情報通信白書から学ぶ経営情報のトレンド by AZUKI

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はじめに

AZUKI
AZUKI

こんにちは、”知識の複利 伝道師”のAZUKIです。(知識の複利ってナニ?って方はコチラ!)


皆さん、「白書」読んでますか?
中小企業診断士を志す者たるもの、白書の読み込みは当然ですよね。

2023年の白書も、様々なトピックの現状分析や課題、今後の展望がまとめられていました。

エコーチェンバーやフィルターバブルによる偽・誤情報の拡散、GoogleやAmazonといった巨大プラットフォーマーへのデータ集中など、結構踏み込んだ内容も書いてましたよね。

え?「何の話?」
そりゃ、「情報通信白書」の話に決まってるじゃないですか!

経営情報はめんどくさい

茶番にお付き合いいただき、ありがとうございます。
皆さん、「経営情報システム」は好きでしょうか?

AZUKI
AZUKI

僕は応用情報を持っていますが、問題を見た瞬間に免除を決意しました(笑)

1つ1つの論点としては難しくないのですが、問われる範囲が広く、診断士用にチューニングするのが面倒だったからです。

個人的に、この面倒臭さの理由は「枯れた技術」「流行りの技術」の両方が、そこそこ細かい部分まで問われる点だと思っています。

枯れた技術とは?

枯れた技術とは、「世の中に長い間出回っており、安牌な技術」のことです。

具体的には、TCP/IPやリレーショナルデータベースなど、試験でよく問われる論点のことだと解釈してもらえばOKです。

枯れたというとネガティブなイメージに聞こえますが、この場合はポジティブなイメージで使われています。

特に後者は、情報系の職種でない方にとって、「今どんな技術が流行っているのか?」の情報収集が難しく悩みの種となっていると思います。

そこで、流行りの技術を効率よく知るために、「情報通信白書」の閲覧を提案します。

情報通信白書の読み方

情報通信白書は、中小企業白書と同じ「白書シリーズ」の1つです。

白書とは?

白書とは、各省庁が編集する政府刊行物で、内容は、政治・社会・経済の実態、政府の施策の現状について国民に周知させることを主眼とする資料です。 国会に対する報告書、閣議に対する報告書、通称として「白書」と呼ばれている資料があります。

出典:千葉市図書館Webサイト(政府刊行物(白書)について調べる:ビジネス情報|千葉市図書館 (city.chiba.jp))

情報通信の現況及び政策の動向についてまとめられたものが、毎年7月に情報通信白書として発行されています。
令和5年度の情報通信白書は、下記からご覧ください。

関係情報:情報通信関連:情報通信白書 (soumu.go.jp)

リンク先の「概要」に、白書の内容がまとめられています。
本記事では、令和5年度 情報通信白書の中から、診断士試験に必要な知識をピックアップして解説します!

AZUKI
AZUKI

情報通信白書全部は長すぎる&試験と関係ない部分も多いので、読まなくてよいです!


用語の解説もしていますが、14代目 おのDの下記記事も併せてご覧いただくと、より理解が深まると思います。

通信インフラの高度化とデータ流通の進展

現代の情報通信は、スマホで映画が鑑賞できるほど高度化しています。読者の皆さんも体感していますよね。

これは光通信や4G・5G電波の普及により、データを高速・大容量で送受信できるようになったからです。

また、通信の高度化に伴い、インターネットの形がWeb1.0 → Web2.0に移り変わり、さらにWeb3.0の時代に突入しつつあります。

用語解説

Web1.0阿部寛さんのホームページのような、テキストがメインで情報の流れが発信者 → 受信者で片方向の時代です。

Web2.0:SNSや動画配信サービスなど、画像や動画を主流とした情報発信が誰でも可能で、情報の流れが双方向の時代です。
後述のWeb3.0と違い、プラットフォーム(GAFAMなど)が主体であり、情報が中央集権型であるのが特徴です。

Web3.0:NFTやビットコインなどブロックチェーンが利用され、情報の流れが双方向であるが、ユーザーが主体で情報を管理している(分散型)時代です。

ブロックチェーンとは?

 
 まず、ブロックとは「取引の記録」の塊(ブロック)のことだと思ってください。

 このブロックを鎖(チェーン)のように連鎖させて管理するので、「ブロックチェーン」と呼ばれています。

 ブロックにハッシュ値が記録されていることや、ブロックを保有するノード(コンピューター)が分散していることから、改ざん耐性や耐障害性に優れています。

 このブロックチェーン技術は、デジタルデータの唯一性を担保するNFTや、銀行を介さずユーザー相互で取引履歴を管理するビットコインに応用されています。

Web3.0だけ、ちょっと雰囲気が違うね。

IT苦手代表(サトシ)
IT苦手代表(サトシ)
AZUKI
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まだ発展途上だし、NFTや暗号通貨も馴染みがないよね・・・

データ流通・活用の現状と課題

Web2.0の現代において、我々はプラットフォーマーに超依存しています。

プラットフォーマーは確かに我々の生活を豊かにしてくれていますが、一方で大量のデータを取得しています。

プラットフォーマーは、我々の生活に関する大量のデータを、広告ビジネスなどに活用し、強大な経済的地位を確立しています。

情報過多の現代において、可処分時間は非常に経済的価値があります。(アテンション・エコノミーと呼ばれていますね。)

可処分時間を奪い合うため、プラットフォーマーたちは独自のアルゴリズムを活用し、我々の好みに応じたコンテンツをレコメンド(おすすめ)してくれます。

結果、自分と似た意見ばかりが出てきたり(エコーチェンバー)、好みの情報以外が自動的にはじかれてしまったり(フィルターバブル)と、「情報の偏り」が生じやすい状態となってしまいます。

また、最近は生成AIや動画制作技術の発達により、偽画像・偽動画を見破るのも難しくなっています。

AZUKI
AZUKI

センセーショナル(煽情的)なタイトルの記事を読む際は、情報源の確認をすることをオススメします!


