【渾身】企業経営理論~組織論の取り組みかた~【中小企業診断士試験】
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「今日は6月11日。傘の日です。」
といった感じで、カーナビが優しいお姉さんの声で今日は何の記念日かの雑学を教えてくれるのですが、コレけっこう好きです。
傘の日なのに雨降ってないじゃん、などお姉さん(カーナビ)にひとりツッコミを入れつつも、明日は何の日かなー?なんて楽しみにしています。
皆さま、こんにちは。ぴ。です。過去記事はコチラ
さて、今日で一次試験までちょうど1か月になりましたね。
これから「ラストスパートだ」と追い込みをかけようとしているかたもいらっしゃると思います。
特に暗記科目は中小を筆頭に、直前期に詰め込むほどスコアが伸びるので、スパートをかけることも良しです。
一方で、体調面のケアも忘れずにしてくださいね。今日が「傘の日」と言われるのは梅雨入りが多いことを意味しています。(参照元:雑学ネタ帳)
じめじめと蒸し暑い梅雨の時期は、体調を崩しやすいかたも多いようです。休むときは休む、適度に運動する、ビタミン補給するなどしっかりと健康管理もしていきましょうね。
本日は、企業経営理論の組織論の内容です。
組織論の取り組みかたについて読者様からリクエストを頂いたこともあり、
今回は、「組織論の問題で1マークでも多くゲットしたい」というかた向けの内容です。
私なりの企業経営理論の受験経験(4回)を踏まえ、最後には道場メンバーの力も借りつつご紹介していきたいと思います。
お時間のない方は、下のほうにある道場メンバーアンケート結果と最後のまとめだけでもサーっと目を通して頂けると嬉しいです。
今回お伝えしたいポイントは3つです。
① 正答問題数の目標設定をする。
② 過去問の年度や学習領域を絞り込み知識を強化する。
③ 出題者の意図や求められている知識を想定する。
なお、組織論は人的資源管理や労働関連法規の領域も含むという見方もありますが、今回は主に組織構造論と組織行動論に絞ってご紹介していきます。
労働関連法規については、11代目かーなの記事を是非ご参考にしてくださいね。
また、過去の渾身シリーズでも組織論について珠玉の記事で溢れています。
【渾身】企業経営理論(モチベーション理論) 10代目ブブ
【渾身】経営(二次にも一次にも使える組織論) 10代目kskn
【渾身!論点シリーズ】組織構造、組織形態 9代目ゆう
こちらもぜひご参考にして頂ければと思います。
それでは本日も宜しくお願いします。
contents
■正答問題数の目標設定をする
皆さまは何らかの組織に属しておられる方が多いと思います。
「まさにうちの会社は官僚制の逆機能が働いているわ」
「〇〇上司にリーダーシップ論を叩き込んでやりたいわ」
など、内容を身近に関連付けた学習ができているのではないでしょうか。
一方で・・・過去問でいざ組織論の問題に取り組んでみるとどうでしょう。
やたらと深い知識が問われる問題や今まで見たことのない言葉、用語が出てきたりしますよね。
「学習してもなかなか正答率が上がってこない・・・。」
「こんな深い知識を復習しても意味があるのだろうか・・・。」
など、感じておられる方も多いのではないでしょうか。
このように組織論は馴染みやすい領域でありますが、相対的に難易度が高い問題が多いです。
理想(身近の経験に絡めて解ける)と現実(だけど難しい問題が多い)のギャップを踏まえた目標設定が必要です。
ここで経営理論の過去問データを確認しておきましょう。
過去10年のデータを見ると、組織論は平均9問出題され、出題割合は全体の約22%です。
一方で、難易度別のABランク数で見ると、平均3問程度となり、全体の約15%に低下しています。
この傾向は10年間ほぼ変わらず続いておりますので、今年の試験でも同数程度と見てよいと思います。
以上を踏まえ、組織論の現実的な目標は、
先ずは、約3問出題されるABランクの問題は確実に死守すること。
そして、その他約6問出題される難易度の高いCランク以下の問題は2択(あるいは3択)に絞りこむことです。
(出典:SLAM DUNK(スラムダンク)作者:井上雄彦 出版:集英社)
この死守と絞り込みによって、
組織論の正答問題数の目標は、合計で5問程度で十分ではないでしょうか。
うーん。5問程度の正答数を目指すことはしぶしぶ分かった。
で、あと1か月で具体的にどうするのよ?
