【渾身】<景気動向指数の覚え方>まるっと解説サクッと暗記 by masumi
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※中小企業診断士試験 令和3年度中小企業診断士試験スケジュールについて(予定)
そう、全体的に昨年度より日程が後ろ倒しになっていますね。ただ、昨年は1次試験と2次試験の間の期間が3ケ月半と長かったですが、そこは例年通り2カ月半という間隔です。
7月と予想していた人は1次試験までに出来ることが増えましたね。ただ、2次試験までの期間は短いので、1次試験が終わる前から2次試験のことは考えておいた方がよいです。
1次試験の勉強中でも2次に使う知識を重点的に押さえたり、問題を解いてみたりすることもよいですが、オススメは、①事例Ⅳの問題は早めに用意して解き始めること、②とにかく情報収集をしておくことです。
①事例Ⅳの問題はほぼ1次試験の知識がベースなので、1次にも役立つため時間を無駄にしません。
②私の一番最初の記事で書いていますが、2次試験はある意味情報戦だと思います。ですから、解答のコツが掴めるようになるための参考書、ブログやYouTube、勉強会などを早いうちから見つけておくと良いと思います。もちろん当一発道場のブログもそのうちのひとつです!
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さて前置きはこれくらいにして、今回は経済の景気動向指数をテーマにした記事です。
それと合わせて現在の景気動向もみていきましょう。
【渾身】という名の文字数フリー回ですのでとっても長いです(笑)。ぜひお時間がある時にゆっくり読んでいただければと思います。
📑 Content
1.景気動向指数
2.CIとDI
* 2-1 CI
* 2-2 DI
3.先行・一致・遅行系列
4.分類分けをしよう
5.分野ごとの詳細解説
* 5-1 金融
* 5-2 鉱工業
* 5-3 雇用・給与
* 5-4 設備投資
* 5-5 企業経営
* 5-6 消費者
* 5-7 その他
1.景気動向指数
現在の景気はどうなっているでしょうか。2020年に新型コロナの影響で落ち込んだことは想像がつきますが、そこからどうなっているでしょう。それを知るには「景気動向指数」を見ると分かります。
経済学で出てきたアレです。1次試験ではCI、DIの数値基準や指標がどの系列か問われることがありますね。
景気動向指数は生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標です。
引用|景気動向指数 内閣府ホームページ (cao.go.jp)
景気動向指数は、内閣府の景気統計から確認できます。この記事を書いている4月初旬現在の最新版は2021年1月の確定値が掲載されています。
出典|内閣府 景気動向指数(速報、改訂値)(月次)結果より
グラフは以下の通りです。
ここで出てくる用語の解説をしておきます。
※CI、DI、系列については次項で解説します。
3か月・7か月後方移動平均|
CIの動きが単月で大きく変化する場合もありますね。そんな不規則な動きの影響を少なくして景気の流れを見るために、その月を含む前3か月の平均の数値が「3か月後方移動平均」で、足下(最近)の基調(流れ)を掴みます。
そしてその基調変化の定着を確認するために「7か月後方移動平均」が使われています。短期的に生じるデータの細かい凹凸を平滑化し、長期的な傾向を把握するとき等に使われます。
移動平均については運営管理の需要予測の項目でも登場しますね。
景気の基調判断をするには、CIの一致指数をみますが、1月は「上方への局面変化」となっています。この基調判断にも種類があり、定義が決まっています。よくニュースなどで聞く表現ですね。
ちなみに1月は「上方への局面変化」という表現でしたが、2020年12月は「下げ止まり」でしたのでちょうど基調が変わった月です。
それ以前は、8月から5カ月間ずっと「下げ止まり」、さらにその前は1年間「悪化」でした。
昨年2月から3月にかけて先行指数が急激に下がり、そこから少し後に一致指数も下がり、遅行指数は1~1.5カ月くらい遅れて下がっています。いずれも3か月後方、7カ月後方平均では月々の波が無くなり、カーブは緩やかになっているのが分かると思います。
一致指数を見ると新型コロナの影響が出る前の頃に戻ってきているのが分かりますし、先行指数を見て、この先の見通しも上昇傾向だと予測出来ますね。
では、景気の流れがざっくり分かったところで、この指標の元になっているCIや系列について詳しく掘り下げてみましょう!
