構築。熱狂的なファン(太客)を呼び戻し、高単価な体験型コンテンツ(チェキ等)の売上を向上させる。→客単価向上
定食屋化問題カツ丼、蕎麦を廃止。メニューはオムライスとお絵かきドリンクに絞る。メニューの単純化により、原価率を適正値(10%台)に近づける。食材の廃棄ロスを削減する。→利益率向上

目指すは、原価率の低い「体験」で客単価を上げ、高原価な「食事」を捨てるという、コンカフェの王道経営です。

「コンカフェよ、永遠に」

このタイトルには、二つの意味が込められています。 一つは、ツインテール文化が続いてほしいという願い。 もう一つは、「変わらないこと(コアなコンセプトを死守すること)」こそが、永遠に愛される秘訣であるという、ビジネスの真理です。

まさき、明日からは、ツインテール一本で生きていくよ

こうして、血と汗とツインテールにまみれた「ときめきツインテールレボリューション」の再建劇が幕を開けたのです。

(もう、続きません。)

次回予告

明日はダイキだよ!

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