チャ.ラ.オーが教える経済学講座 ~金融政策~ by s.t.o

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それでは本日もチャ.ラ.オーの経済学の授業をお届けします。

重要な用語について、意味や暗記法を教えるよ~

今日は『金融政策』!
過去の授業へのリンク

今までやってきた授業はここから振り返れるよ~
前回の復習

貨幣市場についてまとめたよ。


今日はここをさらに深堀していくよ。
金融政策

金融政策といえば代表的な政策が3つ!
意味
- 金融政策とは何ですか?
-
日本銀行は、わが国の中央銀行として、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資するため、通貨及び金融の調節を行うこととされています。
~略~
こうした中央銀行が行う通貨及び金融の調節を「金融政策」と言います。
出典:日本銀行HP
・金融政策には、①公開市場操作、③法定準備率操作、③公定歩合操作の3種類があります。
暗記法
金融政策は、物価の安定のためにお金の量を操作する政策です。

『操作』ってカッコいいよね。
物価の安定とは?
物価とは物の価格のことです。
物価が上がっている状態をインフレーション(インフレ)、下がっている状態をデフレーション(デフレ)と言います。
物価の安定とは、物価が上がったり下がったりを繰り返して経済に悪影響を及ぼさないようにすることです。
ちなみに物価が上がりも下がりもしない状況のことを安定とは言いません。
経済が成長していくためには、物価も少しづつ上がることが望ましいとされています。
そのため、日本も含め、多くの国が前年より物価が2%上昇することを目標にしています。
どうやって安定させる?
物価とお金の価値は表裏一体です。
物価が低いということは、お金の価値が高いということです。
そのため、物価を高くするためにはお金の価値を下げれば良いことになります。
それではお金の価値を下げるには、「お金を増やす」と「お金を減らす」のどちらが良いでしょうか。
これは第2章 需要と供給で学びましたね。

需要曲線(D)を見てください。数量(Q)が増えるほど価格(P)が減少していますね。
つまり、市場に出回るお金=マネーサプライを増やせば、「お金が欲しい」という気持ちは少なくなり、お金の価値が下がっていきます。
その結果、相対的に物価は上昇します。
日本銀行は、このようにマネーサプライを操作することで物価を操作しているのです。

理屈はそうだけど、実際はそんな簡単な話ではないよ。

それじゃあ3つの政策について説明しよう。
金融政策その1 公開市場操作

最初の図のこの部分のことだよ。

意味
・日本銀行が国債を売ったり買ったりしてお金の量を操作すること。
・日銀が国債を買えば、国民にお金が渡るので市場に出回るお金=マネーサプライは増加します。反対に国債を売れば、国民からお金をもらうので、マネーサプライは減少します。
・日銀が国債を買うことを買いオペレーション(買いオペ)、国債を売ることを売りオペレーション(売りオペ)と言います。

またまた出張・巻末ゴゲン講座!
操作=オペレーションだよ。
暗記法
公開市場とは、株や債券を売買する場のことです。
国債の売買でマネーサプライを操作するので、公開市場操作と呼ばれます。

3つの金融政策の中で、最もよく使われるのが公開市場操作だよ。
金融政策その2 法定準備率操作
『法定準備率』ってどこかで聞いたような・・・


さっき復習したよ?


この部分だね。
法定準備率とは?
意味
・銀行は人から預かったお金(預金)を人に貸して金利で儲けるというビジネスモデルです。
・しかし、銀行に全ての預金の管理を任せると、緊急時に銀行のお金が無くなる危険があるため、日本銀行が預金の一部を管理しています。そのお金を法定準備預金(R)と言います。
・また、預金(D)のうち、法定準備預金に回す割合のことを法定準備率(r)と言います。

暗記法
法律で定められた、日本銀行に預ける準備が必要な預金です。

それでは『法定準備率操作』について説明します。
意味
・日本銀行が法定準備率を上げたり下げたりすることで、銀行が持つお金の量を操作すること。
・法定準備率を上げると、日本銀行に預けるお金が増えるため、銀行のお金(市場に出回るお金=マネーサプライ)が減ります。
・反対に、法定準備率を下げると、日本銀行に預けるお金が減るので、マネーサプライは増加します。
暗記法
法定準備率の意味を理解すれば、どのような時にマネーサプライが増減するかが分かると思います。
金融政策その3 公定歩合操作

