【中小企業診断士試験】プラスチック加工 & 中小企業の活躍事例 ~気になるけど調べる時間がとれない話題~

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本日もアクセスありがとうございます。さいちゃんです。

前回に引き続き、勉強中に気になるけど、時間をかけてまで調べなさそうな話題を取り上げます。
前半では事例IIIで時々顔を見せるプラスチック加工技術を紹介します。後半では、技術を持った中小企業がどのように活躍されているか、実際の事例を見ていきます。

プラスチック加工の系統図

プラスチック加工の過去問出題実績としては、一次試験はありませんが、二次試験では過去3回取り上げられています。個人的に射出成形のイメージが強いですね。

各加工について

射出成形

射出成形は、所望の形状が得られるように設計した金型の中に、液体化したプラスチックを注入し、主に冷やして固め、金型を開いて、部品を取り出す一連の流れで部品を製作します。「射出」の意味は、注射器のように、液体のプラスチックを金型に押し出す様から名付けられているそうです。H20の事例IIIでは、金型メーカが取り上げられていました。「複数どり提案」や、「金型の仕上げ加工」のボトルネック性など、特徴的なワードが出ていましたね。

金型の設計、材料の選択、液体のプラスチックをむらなく金型に充填する経路、冷やし固める時間、金型内で固めた部品を自動的に取り出す構造等、技術的なポイントは枚挙にいとまがありませんが、技術者の腕の見せ所だと思います。一度設計が完了すれば部品の製作はほぼ自動で行えるように思えますが、温度や湿度等、環境変数によって設定を微調整する必要があるので、熟練の職人の技能が欠かせません。

射出成形の動画:
プラスチック部品ができるまで ← 一連の流れがわかります。
射出成形のアニメーション ← 英語表記ですが、機械の中身がよくわかります。
レゴブロックの作り方 ← 動画ではありませんが、あの「レゴブロック」の射出成形の流れがわかります。

 

押出成形

熱をかけて柔らかくしたプラスチックの原料を押出して、そのまま空気中や水中で冷やして固め、必要なサイズで切断していきます。主にパイプやシートなど連続的な形状をしているものの製作に用いられます。射出成形より金型もシンプルです。

押出成形の動画:
押出成形の概要 ← 一連の流れがわかります。

ブロー成形

ペットボトルやヤクルトの容器のような中空の構造を作る工程になります。金型の中に熱して流動性をもたせたプラスチックを入れ、空気の噴射(エアーブロー)によりプラスチックを膨らませることで所望の形状を得ます。3次元的に複雑な構造の成形に適した、3次元ブロー成形もあります。

ブロー成形の動画:
ブロー成形の概要 ← 一連の流れがわかります。
ペットボトルの作り方 ← ペットボトル製作の一連の流れがわかります。
3次元ブロー成形 ← 3次元ブロー成形が丁寧に説明されています。

インサート成形

射出成形を応用した技術で、プラスチックの中に金属を挿入(インサート)した構造をしています。金型の中に金属部品を装着し、プラスチックを流し込むことで金属とプラスチックを一体化させます。金属部品の数が多い場合などは、ロボットを用いた全自動型のインサート成形機を用います。H30のC社では、特徴的な経営資源として取り上げられていました。

インサート成形の動画:
インサート成形の概要 ← 一連の流れがわかります。
全自動インサート成形機 ← 数多くの金属部品を使う部品の動画です。一つ一つ金属部品を置いていく繊細なロボットの動きがいいですね。

機械加工

金属加工と同様、フライス盤や旋盤、ボール盤といった切削機械で追加工を行います。射出成形のみでもある程度の精度を得ることができますが、高精度な面や穴あけが必要な場合に、機械加工が必要になります。動画は前回の記事を参照。

 

接着/溶接加工

金属加工と同様、部品を接合させるための工程です。プラスチックは金属より融点が低いため接合の自由度が高いです。接着や溶接といった加工のほか、リベット加工などの機械的に金具で固定する加工もあります。

リベット加工の動画:
ジーンズのリベット打ち ← プラスチック製品ではないですが、ジーンズのリベット打ちの様子から加工の概要がわかりやすいです。

 

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中小企業の活躍事例

皆さんは、世界に誇る技術を有する中小企業が日本にどれだけあるか、そしてどんな企業か知っていますか?。実際に活躍されている中小企業を知りたい場合には、こちらのサイトを見ると実例がわかります。

こちらは毎年中小企業庁がまとめているもので、様々な分野で活躍している中小企業・小規模事業者・商店街を紹介しています。経済産業大臣も寄稿してしますが、本書のまえがきにある概要は以下の通り。政府が提示する、中小企業・小規模事業者・商店街の課題とあるべき姿が透けて見える気がしませんか?

