【簡単解説】コンピテンシーをやさしく解説します byさろ
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どうも、さろです。
まずはお知らせです。
8月11日に「夏ロケットスタートセミナー」を開催します。2次試験を初めて受験される方向けの内容となっています。
1次試験を終えて自己採点をし、合格点に届いていそうだという方は祝杯をあげたいと思っているころだと思いますが、セミナーへのお申し込みを忘れずに。
去年の私は、セミナーの存在自体を知るのが遅くて申し込みに全く間に合いませんでした。。。
しかしまずは、
1次試験が終わるまで、1次試験のこと最優先です。
これは変わりません。
さて、今回は企業経営理論の「人的資源管理」について書きたいと思います。
人事評価(360°評価)に関する記事は、先日リットが書いてくれています。
360°評価は最近取り入れられ始めた比較的新しい人事評価制度だと思います。
人的資源管理の全体像として「職能資格制度」について書いた上で「コンピテンシー」について書きたいと思います。
この分野は1次試験で問われるのはもちろんですが、そのまま2次試験の事例Ⅰでも使う知識となります。
実務でもすぐにいかせる分野ですので、イメージしやすいように実務を交えて学んでいきましょう。
とは言ってみたものの、コンピテンシーって、つかみどころがないんだよなー
わしは研究者ドクター・サロじゃ。おぬし、困っておるようだから助けてやろうではないか。
(なんか怖いけど、お願いしちゃおう。)
わしの最高傑作「人造人間」が代わりに解説するぞ。
お疲れ☆ちゃん。まずは人的資源管理について、いっちゃうZE!
人的資源管理
最近では「人材」のことを「人財」と呼んだりもしますよね。
会社の経営資源として挙げられるのは、ヒト・モノ・カネ・情報ですが、人財(ヒト)は1番目に挙げられるほど、最重要視される経営資源です。会社の経営目標を達成していくためには、人財のもつ知識、能力、スキルを最大限に活かす、人的資源管理が必要になります。
かつて、高度成長期にあった日本企業の多くは「年功主義」の賃金制度を採用していました。すなわち、年齢(職歴)に応じて給与を支払い、年配の管理職ほど給与を多くもらえるというものです。
しかし、バブル崩壊に伴い、この制度では行き詰まりを感じるようになってきました。そこで年功主義から脱却するために注目されたのが、「成果主義」で、結果に対して評価を行います。経営成果が低ければ報酬も少なくなるため、人件費コストをコントロールするには便利な手法とも言えます。
しかし、年功主義に慣れていた社員に対し、急に成果を要求すると、ついて行くことが出来ず、モチベーションが下がり、退職率が上がってしまうという状況もあったようです。
職能資格制度
職能資格制度とは、その名のとおり、労働者の能力(職能)に応じて等級付けを行う人事評価制度です。
具体的には、個々の職務遂行能力によって等級を分類し、その等級に応じて配置や昇格・昇給を決定するというものです。個人の能力に基づいた評価を行うことで、人材育成や自己啓発を促すのが目的とされています。
「年功主義」という考え方は、職能資格制度の一つの側面です。社歴、年齢、学歴によって、職務遂行能力が変わっていくだろうという考えであるためです。
ただし、職能資格制度は「年功主義」に加えて、評価対象者が持つ「能力」、その能力を活用して職務を遂行する「プロセス」、そして「成果」を評価基準とするべきという考え方で、新しい能力主義とも言える制度と言えます。
この中で評価対象者がもつ能力を、できるかぎり科学的に把握しようとしたのが、コンピテンシーです。(コンピテンシーは後ほど詳細を説明します。)
職務等級制度
職務等級制度とは、担当する職務の内容や困難度によって待遇を決める人事評価制度です。
業務内容や範囲、求められるスキル等を職務記述書(ジョブ・ディスクリプション)で明確にし、その達成度合に応じて賃金を支払います。同じ職務であれば、職場・学歴・年齢・個々の能力等に関係なく同じ賃金が支払われます。
「成果主義」という考え方は、職務等級制度と非常に相性がいいです。
以上、職能資格制度と職務等級制度の特徴をまとめてみましょう。
職能資格制度 | 職務等級制度 | |
---|---|---|
評価基準 | 職務遂行能力 | 職務内容 |
特徴 | 仕事をこなすほど能力も上がる前提 (年功主義、終身雇用) | 職務の価値と業績に基づく (成果主義) |
賃金 | 努力や能力によって変動 基本的に降格しない | 職務内容によって変動 評価によって増減する |
キャリアパス | ゼネラリストを育成 長期的な人財育成 他部署と連携しやすい | スペシャリストを育成 分業により生産性を向上させる |
どのような問題が出題される??
