経済学のための数学基礎 byさたっち
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全速前進ヨーソロー!さたっちです。
今日から6月に入りましたね!
一次試験まであと2ヶ月のこの時期、いかがお過ごしでしょうか?私は梅雨で頭が痛くなるので、夏が待ち遠しいです。
本日は経済学の理解を深めるための数学をお届けします。
本日のサマリー
本日はまとめシート・コラボ企画です。
経済学では数学を活用しますが、そのためだけに数学を全て学び直すのは非効率的です。
目的を「中小企業診断士試験の経済学で科目合格を取る」ことに絞った場合、最も効率的に数学を学び直すには参考書「一発合格まとめシート後編 著:野網美帆子」がオススメです。
道場ブログをお読みの方にはお馴染みですね!
本書は、一発合格道場の9代目・きゃっしぃさんこと野網美帆子さんが執筆されている本です。
本書には、「最低限覚えてほしい経済学で使う数学」という節があり、この節で経済学で得点するために必要な数学が綺麗にまとめられています。本日はこの節の内容を元に、さらに基礎的な内容に踏み込んだ解説をします。
もちろん、まとめシートをお持ちでない方にも理解して頂ける内容となっております。
対象読者
- 経済学が苦手で数学も苦手な人
- 数学の理解にチャレンジしたい方
前置き:経済学と数学
皆さんは経済学の科目は得意ですか?
苦手だと解答される方の多くは、実は数学が苦手で理解ができないという方が多いのではないかと思います。
14代目に聞いてみたところ、
TACに入塾した時、経済からスタートで診断士ダメかと思った。
といった声がありました。
そういった方は暗記でなんとか乗り切ろうとしているのではないでしょうか?
もちろんそれも手段の1つですが、経済学は数学を理解した上で手を動かしながら勉強していくとすごく面白い科目です。
実際14代目でも、
最初はとっつきづらかったけど、
過去問を解きながら数学知識を思い出していったよ。
最終的には得意科目だった!
といったメンバーもいます。
楽しみながら勉強できれば、それが最強だと思いませんか?
1次試験まで残り2ヶ月、6月中は理解を深めながらじっくり勉強するラストチャンスです。
診断士勉強のための数学
中小企業診断士に限らず、経済学のテキストには数学は理解している前提で話が展開されています。
高校まで数学が得意だった人であれば、スンナリと理解していけますが、苦手だった方はつまづきながら勉強することになると思います。
一念発起して「高校数学から勉強し直そう!」と思って書店で参考書を購入しても、例えば「xとx*って何やねん!」となって、結局理解を諦めてしまう方も多いのではないでしょうか?
また、高校数学の参考書では当然経済学に関係のない分野もあるので、数学が苦手な方には、なおさらどこまで勉強すればよいかわからない状態になりがちかと思います。
だからこそ、中小企業診断士試験向けに書かれた「一発合格まとめシート後編」の「最低限覚えてほしい経済学で使う数学」の節を理解していくことが、経済学の理解も深まり、経済学の得点もアップする最も効率的な方法だと思います。
本編
(本日の記事は一発合格まとめシート後編より一部引用させて頂いております。)
数学の勉強方法
まとめ
数学はとにかく手を動かす!
まず始めに、数学の勉強方法からお伝えします。
数学は紙とシャーペンを用意して、書きながら勉強していくことをオススメします。
私は家庭教師のアルバイトで、数学が苦手な生徒を多く見てきましたが、数学が苦手な人ほど手を止めてウンウン唸っている人が多いです。
そういった生徒にはいつも、
「数学はスポーツ。」と伝えてきました。
例えば、野球で打てるようになりたい人がバットの振り方を言葉だけで教えて貰っても、打てるようにはならないでしょう。
理論はそこそこに実際に振ってみて、振り方を覚え、そして打席に立って何度も試す内に、打てるようになっていくはずです。
すぐに理解できないからと諦めるのではなく、手を動かして書いていくと「わかる」瞬間が来ます。
苦手な人こそ、紙とシャーペンを用意して、自分で書きながら今日の記事に取り組んでみて下さい。
文字式と分数
まとめ
分数の大小は具体例で判断!
