【ゆるわだ】とある診断士の企業紹介~RAYMAR編~ by しん

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こんにちは、しんです。
11月中頃くらいから急に冷え込んできて、すっかり厚着のシーズンになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
2次試験を受験されたみなさんは、いい意味で気が緩んできた時期だとは思いますが、ウィルスをもらいやすい時期だと思いますので、適度にお気を付けください。
(昨年末に初コロナで1週間寝込みましたが、予想以上に苦しかったです・・・。)

本日の要約

本日の要約

  • 概要:中小企業診断士試験を受験された方を主なターゲットに、学べる息抜きとしてローカル企業を紹介します。
  • お伝えしたいこと:双方向コミュニケーションは、顧客ロイヤルティの向上に繋がります。
  • キーワード:OEM、ECモール、権限委譲、4P、多品種少量生産、規模の経済性、マルチブランド、双方向コミュニケーション、ロイヤルティ、他

上記の内容で気になる部分やフレーズがありましたら、引き続き本編もご覧ください!

はじめに

前回、シリーズ第二弾として、イケイケな地域密着型ブルワリーである、west coast brewingついて紹介しました。
今回は第三弾として、よりニッチな?市場で活躍されている、革靴メーカーのRAYMARを紹介します。

公式HPトップ画像より引用

昔ながらの製法の革靴は、少ロットであることが多い上に、工程の多くが手作業であり規模の経済性が発揮しづらい(大企業の優位性が少ない)です。
※原材料の調達は大手メーカーの方が優位だと思います。
そのため、前回のクラフトビールと同様に中小企業に合った商品だと感じます。また、手作業が多い=ノウハウを持った職人が必要であり参入障壁も高いと思われます。
革靴市場は、世界的に見るとヨーロッパの老舗メーカーがブランドとしても評価が高く強いようですが、日本にも数多くの革靴メーカーが存在します。日本を代表するブランドの一つであるREGALは、多くの方が聞いたことがあるのではないでしょうか。もちろん、REGAL以外にも多くのメーカーや職人さんの個人工房から様々な革靴が生み出されています。さらには、靴を磨く職人さんも近年増えており、世界的に見ても濃い市場が形成されているようです。

そんな革靴メーカーの中で、OEMという形態をとり顧客に寄り添い続けるのが、今回紹介するRAYMARです。クラフトビール以上にニッチなネタではありますが、診断士という職業柄、革靴を履くことも多くなるかと思いますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。

恒例となりますが、本編に入る前に前置きです。

前置き

・紹介する企業は、私が食べた/体験したことがある製品/サービスの製造/提供元

・内容は、紹介先企業HPから得られる情報と自身の体験から

・財務は、非公開なため割愛

企業概要

RAYMARは、鰹で有名な?静岡県焼津市の革靴メーカーです。

特徴としては、とにかく顧客に寄り添った靴作りを行っていることです。詳しくは後ほどマーケティングのパートで触れようと思いますが、オーダーメイドの革靴工房を除いて、ここまで顧客に寄り添う企業はないのではないかと思います。また、ハンドソーン製法(ほとんどすべてのパーツを手で縫う一般的に超コストがかかる製法)やグッドイヤーウエルテッド製法(ハンドソーン製法を発展させ、工程の一部を機械化したコストがかかる製法)の靴を中心に扱っていることも、創業に至った理由に直結する特徴です。
(ものづくり大好き人間としては、ここらへんの製法が楽しいところなんですが、書き出すと意味不明な世界が広がると思うので、自重します。。)

そんなRAYMARが創業に至るまでの経緯を次のパートでお伝えします。

成り立ち

RAYMARの成り立ちは、代表である大石祐介氏の経歴に深いつながりがあります。要点のみに絞って、その経歴を紹介します。
興味がある方は以下の経歴の抜粋元である代表のプロフィールをご覧ください。熱い想いを感じることができます。

営業職として社会人生活を開始

STEP
1

顧客に革靴の汚さを指摘され革靴に興味を持つ

STEP
2

理想の革靴が高価で買えず悔しさを抱く

STEP
3

「自分と同じ思いをした人たちを笑顔にしたい」という想いを抱き、家業(靴関係)へジョイン

STEP
4

取引先の靴工場や中国の工房で2年間猛勉強し、2015年にRAYMAR設立

STEP
5

家業が靴関係という環境的な要素もあるものの、とにかく行動力が凄まじいですね。家業といっても優遇されるようなことはなく、日中は家業、夜はバイト&勉強というハードな準備期間を過ごされています。「自分と同じ思いをした人たちを笑顔にしたい」という強い気持ちがあってこそと思いますが、一社会人としてすべてを投げ打つ姿勢に憧れを感じます。

