これからシンカする学び

師走の忙しい時期にこのブログを読んでいる人はきっと、
・合格発表待ちの間も、口述試験・実務に向けて準備している
・来年度合格に向けて走り始めている
・合格後も、診断士や勉強に対する情報収集を継続している

そんな方たち向けて、今日は「学び」について掘り下げてみます。
このブログを書き始めた頃に学び方について2回記事(前編後編)を書きましたが、
今回は、約一年間の実務経験を踏まえて考察を深めます。

・来年度の合格を掴み取りたい
・合格したら、知見を深めて活動したい
そんなあなたは今日の記事を通じて、
「学び」や「中小企業診断士」について考えてみましょう。

ここだけCheck

① 進化:一歩先を見据えて学ぶ
② 深化:もう一歩深めて学ぶ
③ 真価:その背景・本質まで学ぶ

1.学びの構造:4Step

学びには、4つのStepがあります。

 

①知る
 テキストや講義で、言葉の存在を知っている。
 意味を分かっているようで、問題を解こうとすると出来ないことに気づく。

②分かる
 知識を吸収していている。
 問題を解く時に、自分の中から引き出してくることが出来る。

③使える
 自分の知識として習得している。
 自分の言葉で説明して伝えることが出来る。

④活かす
 自分の知見となっている。
 あらゆる事態に対して、効果的に使いこなすことが出来る。


この流れでStep Upしていく際に注意が必要なのは、
INPUTはあくまで導入に過ぎず、以降の学びはOUTPUTが前提になっているということです。

中小企業診断士に当てはめてみると、


知っているだけでは一次試験さえ合格できず、
適切にOUTPUTして、試験当日に得点することが求められます。

故に、1から順にテキストや講義を進めてしまう事は、
合格や、その後の活かせる知識習得の遠回りになりかねません。
全く勉強をしていなくても、超絶に勉強したとしても、
OUTPUTの結果としての得点が試験ではすべてだからです。

INPUT学習に陥りがちなのは、
手軽に勉強をした気持ちになれるからです。
・参考書の冊数
・読み進めたページ
・重要だとマークした個所数
これらの定量的な数値は増えていくのですが、
果たして自分の中に、どれだけの知識が吸収されたでしょうか?

INPUTが同じでも、得点に大きな差がつくのは、
同じ教科書で同じ授業うけていたはずなのに、
大きな点差が開く学生時代に誰もが経験していると思います。

実は読み聞きするINPUT学習は、こちらが何も頭を働かせていなくとも進行でき、
達成感と、分かったつもりを味わえるという作用があります。

加えて、テキストの書き手・講義の話し手は教えるプロです。
その内容が分かりやすくて、分かったつもりになってしまうのは自然なことです。
(それを仕事とされているのですから…)

手を動かしたり、頭を回転させることは億劫かもしれませんが、
スポーツや筋トレでも、キツイ負荷と比例して成果が上がります。
負荷無くして、成長なしです。


学び始めたからこそには、身につけて活かしたい想いを持っているはずなので、
常に一歩先に意識を向けて学びましょう。
 一次試験では、二次試験に繋がる様に。
 二次試験では、実務に繋がる様に。
 日々Outputを前提にして。

 進化:一歩先を見据えて学ぶ


次は具体的な実効策を立てるべく、
道場で紹介されてきた記事をもとに、勉強法を検討してみましょう。

2.戦略的な学習

昨年3月に、私は思い立って通信講座を申し込みました。
しかし、大きく周りのカリキュラムに後れを取っており、
勉強計画の立て方おろか、勉強の進め方さえ分かりませんでした。

何が何でも「一発合格したい!」と、
ワラにもすがるつもりでたどり着いたのが、この一発合格道場のブログでした。

これまで12代引継がれた源泉は、
全てこの記事に詰まっていると言っても過言は無いと思います。

さぁ、これを読んで道場おなじみの「パクってカスタマイズ」
0から1を生み出すのでなく、先人の知恵を活用してみて、
その上で自分に合う様に調整していきましょう。

一例として私が、これをどのように解釈して、
勉強計画に落とし込んだか、紹介します。

<解釈>
①基礎が大切
 付け焼刃でなく基礎固めをすれば、何度でも思い出せる

②演習が大切
 記憶すべき情報を効率的に学ぶ

③勉強量が大切
 たいていの人が1,000時間以上の勉強時間を積み重ねている

<実効策>
①個別強化集中週間
苦手意識がある、何度も失点を繰り返す、そもそも理解が出来ないところ。
こうした論点があったら、1週間など期間を決めて解けるようになるまで、
解けるようになるまで解き続ける。

「捨て問」と言ってしまうには勿体なく、せっかく見つけた得点の伸び代、
この課題を解消することによって、得点源を増やしていきましょう。
私はCFや経営法務で躓きましたが、スピード問題集のその分野だけ解いたり、
まとめシート見ずに白紙に関連情報を書き出して再現してみる。ということをやっていました。

鶏ガラ勉強法
テキストや問題集を、髄の髄までしゃぶりつくす道場直伝の勉強法。
具体的には、選択式問題の誤答選択肢まで学びつくすこと。

問題演習で解いて答え合わせするだけではあまりに勿体ない。
一次試験の大抵の教科では4択問題ですが、
・正答以外の他の3択の解説も読み込む。
・他の選択肢は、どこを修正したら正答になるか考える。