経済学では分数の文字式が出ます。分子の数字が増えると値が大きくなり、分母の数字が増えると値が小さくなります。ここを具体例で勉強します。
この大小はさすがにパっと理解できるのではないでしょうか?もちろん、1/2の方が大きいです。
細かく見れば、分母の値が2→3に大きくなることで、数値としては小さくなっています。
迷った時はこれくらい単純化してノートの隅っこに書くと簡単に判断できます。
分母が無限大(∞)になると0になる
まとめ
棒の長さで無限大を理解せよ!
続いて、「分母が無限大(∞)まで大きくなると値は0になる」を解説します。
下の図をご覧下さい。(スマホの方はタップして、画面を横にして下さい。)
1という数字は分数で表すと1/1です。分母の数字が1→10→100→1000→・・・と大きくなっていく度に、棒の長さがどんどん短くなっていきます。この分母の数をどんどん大きくしていき、「分母の数字が無限大まで大きくなった時に、この値はゼロになる」と考えられているため、分母が無限大の時はゼロになると計算します。
(無限大、というのは本来存在していないので、本当にそうなるかどうかは誰もわからないです。数学の世界ではそう考えられているんだ、くらいの気持ちで受け止めて下さい。)
1次関数とグラフ
(このパートは少し長いです。)
まとめ
グラフとは点の集まりである!
一次関数のグラフ、と言われると以下のような図を想像する方が多いかと思います。
数学のテキストでは、「一次関数はy=ax+bと表し、aは傾き、bは切片を指す。」と記載されていることが多いかと思います。数学が苦手な方はこれを感覚的に掴むのが難しいかと思いますので、掘り下げて解説します。
まず皆さんに覚えて欲しいのは「グラフとは、点の集まりである」だということです。
理解して貰うための例として、x = y を出発点に考えます。
まず始めに、x = y となるx,yの数字の組み合わせを考えます。そうすると、(x,y) = (0,0)、(1,1)、(2,2)、・・・など、いろいろと思い浮かべることが出来ます。
ではこの値をグラフにプロット(点を打つ)することを考えます。
グラフの前に数直線から考えます。x=2となる数直線上の位置にプロットせよ。と出題された場合、以下のようになります。
続いて、y=2となる位置へのプロットは以下の通りです。
では、(x,y)=(2,2)をグラフにプロットしたい時はどうするか?
2つの数直線の原点(ゼロのことです)を重ね合わせて、x=2 と y=2 の点から上下に点線を伸ばし、重なり合うところに点を打ちます。
では、ここに(x,y) = (0,0)、(1,1)、(2,2)・・・もプロットしていきましょう。
x = y となるのは整数だけではありません。(x,y)=(1/2,1/2),(1/3,1/3),(3/2,3/2)など、x=yの点をどんどんたくさんプロットしていきます。
この点が大量に集まった結果、
直線に見える。これが、x = y のグラフです。「グラフとは、点の集まりである」とはこういう意味です。等式を満たす値をひらすら点を打って行けば、どんなグラフでも描画できます。
切片と傾き
まとめ
傾きとは、xが1増えたときにyがどれだけ増えたか!