そんなRAYMARですが、自身が知る限り数年前までは楽天やyahoo等のECモールでのみ販売を行っていましたが、近年は百貨店やその他ショップでのPOPUP(期間限定)出店したり、自社ECサイトを開設したりとチャネルを拡大しています。チャネル拡大(≒成長)の背景を、今までのシリーズと同様に人事、マーケティング、運営の視点で考察していきます。

人事

まずは人事についてです。

一言で表すと、社長さんとアニーさん(社長のお兄さん)がひたすら頑張っています。「手に取りやすい価格の本格的な革靴」を実現するために、できることはなんでもご自身でやるという気概を感じます。少数精鋭でリソースが足りないように感じるものの、後からジョインされたらしいアニーさんに靴のデザインや海外のイベントの切り盛りを任せる権限委譲も進めているようです。

「自分と同じ思いをした人たちを笑顔にしたい」という想いが第一であり、規模の拡大は追求していないように感じますが、今後どのようなメンバーで経営を続けられるのが気になるところです。

マーケティング

続いて、マーケティングについてです。

4Pのフレームワークで分析していきます。

Product

商品の特徴は多品種少量生産品であることです。
通年で販売する看板モデルはあるものの、都度木型(金型に近い役割を持つ靴の形を決める備品)の改善等でブラッシュアップしているようなので、全く同じ靴を大量生産することはほぼないように感じます。前回紹介したwest coast brewingもそうでしたが、多品種少量生産という形式は、規模の経済性の恩恵が小さくなり、中小企業として戦いやすいフィールドですね。

また、ユニークな取り組みとして、ユーザーと一緒に商品を開発する企画を実施しています。
promotionのパートでも改めて触れますが、ユーザーと一緒にブランドを育てていきたいという社長の強い想いを感じます。また、推測となりますが、靴好きのユーザーが提案するデザインを蓄積することで、自社デザインの通常モデルをよりユーザーが求めるデザインへと近づけていっているのではないかと思います。

加えて、近年はカジュアル化の風潮を捉えるべく、マルチブランド戦略をとっています。これから第3、第4のブランドが追加されるのかを楽しみにしています。

カジュアル感のあるLe Miscaシリーズ
RAYMAR社ECサイトより抜粋

Price

価格の特徴は、なんといっても「手に取りやすい価格」であることです。
代表の想いでもある「手に取りやすい価格」を実現するために徹底的な企業努力を行っており、ハンドソーン製法(ほとんどすべてのパーツを手で縫う一般的に超コストがかかる製法)の靴を5万円台(一部4万円台)で販売しています。グッドイヤーウエルテッド製法(ハンドソーン製法を発展させ、工程の一部を機械化したコストがかかる製法)の靴はなんと2万円台から購入できます。

たかっ!!

AZUKI
AZUKI

と、若頭は言うかもしれませんが、業界的には「手に取りやすい価格」なんです。。
そもそもハンドソーン製法の靴を扱っているメーカーが少ないため希少性も高く、安くても10万円は超えてきます。物価高騰や円安の影響もあり、ヨーロッパのブランドあたりは20万円を超えてくるんじゃないでしょうか。そもそも買えないですが、買ったとしても傷つけるのが怖くて履けなそうです・・・。

そういった競合と比べると奇跡的な価格であり、尋常ではない企業努力の賜物だということが分かります。AZUKIが通い詰めていたという応援上映で言うと20回分位の価格となりますが、それを高いと思うか安いと思うかは人それぞれですよね。人により価値観は異なるため、相手が熱中していることを尊重したいと常々思っています。
(応援上映ってなんだろう?と気になった方は、↓のAZUKIの記事をぜひぜひご覧ください。AZUKIの魂が込められていることが感じられる、個人的に永久保存版な記事です。)

話を戻しまして、RAYMARの靴を実際に見たのは1回だけですが、材料にもこだわり精緻な手作業で生み出された靴としては、良心的すぎる価格だと私は思いました。今も全国各地でPOPUPを行っているので、お近くの方は機会あればぜひ眺めてみて欲しいです。

Place

流通についてはオンラインがメインです。
冒頭でも触れましたが、楽天やyahoo等のECモールでのみ販売を行っていましたが、現在は自社ECサイトでも販売しています集客力に優れるモールでファンを増やした後に、販売手数料のかからない自社ECサイトへと誘導するのは王道の流れですね。