これらの要素が複雑に絡み合った、誹謗中傷や偽・誤情報の流通・拡散の増加が、近年社会問題となっています。

誤情報の拡散による誹謗中傷の例(試験とは全く関係ないです)

 
 インターネット上での誹謗中傷を語る上で、「スマイリーキクチ中傷事件」は外せません。

 20年以上前、スマイリーキクチさんという方が、とある事件に関わっている、という根も葉もない完全なデマがネット上に書き込まれました。

 この書き込みがきっかけで、スマイリーキクチさんは10年以上誹謗中傷を受け続けました。
 その間に書き込みをした人が何十人も検挙され、警察からもキクチさんは無関係だと発表したのにも関わらず、です。

 当然仕事にも多大な影響が発生し、スマイリーキクチさんのキャリアに大きな傷がつきました。

 「火のない所に煙は立たぬ」と言いますが、この事件に関しては「勝手に火をつけられた挙句、火をつけられたのにはお前にも原因があると言われ、消火に10年以上もかかった」と表現するのが正しいです。

 情報の拡散の速さと、人間の思い込みの強さが合わさった事件と言えます。

データ流通・利活用を巡る新たな潮流

前述のWeb3.0を応用した技術として分散型自律組織(DAO)などが登場しています。

メタバースやデジタルツインはエンターテインメントのみならず、地域活性化や農業、防災などでも活用されています。
AIについても、ChatGPTや画像生成AIなどの発達が著しいです。

これらのサービスの普及には、Beyond 5G(6G)の実現が不可欠でしょう。

用語解説

分散型自律組織(DAO):ビットコインコミュニティのように、管理者がおらず意思決定をコミュニティ全体で行っている組織です。

メタバースインターネット上の仮想世界のことです。

デジタルツイン現実世界を仮想世界上に再現することです。

Beyond 5G(6G):「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」といった5Gの機能を、「超低消費電力」「超高速」「超信頼性」「超低遅延」「超拡張性」「超多接続」といった6つの機能に発展させた通信規格です。

デジタルツインはあまり聞き馴染みがありませんが、工場運営シミュレーションによる効率化や、気候変動シミュレーションによる防災などに使われています。

AZUKI
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デジタルツインや6Gは、これからますます活用の幅が広がりそうです!

過去問コーナー

最後に、令和5年度に出題された、流行りの技術がテーマの過去問の解き方を紹介します。

R5 第3問


〔解き方〕
Aですが、畳み込み層は隠れ層を構成する要素の一部ですので、隠れ層が正となります。
BとCですが、ニューラルネットワークは人間の脳細胞を模したモデルであり(シナプスはニューロン同士の接合部)、ニューロンへの入力を活性化(特徴を際立たせる)し出力する仕組みのため、ニューロンと活性化関数が正となります。
最後にDですが、メジャーな活性化関数の1つであるシグモイド関数が正となります。
よって正答は「エ」となります。

それっぽく解説しましたが、情報通信白書を読んだだけでは解けない問題です。
現場対応としては、誤差と活性化だったら活性化っぽいな~とか、ハッシュって暗号化で使う概念だったよな~、といった感じで絞っていくとよいでしょう。

※ハッシュは、暗号化の分野で最重要といっても過言ではない概念です。ハッシュと言われてピンとこない方は、テキストを見直すことをオススメします。

R5 第15問


[解き方]
ア 「DX」(Digital Transformation)は業務プロセス等の変革(やり方をガラっと変えてしまう)を指すので、×です。
イ それっぽいことが書いてあるので、とりあえず○で保留しておきます。
ウ Web3.0は記事で説明した通り、ブロックチェーン技術を用いた分散型のインターネットのことです。選択肢はWeb1.0→2.0への変遷についての記述なので、×です。
エ 人間の頭脳をロボットの頭脳に代替、という表現に違和感があるので、×です。
オ 「第三の波」はシンギュラリティ(人工知能が人間と同レベル以上になる)ではなく情報革命(情報化社会への移行)が起こるという考え方なので、×です。

知識としては、黄色マーカーで示している部分を覚えておけば十分です。
イとエとオからどれを選ぶか?ですが、エとオは「ロボットの頭脳に代替」「シンギュラリティが訪れる」といった、強い物言いになってて違和感があるので、一番選択肢として無難そうなイを選ぶ、といった感じで絞るとよいでしょう。

R5 第25問


〔解き方〕
現代人にとって非常に大切な情報リテラシーを問う、個人的にかなりの良問です。

Aは、ハロー効果が”目立つ特徴が全体の評価へ影響を与えてしまうこと”だと、企業経営理論を勉強していればわかるので、対の選択肢の集団極性化が正だとわかります。
Dのフィルターバブルは、記事内で出てきた用語ですね。あるいは、エゴサーチを自分(自社)のことを検索する行為であることを知っていれば、「ア」が正解だと導けます。

終わりに

情報通信白書を通じて、流行りの技術について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

この他にも、製造業におけるIIoT(Industrial Internet of Things)や、農業・金融業におけるICT活用(アグリテック・フィンテック)など、どの産業も情報による業務改革が欠かせない時代となっています。

最後に! 経営情報でわからない部分があったら、ぜひコメント書き込んでください!

AZUKI
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この時期の過ごし方と、やっておけばよかった事を紹介します!

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