2.CIとDI
景気動向指数はCI(コンポジット・インデックス)とDI(ディフュージョン・インデックス)があります。
CI
景気変動の大きさや速度(テンポ)を表します。基準年(現在の基準は2015年です)を100としてどれくらい変化したか、変化率を元に算出しています。100より大きければ拡張、小さければ後退と判断します。
DI
景気が回復局面か後退局面かを判断するのに役立ちます。各指標ごとに3か月前と比較して改善:1、変化なし:0.5、悪化:0として採点して合計点を指標の数で割って算出します。
全て改善なら1=100%、全て悪化なら0%となりますので、50%を上回れば上向き、50%未満であれば下向きと判断されます。
従来、景気動向指数はDIが中心でしたが、近年は景気変動の大きさや量感を把握することがより重要とされていることからCIが中心となっています。
試験対策としては、それぞれどんな数値の場合に景気が良いのか、悪いのかを答えられるようにしておくと良いです。
3.先行・一致・遅行系列
CI、DIにはそれぞれ景気の動きを表す指標が3種類ありました。現在は合計で30系列あり、これらはだいたい一つの景気の山や谷を越えるごとに見直しを行っています。
上記グラフの通り、現在谷をひとつ超えましたので、2021年3月に見直された最新の指標がこちらです。どこが見直されたかは後述します。
先行系列 11系列 | 一致系列 10系列 | 遅行系列 9系列 |
景気の動きに対し、数カ月先行して動く指標。景気の先行きに対する予測を行う時に参照されます。 | 景気の動きに対して一致して動く指標。景気の現状を把握するのに用いられます。 | 景気の動きに対し、数カ月から半年遅行して動く指標。景気の転換点を確認するものとして利用されます。 |
最終需要財在庫率指数(逆サイクル) | 生産指数(鉱工業) | 第3次産業活動指数 (対事業所サービス業) |
鉱工業用生産財在庫率指数(逆サイクル) | 鉱工業用生産財出荷指数 | 常用雇用指数(調査産業計) |
新規求人数(除学卒) | 耐久消費財出荷指数 | 実質法人企業設備投資(全産業) |
実質機械受注(製造業) | 労働投入量指数(調査産業計) | 家計消費支出(勤労世帯、名目) |
新設住宅着工床面積 | 投資財出荷指数(除輸送機械) | 法人税収入 |
消費者態度指数 | 商業販売額(小売業) | 完全失業率(逆サイクル) |
日経商品指数(42種総合) | 商業販売額(卸売業) | きまって支給する給与(製造業、名目) |
マネーストック(M2) | 営業利益(全産業) | 消費者物価指数(生鮮食品を除く) |
東証株価指数 | 有効求人倍率(除学卒) | 最終需要財在庫指数 |
投資環境指数(製造業) | 輸出数量指数 | |
中小企業売上見通しDI |
試験では、どの系列が先行、一致、遅行のどれに当てはまるか問われることがありますが、正直、この漢字の羅列だけで丸暗記はかなりキツイですよね。
頑張って求人のあたりを覚えてあとは勘、という人も多いのではないでしょうか。(私は受験生時代そうでした) (^^;
でも、これらの指標が何を表しているかをしっかり理解すれば丸暗記せずに覚えられるのではないかという気がしませんか?
そこで、もう少し詳しく知りたけれど調べる時間が無いという方向けに、私がまるっと全部解説したいと思います!この記事を2、3回読んでいただければ、どの指標がどの系列かもう迷うことなく分かるようになります!(たぶん・・)
ただ、試験問題としては、関連する問題は出ても1、2問かと思うので、時間が無い方は詳細を飛ばして「覚え方」だけ拾っていただいてもOKです!
では早速いってみましょう!