以下、過去問の学習面や本試験での対応面での対策をご紹介します。
■過去問の年度や出題領域を絞り込み知識を強化する
2つ目は、あと1か月の学習計画のご紹介です。
学習範囲を広げたくなる気持ちを抑え、逆に絞り込みのプランが有効です。
1.過去問の年度を絞り込む
私のオススメは、これから試験1週間前までは直近3年分の過去問を優先的に取り組むことです。
直近3年分とする理由は、勉強時間が限られているというのもありますが、一番には出題者によって文章の表現や不適切な選択肢のポイントが違うためです。出題者が同じ可能性の高い直近の年度を優先的に解くことで、本番対応力を磨きます。
具体的には、これまで学習した知識と実際に出題されている問題文の言葉を結びつけることで、出題者が何を求めているのか、どの知識を試そうとしているのかを最終確認します。
これによる効果は、後にもご紹介しますが、出題者の意図を直前期に深めておくことで、本番で2択で迷ったときなど「なんとなくこれかな」と選ぶときの助けになります。
また、試験一週間前までとしたのは、私は試験1週間を切ったタイミングから、TACの基本テキストをじっくり読み込み、知識の総復習をしました。
試験超直前期は超集中状態(ゾーン)に入るため、頭の整理術が研ぎ澄まされ、体系的な理解が深まる感じがしました。
これから学習計画を立てるかた、または計画を見直そうと考えているかたは、もし宜しければ参考にしてみてくださいね。
2.学習領域を絞り込む
組織論は組織構造と組織行動に分かれますが、出題頻度でみると組織行動のほうが多いです。
ただ、横断的な知識が問われる問題もありますので、組織構造も頻出論点はしっかり復習しておきたいです。
では、過去10年分のデータで頻出領域をあらためて確認しておきましょう。
この項目に分類できなかったその他の問題もありますが、出題頻度に偏りが見られるのが分かると思います。
緑色で強調した4つの領域については、ほぼ毎年出題されていますので、知識の強化が必須です。
出題領域を横断するような問題への対応力を高めるためにも、頻出領域のブラッシュアップをしてはいかがでしょうか。
■出題者の意図や求められる知識を想定する
3つ目は、主に本試験での対応面についてのご紹介です。
企業経営理論に関わらず、診断士1次試験はマークシート方式なので、選択肢同士の相対評価によって「最も適切な」もしくは「最も不適切な」選択肢を選ぶことも試験対策上では必要です。
一方で、全ての問題に対して、各選択肢を細かく解釈していくと、私の場合には時間不足になるなどの問題が生じていました。
私と似たような問題や悩みを持つかたもいらっしゃるかもしれませんので、失敗談を踏まえた対策をご紹介させていただきます。
出題者の意図を想定する/時間の感覚を掴む
企業経営理論の設問文は堅っ苦しくて読みづらい。また、文章表現が曖昧で言葉の意味の解釈が難しい。
などの特徴があるため、一つひとつの選択肢を細かく解釈しようとした場合に以下のような失点パターンに陥っておりました。
・解釈に時間がかかってしまい時間不足になる。
試験中には問題の難易度が分かりづらいため、どの問題も同じように時間をかけてしまうと、比較的易しい問題を解く時間がなくなる可能性があります。
結果として、確実に取るべきA・Bランクの問題への正答率に影響が出てしまう恐れがあります。
・第一印象で選んだ選択肢に迷いが生じて変えてしまう。
選択肢を細かく解釈すると、第一印象で「知識的にはコレが正解だろ」と選んだのにもかかわらず、迷いが生じてきます。
例えば、「いや・・・やっぱりこっちのほうが全体的に正しい事を言っている気がする」など、時間をかけて迷った挙句、選択肢を変えることです。
結果として、第一印象の選択肢が正解で、変えたことで間違えてしまったといったケースが多かったです。
対策としては、
選択肢毎に細かく吟味するのではなく、問題の冒頭にあるリード文との整合性で判断することや、リード文や選択肢から求められている知識を想定して絞り込んでいきます。
また、2択に絞ったあとに選択肢同士の優劣で判断するだけではなく、想定した知識にどちらが合致しているかで判断することも重要です。
その他、1問アタリにかけられる平均時間は約2分10秒ですので、時間的な感覚も掴んでおく対策も重要ですね。
ここで、昨年の過去問を題材に上記の内容について確認してみましょう。
〇R1年第13問 Cランク
初見で解いた際の私の思考を問題文に書きこみしています。
(注)現場対応的な書き込みですので、この問題の正しい解説は参考書等でご確認してくださいね。
パッと見では、情報処理モデルってマーケの消費者の購買プロセスのやつ?と戸惑いましたが・・・。
私は第一印象でウの選択肢が〇だろうな。と思いながらも、オの選択肢も正しい事を言っている気がして2択で迷いました。