職能資格制度について、1次試験で過去に出題された事例があるので、見てみましょう。
令和元年企業経営理論 第21問を以下に引用します。
職能資格制度について、適切なものを選ぶ問題でした。
ア:社内で求められる能力の定義は、会社によって独自に決められるものでしょうから、社外で普及している職業資格の体型には準拠しないでしょう。
イ:職務遂行能力の上昇が認められれば、社内等級(報酬ランク)は上げられます。正しいですね。
ウ:職務ではなく、能力で評価されるので、職種が変わっても同じ評価尺度が受けられるので、ゼネラリスト育成に向いています。
エ:職務遂行能力は経験年数に応じて上がる、というのは正しい。ただし職能資格制度はあくまで職務遂行能力に基づくものであり、年功主義的な人事管理は基盤というよりは、一つの側面と考えるべきなので、間違い。(個人的にはすごくややこしい選択肢だと思います。)
70号、ありがとう!
燃料(ビール)さえもらえば、へーきってもんよ☆
つづいて、コンピテンシーいっちゃうYO!
コンピテンシー
コンピテンシー(Competency)とは、職務で一貫して高い業績を出す人の行動特性のこと、と一般的には訳されています。たぶん、1次試験を受けるための知識としては、これを丸暗記していれば十分です。
ただ、せっかくなので、もっと深掘りして調べていきたいと思います。コンピテンシーは英単語なので、英英辞典で調べてみます。(ちなみに私がよく使う英英辞典はDictionary.comというオンラインのものを10年前くらいから変わらず使ってます。)
すると、
the quality of being competent; adequacy; possession of required skill, knowledge, qualification, or capacity
と出てきました。めんどうなので、これを翻訳ソフトに突っ込むと、
有能であることの質; 妥当性; 必要なスキル、知識、資格、または能力の所持
となりました。英語オリジナルでは行動特性という意味ではなく、あくまでスキル、知識を合わせた統合的な能力なんですね。
ただし、能力というものは、目に見えるものではなく、評価することが難しかったために、日本では「コンピテンシー=行動特性」という解釈にいきついたのだと言われています。
氷山モデル
コンピテンシーを理解するときにしばしば引用される概念図が、
Spence&Spencer(1993年)による”The Iceberg Model”いわゆる氷山モデルです。
図の左側に示したのが個人の能力です。
このうち、氷山の上部(目に見える)に示した「知識」「スキル」は、能力開発がしやすいとされています。
知識であればテストなどの点数でわかりますし、スキルも資格を保有することなどでわかります。
一方で、氷山の下半分(隠れている)に示した「価値観」「性格」「動機」は、開発がしにくいとしています。
ただし、氷山モデルが強調しているのは、
氷山の目に見える部分よりも、隠された部分の方がコンピテンシーとしては重要である、ということです。
再現性が重要
先ほどの氷山モデルで右側に示したのは、個人の能力と行動との関連です。
例えばある個人が、「戦略論」の知識、「傾聴力」のスキル、「責任感」という価値観は、「目立ちたがり」という性格、「人の役に立ちたい」という動機という能力を有していたとします。この個人はこれら様々な能力が有機的に組み合わさった結果として「高いリーダーシップの行動」を取るのであり、それは運が良くてリーダーシップを取ったのではないということです。
すなわち、再現性高くその行動が起こすことができるということが、コンピテンシーを考える上で重要なことです。
若干余談ですが、「再現性」と聞いて思い起こすは、我らが13代目あらきち
再現性を高め、得点の安定度を高めることを意識しているというのは、まさに試験で高い得点を取る能力を備えているのだと改めて思いました。
どのような問題が出題される??