4.分類分けをしよう
先ほど出てきた30の指標ですが、系列ごとにではなく、分野ごとに分けた方が理解しやすくなりますので、次のように分けて考えます。
①金融 ②鉱工業 ③雇用・給与 ④設備投資 ⑤企業経営 ⑥消費者 ⑦その他
5.分野ごとの詳細解説
指数とは|
基準となる時点の数値と調査時の値を相対的に表したもの(ここでは基準時点を100としています)
1. 金融
先行 | ■ 日経商品指数(42種総合) 日経新聞社が開発した商品指数。景気動向に敏感な商品の卸価格をベースにしています。 |
先行 | ■ マネーストック(M2) 国、金融機関以外の市場に流通しているお金の量(M2:現金預金、定期預金など)。金融機関からお金を借りて設備投資などを行うと、市場に流通するお金の量が増えます。設備投資により生産が増えるため景気に先行します。 |
先行 | ■ 東証株価指数 TOPIX:東証1部全銘柄の浮動株(市場に流通し売買されている株)の時価総額。日銀は景気調整のために金利を変化させており、株価は金利の影響を受けます。金利が上がるとお金を借りて投資を控え、業績が下がる予兆となり、今のうちに株を売ろうと株価が下がるというようなことが起こるのが一因で景気に先行します。 2020年2月~3月に株価が急落した「新型コロナショック」は記憶に新しいと思いますが、実際の景気動向は5月頃が底になっていることからも先行指標と分かりますね。 |
覚え方
なんとなくイメージ出来ると思いますが、金融系3指標は全て景気に先行して動きます。名前で金融っぽいものは全部先行と覚えてしまいましょう!
2. 鉱工業
鉱工業製品とは|
工場などで作られるもの全てです。車や機械から日用品まで全部です。
指標を見る前に鉱工業製品の分類について確認しておきましょう。
ここでも指数が出てきますが、2015年を基準にした変化の大きさのことです。
先行 | ■ 最終需要財在庫率指数(逆サイクル) 在庫率は、出荷量と比較した在庫の量なので、景気が上向きだと出荷が増え、在庫の比率が減っていくので景気に先行します。逆サイクルというのは景気が良いと下がるということです。 |
先行 | ■ 鉱工業用生産財在庫率指数(逆サイクル) こちらも在庫率です。上記の表の通り、他の製品の部品になるようなエンジンや機械類などの生産財も好景気で需要が増え始めると出荷が増え、在庫の比率が下がるので先行系列です。 |
一致 | ■ 生産指数(鉱工業) 鉱工業全体で生産される製品の数です。景気が良く需要が増えると在庫が減っているので生産を増やすため一致系列です。 |
一致 | ■ 鉱工業用生産財出荷指数 上記の表の通り、エンジンや機械類など生産された部品の出荷量です。生産量が増え、出荷も増えるので生産指数と同じ一致系列です。 |
一致 | ■ 耐久消費財出荷指数 上記の表の通り、冷蔵庫や車などの出荷量です。生産量の合わせて出荷が増えるので、生産指数と同じ一致系列です。 |
一致 | ■ 投資財出荷指数 上記の表の通り、コピー機や建築木材などの出荷量です。こちらも生産量に合わせて出荷が増えるので一致系列です。 |
一致 | ■ 輸出数量指数 輸出金額/輸出価格指数=輸出の数です。(為替などの価格変動の影響を除いた実勢の現状) |
遅行 | ■ 最終需要財在庫指数 先行系列の在庫率とは違い、実際の在庫数です。景気が良いとたくさん売れるのでたくさん在庫を持とうとし、景気が悪いと在庫量が多いと売れ残るので、工場で持つ在庫量を減らします。そのため景気に遅れて反映されます。 |
<補足>
2020年7月分の景気動向指数から、採用系列が一部改訂され、一致系列に「輸出数量指数」が追加されました。内閣府のホームページでは、追加理由は「経済における重要性が高まっているため」と説明されています。
2020年度の経済学・経済政策の第2問に貿易相手国を問われる問題がありました。経済指標の問題は現在のトレンドを反映していることが分かりますね。
覚え方
在庫率は出荷と在庫の比率なので、在庫と出荷の需要のバランスが分かります。在庫率ときたら先行系列です。率が入っていないただの在庫指数は遅行系列と覚えましょう。
鉱工業系で、名前に在庫が入っていない生産と出荷、輸出は景気と一致すると覚えましょう。
※輸出数量指数以外は全て資料の出所が鉱工業指数(経済産業省)で、輸出数量指数のみ内閣府の月例経済報告からになるため、鉱工業の仲間に輸出を入れるのは少し気持ち悪いですが、輸出数量も生産と出荷が増えるのと同時に増えるのでここの仲間にしています。
3. 雇用・給与
先行 | ■ 新規求人数(除学卒) ハローワークに届けられる新規の求人募集の数。特に景気後退の予兆に敏感。企業は景気の陰りを感じると新規雇用を控えるためです。 |