ですが、いつもの「組織の変革」あたりと「外部環境と組織」の知識が横断的に問われているのではないか?と想定することで、たまたま正解のウを選ぶことができました。情報処理モデルや不確実性・多義性の除去といった言葉、用語の正しい知識は持ち合わせていませんでした。
たまたま、なんて言うと怒られてしまうかもしれませんが、企業経営理論では、この「たまたま」正解の確率を上げることが大事になります。
試験本番では、自信を持って選べる選択肢はごく僅かだと思います。多くの問題では2択まで絞れますが、どちらが正解か明確に判断できないといった状況になります。
そんな時にでも、正解の確率を上げるためには根拠を持って選ぶことが大事ですし、その根拠が過去問学習で学んできた知識や出題者の意図になります。
なぜなら、組織論の問題に限った話ではないですが、企業経営理論はD・Eランクの鬼ムズ問題を除くと、問題文の言葉、用語などを分かりづらくしているだけで、実は求められている知識は易しいものだったりすることが多いためです。
上で取り挙げた問題以外にも、R1年第20問のようなケース問題は、文章が長く一見難しいような印象を受けます。
しかし、過去のケース問題を見ても実は求められている知識は易しいことが多いです。
もし今年の試験でケース問題が出てきたら、「あえて長い文章にすることで受験生を惑わして難易度を高めているだけだ」と想定しておきましょう。
企業経営理論は、どの程度力がついてきているのか、合格点を確保できる実力にあるのか、ご自身で分かりづらいかもしれません。ですが、これまで一生懸命に学習して知識を積み上げられたと思います。最後はご自身の力を信じて、自信を持っていきましょう。
■道場11代目メンバー組織論アンケート
最後に、11代目メンバーへの組織論に関するアンケートの結果をご紹介します。
Q1.令和元年度の組織構造と組織行動問題の成績
結果を見ると、組織論の出来・不出来による総得点への影響度はさほど大きくないことが分かります。
誰も正解できなかった問題が3問ありますね・・・DEランク恐ろしや・・・
戦略論、マーケで得点を稼ぎ、組織論は5割程度の正答率で凌ぐことで合格点確保は十分狙えます。
Q2.組織論で、気をつけていたこと、工夫したこと、など
・言うは易し・・・ですが、会社がどうなりたいのか?(拡大したいのか、ニッチでプレミアムになりたいのか)と組織デザインの対応付けを常に意識しました。
・組織構造論、組織行動論、人的資源管理と幅広くて覚えるところが多かったので、最終的には完ぺきな暗記は諦め、企業勤めの一般常識メインで対応しました。
・組織論はボロボロでした。初めて聞く理論名や人名が多々出てくる印象があったので、勉強法としてはスピテキ以外の内容は諦めるという姿勢で、戦略論とマーケを頑張るようにしました。
・自己採点しながら魂抜けました。組織の設計原則、形態、ライフサイクル、リーダーシップ類型&モチベーション理論などテキストに記載されている重要論点はインプット段階で覚えました。アドホクラシー文化とかヒューリスティックとかは過去問鶏ガラで一応覚えました。環境変化対応が重要そうだったから、高次学習とかリッチ情報とかスラック資源とか関連付けて覚えました。それ以外は経験値から推測し、言葉自体が未知の問題は潔く諦めました。
・第24問の選択肢アの横に「オニか?」とメモ書きしてありました(笑)科目合格した翌年も受けたほど得意科目と信じてたのに、R1年は足切り寸前で震えました。
組織論について苦労したコメントが多いですが、テキストに記載されている基本的な知識はしっかり抑えると共に、自身の経験と関連付けて対応したようです。
一方で、未知の用語が出るなど鬼ムズ問題が出題されることをあらかじめ想定し、深追いしない戦略を立てていますね。
■まとめ
今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございます。
企業経営理論で合格点を突破されることを心より応援しております。
ぴ。でした。
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ご教示有難うございました。
5割を目指し、タイムマネジメントを意識して過去問に励む事ですね。大変参考になりました。
選択肢が長文で、しかも5択が多いのは90分の試験で最後に回すとしてもボディブローで効いてきますね。
泣き言を言わず練習在るのみです。
今年こそ様
コメント頂きありがとうございます。
参考になったとのこと、すごく嬉しいです!
(お昼休みご飯食べながら今年こそさんのコメントを見て、ヨシ!っとガッツポーズしました笑)
企業経営理論は90分ありますが、解けど解けど終わりが見えてこないなど焦りも得点に影響してきますので、タイムマネジメントも大事ですね!
これから1か月、短いようでまだまだ時間はあります。体調面にもお気をつけて下さいね。
今年こそさんからの吉報を心よりお待ちしております。重ねて、コメントありがとうございました。