コンピテンシーについて、1次試験で過去に出題された事例があるので、見てみましょう。
令和2年企業経営理論 第22問を以下に引用します。
ド直球に「コンピテンシー」とは?という問題でした。
ア:コンピテンシーは行動特性なので、個人的な成果は含まれないです。
イ:性格やパーソナリティもコンピテンシーに含まれます。(むしろ、それこそコンピテンシー。)
ウ:組織内外の人々との良好な関係性自体はコンピテンシーに含まれる可能性があります。ただし、その結果である業績はコンピテンシーではないです。
エ:まさにその通りで「行動特性」はコンピテンシーです。正しいです。
10000号、ありがとう!
語呂合わせのスキルが、私のコンピテンシー
受験生想いっていう性格もね。
勉強熱心なおぬしのために、もうちょっとだけサービスじゃ
おまけ
稼げる診断士のコンピテンシー
2021年6月号の「企業診断」vol.68において、『これが「稼げる診断士」だ ―コンピテンシー徹底分析』という特集記事が組まれていました。活躍されている3名の中小企業診断士のコンピテンシーについて書かれています。
私としては、茨城県を拠点に活動されている清瀬和彦さんの記事が印象的でした。まとめのところの行動特性だけ引用させていただくと、以下の3つとのこと。
<稼げる診断士の行動特性 (清瀬和彦さん)>
- 私心を捨てて役に立つ信念と努力
- とことん相手の心の内に入り込む熱意と愛情
- プロであることを見せびらかさない謙虚さ
これらのコンピテンシーを、レスポンスの早さ、挨拶、お礼などの当たり前のことを当たり前にやることで可視化しているとのこと。特別なことではないからこそ、ブレずに継続することで信用を得ることが大切なのだとか。・・・心に響きます。
私は近所の図書館で読みましたが、是非バックナンバーなどを取り寄せて読んでみて欲しい記事です。
大谷選手のマンダラート
メジャーリーグで大活躍中の大谷選手が、高一の冬に作成したという夢実現シート(マンダラート)です。引用元はこちら。
これを見たとき私は衝撃を受けました。高校生が作るレベルのものじゃないな、と。私自身、これを真似て自分のマンダラートを作ってみましたが、まずここまで項目が埋まらない。。。
野球選手なので、スピード、コントロール、変化球とかいう要素が入っているのは、まあ当たり前なのですが、左下の3つ、メンタル、人間性、運を考えているところが凄いなと思いました。特に「運」のところがすごいです。
細かい項目をみていくと、「あいさつ」「ゴミ拾い」「部屋そうじ」「審判さんへの態度」「本を読む」「応援される人間になる」「プラス思考」「道具を大切に扱う」。
いやー凄い。「運」と書いていますが、これ思いっきりコンピテンシーですよね。これらの行動を当たり前に行うことで、「運」が舞い込んできて、大きな成果をもたらす、と考えていることがよくわかります。
(うちの息子に同じもの書かせてみたいわ。。。)
以上じゃ。また会おう。
ありがとう、ドクターサロ。
(見返りに改造されるかと思ったけど大丈夫だったわ。)
さいごに
以上、人的資源管理の職能資格制度とコンピテンシーについて、わかりやすく解説してみました。
この知識は1次試験で使うのはもちろん、2次試験の事例Ⅰでもそのまま生きる知識となります。
また、日常の業務においても、評価を受ける側(被評価者)として自分のコンピテンシーを適切にアピールするための知識として、逆に評価をする側(評価者)として相手のコンピテンシーを適切に評価するための知識として、様々な場面で生きてきます。
長い目で見て有効に使っていただければ、と思います。
あしたはなおです。
さろちゃん、ぐっじょぶ!
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