一致 | ■ 労働投入量指数(調査産業計) 総実労働時間指数×雇用者数(総実労働時間指数:1か月平均の一人あたり総実労働時間を2015年を基準に指数で表したもの)実際の労働時間を反映しているので一致系列です。 |
一致 | ■ 有効求人倍率(調査産業計) ハローワークに申し込まれた求人数を求職者で割った数。「有効」とするのは、求人、求職とも申し込みを行った翌々月末までを「有効」とするためです。1倍を超えて高くなるほど人手不足です。 |
遅行 | ■ 常用雇用指数(調査産業計) 常用雇用とは、大まかには、期間の定めなく雇用されている人のことで、正社員、契約社員等の雇用形態は問いません。景気変動に対し、まずは臨時雇用(1か月以内の期限付きや日々雇用されている人)で調整を行い、それで追い付かない場合に常用雇用で調整するため遅行系列となります。 |
遅行 | ■ 完全失業率(逆サイクル) 就職活動をしているが職についていない人が労働人口の何%を占めるか。景気が悪くなってもすぐに人員整理はしないため景気に遅れて現れます。 |
遅行 | ■ きまって支給する給与(製造業、名目) きまって支給する給与とは基本給と残業代や休日出勤の手当等の合計です。ボーナスは含みみません。景気が良くなり、業績が良くなるとまずはボーナスが上がる、といった一時金が先に反映された後に基本給が上がるため、遅行系列となります。 |
<補足>
労働投入量指数はR3年3月に改定しています。以前は所定外労働時間が指標となっていました。細かな説明は省きますが、企業の労働時間調整の動きをより総体的に捉えるため労働投入量指数が用いられるようになりました。
働き方改革等で労働時間が注目されていることが予測出来ますね。
景気変動と雇用調整については以下の流れとなっています。
覚え方
雇用・給与については言葉からイメージしやすいかと思います。上記の循環図の景気上昇か後退、どちらか一方でいいので、実際の流れをイメージしてより知識を強固にしておきましょう!
4. 設備投資
先行 | ■ 実質機械受注(製造業) 機械メーカーが受注した設備投資の額です。受注なので、実際の企業の設備投資額に6~9カ月先行します。景気拡大局面で需要が拡大に伴い企業は設備投資をし、その後生産が増えるため、企業の業績向上が見込まれ、景気に影響を与えます。 |
先行 | ■ 投資環境指数(製造業) 設備投資の重要な決定要因の一つである投資採算を示す指標。投資による収益アップとそのコストの比較で、投資意思決定を行うため、総資本営業利益率(投資による期待収益)と長期金利(長期国債(10年)新発債流通利回り。コスト)との差で求めています。投資採算が向上すれば設備投資を行うため先行指標となっています。 |
遅行 | ■ 実質法人企業設備投資 実際の財務諸表から固定資産の増加を集計します。設備投資は計画から実際に生産が始まるまで長い時間がかかり設備投資の実数は景気動向に遅行した数値となります。 |
覚え方
設備投資は一致系列がありません。投資環境が良いと判断して設備投資の注文を入れる、受注までが先行系列です。そこから企業の実際の固定資産となるには相当の時間がかかります。実質法人企業設備投資は、実質とあるので、実際行った結果と考え、遅行系列と覚えましょう!
5. 企業経営
第三次産業とは|
第一次産業(農林水産業)、第二次産業(鉱業、建設業、製造業)それ以外の産業(商業・運輸・通信・金融・サービス業など)(全従事者の75%を占めています。)
先行 | ■ 中小企業売上見通しDI 中小企業景況調査で今後3か月の見通しについて質問しているアンケート。見通しなので先行します。 |
一致 | ■ 営業利益(全産業) 本業のもうけを意味する営業利益ですが、四半期ごとにまとめられるため、まさに景気動向を示すものなので、一致系列となります。 |
一致 | ■ 商業販売額(小売業) 実際の小売業の販売額なので景気と一致します。 |
一致 | ■ 商業販売額(卸売業) 実際の卸売業の販売額なので景気と一致します。 |
遅行 | ■ 第3次産業活動指数 (対事業所サービス業) 企業向けのサービス業の主な業種としては、専門サービス(法務・財務・会計サービス他)、物品賃貸業、広告業や労働者派遣業などです。景気が拡大すれば遅行的に対事業所サービス業も活性化すると考えらえます。企業にとってはコストにあたり、コストを反映した指標は遅行系列となります。 |
遅行 | ■ 法人税収入 決算後に確定するため、景気に遅れて反映されます。 |
覚え方
企業経営については、見通しは予測なので先行系列、実際の売上や利益を表した営業利益は商業販売額は一致系列です。