では、冒頭のy=2x+1のグラフって何なのか?それはy=2x+1を満たす、xとyの組み合わせをひたすらプロットしたものです。
このように点の集まりとして、根気よくプロットしていけば、どんなグラフでも描画できます。
しかし、それを毎回やっていては大変なので、傾きと切片という言葉を導入します。
切片と傾きは定義なので、覚えて下さい。切片はx=0の時のyの値、傾きはxが1増えた時に、yがどれだけ増えるかを表します。
この傾きと切片を見ることでグラフの直線がどんな形になるかわかるので、どんな参考書でも「一次関数はy=ax+bと表し、aは傾き、bは切片を指す。」と書かれているわけです。
傾きの大小
まとめ
傾きの値が大きい=傾きが急
経済学のテキストでは、「傾きが急/緩やか」という言い回しがよく使われます。
傾きが急、というのは傾きの値が大きいということです。
この傾きの大小を理解するために、次は y = (1/2)x+1のグラフを考えます。
(パッと書けないよ、という人は先ほどのグラフは点の集まりであることを思い出して、地道にプロットして下さい。)
2と1/2の数字を比べた時には、2の数字の方が明らかに大きいです。つまり、傾きが急と表現します。
そして、この傾きの値が大きくなっていくと、グラフは垂直に近くなっていきます。
傾きが∞まで大きくなった時にグラフは垂直になります。(図は次の項に載せます。)
問題を解くのによく使う傾き
続いて、経済学を使うのによく使う傾きを1つのグラフにまとめて提示します。
どうして、こうなるかは手を動かして確かめてみて下さい。
傾き無限大(∞)は傾きがだんだんと大きくなっていき、最後にはほんのわずかにxが増えるだけで、ものすごくyが増えてしまうというイメージです。
微分の計算
まとめ
微分の計算はパズルで覚えよ!
微分は理論からまともに追うと訳がわからなくなりやすい分野です。
微分は以下のイメージで覚えておくとよいです。
を微分せよと言われたら、
xの肩の数字を前に下ろして、肩の数字は-1です。
その結果、
になります。
続いて、乗数(肩の数字)が小さいものをまとめて載せます。
ただのxには肩の上に1という数字が隠されています。そのため、cxは微分すると1cとなります。文字式では係数が1の時は省略されるので、cと書いて下さい。xが付いていない数字(上図のd)は微分すると0です。
このルールで計算できるように手を動かして慣れましょう。
次にこのルールで解答できる過去問を紹介します。
微分を使う過去問解説
平成25年度第16問を使って微分の実際の計算例を示します。
問題文中の限界費用とは、総費用の数式を微分することで求められます。
計算すると以下の通りです。
(*は掛け算のことです。)
肩の数字を下した後に、元の係数ときちんと掛け算をすることがポイントです。
そうすると、限界費用はaになります。
(発展編)微分と傾き
まとめ
- 微分とは傾きを求める計算である。
- 傾きは、経済学において有用。
本日のインプットの最後です。
微分は一見すると、ただ文字式と乗数で遊んでいるだけに見えます。
しかし、きちんと数学的な意味があります。それは、微分するとグラフの傾きが求められるということです。
例えば、下のようなグラフがあって、赤丸の位置の傾きを求めたいとします。
1点だけでは傾きが求められないので、グラフ中にもう1つ点を取ります。(図中青丸)
2点を結べば、直線を描けます。
その直線の傾きは計算が可能です。(図中緑線)
実は微分という計算は、この青丸を赤丸に近づけていくということを指します。
この青丸を赤丸と重なるまで動かせば、
2点間の傾きが、その1点の傾きになります。
この計算式は複雑で、一般的な数学の教科書だと微分の説明がその計算式から始まります。
そのために、わからなくなってしまう方が多いのですが、実はその複雑な式で計算すると、さきほどのがになるだけです。
実用上では、上の図のイメージとこの文字式の計算方法だけ押さえておけば大丈夫です。
じゃあ、なぜこんなことをしてまで傾きを求めるのか?
それは、経済学の世界では限界〇〇が求められることです。
さきほどの過去問は限界費用を計算させる問題でした。
限界費用とは生産を1単位増やした時に費用がどれくらい増えるかを指します。
だから費用関数を微分すると限界費用になります。
今日はこれ以上踏み込んだ解説はしませんが、気になった方は過去の記事もご覧ください。
最後に
本日は経済学のための数学基礎をお届けしました。
何度でも言いますが、経済学は数学がわかれば面白い!
だからこそ手を動かして勉強してみて下さい!
最後に9代目きゃっしぃさんが道場の執筆をされていた頃の記事をご紹介します。
明日は「ビジュアルの魔術師」はっしー!
財務・会計もビジュアル化しちゃうよー!
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