【2次試験】2年連続80点越えの設問解釈(R3年度事例Ⅰ) by あらきち

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あらきち
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どうも、あらきちです。
今回も前回に引き続き多年度向けの設問解釈です。

今回は、前回の令和3年度事例Ⅲの設問解釈記事に引き続き、令和2年度の事例Ⅰが86点令和3年度の事例Ⅰが87点2年連続事例Ⅰで80点越えができた自分が、令和3年度事例Ⅰ当日にどのように設問解釈したかをそのまま記載しています。

今回の記事を読んで、設問解釈への理解度が高まると、以前からお伝えさせていただいている知識 × 解法 × 客観性 で 答案の再現性 を高め、常に240点レベルの解答を書く力をつけることにつながります。(得点が安定する解法の紹介記事はこちら)

1次試験から受験される方にとっては、自分だけ毎度2次試験対策ブログなので申し訳ないですが、今は1次試験に専念いただいて、1次終了後に自身で問題を解かれた後に読んでいただけるときっと参考になるはずと信じて書いているので、後日振り返っていただけたら幸いです。

また、「初学者向け2次試験対策スタートダッシュセミナー(仮)」を、1次試験から4日後の8月11日(木・祝)に開催します!

申込受付は、1次試験翌日に正答が発表された後に自己採点をしてから判断できるよう、8月8日(月)午後8時開始を予定していますので、まずは1次試験全力投球で行きましょう!

それでは、多年度生の方向けに、今日のテーマ 【R3年度事例Ⅰ 設問解釈】に入っていきます。

注) 前回同様に正解の紹介ではなく、あくまで設問解釈のやり方の紹介として参考に読んでいただけると幸いです。

第1問

事例Ⅰの第1問の鉄板問題のような設問文です。本番実際に行った設問解釈はこちら。

まず、「2代目経営者」という主語を四角で囲んでいます。

事例Ⅰは組織・人事に関する事例であるため、組織構造や人事施策を問題点として扱えるような、比較的規模が大きく、長く経営がされている企業が出題されます。そのため、事業の変遷や組織の移り変わりの中で、経営者が複数の世代に跨っているケースが多いです。

そうした中で、「いつの時代の話をしているのか」という時制のチェックは必須です!

与件文には、設問文と同様に「〇代目の時代に」というような、時制を特定した記述が出てくるので、設問文との関連付けを意識しましょう。

続いて、「なぜ」という理由が問われており、100字で述べる問題ですので、

『理由は ①     ②     』

という解答の型を用意します。

あらきち
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解答の型については、まよの以下の記事がおすすめです!
「解答の型」を作ろう! by まよ

さらに、まよの記事の中にもありましたが、「考えられるか」という問いかけは、類推問題のため、知識を用いて解答することが求められます。

そして、「印刷工場を持たないファブレス化を行った」理由ですので、もちろんファブレス化に関する知識が必要になります。

加えて、事例Ⅰで特に重要になるのがレイヤーと言われるものです。

クリックで拡大

上記のレイヤーの考え方は、受験生時代に道場のセミナーに参加して初めて知りましたが、TBCの解説においても似たような切り分けがされていました。

このレイヤーを意識することで、今、社長はどの階層の話をしているのか(設問として問われているのか) の整理がしやすくなります。

一般的には上記のような4つの切り口ですが、わたしは戦略論 」「 組織論 」「 人事(人的資源管理)という3つの大分類に分けて捉えるようにしていました。

あらきち
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少し話が逸れたので設問解釈に戻ります。

改めて問題を見ると、「なぜ印刷工場を持たないファブレス化を行ったと考えられるか」と問われているので、戦略的意思決定を行った戦略論の話だろうと推測されるので、設問文の余白の左部分に「戦」と書きました。

こうして書いておくことで、問われていることとズレた話(解答)をしないように注意します。

また、ファブレス化を行ったということは、実行したのですから何かメリットがあったはずです。

具体的には、ファブレス化の知識と合わせて考えると、「設備投資によるリスクを回避できること」や「選択と集中により強みを発揮しようとしたこと」が想定されるため、余白に「リスク、集中、S 発揮」と書いておきました。

ここまでの第1問の設問解釈を整理すると以下のようになります。

  • 時制のチェック:2代目
  • 解答の型を想定:理由100字=2要素を因果で記載
  • 類推問題:知識で解答する必要性を認識
  • レイヤーの判定:戦略論
  • 使う知識の想定:ファブレス化、選択と集中

ここまでを設問文から読み解く作業が、「設問解釈」と言われるものです。

これにより、与件文を読みだす前に、おそらく設備を持つことがリスクになりえる記述、ファブレス化による選択と集中の具体的内容の記述、経営資源を集中させたかったA社の強みに関する記述が登場するのでなないかと想定することが出来、それらを与件文中から見つけて用いると解答骨子が作れそうになりました。

あらきち
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この話は過去記事の2次試験本番の得点が安定する解法でも書きましたが、設問解釈の精度が高まると得点が安定しやすくなります。

