財務会計:データ分析ーーNoisy Minorityに惑わされないーー

こんにちは。ハカセです。

今週からは「財務・会計」の完成答練週間ですね。

「財務・会計」と聞いて、「うえーんっ」と思う方も多いのではないかと想像します。特にストレート生にとって、財務会計はアレルギー科目downという人が多いかもしれません。一方、「財務会計で引っかかった!」というリベンジ組の皆さんもいらっしゃるかもしれませんね。今年に限ってはそんなに数は多くないかもしれませんが。

今週は、道場でも「財務・会計」特集を組みます。苦手な方の「挽回策」、得意な方の「伸ばし方」などもお伝えして行こうと思いますのでどうぞお楽しみに。

さて、今日はデータ分析です。

◇ 分析 ◇

まずは科目合格率

(データ出典:中小企業診断協会)

ご存知のように、これまで一桁台だった科目合格率が昨年は20%近くに急上昇しました。20%近くって、他の科目ではフツーの科目合格率なのですが(笑)、財務会計に限っては、非常に例外的な数字になっています。

次に科目「クリア」率を見てみましょう。

「科目クリア率」= (試験合格者+科目合格者) ÷ 科目受験者

(データ出典:中小企業診断協会)

繰返しになりますが、、「科目クリア率」とは、上記計算式で算出する、「当該科目を60点以上取れた人、または他の科目でカバーできた人」の割合です。正確な数字ではありませんのであくまでも参考値ですが、これを見ると、昨年はやはり急上昇していますね。試験を受けたヒトの内4割は何らかの形で「クリア」したことになります。

この易化の原因は何なんでしょう。それを解く鍵は「分野別出題数」及び「分野別正答率」にあります。こうやって分解して分析するところが診断士っぽいですか?

まず、分野別出題数を見てみましょう。

これまで一般的に「難しい」と見られてきた「ファイナンス分野」の出題がほぼ横ばいだった一方、「経営分析・原価計算・cvp」の分野の出題数が大幅に増えたのが昨年の特徴でした。

そして、分野別正答率を見てみると・・・

(データ出典:TAC / LEC)

このように、どれも正答率が上昇していますが、中でも「経営分析・原価計算・CVP」の分野の正答率が極端に上昇しています。

◇ 昨年の傾向 ◇

上記からお分かりのように、昨年の傾向は、

  • 経営分析・原価計算・CVP」の出題数が大幅に上昇
  • しかもその問題がかなり簡単だった
  • 「財務諸表」「ファイナンス」分野の正答率もそれなりに回復した
  • よって、平均点がかなり上昇した

ということがいえると思います。

◇ 今年の傾向 ◇

ふうじんが「どうしてもやれ」というので(笑)、「今年の傾向」というタイトルをつけてみましたが、そんなの分かったら僕が予備校を経営していますっ!(笑) でも、誰もが言えることとしては、

  • 易化しすぎた反動で、全体的な難易度が上昇する可能性あり?
  • 経営分析・原価計算・CVPの分野の問題数は減少する?
  • IFRSを睨み、簿記系の問題は出しにくい?
  • ということは、やはり、ファイナンスが増えるか?

という感じでしょうか。

◇ 傾向と対策 ◇

昨年易化したとはいえ、財務会計は still 苦手意識が強い受験生が少なくないのは確かです。では、財務会計は本当に難しいのでしょうか

下記は、TACの一次試験過去問題集が示す「難易度」を集計したものです。

(データ出典:「最短合格のための第一次試験過去問題集・
財務会計」TAC出版)

このように、よく見ると、

A・B難易度の問題が安定的に40-50%存在している

ことが分かります。これを、皆さんが「苦手」とするファイナンス分野だけを集計しなおしてみると、

(データ出典:「最短合格のための第一次試験過去問題集・
財務会計」TAC出版)

このように、やはり同じように、A・B難易度の問題が安定的に40-50%存在しています。C難度を含めると70-80%に上昇しますupwardright。意外に多くないですか?

つまり、

財務会計(ファイナンスも含む)を難しいと
恐れ過ぎる必要はない

ということです。

Silent Majority という言葉をご存知ですか? 「静かなる多数派」という意味です。この逆の言葉で Noisy Minority という言葉もあります。「物事を決める際、声が大きい人に影響されがちだが、実は彼らは少数派だったりする」ということです。日本の政治の縮図みたいですね。 w

財務会計が難しいと考える方、「Noisy Minority」に惑わされていませんか? 複雑なNPVやデシジョンツリー、取替え投資計算が出来なくて、それを躍起になってやっつけようとしてませんか? 一度立ち止まって考えてみましょう。それらが出来ないと、一次試験に合格できないでしょうか? それがために、もっと簡単な問題の扱いが疎かになっていませんか?

一方で、財務会計は「通過科目」として扱えないのが難しいところです。二次試験で財務会計はもはや「基礎知識」として使います。特に経営分析のところは「知ってて当たり前」。

二次試験も見据えると、

この段階から財務会計が「得意科目」にしておきたいし、
少なくとも「苦手科目」にはしたくない
ところです。

◇ おまけ ◇

最後に、道場執筆メンバーの昨年の答練成績を大公開。昨年は養成答練(基礎答練)が2度ありました。

点数だと分かりにくいかもしれませんが、昨年の上位20%の点数は、それぞれこんな感じ。

  • 基礎答練1 : 79点
  • 基礎答練2 : 70点
  • 直前答練1 : 64点
  • 公開模試  : 51点
  • 本試験: 不明なるも、恐らく74点ぐらい。

大体、各答練・試験のメンバーの最下位が上位20%のラインを形成しているという感じでしょうか。

ちなみに、ふうじん と アックル は簿記一級保持者です。JCは仕事で財務・資金管理をやっています。この3人は財務のプロフェッショナルといっても過言ではない。ZonE は理系出身のSEで数字にやや強いかもしれないけど、財務のプロというわけではない。残るハカセ(私)は、文学部出身。大学も英国社の学科しか受けなかったほど、大の数字嫌い。それでも、ボクも財務会計は苦手ではなかったし、二次試験で事例IVは得意でした。(ちなみに、ハカセ は、昨年の受験生時代、自分のブログで「答練成績」を大公開しています。よろしければ⇒こちらの「成績」というブログテーマにまとまっています)

自分は誰タイプなのか、どのラインを目指すのか、を検討する際の参考にしてくださいね。

こんな多彩な執筆メンバーが財務・会計にどういうアドバイスをするか、今週の道場のエントリーを楽しみにしてくださいね (*^_^*)
(・・・って、自分でハードル上げてどうする・・・)

by  ハカセ

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