本書は、ITサービス導入経営資源の有効活用等による生産性向上積極的な海外展開インバウンド需要の取り込み、多様な人材活用円滑な事業承継など、様々な分野で活躍している中小企業・小規模事業者を『はばたく中小企業・小規模事業者300社』として、また、地域の特性・ニーズを把握し創意工夫を凝らした取組により、地域の暮らしを支える生活基盤として商店街の活性化や地域の発展に貢献している商店街を『はばたく商店街30選』として選定し、取りまとめたものである。(ホームページ抜粋)

「はばたく中小企業・小規模事業者300社」

概要にも挙げられている通り、本書では中小企業の活躍を以下の3つの区分けでジャンル分けされており、ものづくり企業とサービス企業について書かれています。ものづくり企業については、ほぼ100%の企業が差別化された技術を持っているといっても過言ではありません。

また、生産性向上は事例III、需要獲得は事例II、担い手確保は事例Iといった形で各事例と関係性が深いと思います。

 

「はばたく商店街30選」

過去、事例IIで商店街が出たことがありますが、具体的な商店街の活動を見ることができます。私のような普段商店街の活動になじみのない方には、商店街の活動の雰囲気がわかって参考になることと思います。

さいちゃんの印象

はばたく企業・小規模事業者300社を読んでみての感想です。

1.中小企業の成功への「フレームワーク」がありそうだ。

各企業の紹介を分析していくと、中小企業庁が指し示す中小企業のあるべき姿が見えてきます。以下の図は、生産性向上事例の企業のうち、60社をランダムに抜き取って、企業の説明に使われているワードを使用回数順にパネル化したものになります。四角形の面積が大きいものほど使用頻度が高いワードになっています。

この図からわかることは、技術面のワードももちろん含まれていますが、生産性向上を成し遂げるためには、生産効率が高い新規設備を導入し、設計から生産・販売までの一貫生産で、高付加価値・短納期・低コスト・高品質の製品を生産、人材活用としては、女性や高齢者活躍の素地を作り、多能工化・自動化・標準化・情報化を図って、人手不足の解消に向けて省人化と脱属人化を図る、というストーリーが見えてきます。なんだか、事例IIIの解答に使うワードのオンパレードですね。

このように、(本当に正しいかの議論は置いておいて、)中小企業の成功のためのフレームワークが提示されており、診断士試験にも反映されていることがよくわかります。今回は概要の解説にとどめますが、次回以降より詳細な分析を行っていきたいと思います。

 

2.有効性が高い用語の、「定型化」があるようだ。

事例を解く際の型を強固なものにするために、中小企業庁が示す有効性が高いホットワードのシャワーを浴び続けることが効果的かと思います。1.でも取り上げましたが、事例企業では有効性が高い用語も定型化されています。各社の成功事例を見ますと、事例IIIの鉄板のDRINK(D:データベース化、R:リアルタイム管理、I:一元化、N:IoTを活用したネットワーク、K:定例会などのコミュニケーション共有化)といった施策がよくでてきますし、「インターネットの黎明期」とか、「手書きの礼状」とかどこかで見たようなワードが出てきます。試験の作問においてこの企業リストを参考にされているんじゃないかと訝しんでおりますが、事例企業の取り組みを示す具体的な施策を把握することは、与件に出てくる施策のイメージ化が図れるだけでなく、今後の診断士活動での参考となる良き先発事例となるはずです。ただし、試験では与件にかかれていないアイディア解答は避けるべきなので、ご注意ください。

 

3.定性的だが、「定量性が乏しい」感じがする。

各事例企業の有効的な取り組み内容がよくわかりますが、実際にどれほどの効果が上がっているか見えずらい印象です。事例IIIの解答作成方針も、より定性的に書くイメージがあったので、試験に近い感覚がありました。有効的な取り組みのアイディアの源泉として活用するとよいと思います。

 

まとめ

前回と今回で、運営管理と事例IIIに出てくる加工技術と、実際にモノづくりで活躍されている企業の事例をご紹介しました。今現在、一次試験の勉強の真っ最中の方や、二次試験対策で数多くの事例を解いている方にとっては、「ちょっと気になるけど(正直あまり興味ない方が多数かも)、調べている時間がない話題」だと思いますが、今回の記事で中小企業のものづくりのイメージ化に貢献できていれば幸いです。

以上さいちゃんでした。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 


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