なんだか長くなりましたが、続いて第2問に移ります。

第2問

第2問でわたしが実際に行った設問解釈はこちら。

まず第1問同様に時制(何代目のときの話か)のチェック

続いて「なぜ、考えられるか(類推)、100字で述べよ」と問われているため、

『理由は ①     ②     』解答の型を用意しました。

続いて、「A社での経験のなかった3代目にデザイン部門の統括を任せた」という表現から、戦略的意思決定としてプラスの要因があったから任せたのであろうこと外部にいた3代目に任せたのだから組織に関する話であろうことから、「戦」「組」と余白に書き、戦略論と組織論にフォーカスすることを意識します。

さらに、「A社での」という表現から他社での経験に関する記述があるであろうと推測し、「他は?」と書き込んでいます。

加えて、「3代目にデザイン部門の統括を任せた」のですから、そのためのノウハウを持ち合わせている可能性それにより組織活性化を図ろうとしたのではないか?という視点将来の事業承継も見越していたのではないかと視点から、「活性化、ノウハウ、承継」と余白に書き込んでいます。

ここまでの第2問の設問解釈を整理すると以下のようになります。

  • 時制のチェック:2代目
  • 解答の型を想定:理由100字=2要素を因果で記載
  • 類推問題:知識で解答する必要性を認識
  • レイヤーの判定:戦略論、組織論
  • 使う知識の想定:組織活性化、ノウハウ活用、事業承継

これにより、与件文中におそらく書いてあるであろうデザイン部門を統括する上で活きてくる3代目の他社での経験やノウハウA社の組織上、組織活性化が求められている記述に着目して与件文を読み進めると、第2問の解答骨子が作れそうになりました。

続いて第3問に移ります。

第3問

第3問でわたしが実際に行った設問解釈はこちら。

まずは時制のチェックをし、3代目のときの話であることを意識。

印刷業から広告制作業へと事業ドメインを拡大」とあるので、多角化する戦略的意思決定の話(戦略論)と判断し、余白左に「戦」と書いて、戦略論であることに留意します。

また、多角化の知識から「強みが活かせる、シナジー効果が見込める」と想定し、「シナジー」「 S 」とメモしています。

そして、「ドメイン」とくれば、TBC受講生では必ず思い出さなければならないのが、「 C F R 」のドメインの知識です。

TBC抽象化ブロックシートを参考に作成

「C:Customer」は標的顧客「F:Function」は顧客機能(顧客に提供する価値、顧客のニーズ)、「R:Resource」はリソース(経営資源・技術)を表し、自社の標的顧客に対し、求められる顧客機能を満たすために、どのようなリソースを用いて対応するか、という自社の事業領域が整理できる考え方です。

第3問では、設問文にもろに「ドメイン拡大」と書いてくれているので、与件文を読む際は、印刷業から広告制作業への事業ドメイン拡大により、「標的顧客はどう変化したか」「どのような顧客機能を新たに提供できるようになったのか」「自社のリソースで対応できるのかという3つの視点でチェックするように留意しました。

あらきち
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実際の解答もこのドメインを意識して組み立てています。

最後に、「どのような利点と欠点をもたらしたと考えられるか」という類推問題のため、

『利点は①    ②    、欠点は①    ②    』という解答の型を用意しました。

ここまでの第3問の設問解釈を整理すると以下のようになります。

  • 時制のチェック:3代目(現経営者)
  • レイヤーの判定:戦略論
  • 解答の型を想定:利点と欠点を100字=各2要素を目途に簡潔に記載
  • 類推問題:知識で解答する必要性を認識
  • 使う知識の想定:多角化(特にシナジー効果と強み)、ドメイン(C、F、R)

これにより、与件文中におそらく書いてあるであろう印刷業から広告制作業への多角化の変遷を、シナジー効果や強みに着目しながら、「標的顧客」「顧客機能」「リソース」の視点で整理しつつ与件文を読み進めると、第3問の解答骨子が作れそうになりました。

続いて第4問に移ります。

第4問

第4問でわたしが実際に行った設問解釈はこちら。

第4問は、正直なところ当日うまく設問解釈ができませんでした。

まず時制をチェックすると、2代目と3代目が設問文に登場しており、よく読むと2代目までの取り組みを考慮しつつ3代目として求められていること、すなわち3代目(現在~未来)の話であることが分かります。

次に、文末が「100字以内で助言せよ」となっているため、助言問題であることを認識します。

助言問題では、単に論点の整理だけでなく、そうすることでどのような効果がもたらされるかまで書くことが望ましいと言われています。

あらきち
あらきち

実際に経営者の方に助言を行うことを想定しても、効果とセットで説明する方がわかりやすいですよね。

そのため、「効果まで」と余白にメモし、解答の型

『①   ②   ③   し、○○○○を図る。』としました。

続いて細かな設問の内容とレイヤーの判定に入っていくのですが、当日の設問解釈時点ではこれがうまく掴めませんでした。

そのため、上記の当日の設問解釈の図では、解答の型を記載しているのみに留まっています。

設問解釈では、何が問われているかを理解し、どのような知識を使って解答すべきかを想定して、与件文の情報を探してくるようなイメージで与件を読むための準備をする ことが肝になるので、型を用意するだけでは十分な設問解釈とは言えないのです。