こうして1問からの学びを4倍に出来たら、
過去問やスピード問題集の効用を高めたり、
合格への距離が一気に縮まると思いませんか?
こうして掘り下げていくと、2次試験や実務での応用にもつながります。

③とにかく量をこなす
勉強開始時期が遅れていても、
必死の追い上げで積み上げれば、必ず届く。
いや届かせるまで、積み上げ続けるという強い意志を以て勉強する。

常に、一歩ずつでも合格までの距離を縮める積み重ね
・もう1分だけ頑張る
・もう1問だけ解いてみる
・もう1回余分に書いてみる etc

 深化:もう一歩深めて学ぶ

一つ一つは、ほんの一歩の積み重ね、
愚直に一週間、一ヶ月と重ねていくうちに、
みるみる他を凌駕する大きな差になるはずです。

3.実務につながる学び

試験中に、苦手意識を感じた部分は少なくありませんでしたが、
実務を少しずつ経験する中、それらを学んだこと、
出来ないなりに深めてみようと向き合ってよかったと感じています。

暗記科目、特に経営法務が苦手だったのですが、
それを学んだ結果、実務でどのように活きているか?をお伝えします。

しかし、最近は企業様の支援案件があれば、
以下の様な注意が出来る様になってきました。
・その業界の関連法律はどのようなものがあるか?
・お客様の事業で留意が必要なポイントは何が出て来るか?

例えば。。。
化粧品や健康食品には、薬事法が絡んできます。
製造や販売における制約条件はもちろん、
商品説明や広告で使用してよい文言にもルールがある。

美容室に関わる際には、理美容法が絡んできます。
自治体ごとに、店舗のレイアウトが定義されていたり、
ヘアメイクをする際に、ヘアカットはどこまで出来るか?
結婚式の花嫁に施すヘアメイクで、免許が必要になるのはどこから?

マッサージにも、法律があります。
施術メニューが部位・時間単位のところがあるのはなぜか?
「指圧」の文言を使用するには、制約が伴う。

法務が嫌いだからと法律に触れていなかったら、
こうして法律に関するセンス:リーガルマインド(TAKUROの記事参照)を磨くことで、
お客様の相談に乗る際に、気を付けるべきポイントを察知できるようになってきました。

実は日常生活にも法律はあちこちに関連していて、
その設立には、面白いストーリーがあります。

一例として、「エビフライ」を紹介します。

子供から大人まで大好きなエビフライ。
より手軽に食べるために、冷凍エビフライが、
1962年に国内で初めて発売されました。

気軽に食べられると話題になりましたが、
当時は製造・冷凍技術が低かったため、
調理後に衣がはがれてしまう問題があったので、
ある程度、衣を分厚くする必要がありました。

しかし、それを逆手にとって、
エビ本来の大きさ以上に分厚い衣で着ぶくれした、
衣たっぷりのエビフライが増加していきました。

エビに比較すれば、衣の原価は遥かに安いため、
衣たっぷりエビフライが増加し、中には80%が衣のものも誕生し、
悪貨が良貨を駆逐していくかに思われました。

しかしここで農林水産省が動き、法律を制定。
1978年に、エビフライの衣は重量比50%以下にする。
今では技術進歩も手伝って、衣が30%未満の商品も出てきています。

因みに食品関連では、身近な似ているあの商品も、
実は法律上で厳密に定義されていたりします。
 アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイス
 クッキー・ビスケット

 真価:その背景・本質まで学ぶ

そのものについて探ってみると、
背景を流れているストーリーに出逢うことがあります。

それを味わったり、
法律を知ることで、より良い食品を選ぶことが出来たり、
将来支援する企業様のお役に立てるかもしれませんので、
ぜひ、経営法務を苦手だからと遠ざけず、こちらから一歩近づいて学んでみて下さい。

もちろん、他にも面白い深堀事例は色々あるので、
ぜひ色んな科目の勉強や、その関連知識の深堀してみて下さいね。

今日のココだけ3Point

① 進化:一歩先を見据えて学ぶ
② 深化:もう一歩深めて学ぶ
③ 真価:その背景・本質まで学ぶ

明日はMa.satoです。

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これからシンカする学び”へ2件のコメント

  1. ロム より:

    と~しさん、学びの記事をありがとうございます。

    診断士の試験勉強の前まで受験していた資格の勉強でアウトプットに重きを置く勉強法は体得しつつありましたが、道場で紹介されていた鶏ガラ勉強法等を学んだことで、ワンランク上の勉強方法を身に付けられたと思います。

    エビフライに関する法律、大変参考になりました。
    法律、と聞くと広い分野を対象にしたものばかりだと思っていましたが、身近なところでもこのような法律が存在するんですね。

    と~しさんが気付かれた法律への意識、今後自分も取り入れてみようと思います!

    1. と~し より:

      ロムさん、コメントありがとうございます。

      道場の鶏ガラ勉強法は、目からウロコですよね。
      応用が利きますので、どんどん学びを深めていってください。

      エビフライに限らず、色んな面白い法律やストーリーありますので、
      探してみて下さい。冬ですが、アイスの種類に関する法律も個人的におススメ観点です。

      昨今話題の再構築補助金は新事業に踏み出す分、新たな業界について知る必要性があると感じています。
      ぜひ、色んな視点で、色んな業界を深堀してみて下さい。

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