今は主流ではないけど試験上は覚えておこう。
意味
・銀行が融資をする時に日本銀行からお金を調達しますが、以前は、銀行が日本銀行に支払う金利『公定歩合』によって銀行が融資する時の金利が決まっていました。
・しかし現在は金利の自由化により『公定歩合』という言葉はなくなり、金融政策への効果も限定的となっています。
・理論的には、公定歩合(銀行が日本銀行に支払う金利)を上げれば銀行はお金を借りたくなくなるため、銀行のお金(市場に出回るお金=マネーサプライ)が減ります。
・反対に、公定歩合を下げると、日本銀行に預けるお金が減るので、マネーサプライは増加します。
暗記法
金融政策は、効果のある順に、①公開市場操作、②法定準備率操作、③公定歩合操作です。
おまけ

久しぶりの登場だ。
今日学んだことが実生活にどう反映されているか、特別に教えよう。
現在の日本銀行の金融政策について
・今年の4月までの10年間、日本銀行の ドン 総裁は黒田東彦さんが務めた。
・この10年間、物価上昇目標2%の達成のため、異次元の金融緩和が行われた。
・主な内容は、①マイナス金利政策と②買いオペ(今回学びましたね)の推進。
・①により国民は銀行からお金が借りやすくなり、②でマネーサプライも増加したため、市場には大量のお金が流通した。
・しかし、結果として2%の物価上昇は達成できなかった(想定よりも賃金が上昇せず、国民の消費マインドが回復しなかったためと言われています)。
・そんな中、今年の4月に日本銀行の ドン 総裁が植田和男さんに交代。
・植田和男さんは経済学者。黒田さんの異次元金融緩和を引き継ぐかどうかが注目された。
・植田さんは就任会見で異次元金融緩和を引き継ぐと発言。
・しかし、ロシアとウクライナの戦争の影響で物価は2%以上の上昇を見せており、今後の政策に注目が集まっている。
さいごに

明日はおのDです!
はいよ~

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言葉足らずで申し訳ありません(コメントの続きです)。
要するに、道場が「試験後も役立つ知識をも提供可能な場」であれば、道場およびこれから診断士になられる方々にとって、そして社会にとって更に有益であると考えています。それに近づけるためのご提案とご理解いただけますと幸いです。
Shinjiさん
コメントありがとうございます!
今回の内容は、『試験後も役立つ内容』と『試験に合格するために役立つ内容』のバランスを取るのが非常に難しいものでした。
多くの読者の方は診断士受験生と思われるため「もっと点数に直結する情報を」というご意見もあろうかと思いますが、今回は後者に重きを置きました。
その中で今回のコメントのようなご意見をいただけることは非常にありがたく、勇気ももらうことができました。
今後のテーマ選定に非常に参考になりましたので、お気づきの点がありましたらまたご連絡ください!
引き続きよろしくお願いいたします。
道場の皆さま
ご多忙のところ、執筆活動お疲れ様です。
中小企業診断士として活動している者です。試験勉強の際は大変お世話になりました。
私の知人にも試験学習中の者がおり、よく道場のお話が出てきます。
最近の記事を読ませていただきました。
不躾で申し訳ありませんが、ご提案と言いますか、一言申し上げさせていただきます。
理論が実社会にどう適用されているかを、記事の中でさらに充実されてはいかがでしょうか。
例えば今回の経済学・経済政策科目では、現在の経済状況を把握し、どのような金融政策、財政支出を行えば経済がより良くなるかが自分なりに理解できると考えられます。
※中小企業診断士として活動している中で、最近特に求められていると感じる能力としては、「将来を創造する力」と考えています。試験科目で謳っていることを応用することで当該力を養うことにつながると考えていますし、活動を通して実感しているところです。
上記は見直しもしていない文章ですので、失礼な文体・誤字脱字あれば申し訳ありません。道場の皆さまの今後益々のご活躍をお祈りいたします。
Shinjiさん
コメントありがとうございます!
上記の追加コメントに返信しておりますのでご確認ください!
とても分かりやすい内容で助かりました。個人的に経済が1番苦手なので、とても感謝しています。今後も期待しています!よろしくお願いします。
ぴーすけさん
コメントありがとうございます!
少しでも分かりやすくなるよう考えながら作成しているため、そのように言っていただけると励みになります。
今回の内容が本番の得点アップにつながれば、なお嬉しいです。
本番頑張ってください!応援しています。