第3次産業の企業向けのサービスについては、企業は業績が良くなってから各種サービスの依頼を増やそうとする、と考えれば遅行系列と分かります。法人税は年1回の決算後の数値なので遅行と予測がつきますね。
6. 消費者
季節変動値とは|
ほとんどの指標で採用されていますが、季節ごとの変動要因を除いて月ごとに比較がしやすく調整した数値のことです。
先行 | ■ 消費者態度指数(2世帯以上・季節変動値) 消費者に対して行う調査。今後半年間の消費の見通しについて質問しているアンケート。見通しなので先行します。 |
遅行 | ■ 家計消費支出(勤労世帯、名目) 個人や家庭が支払う支出。経済成長に大きな影響力を持ちます。実際に支払った額を元に算出していて個人消費が増えるのは収入が増加した後になるので遅行系列となります。 |
遅行 | ■ 消費者物価指数 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するものです。需要が増えれば物価が上がっていきますが、なかなか価格を変更するまでには時間を要するため、遅行系列です。 |
<補足>
消費者態度指数はR3年3月に2世帯以上、季節変動値に改定しています。季節変動要因を取り除くためです。
覚え方
中小企業見通しDIと同様に、消費者態度指数も景気動向を予測するためのアンケートなので先行すると覚えましょう。感覚的に、消費者である私たちの生活に景気の影響が現れるのは景気変動からだいぶ遅れると分かると思いますので、消費支出、消費者、ときたら遅行と覚えましょう。
7. その他
先行 | ■ 新設住宅着工床面積 建築主から提出された建築工事届のうち住宅について集計したもの。住宅の売れ行きは、国民の購買意欲として表れるので、景気の先行きを読目安になります。住宅着工の大幅な増減は、建設や建材といった関連企業や、住宅購入に伴い買い替え需要が発生する家具や家電などの消費者の購買に影響を及ぼします。 |
最後に残ったのが新設住宅着工床面積です。どこの仲間にも入れなかったので単独で覚えてください。(^^;
覚え方|
工事届を出した翌月の集計なので、これから建てるという意味です。家を建てる人が増えるとそれに伴って様々な需要が増えるため、景気に先行します。
まとめ
ここまで出てきた「覚え方」は以下の通りです。
覚え方
①金融 金融系3指標は全て景気に先行。
②鉱工業 在庫率ときたら先行系列、率が入っていないただの在庫指数は遅行系列、鉱工業系で、名前に在庫が入っていない生産と出荷、輸出は景気と一致。
③雇用・給与 景気循環と雇用の図で流れを覚える。
④設備投資 設備投資は一致系列無し。投資環境が良いと判断して設備投資の注文を入れるまでが先行系列、実際の固定資産となるには相当の時間がかかるため実際行った結果の実質法人企業設備投資は、遅行系列。
⑤企業経営 見通しは予測なので先行系列、実際の売上や利益を表した営業利益は商業販売額は一致系列。第3次産業の企業向けのサービスについては、企業は業績が良くなってから各種サービスの依頼を増やそうとする、と考え遅行系列。法人税は年1回の決算後の数値なので遅行系列。
⑥消費者 消費者態度指数も景気動向を予測するためのアンケートなので先行する。消費者に景気の影響が現れるのは景気変動からだいぶ遅れるため、消費支出、消費者、ときたら遅行。
⑦その他 新築着工面積は、家を建てる人が増えるとそれに伴って様々な需要が増えるため、景気に先行。
いかがでしたでしょうか。最初に見た時の”漢字の羅列感”は薄れたのではないでしょうか。こうして分野を分けて時系列にすると理解して覚えやすくなったのではと思います。
また、統計資料は経済学の冒頭に毎年出題されていますので、今回の景気動向の他、以下の内閣府のホームページもさらりと見ておくと、政府が今何を注目しているかが分かり、診断士試験全体の傾向を掴む上でも参考になります。
それぞれ20ページ前後にまとまっています。
(過去にはこれらの資料から出題もあり、読み込むと面白いですがまあまあ時間がかかるので勉強の進捗に合わせて活用ください。)
・内閣府>経済財政白書>令和2年度年次経済財政報告
・内閣府>日本経済>令和2年度日本経済2020-2021
・内閣府>世界経済の潮流>世界経済の潮流Ⅰ2020年
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最後までお付き合いいただきありがとうございました!
明日は池やんです。よろしくね!
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