チャ.ラ.オーが教える経済学講座 ~IS-LM-BP分析~ by s.t.o
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お疲れ様です!
地方受験生の味方、s.t.oです!
本日もチャ.ラ.オーの経済学の授業をお届けします。
重要な用語について、意味や暗記法を教えるよ~
今日は『IS-LM-BP分析』!
過去の授業へのリンク
今までやってきた授業はここから振り返れるよ~
IS-LM-BP分析とは
マクロ経済の重要論点!
意味
・財市場(IS曲線)、貨幣市場(LM曲線)、国際収支(BP曲線)を同時に分析する方法です。
・マンデル・フレミングモデルとも呼ばれます。
暗記法
意味を覚えるよりもグラフの形を覚えることが重要です。
次にそれぞれの曲線について見ていきましょう!
IS曲線
財政政策(国の政策)でシフトします。
意味
・IS曲線は財市場の均衡『Y=C+I+G(国民所得=消費+投資+政府支出)』を表します。
・C、I、Gの増加によって、IS曲線は右にシフトします。
(例)減税(消費意欲の増加)、公共工事の増加(政府支出の増加)
・反対に、C、I、Gの減少によって、IS曲線は左にシフトします。
(例)増税(消費意欲の減退)、公共工事の減少(政府支出の減少)
コロナ流行直後には、一時的に減税してはどうかという提案もあったね。
暗記法
1次試験対策としては、拡張的な財政政策(Gの増加)でIS曲線が右にシフトすることを覚えておいてください。
LM曲線
金融政策(日銀の政策)でシフトします。
意味
・LM曲線は貨幣市場の均衡を表します。
・金融政策によってマネーサプライが増えると、LM曲線は右にシフトします。
暗記法
今まで勉強してきた君たちなら何となく意味は分かるだろう。
理論を覚えることも大事だけど、試験対策としては感覚で理解することも大事!
マネーサプライ(≒お金)が増えれば、Y(国民所得)が増えるのは感覚で理解できるよね。
BP曲線
BP曲線は為替の話。
ここから話が世界規模になってくよ。
意味
・BP曲線は国際収支の均衡を表します。
・資本移動(国同士の資金のやりとり)が完全な場合、BP曲線は水平になります。
・資本移動がない場合、輸出=輸入となるBP曲線は垂直になります。
暗記法
・IS-LM-BP分析において、BP曲線は水平に描かれることが多いです。
・この時、BP曲線より上が円高、BP曲線より下が円安の状態となります。
高いところにあるから『円高』だね。
円高と円安
突然ですが問題です。
1ドル110円から1ドル100円になりました。
この時、円高になりましたか?円安になりましたか?
え~っと・・・
はいっ!そこまで~
円高と円安って分かりづらいですよね。でもこう聞かれたらどうでしょう?
1ドル110円が1ドル100円になりました。
この時、ドル高になりましたか?ドル安になりましたか?
1ドルが110円から100円に安くなっているから・・・
ドル安?
正解~
そうなんです。私たちは普段『円』を使うので、円高と円安という言葉で為替を理解しようと思ってしまうのです。
しかし、本来為替は外国の通貨の価値を表しているものなので、ドル高、ドル安で考えた方が理解はしやすいはずです。
そして、ドル高=円安、ドル安=円高ですので、1ドルが100円になったらドル安=円高になったと言えます。
次の問題いくよ~
円高の時、輸出に有利ですか?輸入に有利ですか?
え~っと・・・
はいっ!そこまで~
これも悩みますよね。『円高=円の価値が高い』ということは大丈夫かと思います。
ポイントは、買う人(消費者)の気持ちになって考えることです。
①輸出=海外の人が消費者の場合
円高の時、海外の通貨の価値は下がります。この時、海外の消費者にとって購入意欲は高まる(輸出は増える)でしょうか?
②輸入=日本の人が消費者の場合
円高なので円の価値が高くなっています。この時、消費者の購入意欲は高まる(輸入は増える)でしょうか?
答えは②ですね!