また、アフターコロナと言われる頃から、百貨店やその他ショップでのPOPUP(期間限定出店)を積極的に行っています。これはアフターコロナで「体験」を求める顧客の獲得を狙った戦略とのことです。某王手うどんチェーンでも、うどんを打っている光景を顧客が「体験」できるように店舗レイアウトを変更して売上を拡大していることからも、近年は「顧客体験」がより重要となっていることを実感します。

Promotion

promotionは、双方向コミュニケーションを積極的に行っていることが特徴です。

ユーザからデザインを募集し、その中からユーザ投票により選ばれたモデルを販売する、REVO(Reflect Voice Order)という企画を定期的に実施しています。自身の考えたデザインが選ばれて製品発売に至ったユーザは、高いロイヤリティを持ち続けること間違いなしですね。顧客との関係性向上はもちろんですが、ユーザーのニーズ収集や自社ではできないデザインの蓄積もできるため、何重にもメリットがある企画だと思います。多品種少量生産かつフットワークに優れる中小企業の利点を最大限に活かされていますね。

また、積極的にイベントを行っていることも特徴です。placeのパートで紹介したPOPUPもイベントの一貫ですが、それ以外にもリジェクト品(品質基準をクリアしなかった製品)販売会や靴磨きショップとのコラボイベント、さらには直近は革靴の本場とも言えるイギリスやアメリカ等、国境を越えて展示会に参加しています。そんなイベントには毎回ファンが訪れたり、訪れるのみではなく運営の一部を担ったりすることもあるようで、関係性がいかに高いかが分かります

運営

最後に、運営面について触れます。

製造は基本的に中国の委託先によるOEM生産です。OEMは委託元にとっては、設備投資や在庫保有を少なくすることができるメリットがあるため、小規模事業者に取ってはリスクが少なくとりやすい戦略にみえます。(最近インフルエンサーがご自身の名前を冠したプロテインやもろもろのアイテムを販売しているのを見かけますが、生産を受託する企業があってこそですよね。)

一方で、自社にノウハウが蓄積しないというデメリットもあるため、委託先との関係性が重要となります。委託先との密な関係性を構築していることが、RAYMARが「手に取りやすい価格の本格的な革靴」を生み出している秘訣ではないかと推測します。

ちなみに、製造以外の作業(受注管理や出荷等)については、人事のパートでも触れた通り、ほぼすべてを代表の大石氏を始め少数精鋭で行っているようです。できることはなんでも自身でやるということも「手に取りやすい価格」を実現する上で必要不可欠なんだと思います。(顧客を大事にする想いがなければやってられないと思うので、模倣困難性があるとも言えそうです。。)

終わりに

診断士を目指しているみなさんには世間一般よりも刺さるはず…という淡い期待と共に、顧客への想いが強すぎる革靴メーカーを紹介しました。高単価、高付加価値な流れを追わず、顧客の喜びを糧に事業を継続されていることに尊敬の念を抱きます。

今回、シリーズ第三弾となりましたが、そろそろ1次試験についてや口述試験について書きたいという気持ちもあり、最終回にしたいと思います。
実は需要があるかもわからず、前回で終わりにしようか悩んでいたものの、リアルセミナーやコメントで嬉しい感想をいただいたおかげで、シリーズっぽく第三弾まで続けることができました。この場を借りて、御礼申し上げます。

明日は、サトシが予備校の採点サービスについて紹介してくれるようです。

予備校の採点サービスってどうなの?

話始めると今日のブログ本編より長くなっちゃうから、明日のブログをお楽しみに!

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【ゆるわだ】とある診断士の企業紹介~RAYMAR編~ by しん”へ2件のコメント

  1. にっく より:

    こんばんは!
    にっくです。
    顧客に徹底的に寄り添う革靴メーカーのお話、ありがとうございました!
    顧客への想いは、企業の一番の強みだと思います!
    僕も、「想いをカタチにする」お手伝いをしたいという想いがあるので、診断士試験、例え落ちたとしてもめげずに頑張ります!
    ありがとうございました!
    にっく

    1. しん より:

      にっくさん、コメントありがとうございます。
      顧客への想いが強い企業はつい応援(購入)したくなりますよね。
      私自身、結果が気になり落ち着かない期間だったこともあり、気にしないでとは言えませんが、充実した日々をお過ごしください。

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