おそらく、「協力企業と連携する形で事業を展開」や「外部企業との関係をいかに発展」とあるので、戦略や組織の話ではないか?と思いましたが、自信がなかったので、あえて決めずに与件文を読んで柔軟に対応することにしました。

ここまでの第4問の設問解釈を整理すると以下のようになります。

  • 時制のチェック:3代目(現経営者)
  • レイヤーの判定:戦略論?組織?
  • 解答の型を想定:100字の助言問題=2~3要素+効果まで記載
  • 使う知識の想定:?(与件文を読んで決定)

ただし、上手く設問解釈できなかった問題も、与件文を読んだ後、改めて設問文に立ち返り、知識を軸に考えます。

あらきち
あらきち

完全な「アイデア解答」にしてしまうのは危険です。

自分の場合は、後で紹介しますが、「プロジェクトごとに」という2代目のときの連携を3代目はどう変える必要があるかの視点、外部企業との関係を発展させるためにバーナードの公式組織の3要素(共通目的、貢献意欲、コミュニケーション)の視点、の2つを用いて当日の解答作成対応として乗り切りました。

(※正解とは思えないが、あくまで事例Ⅰの知識に留意して組み立てたという感覚です。)

続いて第5問に移ります。

第5問

まずは時制のチェックを行い、「3代目が~これから事業を存続させていく上で」とあるので、3代目(現経営者)の未来に向けての話であることを認識します。

次に、「課題とその解決策について100字」とあるので、シンプルに課題と解決策に切り分けて記述します。また、解決策は、その策によってもたらされる効果まで盛り込めた方が説得力が増すので、可能であれば効果まで書きたいところです。そのため、

『課題は①    ②    、解決策は①    ②    で、〇〇〇〇を図る』という解答の型を用意しました。

続いてレイヤーの判定ですが、「印刷業を含めた全社の経営」「長期的な課題」とあるので、単にその場しのぎの対応ではなく、組織や人を変え(人的資源管理)会社として長期的に対応することを想定し、「組」「人」とメモしました。

(※結果的に、課題は全社戦略としての戦略論よりで、解決策は人的資源管理ベースの解答に修正しました。)

また、人的資源管理で解決策を構成することを想定しているため、フレームワークの「茶化」を構成する「 サハホイヒ(採用、配置、報酬、育成、評価) 」を余白にメモしておき、骨子作成時に着眼点の漏れがないように準備しておきます。

そして、「新事業であるデザイン部門~印刷業を含めた全社の経営」とあるので、新規と既存の両方に対応するように留意します。

ここまでの第5問の設問解釈を整理すると以下のようになります。

  • 時制のチェック:3代目(現経営者)、未来
  • レイヤーの判定:人的資源管理+組織?
  • 解答の型を想定:課題と解決策を100字=各2要素を目途に簡潔に記載し、効果も記載
  • 使う知識の想定:全社の経営・長期的課題=人的資源管理で対応
  • 留意点:新規事業(デザイン)で何が重要か、既存事業(印刷)で何が重要か。

これにより、与件文中におそらく書いてあるであろう新規事業と既存事業の長期的課題となるポイント、それに対応するためには組織や人の面でどうかということに着目し与件文を読み進めると、第5問の解答骨子が作れそうになりました。

最後に

これまでの当日の設問解釈と実際の当日の解答を対応させると以下の通りになります。

第1問

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第2問

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第3問

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第4問

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第5問

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あらきち
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予備校などの解答を見ると外していると感じる部分もありますが、自分は上記解釈と解答で87点でした。既に公開済みのリットの95点の答案と比較してもらうと、より理解が深まるかもしれません。

冒頭にも書きもしたが、今回の趣旨は設問解釈の方法の紹介のため、当日の思考と加筆を、正解ではないかもしれない部分も含めてそのまま記載しています。あくまでやり方の参考にしてもらえると幸いです。

特に、R3年度は過去問に比べてレイヤーの判定が難しいように個人的には感じたため、キーワードやレイヤー等の従来の受験テクニックに依存し過ぎると得点が取りにくくなってきているのかもしれません。

診断士の知識を軸に、正面から設問文(社長の問いかけ)・与件文(社長からのヒアリング事項)に向き合うコンサルティング力が試されているとも言えます。

また、結果的に解答作成に一番苦労したのは第4問、続いて第5問となり、設問解釈が十分に行えたかどうかによって解答の精度が左右される結果になっています。

設問解釈力を高めるために、繰り返しの知識の上塗りとトレーニングに励みましょう!!

あらきち
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明日の道場ブログはお休み。木曜日にリットの登場です!

次回は人事評価制度をお届け!

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