つまり、円高だと輸入に有利になります。
逆に円安だと輸出に有利になりますね。
最終問題だよ~
日本国内の金利が上がりました。
この時、円高になりますか?円安になりますか?
え~っと・・・
はいっ!そこまで~
これも悩みますよね~
ポイントは『需要』と『供給』です。
金利が高いお金と金利が低いお金のどっちが欲しいですか?
何かよく分からないけど、金利が高い方が儲かりそうね。
金利が高い方が欲しいわ。
そうだね。
つまり金利が高い方が需要が高くなるね。
そして需要が高くなると、そのものの値段は上がりますよね。
つまり、日本国内の金利が高くなると円高になります。
まとめ
●1ドル110円から100円になるとドル安(=円高)の状態である。
●円高の時、日本の消費者の購入意欲が増す(=輸入が増える)。
●日本国内の金利が高くなると、円の需要が増える(=円高になる)。
【実践】IS-LM-BP分析
ケース① 資本移動が完全、変動相場制の場合の財政政策
資本移動が完全 ⇒ BP曲線が水平
変動相場制 ⇒ 金利が変動する
財政政策 ⇒ IS曲線が右にシフトする
①拡張的な財政政策でIS曲線が右にシフトします。
②IS曲線とLM曲線の交点が移動し、利子率が増加します。
③利子率の増加により円の需要が増え、円高になります。
④円高になったことで日本の消費者の購入意欲が増して輸入が増加し、国民所得は減少(※)します。
⑤国民所得の減少でIS曲線は左にシフトし、IS曲線とLM曲線の交点は元に戻ります。
⇒効果なし
(※)IS-LM-BP分析では、国際収支(BP)を考慮するため、財市場の均衡式は『Y=C+I+G+EX-IM(国民所得=消費+投資+政府支出+輸出-輸入)』となります。そのため、輸入(IM)が増えると国民所得(Y)は減少します。
ケース② 資本移動が完全、変動相場制の場合の金融政策
資本移動が完全 ⇒ BP曲線が水平
変動相場制 ⇒ 金利が変動する
金融政策 ⇒ LM曲線が右にシフトする
①金融政策でLM曲線が右にシフトします。
②IS曲線とLM曲線の交点が移動し、利子率が低下します。
③利子率の低下により円の需要が減り、円安になります。
④円安になったことで海外の消費者の購入意欲が増して輸出が増加し、国民所得は増加します。
⑤国民所得の増加でIS曲線は右にシフトし、IS曲線とLM曲線の交点は右にシフトます。
⇒効果あり
ケース③ 資本移動が完全、固定相場制の場合の財政政策
資本移動が完全 ⇒ BP曲線が水平
固定相場制 ⇒ 金融政策で金利を元に戻す
財政政策 ⇒ IS曲線が右にシフトする
①拡張的な財政政策でIS曲線が右にシフトします。
②IS曲線とLM曲線の交点が移動し、利子率が増加します。
③利子率の増加を抑えて元の水準に戻すため、円の量を増やす金融政策を行います。
④円の量が増えたことでマネーサプライが増加(LM曲線が右にシフト)し、IS曲線とLM曲線の交点は右にシフトします。
⇒効果あり
ケース④ 資本移動が完全、固定相場制の場合の金融政策
資本移動が完全 ⇒ BP曲線が水平
固定相場制 ⇒ 金融政策で金利を元に戻す
金融政策 ⇒ LM曲線が右にシフトする
①金融政策でLM曲線が右にシフトします。
②IS曲線とLM曲線の交点が移動し、利子率が低下します。
③利子率の低下を抑えて元の水準に戻すため、円の量を減らす金融政策を行います。
④マネーサプライの減少でLM曲線は左にシフトし、IS曲線とLM曲線の交点は元に戻ります。
⇒効果なし
おまけ
ふぅ。
今回は中々ハードだったんじゃないか?
試験まで1か月を切りましたからね。
皆さん、体調には気を付けてくださいね。
さいごに
明日はおのDです!
任せて!
☆☆☆☆☆
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